この弱すぎる竜王国に爆裂娘を!   作:れんぐす

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漆黒聖典のメンバーの口調はほぼオリジナルです。
書籍読んだのもう半年前なのであんまり覚えてない……




漆黒聖典たちは物語が始まり出したことを悟った

 スレイン法国の首都は、又の名を神都と呼ばれる。

 国を造ったと言われる六柱の神がその身を降ろした地だからだ。

 

 行政区である神都には、一般の法国民の立ち入ることの出来ない区域が多数存在する。

 神都の各方角に散らばる六属性の神殿、そして中央にある大神殿もその一つだ。

 

 

 中央の大神殿の再奥には、法国で信仰されている六大神のうち、五柱の装備品が安置されている部屋がある。

 

 幾重もの探知阻害魔法により、厳重な保護環境で安眠していたこの部屋の主────”絶死絶命”は、隣の部屋が騒がしくなってきたことに気づいて目を開いた。

 

 床に寝転んだままで、扉を挟んだ隣の部屋の状況を推測する。

 向こう側は、最高執行機関や漆黒聖典が会議を行う際に使用する議場だ。

 

 大きなものを持ち上げ、そして下ろす振動が頭に響いた。

 隣の部屋で円卓を動かしているのだろうかと思い至り、そうなると行われる事はおおよそ見当がつく。

 

 ”絶死絶命”は仰向けで逆さに見える扉を見ながら、声に出して小さくカウントを始める。

 

 

 「さん」

 扉の向こうのざわつきが収まり始め、大きな球体の転がる音と小柄な体躯の足音だけになる。

 

 「にー」

 水晶の転がる音は議場の中心辺りで止まり、扉の前に小柄な人物の足音がやってくる。

 

 「いち」

 軽い音を立て、扉がノックされた。

 しかし”絶死絶命”は返事をせずに、勝手に開かれるのを待つ。

 

 「ぜろ。……ぜろ、……ぜろ」

 

 

 

 三度ゼロをカウントした時、ドアノブを捻って扉が開かれた。

 

 「──失礼するよ、”絶死絶命”。重要な会議なので、貴女にも参加していただきたい。…………いやに不機嫌そうだね。もしかして、僕が起こしたかな?」

 

 「そうだけど、違う。遅いよ。想定よりも二秒も遅い」

 

 ”絶死絶命”は不機嫌さを全面に出しながら、抗議の視線で扉を開いた男の顔を見上げる。

 幼さは残るものの、凛々しさが勝る顔立ちの青年────漆黒聖典の隊長だ。

 

 「たったの二秒で遅れか。手厳しいね」

 

 隊長は苦笑いをしながら、陶器のような白さのお腹を露わにした、下着姿の”絶死絶命”の体に厚手のマントを被せる。

 

 「私に二秒あれば、隊長なんか頭から壁にめり込んでるよ──へくちっ」

 

 「……そちらの方は暖かいようだけど、議場は室温維持魔法が掛かっていない。それを巻いて出てくると良いと思うよ」

 

 「……うん。わかった」

 

 ”絶死絶命”は床をごろごろと転がってマントを体に巻き付けると、体をバネのように跳ねさせて器用に立ち上がった。

 

 「腕は出さなくていいのかい?」

 

 「もう遅い。別にいいよ」

 

 ”絶死絶命”が議場に出ると、円になって立っていた11人の視線が彼女の姿を追った。

 円卓は部屋の端に寄せられていて、多人数が広がっても余裕がある空間が作られていた。

 

 

 

 「…………へぇ、番外席次を参加させるんだ。珍しいね。それほどの事なの?」

 

 口を開いたのは第七席次の少女だ。

 六大神の時代から法国に伝わる由緒ある女子用の戦闘服、『ヴ・レイ・ザー』を着ている。

 茶色に染め抜いた髪を、兎の耳に似た黒いカチューシャでまとめている。

 手に提げている鞄の中からは、まるでこの世のものとは思えない怪しげな存在の気配が漂っていた。

 

 「会議の報告なら書類にすればいいけど、映像なら見てもらった方がわかりやすいと思ったんだ。異論があるかい?」

 

 「あるわけないと思うけど。誰も文句なんか言えないし」

 

 隊長は全員を見渡すも、反論をする者は一人としていなかった。

 

 

 「────それじゃあ”占星千里”。よろしく頼む」

 

 「ふゃぁぁ~い。……《くりすたる・くれやぼやんす/水晶の千里眼》、《くりすたる・もにたぁ~/水晶の画面》」

 

 

 円の中心で大きな赤水晶の上に座っていた女が、やる気のなさそうな声と水晶と共に、ゆっくりと議場上へ浮かび上がる。

 

 ”占星千里”と呼ばれた浮かび上がっている彼女──第十一席次は、『魔女です』と言わんばかりの大きな帽子を被っている。

 服装はまるで寝間着を着崩したようなあられもないものであり、豊満な胸の北半球や艶やかな太腿、本来は恥じて隠すべきである下穿きに至るまでが晒されていた。

 

 ”占星千里”はふわふわと浮遊しながら、同じように浮かんできた赤水晶を優しく抱きとめる。

 まるで赤子を愛でるように、頬を擦り付けるようにして体全体を使って包み込む。押しつぶされた柔らかな乳房が球面に沿って、むぎゅう、と形を変えた。

 すると赤水晶から魔力が放出され始め、押し出された空気がつむじ風となり議場をうずまき始めた。

 

 三つ編みにされた彼女の長く青い髪が逆立ち、”占星千里”の体の隙間から、赤水晶の放つ紅蓮の輝きが溢れる。

 強まった紅蓮の輝きが全員の視界を奪い、そしてそれが収まった時。

 

 

 漆黒聖典の目線の高さで浮遊する赤水晶は、球体状のモニターになっていた。

 ”占星千里”は浮遊したまま赤水晶から離れ、その上に浮かぶ。目を閉じた彼女が両手両足を用いて魔法の操作を始めると、モニターの映像は急速に鮮明さを増して行った。

 映っているのは、ビーストマンの国の方角から竜王国の王都に入るための、砦を兼ねた巨大な門だ。

 

 「ほのぉのはしらのできたぁ~、とこらへんでいぃい~?」

 

 「あぁ。まずはその場所を映してほしい」

 

 「りょぉ~か~い」

 

 ”占星千里”は恥ずかしげもなく大股を広げて脚を捻り、動かし、映像を巧みに操っていく。

 間もなく目当ての場所を見つけ、両手でピントを合わせた。

 

 

 「ふぅむっ、この巨大な隕石孔のような跡が、炎の柱が出現した場所なのですねェ。それにしてもアホみたいに大きい窪みであるなァ!」

 

 感想を述べたのは第二席次だ。

 身長の低さを隠すような厚底のブーツを履き、黒と深緑のスーツを着こなす、まるで貴族のような人物である。

 声も外見も、本人に聞く以外で性別を判断するのは難しいと思わせる。

 頭の上には小さなシルクハットが載っていて、一房だけ後ろへと伸ばした髪に、先端に刺がついた白い針金紐が巻きついていた。

 

 第二席次は竜王国辺境に出来たクレーターを見て、隊長の意見を仰ぐ。

 

 「して、隊長殿。これは一体何の跡なのだと思うのかねェ?」

 

 「最高執行機関では、竜王国の奥義である始原の魔法(ワイルドマジック)だと判断されたね。僕としても、それ以外に考えられないと思う」

 

 

 「……奥義である始原の魔法(ワイルドマジック)を発動したという事は、何か危機的な状況を打破するため、という事ですわよね」

 

 新たな声は、映像の眩しさに目を細めた第四席次のものだ。

 小さな白い翼をこめかみの辺りに持ち、輝かしい金の髪を黒いベールで覆っている。

 全身を桃色と白色の修道服で包んでいるものの、その腕には、彼女の慈悲深い微笑みに似つかわしくない無骨なガントレットが嵌められていた。

 

 「方角的には、間違いなくあの知恵のないアホな獣どもの軍勢だと思うがねェ?」

 

 「そうと決めつけてよろしいものなのでしょうか?野党や盗賊団という線はありませんの?」 

 

 「第二席次、第四席次。共に意見はわかった。──これも上の判断なんだけど、始原の魔法(ワイルドマジック)の対象はビーストマンだと目されているよ。いくら規模が大きくても、軍隊でもない人間の集団に国家の切り札を切るのは、思慮深い竜王女の判断とは思えないそうだ」

 

 隊長が説明を終えたところで、黙って腕を組んでいた男が口を開いた。

 

 

 「そこまで判断をされているのであれば、我らを集めた理由は一体どのようなものか?……なにか行政者には分からぬことで、我らのような戦闘集団に意見を募いたいことがあるのだろう?」

 

 問を投げたのは第三席次だ。

 黒いフードにローブを纏い、しわがれた声を出す口と掌以外の全てを隠している。

 周囲には魔法を行使する際の触媒となる、棘のついた赤い半球を漂わせていた。

 

 フードの下からの鋭い視線を感じた隊長は、早々に問題提起をすることに決めた。

 

 「──────これは、本当に始原の魔法(ワイルドマジック)なのだろうか?何かしらの位階魔法やマジックアイテムで、これに似た破壊力を作り出す事は出来ないか?」

 

 「……難しいであろうな。研鑽に研鑽を重ねた我が魔法でも、直径にしておよそ二百メートルにもならんとするこの範囲を一撃で抉りとる威力を叩き出すのは困難と見受けられる。竜王国の王都と目と鼻の先であるという点からしても、かの伝説の始原の魔法(ワイルドマジック)であると考えるのが無理のない思考であろう」

 

 漆黒聖典の中でも特に魔法に長けた第三席次の諦観にも似た言葉に、隊長は嘆息する。

 

 その反応に、この場にいる全員は彼の考えを察した。

 始原の魔法(ワイルドマジック)ではない可能性を考えたがっているのだ。

 

 

 沈黙が部屋を包んだ後、カチューシャの黒い耳を揺らしながら、第七席次が皆が思っていたことを代弁して口にした。

 

 「竜王国側はなにか発表してないの?ここまで大きな爪痕が残るんだったら、何かしら説明があってもおかしくないと思うんだけど」

 

 「……今夜大きな発表があるということを竜王国の行政が触れ回っているが、それでは間に合わないんだ。その発表の前に、こちら側が事態を完璧に把握していなければならない。──なにせ、陽光聖典が派遣されないことに対するこちら側の返答の使者が、既に送られている。会見は夕方。会見の最中に今回の件について知った素振りを貫き、万一それが間違っていた場合は大惨事だよ」

 

 「今日起きた事件なんて、そんなのその日の夕方までに仔細を把握できるわけないじゃん。知らない存じないで通せないの?」

 

 「無知をさらけ出した挙句、偽りの情報を掴まされたらアホみたいではないかと思わないのかねェ。……切り札である始原の魔法(ワイルドマジック)を使ったということは即ち、これ以降は切り札じゃなく、通常の戦闘手段がそいつになるということかも知れないですよねェ?そいつぁつまり、始原の魔法(ワイルドマジック)以上の切り札を得たってことに違いないということッ!」

 

 第二席次の叫びにも似た言葉に、魔法を行使し続けている第十一席次と隊長、そして”絶死絶命”を除いた漆黒聖典全員が恐れを見せる。

 

 始原の魔法(ワイルドマジック)の威力は、生あるもの無きものを区別せず、万物を容易く消滅させる極大なものとして神話に語られている。

 

 これまでの二世紀に渡り、竜王国の女王・ドラウディロン・オーリウクルスが始原の魔法(ワイルドマジック)を使用した例が無かったことから、多用することのできない伝家の宝刀であるとして法国上層部では考えられてきた。

 それを上回る何かを手に入れた、もしくは習得したとあらば、僅かな可能性であっても無視できるものではない。

 

 そして、心労はもう一つある。

 

 

  「…………話を断ち切って悪いが、陽光聖典の後釜は決まったのか?竜王国への使者にはどんな言葉を持たせたんだ?」

 

 今まで聞かなかった新たな男の声が湧いた。

 

 憂いを帯びた顔つきで問うのは、騎士の装いをした第六席次だ。

 狐の毛で出来たファーを首から掛けており、青と白で彩られた鎧を身につけている。

 

 漆黒聖典という部隊名の通りに、深い赤や黒を基調にしているほかのメンバーと違い、明るい雰囲気を醸し出している第六席次は、ある種異端のように目立っていた。

 

 彼の言葉に、隊長は首を横に振る。

 

 「決まっていない。予備兵では実力が足りないし、他の聖典から人を回す余裕もないみたいでね。竜王国へ送った使者には先延ばしの言葉を持たせたようだったが。……今年分の献金を受取りながらも陽光聖典を派遣せず、竜王国側に切り札である始原の魔法(ワイルドマジック)を使わせたとなれば、戦力で勝るこちらの国の立場がない。使者には、こちらの送る《メッセージ/伝言》を待たせている状態だよ。会見まで時間が無いのがつらいね」

 

 「……そうか。わざわざ聞いて悪かったな」

 

 「いや、実はイヴォン神官長から、竜王国へ臨時で漆黒聖典を出撃させるように頼まれていたんだ。君に聞かれずとも、この話し合いの中で話さなければならなかった事だよ」

 

 

 陽光聖典はスレイン法国において信仰されている六大神のうち、生の神に信仰を捧げる信仰系魔法詠唱者の部隊だ。

 漆黒聖典を含めて六色存在する聖典の一角であり、かつその中で最も戦闘任務が多い。

 

 七日ほど前にリ・エスティーゼ王国領カルネ村付近で消息を絶っており、その直前に村を襲った偽装部隊により、「アインズ・ウール・ゴウン」という死霊系魔法詠唱者の名前が報告に上がっている。

 ──狂気に駆られる可能性を鑑みて隊長自身以外の漆黒聖典には開示していないが、その姿は法国において信仰される六大神のうち死を司る最高神、スルシャーナを彷彿とさせるとのことも。

 

 もしもその魔法詠唱者が、戦闘に特化していた陽光聖典を殲滅していたのなら、その存在はただならぬ危険性を帯びている。

 上層部においては、破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)の復活の説も上がっている程だ。

 

 ただでさえそれで頭が痛いのにも関わらず、竜王国も放置できない。

 そんな状況を鑑みて、実働部隊でありながら理知的に会話のできる神人として、隊長は最高執行機関の老人たちに度々意見を求められていた。

 

 漆黒聖典のメンバーには悟られないように振舞っているが、隊長は毎度食事の前に、胃を癒すポーションを飲んでいた。

 

 

 「……俺でよければ、臨時の派遣剣士として腕を振るわせてもらうが?」

 

 自嘲するような笑みを浮かべた隊長に、第六席次が気を使って名乗りを上げる。

 しかし、隊長はそれを止めた。

 

 「ありがたい申し出だけど、それは難しいな。君が行くのは過剰戦力だし、君の戦闘に合う三人一組を考えると、第八席次と第十席次を動かさなきゃならない。そうなると本体の戦力が落ちて本来の任務に支障が出る」

 

 

 元第九次席”疾風走破”が法国を離反して以降、最高執行機関は漆黒聖典の扱いに慎重になり、そのメンバーが少数で行動するのは許可が下りない。

 最低でも三人一組(スリーマンセル)で動かなければならないのだ。

 

 

 漆黒聖典の各員には、それぞれ役割がある。

 皆の護衛として盾を持つ者、潜入捜査をするために数多の顔に化ける者、正面から剣を交わして敵を屠る者、──それでもどうしようもないときに圧倒的な力でねじ伏せる者。

 

 十二人で部隊として完全に完成・完結されている漆黒聖典は、一人でも欠ければその穴を埋める働きを誰かが補完しなければならない。

 それゆえに”疾風走破”が離脱した際には、彼女の役割であった敵の撹乱と暗殺を担うことができる”神領縛鎖”が選出された。

 

 そんな漆黒聖典において、三人が別行動するとなれば相当な戦力低下は免れない。

 元より個人個人がリ・エスティーゼの王国戦士長や、そこらに散らばるアダマンタイト級冒険者を軽く凌駕する実力の持ち主ではあるものの、万が一にも破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)と遭遇するようなことになれば、この戦力低下が大きな痛手になる事は間違いない。

 これは皆の知るところだった。

 

 

 「……漆黒聖典全体として陽光聖典の代わりに動ければ、それに越した事はないんだけどね。陽光聖典の消息に関係があると思わしき『アインズ・ウール・ゴウン』の調査をするっていう任務が、漆黒聖典全体への任務として既に下ってる。それを放棄はできない」

 

 

 「──であれば、私が行っても構いませんよ。私は漆黒聖典の中で、少数で行動するのに最も向いている能力ですし、獣どもを相手するのにも問題ないと思われます」

 

 新たな声の主は第五席次の男だ。

 家柄や出自の良さを想起させる落ち着いた振る舞いは、元第九席次”疾風走破”と真逆であるものの、彼女と血のつながった実兄である。

 エメラルド色と黒、そして真紅を取り入れられたローブを着ており、様々な種類の魔獣をテイムするためのマジックアイテムを全身に装備しているビーストテイマーだ。

 

 彼の進言に考えるところがあったようで、隊長は少し思案をする。

 彼の能力や強さ、彼が別行動することによる本隊への影響、そして共に同行させるメンバー。

 

 

 「……じゃあ、”一人師団”。君に頼むことにするよ。その二つ名を存分に発揮してもらえると助かる。同行者は第三席次と──酷使するようで済まないが、第十一席次で構わないかな?」

 

 

 呼びかけに応じ、顔を隠した黒衣の老人と、水晶の上に漂う2人の魔法詠唱者が是の意を示した。

 

 「我は構わん。軍を相手取るのであれば、我の魔法が本領を発揮する良い機会であろうからな」

 

 「わたしみょ~、いぃょ~。たいちょーについてぃっても~、おしごとなさそーりゃし~」

 

 2人の返事を聞いた隊長は胸をなで下ろす。

 第五席次も同行者に異論無さげな様子が、彼をさらに安心させた。

 

 「では、法国で連絡待ちの使者に、漆黒聖典の名を隠した上でその旨を伝えておきます。3人と”絶死絶命”を除いた他の皆は、カイレ様の護衛をしつつリ・エスティーゼ王国領へ潜入、死霊系魔法詠唱者『アインズ・ウール・ゴウン』の手がかりを探ります。3人は直ちに支度をして、本日中に竜王国へ向かうように」

 

 了解、という声が重なり、部屋に響く。

 そんな中、”絶死絶命”は赤水晶の画面に見入っていた。

 彼女は隕石孔の端に何かを見つけると、魔法を行使している第十一席次にそれをよく映すように言う。

 

 第十一席次が脚を動かし手を広げ、やがてそれがアップにされた時、漆黒聖典全員が興味の視線でそれを見つめた。

 

 

 「…………魔法詠唱者の被る帽子のようですね。その傍らにあるのは眼帯か何かでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 第三席次による魔法の転移で3人の漆黒聖典が竜王国の王宮前に着いた時、そのうちの1人である第十一席次の腕の中には、彼女のものでない大きな魔女帽と眼帯があった。




多数のお気に入り、感想ありがとうございます。
評価のゲージが赤の満たんになった瞬間、ガッツポーズでアインズ様に感謝しました。

更新頻度は相変わらずですが、以後も本作をよろしくお願いいたします。

9/7 17:50、第四席次→第三席次に名前を修正しました


追伸:第十一席次ちゃんのビジュアルがどストライクすぎてたくさん活躍させたいと思いました、まる。

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