城下町の錬金術士   作:北方守護

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第6話 日曜日(後編)

武昭はビルを登ってる途中に光の所に向かった。

 

「ほら光、大丈夫か?」

 

「うん!ありがとう!アキちゃん!!」

 

「じゃあ、ちゃんと掴まってろよ!」

武昭は光を背負うと、そのままビルの屋上に飛び降りた。

 

「ふぅ、ここからは自分で頑張るんだ」

 

「分かったよアキちゃん!」

 

「さてと、俺も集めないとな……「コラ」痛っ」

武昭が誰かに小突かれたので見ると修だった。

 

「何するんだよ、修兄」

 

「あまり、危ない事はするな……怪我でもしたら俺達が悲しむだろ……

()()()みたいな思いはもう……」

 

「悪かったよ、修兄……じゃあ人形を集めますか罰ゲームをしない為に」

 

「それは、こっちのセリフだ………ん?何やってるんだ?あの2人」

武昭が修と同じ方を見ると茜が遥と一緒に空を飛び回っていた。

 

「多分、遥が茜に何かしたんじゃないの?」

 

「武昭の言った通りだろうな……なっ!?」

修が見てると暴れた茜と遥が輝に突っ込んでいくのが見えた。

 

「危ない!輝!!」

 

「修兄!俺も一緒に行くよ!!」

 

「くっ!輝!!武昭!!」

 

「こっちは俺に任せて!!」

2人は瞬間移動で輝の所に移動すると修は輝を連れて移動し

武昭は落ちていた数個のヌイグルミを錬成して巨大なクッションを作り出した。

 

「痛たた……大丈夫?茜姉さん武昭兄さん」

 

「うん……大丈夫だよ遥……ありがとう武昭」

 

「全く……何をしてたかは分からないけど危ない事は……チッ!」

武昭はポケットにあった水を使って水蒸気を錬成した。

 

「ゴホッ、急にどうしたの兄さん?」

 

「茜!下を見てみろ!!」

 

「えっ?下って……えぇぇーっ!?

茜が自分の下を見るとスカートが無くてパンツが丸見えになっていた。

 

「な、な、な、なんでぇ〜?」

 

「多分さっき修兄が輝を助ける時に何らかのハズミで一緒に瞬間移動したんだろ?

ちょっと待ってろ………ほら、これを履いておけ」

武昭は自分の上着を錬成するとキュロットスカートを作って茜に履かせた。

 

「う、うん……ありがとう武昭……上着ごめんね……」

 

「気にするな、それ位何ともないから、それよりも……

早くヌイグルミを集めた方が良いんじゃないか?」

 

「あっ!そうだった!急がないと!」

 

ビィーッ!

茜が動き出そうとした時に終了のサイレンが鳴った。

 

「えっ?これって………終わったの?」

 

「あぁ、どうやら罰ゲームは茜みたいだな」

 

「えぇーっ!?そんなー!!」

茜の叫びが空に響いた。

 

その日の夜………

 

「遥も知ってるだろ?茜が恥ずかしがり屋って事は?」

 

「う、うん……」

 

「それに茜も恥ずかしいならスカートを履かなくて良い様にしろよ」

 

「はい……反省しております……」

リビングで武昭が茜と遥に注意していた。

 

「ほら、武昭君、2人も反省してるから、そこまでにしてあげて」

葵が武昭を止めた。

 

「うーん、分かったよ葵姉さん、まぁ茜も遥も無茶はするなよ」

 

「全く……一番無茶してるのは武昭じゃない」

 

「そうかもね奏姉、俺が一番無茶してるよね……

さてと、悪いけど俺は先に休ませてもらうよ、今日は疲れたからね」

武昭は自分の部屋に向かった。

 

(分かってるなら止めなさいよ………

武昭が()()()()()()()()()()………)

奏は何かを考えていた。


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