最近リミゼロを和服キャラにつけちゃうよ・・・・
清姫とか
性能的にも似合うから更に困る。
そういえばイマジナリも和服ですね・・・
フォーマルは・・・・・違いますね。
前回の前書きでいいましたけど武蔵って士郎となんか合うね。
和服
二刀流
日本人
あぁ、私って和が好きなんだ~って思いましたよ。
日本にいないと和のものが好きになると思う。
それとこんなこと言ったからFGOで青王でたよ・・・きっと私を殺しにき__なにをするやめっ!!
それはともかく今回も戦闘はないですね。戦闘シーンもまだです。
いよいよ色々と話が動きだすのでその前の日常っということで。
「イリヤ?」
返事がない。ただそれだけで士郎は言いようのない不安に襲われる。
しかし相手が聞こえてないだけかもしれないと思い、反射的に開け放ちそうだった風呂場の扉から手を離す。
もしも、勘違いで入浴中の妹に鉢合わせしたらとんでもないことが置きかねないのでここは再度扉をノックしつつ先ほどよりも大きな声をかける。
「イリヤ~?いるのか?」
・・・・・・・・・
数秒経っても返事は未だにない。
今度こそ士郎は焦り、風呂場へと突入していく。
まさかリズが危惧していたことが現実のものになっていたら洒落にならない。
溺れているのなら早急に対処する必要がある。手遅れになる前に一刻も早くその足を湯気の支配する空間へと踏み入れる。
「_っ!?」
風呂場には誰もいなかった。
溺れていると思われていた妹の姿もなくそこには誰もいなかった。
閉じられていない湯船、使ったと思われるシャンプーやボディーソープ、開けられている窓。
__開けられている窓
「ッまさか!」
この瞬間、士郎にはある出来事が浮かんでいた。
物言わぬ空間の中でいるはずの者がいない、しかし窓は開けられている。
この状況から推測できたこと。
__誘拐
早計ではあるがその可能性がないとも言い切れない。
妹のイリヤは兄である自分から見ても可愛い。幻想的とすら言えるその白銀の髪に真紅の瞳、まるで作り物のようなその容姿は全ての人を魅了さえできよう。
今夜現れた二人の魔術師に加えてこの出来事から士郎は自身の持つ記憶と知識を繋ぎ合わせてそんな最悪の出来事を想像してしまった。
あぁ・・・・そんな彼女を狙う輩がいてもおかしくはない。
そう思った士郎はすぐさま顔を窓から出し、あたりを見渡す。
そして目にしたものに目を疑う。
視覚からの情報以外にも彼の嗅覚は別のものを捕らえていた。
その惨事を目にした士郎は内からあふれ出るドス黒い感情を抑えられずにいた。
鼻で察するのは焦げた匂い、目に見えるのは荒らされたであろう庭の一部。
煙が上がっていることから荒らされてからさほど時間が経っていないのであろう。
すなわちコレをやった犯人はそれほど遠くには言っていないことになる。
「__シメる」
ただ一言、そう発する。
その瞳には色が消え、まるで機械のようにゆったりと、出していた顔を室内へ戻す。
イリヤを攫うだけではなく、彼の大切にしていた物さえも奪っていったその犯人を士郎は許すわけがなかった。
足早に居間へと戻った彼を待っていたのは大人しくなったセラと若干疲れたような表情をしたリズであった。しかし士郎の纏う雰囲気とその表情を見た瞬間、セラとリズは驚愕する。
明らかに不機嫌な_否、不機嫌を通り越して冷静に見えるその姿は現しようのない恐怖さえ抱かざるを得なかった。こんな士郎を二人は知らない。
確かに不機嫌になる事はある。彼だって人間だ、感情がないわけではない。人より怒ることがない彼ではあるが怒る時は怒る。
しかし__
今にも人を殺しそうなその姿を二人は見たことがなかった。
そんな士郎に冷や汗をかきつつ、先ほどまでの小さな喧嘩を忘れてリズは恐る恐る士郎に問う。
「シ、シロウ__イリヤはどうだったの?」
何故不機嫌なのかは聞かない、聞くことで更に刺激しかねないからである。
しかし、リズは知らない。そのイリヤが原因でこのような状態になっていることを。
「溺れてはいなかった__いや、そもそも居なかった。」
更に空気が重くなるのを感じた。
先ほどよりも士郎から放たれる重圧が増したともいえる。
光の消えた瞳で淡々と語るその様はとにかく怖かった。
しかし、今しがた聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたのにセラは気づく。
「居なかった・・・・ですか?」
そう、居なかったと言うことだ。
溺れていないのならもうすでに出ていたと思うのは別に不思議ではなかった。
しかし、だとしたら彼の状態に疑問を抱く。
つい先ほどまで普通だった彼が帰ってきたらこのような状態になっていたのだ。
恐らくイリヤを確認する際に何かがあったのだろうとセラは推測する。
そこで考える、イリヤが何かをしたのかと。
だがしかしそれは恐らくないであろう。
何故なら士郎は極端までにイリヤに甘いからだ。何を言われようが、されようが士郎は彼女を許してしまう。注意などで叱る時はあるものの、セラは彼がイリヤが原因で怒る所を見たことがない。そもそも怒る事自体が稀ではあるが。
セラからしても士郎のイリヤに対しての態度は甘すぎるとしか言えない。
なので彼の怒りの原因がイリヤ本人からの物でないことは分かった。
ならば何か?
それは____
「あぁ、居なかった。誰もいなかった。ただ分かっているのは窓が開いてたこととイリヤが居なかっただけだ。」
「なんですって!!」
つまりそういうことであろう。状況証拠しかないがその考えにたどり着いたとしても不思議ではない。それにそうであったのなら士郎が怒る理由も頷ける。
イリヤに対して甘いということはそれだけイリヤを大切に思っていることと彼女を溺愛しているのと同位。
「こんなことをしている場合ではありません!リーゼリット警察に電話を!それとシロウは私と一緒に犯人の息の根を止めに行きましょう!」
「そのつもりだ。」
セラの指示にリズはすぐさま電話へと急ぎ、叫ぶセラとは反対に士郎は静かに答える。
しかし全員が行動に移すその瞬間、居間の扉が開かれた。
「わー!わー!!待って待って皆落ち着いて!」
件の少女、イリヤであった。
その姿を目にした一同はすぐさま彼女に近づく。
「イリヤ!」
「イリヤさん!無事だったんですか!」
「なにもなかったの?」
兄に肩を掴まれ、家政婦二人に問い詰められるイリヤは焦りつつも全員の誤解(ともいえないが)を解くべく一つずつ彼らの質問に答えることにした。
「うっうん!大丈夫大丈夫!なにもなかったよ、ていうか攫われてないから!」
その言葉に一同はホッと胸を撫で下ろし、では何故風呂場に居なかったのか?それと何故窓が開いていたのかと問いかけると__
「えっと__そう、誰かが居た気がしてね!窓から見てみたの、結局なにも見えなかったけど気になって急いでお風呂からでて、見に行こうと部屋に着替えに行ってたの!」
苦しいかと思われる作り話ではあるが小5の彼女にしては上出来ともいえる言い訳であろう。しかし、三人の内二人。正確にはセラと士郎はイリヤのある言葉に反応していた。
「誰かが?」
「居た?」
その瞬間、またしても二人から表情が消えた。
ついでにあたり一面を冷たい空気が支配した。
「えっ?」
そんな二人の様子にイリヤは混乱し、オロオロと二人の表情を見ていた。
当の二人は無表情ではあったが何故か怖く感じた。
「つまりは覗きですね?」
「そうかもしれないな、しかし犯人は庭を荒らしていた。恐らく悪戯か覗きのどちらか・・・いや、両方という可能性もある。」
「なんですって?」
「あぁ、事実だ。後で庭を見に行くといい。しかし___命知らずもいたものだ」
段々と増す重たい空気にイリヤは自分が何か失言をしてしまったことに気づいた。
今まで見たこともない兄の雰囲気に若干涙目になりそうになるがこの状況で口を開く勇気はイリヤにはなかった。
「__俺の
(そうだったーー!!!!)
その瞬間、イリヤは色々なことがありすぎて気づいていなかった出来事に気づく。
ルビーに騙されて彼女を振った時に出てきた謎のビーム。
それにより激怒した凛が連射してきた黒い塊。
ルビーが防いだから自分には傷一つ付かなかったもののその周りはそうでもない。
そうだ
確かあの時の流れ弾は兄が大切にしていた家庭菜園に直撃した気がする。
その事実に行き着いた瞬間、イリヤの顔から血の気が引いた。
イリヤは知っている。
そこから作られる様々なものがいかに美味であるか、どれほどの手間をかけてそれを作り上げたのか、兄がどれほど収穫を楽しみにしていたか、そして兄がどれほどそれを大事にしているのかを
「覗きに器物損害ですか、それはそれは__犯人を捕まえて挽肉にしてグラム98円で出荷してあげなければいけませんね」
(怖いよ、怖いよセラ!!誰か!だれかツッコンで!)
「何を言うセラ」
「お兄ちゃん!」
「それでは生ぬるい」
「お兄ちゃん!?」
「捕まえて口に麻婆豆腐をぶち込んでヤマアラシにして17分割するのが基本であろう、その後に挽肉にするといい。」
「なななな何を言っているのかなお兄ちゃん!」
こんな兄をイリヤは見たことがなかった。
コレほどまでに怒る兄を見たことないイリヤは彼がどのように怒るかは知らないでいた。どうやら兄は静かに怒るタイプであるらしい。
それが更に恐怖を増すのだが・・・・
今の兄はとにかく近づくのさえ恐ろしかった。
この場に犯人がいたのならば本当に有言実行しかねない。
自分が直接手を下したわけではないが、その出来事に少なからず関わっているイリヤは心臓をバクバクと鳴らしながら大量の冷や汗をかくのであった。
髪の中にいるルビーが大人しくしていることを願うばかりであった。
_____________________
「はぁ・・・」
自室に入ると共にそんな溜息が出てしまった。
リズと共に二人を落ち着かせるのに随分と時間と気力を使ってしまった。
だけどやっぱり犯人を許しているわけじゃなくてとりあえず落ち着いている程度のものだった。犯人を見つけたと思うと何が起こるかは考えたくもない。
「どう?うまく誤魔化せた?」
すると自然と家に入り込んでベッドに座っている
「なんとか・・・咄嗟にだったけど覗きと悪戯って事にしておいたよ。」
その後の事は余り思い出したくはなかった。
『それにしてもヒステリックなお母さんとお父さんでしたね~、心配性とも言えますけど。』
「セラはお母さんじゃないんだけど。っていうかお父さんってだれ!お兄ちゃんだからね!そう呼んでたじゃん!知ってて言ってるでしょ!」
『おやおやというとあの方が__うふふふ』
「何その意味深な笑い方!」
『それにしても恐ろしいですねぇ。犯人を捕まえて挽肉にしてグラム98円で出荷してやると言ってましたよ。お兄様なんか口に麻婆豆腐をぶち込んでヤマアラシにして17分割にするとか言っていましたし。』
「ああそう、出来ることなら今すぐ犯人を突き出してやりたいわね」
「いや、ルビーも原因だけど凛さんも同じくらい二人の__特にお兄ちゃんの怒りを買っていたり・・・」
ルビーを握り潰しそうだった凛さんは私の発言に疑問の顔を浮かべる。
「どういうこと?私なにかしたっけ?」
「うん、凛さんが撃ったあの黒い塊あるでしょ?」
「ガンドね、一種の呪いの一撃なんだけど極めれば物理的にも威力を発揮するわ。それがどうかしたの?」
「それなんだけど、その一撃が家のというよりもお兄ちゃんが大事にしていた家庭菜園に直撃していてですね。」
私がそう言った瞬間、凛さんはしまったとばかりに顔をしかめる。
私が育てたわけじゃないけどお兄ちゃんもかわいそうだし何よりあんな美味しいお兄ちゃんの野菜やお茶の葉を台無しにされちゃ、私もちょっと思うところがあるわけでつい追い討ちをかけるように言ってしまう。
「色々時間と手間をかけていたし、設備や種とか肥料にもそれなりのお金も使っていたからお兄ちゃん、今にも犯人を襲いかねない勢いで怒ってたよ。」
私の言葉に更に顔を青くする凛さん。
お金という部分にかなり反応していたようにも見えたけど気のせいかな?
「そっそうね、確かに私にも非はあるわね。だけどこの事を話せるわけでもないから遺憾だけど、本当に遺憾だけどこのまま知らんフリをするしかないわね。」
そんな事を言う凛さんをジトーっとした目で睨んでみると居心地が悪くなったのか顔を合わせないで話を流してしまった。
「まっ、それは置いておいて。あんたには色々と説明しなきゃね」
凛さんは優雅に佇まいを正し、先ほどのことがなかったかのように今後の事と自身のことを語り始めた。
流されたことにちょっとイラっときたけどとりあえず聞くことにした。
話の内容はというと。
色々とちんぷんかんぷんなこともあったけど簡単に言うと私が魔法少女になって町にあるといわれる危険な何かと戦わなければいけないらしい。
まるで漫画のお話みたい
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士郎は珍しく疲れていた。
それも全ての原因は昨夜起こった様々な出来事である。
よく知った二人の突然の登場に毒舌シスター、仕舞いには丹精こめて作り上げた己の庭さえも何者かによってめちゃめちゃにされたときた。庭の修復に時間をかけてしまい風呂に入る時間も遅れ、それが原因で毎日行う鍛錬を始める時間も遅れてしまった。正常に開いた魔術回路をいち早く慣れるためにもいつもより長い時間を鍛錬に使ってしまったのもあるだろう。それで睡眠時間が削られたのは士郎自身仕方ないとは思っている。
というよりも夜更かしは慣れている。しかし
疲れが表情に出てしまったのだろう。今朝もイリヤに心配されてしまった。
(イリヤに気づかれるほどとは俺も修行不足だな。このままじゃぁ学校でも気づかれかねないしちゃんとしておかないと。)
よし!っと気合を入れては見るもののそういえば昼にあの毒舌シスターに呼ばれている事を思い出し、せっかく入れた気合が消えていくのを感じたのであった。
弓道部に付くと士郎は携帯に通知があることに気づく。
こんな早朝に一体誰だろうと思いながら携帯を覗いてみると士郎は目に見えて顔をしかめる。
そこには『カレン様』と登録されている番号からのメールであった。
つい先日までは表の名前である折手死亜華憐と登録してあったはずなのにいつの間にか変更されている。一体いつ、どうやって登録名を変えたのかは未だに謎である。
そう、未だにである。
実はコレが始めてではなかったりする。
過去に『あなたのカレン』だったり
『ご主人様』だったり
『下僕』だったりと変えられていたこともあったりするがそれはここでは割愛する。
あまり見る気はしなかったが見なかったら見なかったで後々面倒なことになりかねないので士郎は意を決してメールの内容を確認する。
―言い忘れていたけれど、弁当は食べずに来なさいこちらで用意するから。
簡単にそう書かれていた。
命令口調であることはこの際気にしない。いつもの事である。
しかし、困った。昨日の内に言ってくれていたらなんとか出来たかもしれないが弁当の処理に困ってしまう。部活の後に食べるという手もあるがそれだとせっかくの弁当の味が落ちてしまうかもしれない。それに夕飯も入らなくなったら困る。
さてどうしようと士郎が首をかしげている時だった。
「おーい、衛宮ーそんなところで考え込んでどうしたんだー?」
声の主に振り返るとそこには弓道部主将の美綴綾子がいた。
幼い頃から色々な武道関係の場で相対したことのある士郎にとってのこの世界での唯一の幼馴染である。家族以外の人物では恐らく一番付き合いが長いだろう。示し合わせたわけでもないがあらゆる道場や武道の場で何度も顔を合わせる内に友人になった腐れ縁でもある。様々な武道に精通しており心得があるなど武道に関しては才能のあるすごい人だったりする。
士郎はそんな彼女の才能を羨ましく思っているのだがそんな事を美綴に言ってしまえば一度も彼に勝利したことのない彼女の怒りを買いかねない。士郎自身が口にできないことではあるが彼には反則的な経験と知識があるために彼が彼女に負けることはほぼないのである。しかし士郎はそんな彼に対しても遅れをとらない彼女を評価していたりする。
しかし美綴はそんな士郎の心の内を知るわけがなく一方的にライバル視している。
「美綴か、いやちょっと____」
いいかけてふと思い出す、そういえば何回か彼女が学食を食べていた所を目撃していたことに。
というか何度か一緒にも食べたりしていた。
「そうだ美綴、今日は弁当か?」
「何だいきなり?あたしは殆ど学食だけど。それがどうかしたのか?」
「なら丁度いいや、今日弁当を持ってくる必要がなかったことを思い出してな。美綴が良ければだけど、俺の弁当貰ってくれるか?」
士郎がそういうと美綴は目に見えて顔を輝かせて士郎にもの凄い勢いで近づいてきた。
「まっマジで!衛宮の弁当くれるのか!?」
やや気圧されるが下がりそうだった足をなんとか押しとめて美綴の言葉に頷くと彼女は更に表情を輝かせながら喜ぶ。
急変する幼馴染の様に少しぎこちなくなりつつもお弁当を取り出すと美綴は丁寧に弁当箱を受け取って大事そうに抱える。
「ありがとうな衛宮!確か昨日は衛宮が当番のはずだよな、いやぁ~今日はついているなぁ。」
当然のように士郎の当番の日を知っていることはさすが幼馴染というべきかなんというか。
「あぁ、確かに昨日は俺の当番だったけどその弁当を作ったのはセラだからな。ちょっと見てない内にやられてさ。」
まったく、と溜息を吐く。
「そうなのか。まぁ衛宮が手掛けてないのは残念だけどセラさんの料理も最高だからね。それでも嬉しいよ。」
「セラもそういって貰えて嬉しいと思うぞ。でもまぁ、残念がってくれるのはこちらとしても嬉しいし今度なにか差し入れするよ」
「やった!!んじゃこれちょっと置いてくるから、じゃね。」
そういって美綴はルンルン気分で弁当箱を抱くように持って更衣室へと足を進めていった。そんな彼女を見送った士郎は自分も着替えるために更衣室を目指して今日の分の朝練を始めることにした。
どこから
____________________________________
「衛宮、先に職員室へ用事があるので生徒会室へは少し遅れて行くが構わんか?」
「あっ、悪い一成今日は生徒会室では食べないんだ。」
「そうか、それは残念だな。しかし衛宮にも都合というものがあるのだろう。気にせず行って来るといい」
「サンキュウな。」
いつも昼食を共にする一成に謝りつつ、士郎は気乗りはしないが足を保健室へと進めていく。
(昼はこちらで用意すると言われた時点でおおよその予想はついている、恐らくというか十中八九アレであろう。)
付き合いが長い分カレンが何を用意するかは分かってしまう。
しかし分かっているからと言って今朝の内に対策を練ることなども用意することも出気ずこうしてお昼時間になってしまったわけである。
重くなる気分と足に渇を入れて覚悟を決めた所で目的地である保健室にたどり着いた。
一応カレンは保健室のではあるが先生であるので他の生徒がいるかもしれない中、呼び捨てと共に堂々と入るのはいらぬ面倒を招きかねないのでノックと共に失礼しますと挨拶をいれておく。
扉を開いてみると他の生徒はおらずカレンがお茶(角砂糖入り)を啜りながらそこにいた。見慣れた修道服ではなく白衣を着ており、髪型も後ろでまとめるように結ってある。性格はともかく見た目はいいのでこの学園ではそこそこ有名で人気も高かったりする。
「それでカレン、用件はなんなんだ?」
誰も居ないのを確認したのでいつも通りの口調で話しかける。
「あら、先生に対してその口の聞き方は如何なものかと思うのだけれど。」
「少なくとも年齢詐欺で保険医なんかやっててシスターの癖に毒舌な年下のあんたにだけは言われたくないな。それで?もう一度言うけど用件はなんなんだ」
「そうね、とりあえずお昼を食べながら話すとしましょうか。」
そう言うとカレンはアレを取り出した。
つい先ほど届いたばかりなのかソレはグツグツと音をたてており、器からでる湯気がゆらゆらと揺れていた。よほどの熱さなのか器の上の空間に陽炎さえも見えてきた。
カレンが取り出したソレはとにかく赤かった。
紅_嚇_緋_猩_朱
この世全ての赤を混ぜたようなそれは毒々しいまでに紅い。
ソレから漂う香りは直接神経を刺激するように鋭く強烈であった。
煮えたぎる様子とその色はまるでマグマのようでこのままで器を溶かしてしまうのではと錯覚してしまいそうであった。
これが体内へ侵入してしまえばどうなるだろうとは試さなくても分かる。
というか士郎は何度か経験したことがある。口に入れた瞬間に意識を刈り取られるだろう未来が容易に想像できる。
しかしだ、
「さぁ、私の奢りなので遠慮せずにどうぞ」
出来れば遠慮したい所だがそんな事が出来るのなら士郎はもう実行しているだろう。なのでここは__
「イタダキマス」
__涙をのんで食べるしかなかった
「あらあら、今回は随分と頑張りましたね。」
微笑ましいものを見るような顔で言うカレンに士郎はなんとか保つことができた意識の中で睨みつける。
結果的に言えば意識を失わずに完食することに成功した。
しかしそれもやっとのことで、今の士郎は運動をしたわけでもないのに肩で息をして疲れが顔に出ていた。目元からは少量の涙が浮かび上がっており、そんな士郎の珍しい表情をおかずにカレンは自分の分をぺロリと平らげた。
弱った様子とその家族でさえ見たこともないような涙目の彼にカレンは頬を朱に染めながら興奮していたりする。そして彼女の手には携帯電話が握られている。出された麻婆豆腐と格闘することに集中していたからか士郎はその様を録画されていることに気づいていなかったりする。涙目で苦痛の表情を浮かべつつも一生懸命に食べる彼の様子はなによりも彼女にとっておいしかったりする。これを観賞しながら夕食を楽しもうと思っていたりもする。とんでもない変態である。
「さて、
「なん・・・だと・・・」
尚も回復しきっていない士郎はその顔を絶望に染めあげる。
先ほどの地獄が本題だと思っていた士郎にとっては今の言葉は聞き逃せるものではなかった。また、その表情を見て更に興奮しそうだったカレンであったがなんとか顔には出さずにあるものを士郎に渡した。そんな彼女の行動に疑問を感じた士郎ではあったがすぐに渡されたものの正体に気づく。
「これは!?」
「あら? その様子だと知っているようね。」
「いや知っているもなにも、これってマルティーンの聖骸布だろ、そんな貴重なものをどうして__」
「誰にもバレたくはないのでしょう? ならこれでも身に着けてうまくやりなさい、それに家にあったとしても使うことなんてなかったのだから。」
それは一見すれば赤い布にしか見えないが、見る者が見れば分かるそれはマルティーンの聖骸布。別名、魔力殺しの聖骸布とも呼ばれるそれは名前の通り、使用者や着用者の魔力を抑える効果がある。
幾ら魔術回路を閉じた状態と言っても一流の魔術師なら相手に触れるだけでも魔術回路の存在や状態に気づいてしまう。家にセラが居る時点で常にバレる危険性のある士郎にとっては出来るだけその可能性は無くしたい。
なので魔力殺しとも呼ばれるこの聖骸布は士郎にとってはありがたい。
「ありがとうなカレン。 でも本当に貰ちゃっていいのか?」
「えぇ、先ほども言ったけど私が持っていたとしても教会に眠っているだけだっただろうし。 私も誰がどうやって手に入れたのかも知らないし興味もないので。」
「その発言はシスターとしてどうなのかと思うぞ」
しかしシスターにあるまじき発言はいつもの事なので士郎もあまり気にしていなかったりする。
「さて、時間も余った事ですし次の時間までは私の話相手になって貰いましょう。」
どうやら本題はこの聖骸布のことだけだったらしく、カレンは足を組みなおして士郎を見つめてきた。
てっきり色々と要求されると覚悟を決めていた士郎は驚きつつも、なにも要求されないならいいかとカレンに断りを入れてからお茶を二人分淹れる。仕方のない事とは言えお茶に角砂糖を入れるのは士郎としては勘弁して貰いたい。
「それで、どんな話をお望みかな?」
「そうね、たまには裏の事情ではなく貴方の事を聞きたいわね」
「俺のこと?別にいいけど、あまり面白い話ではないとおもうが?」
「構わないわ___」
だって
貴方のことなら何だって面白いから
最後カレンが持ってったー!!!
まぁ時系列的に自然と彼女が最後を担当してしまうんですがね。
家はセラ、
朝は美綴
昼はカレンてな感じで
プリヤがスピンオフだしスピンオフならスピンオフで出番の少ないほかのキャラに出番をと思って色々登場増やしてます。
ぶっちゃけるとただ自分の好きなキャラを登場させたいだけなんですがね!
美綴?大好きですよ!
どうやら自分はメインヒロインよりもメインじゃない娘が好きらしい・・・・・・・
<<「捕まえて口に麻婆豆腐をぶち込んでヤマアラシにして17分割するのが基本であろう、その後に挽肉にするといい。」
分かる人は分かるパロネタ
<<『それにしてもヒステリックなお母さんとお父さんでしたね~、心配性とも言えますけど。』
苦しいかもしれないけどごめん、ただこれがやりたかっただけ。
<<特にお兄ちゃんの怒りを買っていたり・・・
あーあ、凛ちゃん士郎の好感度さげちゃってまぁ・・・・
まぁアイツの記憶のせいで凛の好感度が元から高いしこれくらいいいだろう。
<<『ご主人様』だったり
『下僕』だったり
さすがSの皮をかぶったM
<<観賞しながら夕食を楽しもうと思っていたりもする。
変態だな。
<<私も誰がどうやって手に入れたのかも知らないし興味もないので
言峰ェ・・・・
<<仕方のない事とは言えお茶に角砂糖を入れるのは士郎としては簡便して貰いたい。
士郎は彼女の体質の事は理解しています。
<<士郎にとってのこの世界での唯一の幼馴染である。
幼い頃に色々失ってる士郎だし幼馴染くらい作ってもいいよね。ていうか美綴くらいしか一般人で士郎と仲がよくて幼馴染になれそうな人がいなかった。丁度いいけどね!!
一成?誰かが喜びそうだからやめた。
それと評価下がってましたね。やっぱ小文字は駄目だったかな?出来れば使わないようにします。
アホだと思うかも知れませんが外道麻婆、一度でいいから食べてみたい。