ある日の日曜日………
「奏姉さん、俺はこれ位で良いよ」
「弟が気にする事はありませんよ。姉として当然の事をしてるだけですから」
武昭と奏がデパートに買い物に来ていた。
「けど、姉さんの能力はある意味お金が無いと……」
(良いから、たまには私の言う事を聞いてなさい)
奏は耳打ちをすると家での態度に戻った。
「分かったよ奏姉さん、
「では、次は向こうの店へ行きましょう」
「そういや……こうして歩いてたらデートしてるみたいだね」
「デ、デ、デートって私達は姉弟なのですよ!!」
「ごめん変な事を言って………けど奏姉さんは綺麗だから……」
「そ、そうですか……(もーう!何で武昭ってそういう事を普通に言うのよー!!)」
「姉さん!顔が赤いけど、どうしたの!?もしかして熱中症かも………
ちょっと待ってて!今飲み物買ってくるから!」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!武昭……行っちゃいましたか……
少し早とちりですけど、本当に優しいですけどね……」
奏は近くのベンチに座って武昭を待っていた。
暫くして武昭が戻ってきたので2人は昼食を食べる事にした。
「姉さんは何が食べたいの?」
「そうですね……私は何かさっぱりした物が良いですね」
「さっぱりした物か………だったら、そこの蕎麦屋にしようよ」
2人は店を見つけると中に入った。
「じゃあ俺は……天ざる三枚とカツ丼を一つで」
「本当に武昭はたくさん食べますね……
では、私はもり蕎麦を一枚にしておきます」
「はい、かしこまりました」
料理が来るまでの間、2人は話していた。
「そういや、今日は何で俺の服を買う事になったの?」
「演奏会の時に話してたではないですか?」
「あぁ、あの時の………それで、こうしてるんだ……
てっきり俺は奏姉さんがデートに誘ってくれたんだって喜んだけどね」
「そ、それも少しはあるんですよ………」
奏で赤い顔をして上目遣いで見たので武昭も照れていたが注文の品が来たので食事をした。
食事を終えて2人は公園で休んでいた。
「うーん……たまには、こうやってノンビリするのも良いわね………」
「姉さん、いつもの感じに戻ってるよ」
「あら、良いじゃない、ここはカメラが無い所だし
周りにも誰もいないんだから」
「そうだね……けど、俺はそっちの方の姉さんが好きだけどね
「武昭が、そう言ってくれるのは嬉しいわよ……
けどね、私はどうしても王様になりたいの………」
「奏姉さん………分かった、そこまで強い決意なら俺は何も言わないよ……
けど、何か困った事があるならいつでも言ってよ……
俺は奏姉さんの弟なんだからさ」
武昭がヘヘッと笑うと立って奏に手を差し出すと奏はそれを握って立ち上がった。
「ありがとう武昭………じゃあ帰りましょう」
「そうだね、そういや今日の夕飯て何だっけ?」
「確か………(武昭………必ず私が王様になって……)」
奏は武昭と手を握りながら何かを決意していた。