城下町の錬金術士   作:北方守護

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第13話 一歩

櫻田家のリビングで年長者達が再度、家事のくじ引きを行い、その結果……

 

「また、買い物ー!?」

人見知りの茜が買い物のクジを当てていた。

 

「なんで、また私なの〜……」

 

「神さまが茜の人見知りを治す為にしてるんじゃないのか?」

 

「そんな〜神さまなんかいる訳無いよー」

 

((((案外、それかも……))))

武昭と茜以外の年上組が同じ思いを感じていた。

 

「なら、俺が変わってやるか?」

修が茜に提案をした。

 

「良いの!?修ちゃん!!」

 

「ただし、そのツインテールの位置を2週間上にあげたらだ」

 

「2、2週間……1週間になりませんか?」

 

「茜姉様!だったら僕にやらせてください!」

茜か悩んでると輝が話に入ってきた。

 

「輝はまだ小さいんだから家事をする必要は無いんだよ?」

 

「でも!僕が成長する為には試練が必要なんです!!」

 

「そうか……だったら、今日の買い物は輝に任せよう」

 

「はい!ありがとうございます!修兄様!!」

 

「なら……私も行く……」

栞が輝と一緒に行くと言った。

 

「駄目だ栞!これは僕がやらなきゃいけない試練なんだ……どんな危険があるか分からないんだぞ……」

 

「それでも……私も……一緒に行く……」

 

「分かった……けど絶対に僕から離れるんじゃないぞ!!」

 

「うん……」

輝と栞は買い物に向かった。

 

「うーん……遥……2人が危ない目に合わないか調べてくれないか?」

 

「良いよ、僕も気になるからね……うん輝と栞が危ない目に合う確率は9%だね」

 

「9%か……大丈夫だとは思うけど……ん?何してるんだ?」

武昭が視線を向けた方では茜が光の能力で子供になっていた。

 

「ねぇねぇ!聞いてよ!茜ちゃんが7歳って言うから7歳にしたら違うって言うんだよ!!」

 

「私はちゃんと24,5歳って言ったわよ!!」

 

「あぁ……多分茜が言ったのは24,5歳から2()7()()って言いたかったんじゃないのか?」

 

「そうだよ!アキちゃんの言う通りだよ!!」

 

「だったら、ちゃんとそう言ってよー!!」

 

「確かに茜も、ちゃんと言わなかった所為でそうなったんだからな自己責任だ」

 

「えぇ……分かったよ……それよりも早く輝達を追いかけないと!!」

 

「あっ!待ってよー!!」

茜と光は慌てて輝達の後を追いかけた。

 

「うーん……何か嫌な予感がするけどなぁ……」

 

「じゃあ僕の能力で見てみる?」

 

「いや、俺が行ってくるよ。ちょっと軽く本屋にも行きたいからな」

 

「じゃあ、私も一緒に良いかしら?」

武昭が出ようとした時に奏が声を掛けた。

 

「まぁ奏姉さんが良いなら」

 

「分かったわ、じゃあ着替えてくるから少し待ってて」

 

「なら俺は玄関にいるから」

奏が自室に行くと武昭は玄関に向かった。


武昭と着替えた奏は街中で腕を組みながら歩いていた。

 

「奏姉さん、歩き辛くないの?」

 

「大丈夫ですわ、武昭となら丁度いい差ですから」

2人が歩いていると街中の人達から「仲が良いね」など言われていた。

 

「そう言えば、今の武昭はどれほどの身長なのですか?」

 

「確か直近の健診の奴で178cmだったっけ」

 

「私は160cmでしたわ……そんなに大きくなったのですか……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「奏姉……あの時の事は俺がやりたくてやった事だから気にしなくて良いよ……」

武昭は奏が落ち込んでいる事に気付いていつもとは違う呼び方をした。

 

「ですが……()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「起きた過去は変える事が出来ないんだ……だからこそ俺は奏姉には笑っててほしいんだ……

それだけでも俺がやった事に意味が出来るから……」

 

「武昭……分かりましたわ……さぁ、本屋に行きましょう……」

 

「うん、そうだ……ドゴン!!何だ!?今の音は!!」

 

「武昭!向こうからよ!!」

武昭と奏が音のした方に向かうと地面に凹んだ跡があった。

 

「一体、何が合ったの?……」

 

「特に爆発物が爆発したって訳でも無いな……ん?」

 

「武昭、どうかしたの?」

 

「奏姉、あれを見なよ」

奏が武昭の指した方を見ると輝と栞が手を繋いでいた。

 

「多分、輝が何らかの事情で能力を使ったんだよ……例えば……」

 

「栞の為にって事?……全く…私の兄弟達は……」

奏は何処か嬉しそうな笑顔をしていた。

 

「さてと、このままじゃ危ないから直しておくか」パン

武昭が両手を叩いて地面につけると道路が元に戻った。

 

「じゃあ俺達も帰ろうか、奏姉」

 

「えぇ、そうね……(やっぱり武昭は何か私達とは違うわ……)」

奏は武昭が能力を使った所を見て何かを考えていた。

 

 

 

 

 


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