ソードアート・オンライン ~闇と光の交叉~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちわ、黒ヶ谷・ユーリ・メリディエスです。

 今話はタイトル通り……なのですが、原作通りでは無いです。

 あと物凄く短いです、キリトのチート具合を出すためと、この頃の私では上手く戦闘描写が出来なかったためです。申し訳ありません。

 一応色々と差を付ける為に書いているので、今後は少しずつ原作やゲームの戦闘から外れていく部分が多々あります。その差だけでも楽しんで頂ければと……

 ちなみに、後書きの方にR18について書いているので、良ければ読み、そして活動報告の方も目を通して下さい。これは強制ではありませんし、読んでいなくとも本編を読むにあたってほぼ弊害はありません。

 ではそろそろ、第十六章、どうぞ!


第十六章 ~骸骨の刈り手~

第十六章 ~骸骨の刈り手~

 

 

 今、ボク達はキリトさんやアスナ達と一緒に七十五層迷宮区の十九階を探索中だ。キリトさんはハイペースで行くって言ってたけど、このスピードは洒落にならない。広場から今までの六時間で一気に十九階だ。それも殆どの道を行ったり来たりして、マッピングもほぼ終わっている状態。あと一階上がればボス部屋。今までこんな攻略スピードが記録された事は無い。幾らなんでも規格外すぎる気がするんだけど……。

 そんな彼はボク達の心境に気付かず、さっきからマップを確認したりアイテムやスキルの確認をしたりして前を歩いている。今は二刀を抜いている状態だ。

 迷宮区を進みながら、キリトさんは昨日から今まで何があったのかを教えてくれた。

 あの後、いきなり見知らぬ樹海ダンジョンに放り出された後はそこで会ったオレンジプレイヤーの女の子と共闘、いきなり現れた《ホロウ・デッドニング・リーパー》を倒して戻ってきたらしい。

 その後はリズさんと鉱石採取に五十五層、手に入れたインゴットで三本片手直剣を作ると、元から持っていた三本の片手直剣と融合。今、キリトさんが持ってる強力な二刀になったんだとか。

 

「昨日は消えた後にそんな事があったんだ」

「ああ。樹海に出たと思ったらオレンジの女の子に襲われるわ、ボスが降って来るわでおおわらわだったんだ。リズと五十五層に言った際に、そのインゴット関連のキーモンスター、《クリスタライト・ドラゴン》がテイム出来たのは嬉しい誤算だったけどな」

 

 キリトさんの横を歩いている《クリスタル》がグオオォォン♪ と啼いた。上機嫌のようだ。ピナとも仲が良いみたいでピナはクリスタルの上に乗っている。何故かピナはキリトさんにも懐いているのだけど……使い魔って、ご主人以外に懐くものだっけ?

 そんな疑問を持ちながらキリトさんと攻略を進め、遂にボス部屋がある二十階に到達した。周りの雰囲気が重苦しく、威圧感を放っている。

 キリトさんやボク達の経験則上、クォーターポイントのボスは異常な強さを誇る。二十五層ボスだったらしい巨大なドラゴンは尋常ではない防御力と範囲攻撃を持っていたとか。しかも空を飛んでいて、HPバーが残り一本になったら常に飛翔していたらしい。周りに浮いていた岩を足場に切り崩していったらしいけど、キリトさんも相当苦戦したようだ。

 五十層フロアボス戦は一度戦線自体が崩壊しかかった。あまりのボスの強さに戦意喪失し、勝手に撤退する人が後を絶たなかったのだ。あの時はヒースクリフとキリトさんの二人が、圧倒的スキルとステータスにものを言わせて一時間も耐えた。これだけでもクォーターポイントのボス戦はいかに危険か、推し量れると言うものだ。

 

「……とうとう見つけたね、ボス部屋」

「ああ……ちょっと見てみるか……アスナ達は入り口ギリギリ外で、俺とボスの戦いを観察して情報を集めてくれ。絶対に邪魔をするなよ」

 

 キリトさんの有無を言わさぬ言葉。何を言っても聞かないことは分かっているので、ボク達は素直に従った。キリトさんが左手で大扉を開け、二刀を構えて入る。

 中は薄暗く、そして今までのボス部屋に比べて広かった。しかし、いつもならいる筈のボスの姿が見えない。一体どこかと探していると、突如、大扉が素早く閉まり始めた。

 大急ぎで中に入ろうとするも最早手遅れ。キリトさんは一瞬こちらを肩越しに振り向き、左の薄翠の剣を軽く上げて、ボク達に微笑んだ。

 

 

 

 ――――まさか、こうなることを知っていた?!

 

 

 

 その疑問は、当然誰にも答えられず、目の前で大扉が閉まったことに絶叫しながら、ボク達はただただ扉を開けようと躍起になった。

 

 ***

 

 さて……これで被害は出にくくなるだろう。これ以降のボス攻略戦も、撤退と結晶使用が出来ないって事を伝えられる。そのためにも、この戦いに勝たなければならない。

 なに、《ホロウ・デッドニング・リーパー》をほぼソロで撃破出来たのだ。あれはHNMだったから、実質はフロアボスとは違うのだが、攻撃軌道が読みやすくなるのは有難い。

 後ろで完全に扉が閉まり、この空間には俺とボスだけとなった。この広さと空間のモチーフからして、ボスはやはり変わっていないだろう。

 

「とっとと出てこいよ……《スカル・リーパー》!!!」

 

 上を向いて吼える俺。天井には、蜘蛛や百足のように張り付いている巨大な何か。言わずもがな、七十五層フロアボス《スカル・リーパー》だ。

 二つある白い大鎌、百足のような骨の胴体に長い頭蓋、四つに割れた下あごに四つの呪われるかのような眼窩。間違いない。コイツは原作で、攻略組トップの防御力が高いタンクを即死させていた。つまりそれだけ攻撃力があるという事だ。

 しかし、今の俺も相当な強さを誇る。俺のレベルは、昨日で上がって220、《スカル・リーパー》はどんなにあっても九十層あたりのステータスだろうから、大体100レベか。俺の識別スキルでも見れるということは、俺の方が強いという事。油断さえしなければ死にはしないだろう。

 天井から奇声を上げながら降りてくるボスに、俺は全力で加速した壁走りで天井に一直線。途中で三角とびをし、空中で身動きとれないボス目掛けて、二刀流突進系スキル二連撃技〈ダブル・サーキュラー〉を放つ。

 空中で胴部分を二刀でもろに斬られた《スカル・リーパー》は、為す術もなく地面に叩きつけられる。俺はその突進のまま壁で受け身を取り、再び壁走りを再開。地面に降り立ってから二刀を構える。

 俺のソードスキル二撃と地面へ叩き落した際の落下ダメージで、五段あるHPゲージの一番上のゲージが一割も削れていた。ボスに対しては破格のダメージである。

 

「ははっ……幸先良いな」

 

 二刀を構えながらそう笑う。

 大鎌攻撃は二刀でパリィし、尻尾や大振りな連続攻撃は俊足で避ける。たまに掠るも、それらは全て多重高速リジェネで回復する為、あまり意味は無い。

 それでも流石はクォーターポイントのボスか、あまりダメージが入らない。いや、かなり入っているのだろうが、隙を作らないようにソードスキルの使用を控えているので、あまり纏まったダメージが入らないのだ。

 本来ならレイドが不可欠なボス戦にソロで挑む。そんな馬鹿なこと、俺以外がするはずも無い。

 これは償いなのだ。この世界に囚われた者達、この世界で死んだ者達、この世界で魂をゆがめられた者達。そして、リズやアスナ達のように、俺の罪を背負おうとしたり、俺を助けてくれる者達に対する贖罪なのだ。

 

 *

 

 結局、俺がボス戦を終えたのは、戦闘開始から四時間後――攻略組全員がボス部屋前に揃っている状態だった。

 ボスに止めを刺すと同時、七十六層へ続く階段と、七十五層迷宮区の大扉が開く。後ろで多くのプレイヤーが息を呑むのが分かった。

 俺は押し寄せてくる疲労に耐え切れず、ドサッと地面に仰向けに倒れた。なんだかボス戦のあとって、仰向けに倒れる事が多い気がする。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」

『『『『『キリトッ!!!』』』』』

 

 攻略組全員が叫び、直後に数人分の駆け足の音。それは完全に予期しており。いつもの事だと割り切る。

 俺は足音――アスナ達が俺にたどり着く前に起き上がり、二刀を背にしまう。アスナ達は酷く焦り、泣く寸前の表情をしていた。

 

「よ……生きてたぞ」

「「「「「馬鹿っ!!! どうして脱出しなかったの?!」」」」」

「ここ、結晶無効化空間だったんだよ。だから逃げれなかったんだ」

 

 俺の言葉になんだと……ッ?! とクラインが呻いている。周りのメンバーも似たり寄ったりだ。そして俺になんとも言えない表情を向けている。

 

「生きていたから良かったが…………よく倒せたな? いくらお前ぇがボスのソロ討伐に慣れてるからって、クォーターポイントのボスは普通無理だろう……」

「やらなきゃ死んでたからな。流石に今日死んだら、二刀を鍛えてくれたリズに申し訳が立たない」

 

 俺の言葉にアスナ達女性陣が不機嫌な顔で睨んできた。一体なにが逆鱗に触れたのだろう?

 

「ま、こうして生き残れたんだ。早く上の層に行こう」

 

 俺の呼びかけに微妙な反応を返し、俺達攻略組は七十六層へと上った。そこで、原作通りの展開とゲーム通りの展開が起こることになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 はい、ユウキ視点、続けてキリト視点に移りましたが、如何でしたでしょうか?

 今作のユウキは基本的に勘が鋭いです。既に分かった方も居ると思いますが、ユウキもキリトとほぼ同じような状態で、中身の年齢は同年代の人より上だからです。

 要はキリトは作者のオリジナルキャラが転生した存在なのに対し、ユウキは原作から今作の世界へ転生した存在であるということです。

 この設定、かなり重要なので覚えておいて下さい。




 前話で書き忘れていたのですが、活動報告の方に《R18作品について・改め》というものを書きました。ぶっちゃけて言えば前書いた時の制限をほぼ無くしたという宣言みたいなものです。

 取り敢えず近い内にお試しとして一話だけ投稿しようかなと思っています。

 更に、そのお話では盛大にネタバレを含みます。そこは活動報告も併せて読んで頂けばわかると思います。



 さて、ではそろそろ次話予告です。


 たった一人で三体目のクォーターボスを倒してしまったキリトは、助けに駆け付けた攻略組を伴って七十六層の街へと歩を進める。

 強敵の後の街だからかとても広く、綺麗な街並みにプレイヤー達が三々五々散る中、キリトはある出会いを果たす。

 それは本来、この世界には存在しない者と、居る筈の無い者との出会いだった……


 次話、第十七章 ~異界より来たりし者達~



 活動報告の方もよろしくお願いします。

 ではでは!

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