デート・ア・ペドー   作:ホワイト・ラム

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さて、今部からはあの精霊がメインになります。
はてさて、長編な話。
何話くらいかかるかな~


美九パラノーマル
学・際・襲・来!!


夏休みが終わった教室内。

ざわざわという空気が、生徒の浮足立った心を如実に表している。

 

教壇に亜衣が立ち、その両脇を麻衣と美衣が固める。

その後ろでマインがチョークを持って、神妙な顔で黒板に何かを書き始める。

 

「諸君……今年もこの季節がやってきた!

去年は我らは苦渋を飲まされ、地を舐めた!!

だが、あの日より我らは進化した!!さぁ、我らの力で奴らの(アギト)を食いちぎる時だ!!」

 

『『『おう!!』』』

クラス全体がカチドキを上げる!!

 

「ぺ、ペドー、戦争でも始まるのか?」

ペドーの横、胸部デブこと十香がペドーに耳打ちする。

 

「んあ?十香……なんか久しぶり?

えっと、文化祭?みたいなものが始まるんだよ」

酷く久しく十香を見ていなかった気のしたペドーが説明をする。

 

「文化祭……の様な物?」

 

「そそ、天央祭って言ってな?この町の学校全体でやるんだよ。

もともと、この区域って空間震が起きた影響で人が少なくてな、その時少ない学校同士が合同で始めたのが最初って言われてる。

その時の、名残りで毎回合同になっているのさ」

 

『今年こそ!!我らが栄冠を勝ち取るとき!!!』

ペドーの言葉を捕捉する様に、亜衣が名乗りを上げる。

栄冠の言葉通り、実は学校同士のちょっとした戦いがある。

模擬、展示、ステージのそれぞれの部門で、優秀を決める戦いでもあるのだ。

ギスギスした空気が流れるのは毎年の事である。

 

「くく、なるほどな。亜衣たちが何をたぎっているかようやく理解したわい」

 

「納得。そう言う訳なら負けるわけにはいきません」

ペドーの後ろ、そこには見た目がそっくりの2人の少女がいた。

八舞の二人だ。

 

「お前ら、隣のクラスだ――ハッ!(察した)

ハブられてるのか……」

ペドーの言うように二人は、隣の教室だ。

二人がそろっていれば、ある程度は精神が安定するとされ、別の教室へ配属されたのだ。

ペドーが気の毒そうな視線を送るが当人たちはきにしない。

 

「ふふ、まぁ。我ら八舞姉妹がいる以上、来禅の価値は揺らぐまいて……」

 

「同意。耶倶矢と夕弦のコンビは最強です。どんな敵が来ようとも恐るるに足らずです」

 

「「ふふふふふふ……」」

その内、付き合いたてのカップルの様に、キャッキャウフフし始める。

 

「こいつら、自分の事大好きだな」

八舞の二人は、双子ではない。正確には一つの精霊が分かれた存在。

要するに同じ人物の側面にすぎない。

二人がお互いを褒めるという事は、自分を褒めているという事で……

 

「ここまで来るとむしろスゲーわ……」

ペドーがあきれる。

 

「なあ、ペドー!!文化祭という事は、たくさん食べ物屋も来るんだろ!?」

目をキラキラさせながら十香が、ペドーに尋ねる。

 

「おっと、十香ちゃん。食べ物屋の情報をお望みかな?

俺が前もってリサーチした、情報見せてやるぜ!」

二人の間に割って入ってきた、殿町がリストを見せる。

 

「おお、本当か!?」

 

「どうして、こんなリストを?」

 

「いや、その……え、エレンさんを誘おうとおもって……

来てくれるかな?」

ペドーの疑問に、もじもじと殿町が恥ずかしがる。

欲望のみで動いてる彼にとって、このリアクションは非常に珍しい。

 

「去年、人気が出たのは、ノザマ製薬高校だったかな?

農業に力を入れてる高校で、去年でたフレッシュセットは、カットフルーツに水っていうけち臭いセットなんだけど、すげーうまいんだよ。

確か……ヘルヘイム産の果物と、アロマオゾンって会社の水だったかな?

飲んで余りのうまさに暴れだす奴らが大量にいたらしいぜ」

そう言えば、そんなことが有ったなーとペドーが思い出す。

 

「他は栄部西のブラックメンチカツだな、黒豚と黒毛和牛を贅沢に使用した逸品だぜ」

 

「なんと……」

十香が殿町の情報に対して戦慄したように、表情を鋭くする。

 

「栄部西は、確か家政科があって初等科から、調理に力を入れている学校だったな。

つまり!!しっかり者幼女がたくさんいるんだよな!!」

ペドーが栄部西に対して、思いをはせる。

 

「オマエは、何考えてるんだよ……

ほ、他は仙城大付属かな?あそこは付属だけあって――」

 

「エレベーター方式で行ける、お嬢様系幼女が居るんだよな!!」

 

「テメェ、幼女100%か!!?」

 

「ヒロポン、他の学校はどうなのだ?」

 

「ああ、十香ちゃんごめんよ、ついエキサイトしちゃったから……

まぁ、王者は竜胆女学院かな?」

 

「あー……」

ペドーは去年の優勝校を思い出した。

そうだ、確か完璧なお嬢様学校で、やたら距離を近くしてアイドルの握手会の様な手法で金を搾り取っていたらしい。

 

「ふぅ、アイツらな~んか、作られた感じで好きじゃないんだよな。

やっぱり幼女は自然体の中で生きていて欲しい……

ま、年増はそうでもしないと売れ残るサダメだしな!!」

 

「ば、馬鹿野郎!?ペドーお前、美九たんを知らないのか!?」

 

「あ?誰だ?」

聞きなれない名前に、ペドーが聞き返すと。

まさか!?と言いたげな顔をして、ゆっくりと聞き返す。

 

「美九たんだよ!!誘宵 美九たん!!

今年の4月に竜胆に転校してきた美少女で俺らの学年はみんな知って――ないか……」

ペドーがシャツの裏に「I love 幼女!!」の刺繍を見せた来たので、何かをあきらめた殿町が小さく言い淀んだ。

そんな時、周囲のざわつきに少しの変化が起きた。

 

『静粛に、諸君静粛に。諸君らの思いは十分受け止めた、しかしだ――

我らが同胞、霧崎生徒会長以下数名が、前日志半ばで英霊と成られた。

諸君らの中にその代わりを成さんとする勇者はおらぬか!?』

 

「要するに、代役募集って事か。

さてと、今年はどの学校の幼女を観察しようかな~」

ペドーが我関せずといった口調で見たいたが……

 

「くッ!幼女の平和は俺が守る!!

私殿町 弘人は、五河 士道を推薦します!!」

 

「あ、殿町てめぇ!?」

その瞬間周囲の人間が、突如現れた生贄に対して、速攻で食らいついた!!

 

「賛成!!」「賛成でーす!」「ペドー君しかいないと思います!!」

「ペド野郎をデュエルで拘束せよ!!」

ざわめく周囲、そして――

 

『では、他薦、さらには賛成多数で、五河 士道を天央祭実行委員に任命します!!』

無情な決定がペドーに下される!!

 

「くっそ!!これが、民主主義のすることか!?」

ペドーの声もむなしく、可決されてしまったのだ。

 

 

 

 

 

とあるオフィス街の一室にて、一人の男が資料を見ている。

「なるほど、プリンセスはほぼ間違いなく精霊で、天使を使う青年――イツカ ペドーねぇ……」

男の名はアイザックウェスコット、社内の者からは赤ちゃんプレイ野郎と呼ばれる変態で変人で鼻つまみ者のベテラン赤ちゃんだが、その装いはいつもの涎掛けとおむつではなく、まっとうなスーツだった。

そして、その前にはその資料を作ったエレンママが控えていた。

 

「そして、現場には〈ラタトスク〉の空中戦艦が居たと来たもんだ――」

芝居がかった動きで、ウェスコットがエレンに尋ねた。

 

「くく、あの若造が私を出し抜くとは……少しだけ愉快になって来たよ」

 

「私はそうは思いません」

ウェスコットの不快そうな口調でエレンが答える。

 

「それで、あちらの方は?」

 

「完璧です、新品のおむつはすでに収取済みです、なんと羽がつき横漏れしない構造に成っています。

そして、こちらが新品の哺乳瓶。今までとはデザインを一新して先端の形が以前の物とは違い実際にお母さんのおっぱいの形に近く、咥えた感触そしてお乳の出る量も穴に工夫を加えることで改良が――」

 

「違う!!いや、素晴らしいけど違うよ!!

ウィザードについてだよ、ウィザードについて!」

ゾロゾロと赤ちゃん用品を取り出すエレンを、ウェスコットは違うとしかりつける。

 

「ああ、そちらなら〈アデプタス3〉以下10名本日付けで実働部隊に配属となりました」

 

「結構」

自分の手回しが上手くいっている、事を理解してウェスコットは愉快そうに座った。

 

 

 

 

 

日のくれた7時30分ごろ、ペドーはふらふらと街を歩いていた。

結局、役員に任命された後、引継ぎの情報だなんだを無理やり叩き込まれ、ペドーはすっかりふらふらだ。

なんだか、下半身がむかむかする気がする。

 

「はぁ、拘束されて無理やりお母さんにさせられる幼女って、あんな気分なんだろうな……」

逮捕間違いなしのセリフを吐きながら、ペドーが商店街を練り歩く。

この季節は、実は沢山の人がおまけをくれたりするので、意外とペドーの家計は助かっているのだ。

 

「ん?」

そんな中、ペドーの幼女レーダーに反応がある。

近くに幼女が居る!!そんな予感がして、ペドーが勢いよく走り出す!!

そしてその先に居る幼女に後ろから抱き着く!!

 

「だーれだ!!」

 

「ふみょうん!?」

 

『こんなことするロリコンはペドー君しかいないよ!!』

麦わら帽子に、白いワンピース。

手には動くうさぎのパペット、精霊の一人四糸乃だった。

 

「こんな所でどうしたのん?」

 

「えっと、ペドーさんをさがして、ました」

 

『帰りが遅いから心配したんだよー?』

二人の声を聴き、ペドーが一言電話を入れるべきだったと反省する。

 

「そうか、けどもう暗いから、もっとたくさんの――」

 

「ボクも居るよ!!」

突然、後ろからタックルを食らい、ペドーがよろめく。

 

「ああ、シェリちゃんも居たのね……」

そこにはピンクのシャツと黒いスパッツを履いた、褐色の肌を持つ幼女が居た。

最近隣に越してきた、準精霊のシェリ・ムジーカだ。

 

「けど、二人でも危ないよ。特にここは、路地裏が多いから連れ込まれたら大変だよ!

さ、特に危ない所を紹介するからついてきてね!!」

 

「ぺ、ペドーさん、痛いです……」

 

「やめろぉ!!なんで、路地裏へ引っ張ろうとするんだ!?」

 

『ああん!!ペドーくんったらケダモノ~』

 

「はぁはぁ……大丈夫だよ……はぁはぁ……お兄さんが、お兄さんが守ってあげるからね!!」

息を荒くして、路地裏へ連れ込もうとするペドー!!

 

『おおっと、オイタはそこまでよん?』

 

「このペドヤロー!!」

よしのんが四糸乃と運転を代わり、シェリが足のバネを利用して飛び上がった!!

よしのんの蹴りが鳩尾に!!そしてシェリの壁を蹴った反動を利用した蹴りがそれぞれペドーの顔面に突き刺さった!!

 

「俺の、業界では、ご褒美です……」

 

「表にゴミを置いておけないね」

 

『しょうがないな~』

シェリと四糸乃が顔を見合わせ、ペドーの路地裏まで運んでいった。




文化祭ってわくわくしますね。
毎年、何らかの形でステージに私は登っています。

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