僕は転生者だ。
僕は前の世界で死んでしまって、すごく神々しい光に出会った。
そこで僕は魔法先生ネギまの世界に転生するって事を聞いたのさ。
僕は嬉しかった。
魔法先生ネギまはすごくかわいい女の子が沢山いるし、何より大好きな漫画だったから。
魔法があって、冒険があって、エッチなハプニングがあって。
僕はだから光にどんな力を望むのかって聞かれて、誰よりも強い魔力を望んだんだ。
そうすれば僕にもきっと魔法が使えて、ネギくんたちと一緒に冒険が出来て、もしかしたら3―Aの女の子たちとも、きっと仲良くなれる。
僕は女の子とお話するのがすごく得意な訳じゃないけれど、友達と一緒になら大丈夫だった。
だからネギくんと友達になれば――。
だけどもうあいつらに会えないかって思うと、お父さんやお母さんに会えないかって思うと、とっても悲しい。
だから僕は生まれた時に、赤ちゃんとして見た事もない女の人から生まれたんだけど、わんわん泣いてしまった。
お乳を飲むか、寝ているか、それ以外はずっと僕は泣いてたんだ。
そんなある時、目が覚めたら僕はいつも寝ていた病院じゃない違う場所に居た。
目の前に居るのはすごく、僕が前の世界もあわせた中でも一番って言いきれる、美人の女の子がいた。
銀色の髪の、人形みたいに整った顔の女の子はまだ赤ちゃんの僕に話しかける。
「この子供が……取り込むために、逃れられないように、絡め取れば……」
その日から、僕はその女の子にお世話をされるようになった。
ご飯も、トイレも、勉強も、遊ぶのも。
ひと月が過ぎて、一年が過ぎて、五年が過ぎて、十年が過ぎて、僕は前いた世界と同じ12歳になっていた。
僕は起きたらすぐにとある部屋に行くことが日課になっている。
大きな機械から延びるチューブが僕に繋がれて、僕の身体から魔力が機械に移っていく。
きっと目の前で何かを書いている科学者みたいな人たちは、悪い人なんだろう。
大きな光の巨人が機械の近くにあるモニターに映ったこともある。
爆弾みたいなものの設計図も見たことがある。
それよりも、この世界で僕を産んでくれた人から誘拐して、僕をこの場所に連れてきているんだ。
きっと彼らは悪い人なんだろう。
だから僕は、ここから逃げなきゃいけないんだろう。
だけど――
「何か考えごと?」
そういって僕の隣の、すごく美人の女の子、セクストゥムは僕を見るんだ。
すごく白い、白くて細い指が僕の顎を撫でる。
ゆっくりとセクストゥムの身体が僕に近付いて、甘い甘い女の子の匂いに僕の頭はくらくらする。
目の前に整った顔がある。
僕の顔はとっても熱い、きっとトマトみたいに真っ赤になっている。
「ねぇ」
やわらかいセクストゥムが僕の肌に触れる。
「あなたはずっとここにいるの」
そう言って熱い息を吹きかけられて、膨らんだ股間に手を添えられたら、僕はもう何も出来ないんだ。
きっとここは悪の組織。
セクストゥムも悪い人なんだろう。
でも僕は、それでも僕は、多分どんなことがあっても、もう二度と――。