デート・ア・ペドー   作:ホワイト・ラム

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さて投稿だぁ……

いつの間にか、お気に入り登録が30に。

意外で自分でもビックリしました。


二人の精霊

人っこ一人いない、さみしいデパートの中。

ただ二人だけそこに居た、精霊とガチ小児性愛者がお互い向き合う。

一瞬の静寂、そして――――

 

『ぷっ………あはははは!!あはははは!!

ど~したのおにーさん?なに?ひょうきん者?

今時……ひ、ひぃ、ひひひ!!

【シャル・ウィー・デート】って!!あはははははは!!あ~はははあは!!

ない、無いわ~』

ケタケタと大爆笑しながら、幼女が床に寝転びパペットが器用に床を叩いている。

 

 

 

 

 

「ふぅ、何とかなったわね……」

フラクシナスにて、琴里が額の汗をぬぐった。

あのガチ変態が、服を脱いだ瞬間本気で頭の中に「ゲームオーバー」の文字が躍ったが精霊が並外れて陽気な性格だった為事なきを得た。

 

「マイクの復旧急げ!!」

 

「予備のマイクが有ったハズだ!!」

他のメンバーたちが忙しく、琴里の壊したマイクの復旧を急いでいる。

アレが無いと、士道に指示を出すことが出来ない。

つまり、士道は孤立無援で精霊を攻略しなくてはいけなくなる(今回は大丈夫そうだが……)。

しかし、それと同時に士道を止める者が居なくなることも意味している為、暴走した士道を野放しにするしか無くなるのだ。

 

「何とか、成りそうだね?」

令音が画面を見ながら、琴里に話す。

見た目は警戒されていなく、会話も順調だ。

そして、何より懸念していた士道の暴走も起こっていない。

 

因みに、精霊のスカートがめくれ白い腿が見えていたので、士道が携帯で写真を撮り始めていた。

 

まぁ問題は無いだろう。

 

「はぁ、あせったわー。

士道の事だから、いきなり股間を露出させて『やぁ、久しぶり元気だったかい?僕は見た目通り元気だよ』とか……

『ラッキースケべってなんだ、ラッキースケベって!という訳でお嬢ちゃんスケベしようやぁ……』とか……

『ふっ、知らないね。俺は見ての通り、幼女専用変質者さ』とか言わないか心配したのよね」

 

冗談めかして琴里が言った瞬間、フラクシナスメンバーが固まった。

 

「こ、琴里?君はそんなことを、日常的に考え……て?」

令音の言葉を皮切りにひそひそとクルーたちが、噂を始めた。

 

「義理でも兄妹か……」

 

「ほら、一番彼の近くに居たから……」

 

「ロリコンって感染するのか……」

 

 

 

「違うわよ!?私が、そんな願望がある訳じゃないの!!

私は、士道とは違う!!違うの!!」

空しく琴里の声が艦内に響いた。

 

 

 

 

 

「へぇ、よしのんって名前なのか~、かわいい名前だな」

 

『そそッ!良い名前でしょ?おにーさんのお名前なぁに?』

 

「俺の名前は五河 士道っていうんだ、よろしくな?」

 

『へぇ、ペドー君か。いい名前じゃない?まぁ、よしのんには負けるけどねぇ?』

楽しそうに二人が会話する中――

 

「なぁ、因みにその『よしのん』って言うのは君の名前か?それともそのパペットの名前か?」

 

『……』

 

 

 

その一言を発した瞬間、フラクシナスの全アラームが同時に鳴り響き始める!!

 

「な、なにをしたの!?一気に好感度が下がってるわよ!!」

 

「あー、ついにやったかぁ……」

 

「ペドーさん、ついに犯罪者デビューか……」

慌てる琴里と、何処かあきらめたフラクシナスメンバーたち!!

マイクがつながっていないフラクシナス内部の不安は、士道にも確かに聞こえていた!!

 

 

 

 

 

『ペドー君の言ってる事わかんないなぁ……パペットって何のこと?』

表情が変わっていないハズのパペットから強烈なプレッシャーが掛かる!!

こころなしか、幼女の方も無表情だが不機嫌になっている様に見える。

 

(不味ったポイぞ!!早く、機嫌を直さないと――!!

ああ……けど、けど――よしのんに冷ややかな眼で見られるのが……快感だ!!

ああああ……、、半裸で四つん這いにさせられて「こんな小さい子にいじめらて興奮してるのかなぁ?ペドー君は救いようのない、変態さんだねぇ?

よしのんが他の子を襲わないにしっかり、管理してあげないとね?」

とか言われたい!!

はぁ、はぁ……もっと、もっと罵って欲し――おっと、イカンイカン!!今は機嫌をなおささなくちゃ)

妄想の中では完全アウトなプレイを繰り広げた士道がやっと現実へと戻ってきた。

すぐさま状況をおもいだし、フォローに回った!!

 

「そ、そうだよな?よしのんはよしのんだよな?」

 

『んもう、ペドー君ったらお茶目さんなんだからぁ』

機嫌を取り直させることに成功した、よしのんが元の様子に戻った。

士道はこれをチャンスと見た。

 

「よぅし、よしのん、俺とデートに行こうぜ?せっかくデパートに来たんだ。

お前に似合う下着を選んで――」

 

『ストォォォォォォプ!!アンタ何、言おうとしてるのよ!!』

回線が回復したインカムから、大音量の琴里の声が聞こえてきた。

咄嗟のことで、士道の耳に大きなダメージが入る。

 

『んあ?ペドー君って意外と大胆&エッチさんだねぇ!

まぁ?よしのんの魅力に抗えないなら仕方ないよねぇ?

いいよん!下着はダメだけど、デートくらいならしてあげるよん!』

すっかり機嫌を良くした、パペットが嬉しそうにスキップを始める。

 

「うっし!さぁ、お嬢さんお手を拝借」

恭しく手を差し出し、パペットの左手を掴む。

普通道では人は右側通行、そして車はその左を走っている。

その為、万が一のことがあって水などが跳ねた時の場合を想定して、男は女性の左側をあるくのが理想と言われている。

 

「ぐへっ、ぐへへへへ……!!念願の幼女とのデートだぜ!!さて、まずは大人のオモ――」

 

『ペドー君!!ホントビックリするくらい大胆だね!!』

よしのんが初めて、驚きの声を上げた。

というか若干引いてる気がする。

 

 

 

 

 

『ぺ、ペドー君!!アレは一体なに!?』

よしのんが目の前の子供用のジャングルジムをみて、はしゃぎ始める。

無理やり話題を変えた気がしないでもない……

士道が何か教える前に、もうすでに走り出しさらに器用にジャングルジムを登り始めていた。

それに士道もついていく。

ついでに携帯のカメラも準備!!

上るよしのん!!近づく士道!!

 

そして、スカートがふわりと揺れる!!

 

――見える、僕にも見えるぞ!!

 

まるでニュータイプになった様な感覚が士道を支配する!!

カメラを構え、スカートの中を――

 

パシャ、パシャ、パシャ!!

 

『見て見て、ペドー君!!かっこいい?』

一番うえまで上がった、よしのんが振り返る。

その時すでに、士道はカメラをポケットにしまっていた。

追跡!!盗撮!!撤収!!いずれもマッハ!!

 

「ああ……いい絵だったよ」

やり切った顔で、士道がつぶやいた――計画どおり。

 

『んんぅ?ペドー君?いったい、そのやり切った顔はなにか――――うわぁ!?』

よしのんが手を滑れらし、ジャングルジムから落下する!!

当然落下先は、下でスカートをのぞいていた、士道で!!

 

「むぎっ!?」

 

『…………!?』

謀らずとも、幼女と唇が触れあってしまった。

柔らかくて、気分が良くて、士道の中で幸福感が広がっていくのを強く感じた!!

 

『いてててぇ……ごめん、ペドー君。ケガはないかな?』

 

「ああ、俺は大丈夫だ、無理役得――」

 

バギィン!!

 

士道の後ろで、ナニカが破壊される用な音が超えた。

琴里が何か言っている様だったが、こんな音を聞いた後では気に成るはずが無い。

士道は錆びた機械の様に、ギギギと音をたてる様にゆっくり振り返った。

黒髪に意思の強そうな瞳。

士道が霊力を封印した精霊、十香が酷く機嫌を害したような面持ちで立っていた。

 

「ペドー、申し開きは有るか?用があると言って、出掛けたお前を心配して来てみれば――幼子といちゃつくとは何事だ!!」

 

「幼女とのイチャコラは命より重い!!」

 

「たわけ!!」

反射的に言った士道のことばを遮る様に地団太を踏む!!

その結果、感嘆のデパートの床がひび割れていく!!

 

「(琴里!!琴里!!十香が、十香がデートに乱入してきた!!どうなってんのコレ!!)」

小さく士道が琴里に、インカム越しに説明を求める。

 

『十香があんたのことを心配して、ついて行った……みたい』

申訳なさそうな、声が聞こえてくる。

琴里にも予想不能な事態だったらしい。

 

「(ばっか!お前!!精霊攻略中に他の精霊に遭わない様にするって大前提だろ!?なんだ、NTR属性でもあるのか?ん?)」

ロリNTRも悪くないなんて考えながら、士道が話す。

幼馴染のお兄ちゃんが好きだった幼女が、自分の手で――

うん。想像したら少し興奮した。

 

 

『しょうがないじゃない!!そっちを見るのに夢中だったんだから!!』

 

「攻略済みの精霊をしっかり見ろや!!毎回出て来られたら攻略所じゃないぞ!!」

思わず、小声で話すのを忘れ、大きな声を出してしまった。

十香とよしのん二人が同時に眼を見開いた。

片方は、喜びに、もう片方は悲しみに――

 

『おやおやぁ?ペドー君おねぇさんとの約束すっぽかしちゃったのぉ?

けど、仕方ないかな?よしのんの魅力があり過ぎるっていうの?

可愛い子に、ついて行くのが当たり前って言うか?

そういう意味では、ペドー君を責められないんだよね~』

何を思ったのか、よしのんが十香をあおり始める!!

 

「な、な、なななな!!貴様!!」

煽り耐性ほぼゼロの十香が、頭に血管を浮き上がらせる。

地団太を踏むたびに、床にクモの巣状のヒビが大量に走っていく。

 

「お、落ち着け、十香。こんな時は偶数を数えるんだ。

偶数は必ず2で割り切れる数字、その潔さは俺に勇気を与えて――」

 

「うるさい!!今私はこやつと話しておるのだ!!

訂正しろ!!士道は私を裏切ったりなどしない!!」

 

よしのんのパペットを締め上げ、ガクガクと何度も振るう!!

しかしその相手は只のぬいぐるみ無理な力を加えれば――

すぽっと、よしのんの手からパペットが抜けた!!

その瞬間、さっきまでほとんど感情を見せなかったよしのんが、明確に反応を見せた。

 

「か……かえして……ください……」

消え入りそうな、か細い、さっきまでハキハキ話していたよしのんとは大違いだと士道は思った。

 

「ぬ?なんだ、お主は?私は今コイツと話して居るのだ」

ギロリと効果音が付きそうな目でよしのんを十香が睨んだ。

 

「ひッ――」

十香の視線をみたよしのんが小さくノドを震わせる。

その怯えた様子に、士道の中の何かが切れた。

 

「おい十香!!やめろよ!!怖がってるじゃないか!!

それ、返してやれよ!!

幼女に手を出すとは、この五河 士道がゆ”る”さ”ん”!!」

意識していなかったが思ったよりも言葉尻が強くなってしまった。

 

「な、士道……やはりお前は、私よりこの幼女を――」

ショックを受けた様子の十香が呆然と、士道を光の無い目で見る。

 

『士道!!何をしてるの!!十香に続いて、よしのんまで精神状況が悪化してるわよ!!』

フラクシナスから、琴里の声が聞こえてくる。

 

「お前のせいだよ!!お前の!!しっかり十香を見てないからこうなったんだよ!!」

士道がイラつきながら、琴里へと返事を返す。

不意に、士道が足元に冷気を感じた。

 

「【氷結傀儡(ザドキエル)】……」

 

「な!?」

士道と十香の見る前で、地面からずんぐりしたウサギの様な、巨大なパペットが冷気を吐き出しながら現れた。




意外と琴里が無能な気がしてきた。
なぜだろう、出来る子ってイメージがあるのに……

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