ちょっと雑かなと思っています。でもこれ以上どうやるのかも分からないので投稿します。
あまり、大事な話はしないのでつまらなくなるかなと思ったので出来るだけ細かいネタとか伏線を入れてみました。
話の進み具合は遅いかもしれませんが
丁寧に書くことを心がけています!
何故彼女がここにいるのか
何故彼女があの格好をしているのか
何故彼女がアレを握っているのか
何故?何故?何故だ___
疑問は尽きない。
数々の疑問があるが、その疑問に答えてくれるものは居ない。
この異変に聖杯戦争が絡んでいるのはもはや明白。
ならばなんとしてでも自分の家族を巻き込むわけにはいけないと。
関わらせてはいけないと固く決意した瞬間だというのに。
(ダメだったと言う事か・・・)
これが士郎の幻想でも妄想でもないのなら自分はもう既に手遅れだと言う事になる。
幻想だと__妄想だと__夢ならどれだけよかったか。
(あぁ、そうかよ!そういうことかよ!)
どうやらこれは回避しようのない運命らしい。
(分かっていたはず!)
――イリヤは聖杯である。聖杯である時点で聖杯戦争に巻き込まれる確率はほぼ100%に近い。だから、幾ら入念に注意しようとも聖杯として生まれてしまった時点で聖杯戦争とは切っても切れない縁が出来てしまっている。そんな星の元で生まれてしまった彼女はどうあがいても逃げ切れることはできないのかもしれない。
しかし、だからと言ってはじめから諦めるわけにはいかなかった。
天文学的な確率かもしれない、
奇跡に近い、人には叶えようのないほどの願いかもしれない、
だけど、それを防ぐ未来がゼロではないのなら・・・・・・
それだけで衛宮士郎は動くことが出来る
しかしその未来は彼女がここに居ることで砕け散ってしまった。
(フフ、どうやら世界は私達
もう笑うしかない。
これも一つの
一度巻き込まれた時点で後戻りなどほぼ無理だろう。
かつても思ったはずだ。
イリヤだけではない。
自分も聖杯戦争と縁がある。
この世界でも、アイツの世界でもだ。
衛宮士郎は聖杯戦争に巻き込まれる運命にあるらしい。
(憎たらしいな・・・・・・本当に!これが世界のルールだとでもいうのか!?これがオレ達の運命だというのか!これが世界の定めだとでもいうのか!ふざけるな!!そんな物に縛られてたまるか!負けてたまるか!諦めてたまるか!屈しないぞ!オレは折れない!絶対にだ!そんな運命なんてオレが修復不可能になるまでたたっ切ってやる!)
確かに彼女を魔術の世界から取り戻すのは絶望的だろう。
しかしだ、だからと言って諦める理由にはならない。まだ手はあるはずだ。出来ることがあるはずだ。
彼女が巻き込まれるのならば彼女の負担は士郎が受け持とう。
飛び火する危険は全て自分が切り落とそう。
危害を加える全ての事柄から守ることを誓おう。
(なんだ、はじめから決めていた事となにも変わらないじゃないか。やることが変わったわけじゃない。だが__)
巻き込まれた後と前じゃ意味が全然違う。
巻き込まれた後だとイリヤは少なからず裏の事情を知っていることになる。
だとすれば自分から危険へ飛び込む可能性もないわけじゃない。
それだけではない。
くどい様だが彼女は聖杯だ。聖杯戦争以外の理由でも彼女は魔術師にとっては極上の宝でしかない。
魔術の世界には自身の目的のためならば人徳や道徳などないものとする輩が多い。そんな相手にイリヤが捕らわれてしまえば士郎は自我を保っていられるか分からない。理想はそんなことが起こる前に阻止することだがそううまくいかないのが現実である。
(だけどやるしかない・・・いや、やるんだ。コレがオレの役目で俺の夢なんだから。)
イリヤには幸せになってほしい。
記憶にあるような不幸な人生を歩んでほしくない。
そんな不幸から彼女を守ることが士郎の夢である。
(降りかかる不幸があるのならば俺がその避雷針になろう。)
不幸には慣れている。
不幸に対する経験もある。
不幸程度に自分が負けるとも思っていない。
この程度、衛宮士郎にとってはどうと言うこともない。
元から運がいいほうではないのだから。
自分の分以外にも背負ったって変わるようなものでもない。
(いや、そもそも妹の苦労を背負うのが兄ってもんだからな。なにも可笑しい事じゃないさ。)
覚悟なぞとうの昔に出来ている。
後は自分の気持ちの持ちようだ。
自分の心が負けない限り、衛宮士郎は前へ進める。
決して折れることがない鋭く固い信念がある。
(そうだ、どんな時だってそうだったんだ。全ては自分自身との戦い。自分に負けない限り、俺に敗北はない。)
やることは決まっている。
俺はオレ達が思い通りに動くと思っている運命に宣言する。
だけどこれは、宣戦布告でも、復讐でも、逆襲などと言った大それたものでもない
もとより運命なんてものに直接何かが出来るわけではない
ならば抗ってやる
だからこれは、
私から大切なものを奪おうとする
抗戦だ
随分と長い間、思考の海に沈んでいたのだろう。
気がつけば魔法少女とその一方は魔法陣の中へと消えていった。
恐らく現実世界へともどったのだろう。
鏡面界へ残っているのは自分だけだ。
周りを見れば世界が崩壊しようとしているのが分かる。否、見ずともこの世界が崩れ落ちていっているのが分かる。
固有結界の崩壊と似たような感じだからだろう。このままここに残れば危険なことは士郎にも分かることである。
傷つき損だと思うところではあるが士郎は微塵もこれが無駄だったとは思っては居なかった。
来ただけでなにもしてはいないが収穫はあった。
カードの正体にも近づけたしこの異変がどれほど危険な事に繋がっているのかもはっきりとした。
なによりもこの一件にイリヤが関わっているのが分かったのが一番の収穫ともいえよう。
守るべき対象が事情を知っているだけで士郎も動きやすくなる。一瞬ではあるがイリヤに自分が魔術使いであることを暴露するのはどうかと思ったが、それは賭けに近いようなことである。
彼女が守られる存在のまま大人しくするような子ではないことを士郎はよく知っている。逆に事情を話すことで更にこちらの世界に足を踏み入れる切っ掛けになりかねない。
士郎が動きやすくなるのは確かにメリットではあるが士郎の中ではどんなことがあろうともイリヤの安全が第一である。自分の苦労と比較するのなら考えるまでもなく士郎はイリヤを選ぶだろう。なので暴露するという案はすぐに士郎の中で却下された。
「とりあえず・・・・まずは脱出だな」
行きと同じように解析した術式を展開し、小さな入り口を作り出す。
それはギリギリ人一人が入れるかもしれないほどの小さな穴。
カレイドステッキのようなスペックのない士郎にはこれが限界である。
出来上がった入り口に、士郎はその身体を無理やり押し込んだのであった。
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うん・・・・・・
(だと思ったよ!)
『どうしたんですかイリヤさん?頭なんか抱えて』
「いや、予想通り過ぎたのとこの近い未来に起こりうるであろう面倒くさい展開にちょっと思うことがあってね・・・・・」
恐怖と興奮の初バトルから時間は経ち、今は学校の時間。
遅刻しないように寝不足と格闘しながら無事に学校について、やっと一息つけると机に着いてみるとタイガーこと藤村先生が転校生を紹介してきました。
普段なら誰だろうと目を輝かせるところではあるけど今回は違う。
何故なら心当たりがあるから。
なんとその転校生は昨晩現れた謎の魔法少女だったのであった。
(別に転校してきたことに問題はない・・・・)
もしかしたら魔法少女同士、仲良くできるかもしれない。
魔法少女云々を抜きにしても新しいクラスメイトが出来るのは私にとっても嬉しい。
見た目も可愛いし私の周りには少ない大人しそうな子だしね。
だけどこういう展開にはトラブルやイベントがつき物である。
近い将来、彼女と私はとんでもない事態に巻き込まれる気がしてならないのだ。
「はぁ~、これから一体どうなるんだろう。」
『なるようになりますよ!きっと!』
それって何かが起きるようなフラグだと思うんだけど・・・・
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同時刻、士郎のクラスでもイリヤと同じように転校生が自己紹介をしていた。
イリヤと同じく、あの二人を見たときから転校生として紹介されるだろうとは士郎も予想していた。厳密には凛は復帰という扱いなのだが、説明するのも手間ということで一緒に来たルヴィアと共に転校生という扱いになっている。
もっとも士郎のクラスにいる者の大半は前から凛を知っていたためそのような説明も不要なのだが。
これから起こりうるであろう様々な面倒ごとに士郎は静かに頭を抱えて溜息を吐く。まさか士郎も時を同じくして妹と同じ仕草をしているとは思わないだろう。お互い、考えることや仕草が似てしまっているのはさすが兄妹と言えよう。なんでもないような事ではあるがこのような細かい所で兄と同じと言われるとイリヤは目に見えて喜ぶ。
とりあえず、このような事態は既に想定内だったので士郎は制服の下に昨晩製作しておいたマルティーンの聖骸布を身に纏っている。魔術回路は既に正常に開いてしまっている為、士郎が魔術使いであることがバレてしまう。優秀な二人であるため、また士郎自身も己の魔力を隠蔽できるほどの実力も才能もないのでここまで徹底にやるしかない。
カレンも士郎の事情を知っているので何かがあった時などは協力してくれるはずである。あの性格の彼女相手には苦労が絶えないがそれでも士郎は彼女には感謝もしているし信頼もしている。あまり気乗りはしないが彼女好みの麻婆豆腐でも作ってやるかと士郎は思うのであった。
最初の授業も終わり、休み時間に入ると転校生二人の周りには人だかりが出来ていた。
凛の周りではクラスメイト達が復帰してきた理由や簡単な世間話をしている。知り合いなだけあって転校生によくある質問攻めはあまりなかったようだ。しかしルヴィアは皆にとっては初対面である。それだけではなく、口調や振る舞いからお嬢様だと分かり、更には美少女と来た、これでは質問攻めは避けられないであろう。
身分から人に囲まれることに慣れているようで最初は余裕の表情と的確な返しをしていたがあまりにも質問が多く、途中から困っているのが見えてきた。
一度凛に視線を向けていたが凛はその状況を楽しんでいるようで、他の皆には気づかれないようにほくそ笑んでいた。そんな彼女にルヴィアも腹が立ったようでプイッと視線を元に戻していた。他のクラスメイトが気づいていない中、士郎はその相変わらずの二人に苦笑が漏れる。
しかしかつての主が困っているのだ、それを見て見ぬフリをするような士郎ではない。
自然に輪の中へと入ると、ルヴィアも他の皆のように好奇心を貼り付けたような表情をしていない士郎に気づき、首を傾げていた。
「質問のしすぎだぞ。まだ最初の休み時間なんだしこれからクラスメイトになるんだから質問の機会は幾らでもあるだろ?おじょ__エーデルフェルトさんも困っているみたいだし今はコレくらいにしておけよ。」
士郎の言葉に興奮していたクラスメイトは落ち着き、次々とルヴィアに謝罪し己の席へと戻っていった。それなりに時間が経っていたようで休み時間も後わずかという所だった。
静かになったのを確認し、士郎も席に戻ろうとするとルヴィアが彼を引き止める。
「待ってくださいな。ミスタ、貴方のお名前は?」
「わた_俺の名前は衛宮士郎ですよ。」
このまま席に戻るのもどうかと思ったので士郎は素直に自己紹介する。
「シロー?シェロウ・・・・シーロウ?」
自分の名前の発音に苦戦している彼女を見て、士郎はどこか懐かしそうな笑みを浮かべる。どうやら自分の名前は外国の人には少しばかり発音に手こずるらしい。
記憶にも自分の名前に苦戦している外国人がいくつか浮かび上がる。
「そうですね・・・・では私の事はシェロとお呼びになられては__いえ、どうぞ私の事はシェロとお呼びください。」
懐かしさからか、無意識に士郎は口調を治すことを忘れてそう提案してしまった。
ルヴィアと会話をする際はなるべく気をつけようと思ったはずなのにこれである。どうやら長年染み付いてしまった執事口調は一朝一夕では直せないらしい。
「シェロ・・・・えぇ、いい響きですわ。ではこれからはシェロと。しかしシェロ、これからは同じクラスの一員になるのですからそのように畏まった口調ではなく先ほどと同じような口調でもいいのですよ。」
「いえ__いや、悪い。ちょっと昔の癖でな、貴女・・・ルヴィアに対してああいう口調になってしまうんだ。直そうとはするけどそう簡単に直りそうにもいかないから畏まった口調になってしまう時もあると思うが許してくれるか?」
「そう、その昔の癖とやらには興味がありますがどうやら訳ありのようですわね。ならいいですわ。これからも仲良くしていきましょう、シェロ。」
「あぁ、こっちもよろしく頼む。」
互いに軽く笑みを浮かべると士郎は自分の席へと戻っていった。
ルヴィアのほうは先ほどの会話がお気に召したらしく機嫌がよさそうだ。お嬢様であるが故に初めて経験した今回の出来事にご満悦の様子。
凛のほうは困るルヴィアを目にすることが出来ず終いになってしまったので対照的に少し不機嫌であった。そのほかにも理由はありそうだがここでは割愛しておく。
*
「女狐が増えただって?」
いつも通り昼食の時間になり、士郎と一成は生徒会室で互いの弁当のおかずを交換していると一成が唐突に言い放った。
「そうだ、今日転校してきたエーデルフェルトは遠坂凛と同種だ。」
「つまり、彼女も一成の天敵って事だな。」
「なっ!いくら衛宮でも今の言葉は見逃せないぞ!」
「あー、悪い悪い。でも苦手なのは事実だろ?」
「むっ・・・確かにそうだが。女狐以前に俺は女性が苦手なのだがな。」
「まぁ、仕方ないさ誰にだって苦手なものはあるし」
お茶を淹れて一成に渡すとお礼と共に喉を潤した。一成が飲んだのを確認すると士郎も自分の分を淹れ、一成に倣ってお茶を啜る。
一瞬の静寂のすれ互いに息を吐く。
お茶を飲んで落ち着いたのか一成は止めていた箸を再起動させる。
その間に士郎は自分の弁当から一成と交換する分を弁当箱の箱の上に並べていく。
士郎の行動に気づいた一成も自分の弁当から交換するものを選び、士郎に差し出した。
「いつもすまないな」
「いいさ、俺もこれを楽しみにしていたりするからな。」
「そうか、そう言ってくれるとこちらも気が楽だな。衛宮の手製の料理が好きだが
セラさんの料理も衛宮に劣らず美味であるからな。」
「本当は俺が作りたいんだがうちのセラは俺が家事を・・・・特に料理をするのに反対でな。」
「確かそうであったな。しかし、それは残念だな・・・・。俺も衛宮の手料理をもう少し楽しめたらいいと思ったのだがな。」
「そうだな・・・・・・ふむ、今度から俺の当番の時だけだが一成の分も作ってくるってのはどうだ?」
何気なく士郎がそう言うと一成は目を見開いて口に入っていた食事を喉に詰まらせてむせてしまった。
いきなりの出来事に士郎も吃驚し、しかし迅速に自分のお茶を手渡し、一成の背中をさすってやる。お茶を飲んだことで詰まっていたものを流し込むことに成功した一成は呼吸を整えると士郎に掴みかかる勢いで聞き返す。
「すっすまない、しかし!さっきの言葉、あれは真か衛宮!」
「えっ?あっ、あぁ一成がよければだけどさ」
士郎からしたら何故一成がいきなりむせたのかに疑問を持っていたのだが一成はどうやら気にしていないらしい。実際は喉を詰まらせたことよりも士郎の発言の真意を問いただすほうが一成にとって大事であっただけなのだが。
「衛宮の弁当が食べられるのだ、俺からしたら良いに決まっている。しかしいいのか衛宮?俺の分ともなればいささか面倒ではないか?」
どうやら落ち着いてきたらしく、さきほどとは勢いが減ってきている。
「いや、一人増えるぐらいたいした手間じゃないさ。」
「本当は遠慮するところではあるがどうやら衛宮の手製ともなると俺も自制できないらしい。これも俺の修行不足か・・・・」
「ははっ、そこまで言われると俺も嬉しいもんだよ。しかし幾ら寺の息子と言っても一成もまだ思春期の高校生なんだ、コレくらいはいいと思うぞ。俺も一成には旨い物食べて貰いたいしさ。」
その言葉に一成は照れたように目を瞑り、片手で後頭部をかく。
しかしそれは一瞬のことであり、すぐさま片手で祈るようにお辞儀して感謝の言葉を述べてきた。
「ありがとう。しかし、貰ってばかりではダメなのでなこちらからもちゃんと弁当代は出させて貰おう。」
「俺としては気にしないところだが、一成も納得しないだろうしその申し出は受け取っておくよ。」
「うむ、ではその時を楽しみに待っているぞ。」
「あぁ、任せてくれ。満足いく品を用意してくるからさ」
士郎がそういうと、互いに軽く笑みを浮かべた。
今日も士郎と一成の昼時間はこうして過ぎていく。
これも士郎が守りたい何気ない日常の一つである__
昼休みで暇だったルビーが散歩で偶然この教室に居た事を士郎は知らなかったのであった。
<<抗戦だ
自分でも馬鹿かな?と思いましたがすいません。分かる人は分かる、とある台詞の改変です。あの台詞が印象的だったので何故か書いてるときに思い浮かびました。ごめん、だけどかっこいいと私は思う・・・・・・
<<彼女には感謝もしているし信頼もしている
信頼している・・・・・・えぇ?
これは、うーん?ちょっと変だったかな?カレンを信頼するって相当頭おかしい奴になったかもしれない。
<<うちのセラ
なんか・・・いいよね。言い方が。
イリヤは相変わらず書きやすい。サブカル的なネタも入るし。
一成との会話については作者はノーコメントで。
ただ・・・いつか来るかもしれない時のためのネタの伏線とでも思っておいてください。
さきに言っておきますが私は正常です。