デート・ア・ペドー   作:ホワイト・ラム

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毎回だが、話が進まない……
ってか、寒い……
外は珍しく雪だらけです……


ProjectーPEDO

「あらあら、困りましたわ」

トイレを出て待っていたのは、狂三とそれに詰め寄る折紙、十香の二人だった。

 

「うわぁ、女子ってこわいなー。水面下で何やってるか分かったもんじゃないな」

詰め寄る二人をどけて、狂三に近づく。

 

「お前ら、今学校案内してるから、じゃますんな。な?

ついてくる位なら良いから」

 

「う、うむぅ……」

 

「了解した」

譲歩をしたペドーが3人を引き連れ、学校を案内する。

途中でインカム越しに、保健室で押し倒せだの、ストッキングを転んだ拍子に破けだの言って来たが、手にインカムを握って黒板を思いっきり引っかいたらそんな事も言わなくなった。

 

「ふぅ、あれだな。今俺は、普通の高校生をしてるな」

何処か満足そうにそう言うと、すべての説明をざっと終えた。

後ろで折紙が「このトイレがあなたが後に顔面を押し付けることに成るトイレ」だの、十香が「お前が呼ばれる事に成るであろう、人の来ない校舎の影」だの説明するのを聞いていた。

 

「女子ってホント仲イイよな~」

現実を忘れる様にペドーがつぶやいた。

 

 

 

「ありがとうございました。

ペドーさん、それではまた」

笑みを浮かべながら、後ろで尚も警戒を続ける二人を無視して狂三が家路につく。

 

「あの二人……ペドーさんに比べるとイマイチですが、まぁ食べる位は出来――キャ!?」

 

「何処見てんじゃオラ!!」

突如狂三がガラの悪い男に恫喝される、近くに数人まだほかに男がいる様だ。

 

「あら、ごめんなさい。よそ見をしていたので……」

謝るが男はゆるしてくれる気配はない。

 

「てぇめぇコラ!謝んのは俺じゃねーよ!!……って、結構きれいな目してるじゃねーか……」

 

「げへへ!アニキぃ、コイツ、ヤっちゃいまセン?」

ゲスな笑い方をする二人に、狂三が笑みを浮かべる。

 

「お兄様方――私と交わりたいんですの?」

その言葉に、男達に動揺が走る!!

 

「交わりたいって――うわぁ、露骨ー。

興奮通り越して引くわ……」

 

「分かる、こう、『自分がかわいい』前提で話進めてますよねー」

がやがやと男達が、話し始める。

 

「今時抜きゲでもこんな展開ないわー、萎える……」

 

「ってか、言動が完全にキモイ……3次はやっぱりクソだな」

 

「2次こそ至高!!」

 

「「2次こそ至高!!」」

リーダー格の男が叫びながら上着を脱ぎ捨てる!!

一瞬のラグを開けて、他の男も上着を捨てる!!

そこから現れたのは、アニメキャラのTシャツ!!

 

ピンクや青といった、現実ではありえないカラーの髪の毛の女の子たちがシャツの中でウインクしている!!

 

「ええ……」

その様を見て、狂三が頬を引きつらせた!!

 

「さて、欲求不満クソ女のせいで、中断された第45回『キューティア様のかわいさについて語る会』を再開するぞ!!」

 

「「おー!」」

そして再会される、アニメキャラの熱い語らい!!

犬を呼ぶシーンで、実際に画面まで走って行って仕舞った病気の人に、嫁の誕生日を盛大に祝うのが日常に成っているお兄さん、などなど……

狂三の前で、聞くに堪えない会話が繰り広げられる!!

 

「ん?なんだ、まだ居たのかよ……さっさと帰れよ」

 

「まぁまぁ、3次はクソだと改めて認識できたから、良いじゃないですか」

 

「さっさと帰れ、ですのー子!!」

三者三様の言いざまで狂三を馬鹿にする!!!

 

ブッチィ!

 

その時狂三の中で何かが弾けた!!

 

「あなた達ぃ~いい度胸ですわね!!私を此処まで侮辱するなんて……!!」

狂三が指を鳴らすと共に、男たちが狭い路地に無数の腕で連れていかれる。

 

「な、なんだ!?」

 

「こ、コレは!!」

 

「止めて!乱暴する気なんでしょ!!エロ同人みたいに!!!」

 

「「「エロ同人みたいに~~~~~」」」

 

グシャ!!めきゃ!!ブッチ!!

 

路地裏に、何かが潰れる様な音が響いた。

 

「はぁ、本っ当に!不愉快な男達です事……

ねぇ、そう思いません?()() ()()()()()?」

狂三の後ろに立つのは、レーザーブレードを構える真那だった。

 

「気安く私の名を呼ぶんじゃねーです。

反吐が出やがります!!」

 

「あら、私の事も名前で呼んでくださって結構ですのに?

私、正直言ってあなたの事がかなり気に入っているんですのよ?

友好の印として、寧ろフランクにニックネームで、そう狂るんとか――」

 

「ゼッテー呼んでやらねーです!!」

真那がブレードを振りかぶった。

 

 

 

 

 

「ペドー、今日の夕飯は何だ?ハンバーグか?」

十香が、ひき肉のパックを片手にペドーに尋ねる。

家に親が居ないというギャルゲ的ご都合主義を決めている五河家だが、その分料理はペドーが作らなくてはいけないというデメリットも存在している。

 

『あら、良いじゃない。私もそれに一票』

インカムから琴里の声が聞こえてくる。

どうやら二人とも、ハンバーグがご所望の様だ。

 

「ええー?大根の煮つけとか、そぼろ丼とかもいいんじゃないか?」

ちょっと意地悪するつもりで、ペドーがわざとらしく話す。

 

「私はハンバーグが良いのだ!!和風おろしのヤツだ」

 

『そうよ。小出しにするんじゃないわよ。みみっちぃ!』

インカムと目の前の胸部デブ二人からブーイングを受けてしまった。

 

「な、琴里。ちょっと思いついたんだが……」

ヒソヒソとインカムに向かってペドーが声を漏らした。

 

『何よ?』

 

「幼女と母親を同時にイタダクのは親子丼っていうだろ?

幼女姉妹の場合は、姉妹丼だ。

祖母とロリを一緒にイタダク場合は祖母ロ(そぼろ)丼って言えなくないか?」

 

『死ね!!氏ねでも、シねでもなく、ストレートに死ね!!』

怒れる琴里の声を受けて一方的に、通信を切られてしまった。

 

「あれー、どうしたんだ?ご機嫌ナナメだな……

年頃の女の子はそんなもんか……

喜べ十香、今日の夕飯はハンバーグだぞ」

 

「本当か!?ふふふ、楽しみにしているぞ」

 

(逆に十香は簡単に、機嫌がよく成るな……)

 

「あ……」

 

「ん?」

そんな事を考えていると、目の前を歩く少女と目が合った。

なぜかこちらを呆然とした顔で見てくる。

 

ナニカ、珍しいモノでもあるのかと気にして後ろを向くが、特になにもない。

ただの一般人の生活が広がっているだけだった。

 

「に、ニーソマン!!……じゃなかった、兄さま!!」

その少女は涙を浮かべ、ペドーに抱き着いた。

 

 

 

 

 

「いやー、まさか兄さまに逢えるとは……」

ペドーの家の前、崇宮 真那がウキウキ顔で話しかけている。

 

「なぁ、ペドーにはもう一人妹がいたのか?」

 

「いいや、記憶にはないが……」

十香とペドーがヒソヒソと耳打ちをし合う。

 

「兄さま!!そちらの方は一体誰でいやがりますか?義姉様という物がありながら……まさか浮気をしてるんじゃねーですよね?」

怪訝そうな目で十香を見る真那。

 

「真那……とか言ったか?別に俺は誰とも付き合ってねーぞ?」

 

「本当でいやがりますか?

十香さん、兄さまとデートした事は?キスした事は有りやがりますか?」

 

「む?もちろん有るぞ!!」

元気いっぱいといった様子で十香が真那に応えた。

 

「兄さま!!一体これはどういう事でやがりますか!!

まさか、複数の女性と関係を持つなどと――最後の方の回で刺されても知りませんからね!!」

 

「餅つけ……あ、違う、落ち着け。十香、お前は家に帰ってろ、話がややこしくなるからな……」

 

「む、むぅ……ペドーが言うならば……」

しぶしぶといった様子で、十香は隣のマンションへと帰って行った。

 

 

 

「いやー、此処が兄さまの家でやがりますかー」

 

「おう、狭いけどゆっくりしてけよ」

真那を連れ、ペドーが五河家の扉を開ける。

ソコにはもう一人の妹が、出会ったばかりの妹を()()()()べく鎮座していた。

 

「おかえり、()()()()()()

おにーちゃんの部分をヤケに強調して、琴里が二人を出迎える。

 

「おや、まさかもう一人妹が――」

 

「琴里ぃぃぃいいいい!!!マイスイィイイイイイト、シスタぁあああ!!!

うわぁあああああんんん!!琴里ぃぃぃいいいいいい!!ことりぃぃぃぃぃん!!

学校辛かったよぉぉおおおお!!人間関係、超こえぇええええよぉおおおおお!!

勉強嫌だよぉおおおおおおお!!はぁはぁ、はすはすはすはす!!!

うをぉおおおおおお!!!琴里うをおおおおおお!!!」

何かを話している、真那の隣をペドーが超高速で駆け抜け、その胸にダイブする!!

 

「!な?!?なんなの???」

 

「な、何が起きたんでやがりますか!?(超高速移動!?普通の人間が?私じゃなくちゃ見逃してやがりましたね……)」

二人のペドーの妹が、ほぼ同時に困惑の声を上げる。

しかし尚も。ペドーは琴里の平たい胸に頬を擦り付け続ける。

 

「な、何をしてるのよ!!この変た――ハッ!」

とりあえず、目の前の変態に蹴りを打ち込むべく構えるが!!

ペドーの後ろ、真那の存在に気が付き琴里がペドーへの攻撃を躊躇する。

そう、この妹の前で兄を折檻する訳にはいかない。

 

(計画通り)

琴里の胸の中、真那に見えず琴里にだけ見える角度でペドーが邪悪な笑みを浮かべる。

 

(この変態ッ!計算してたのか……!

私の態度、真那に対して取るであろう行動、そして――このチャンスを!!)

ギリリと歯ぎしりする琴里の前で、ペドーが尚もほおずりを続ける。

 

「どうしたんだ、琴里?()()()()()()()慰めてくれよぉ」

いつもみたいにを強調して、ペドーが話す。

 

「お、おにいちゃんったら……も、もう甘えんぼさ…んね……」

非常にぎこちない態度で琴里がペドーを撫でかえす。

 

「よし、元気でた。居間でゆっくり話そうぜ」

ペドーが、琴里と真那を居間に連れて行く。

 

(くそう……一体どうすれば……)

琴里が密かに、あせる。

このペド野郎は、このチャンスを逃しはしない。

ずっと、何かこんな機会が有るのか待っていた男だ。

そして、そのチャンスを一切の良心の呵責も無く、羞恥の躊躇もなく実行できる危険人物。

 

「気を引き締めないと……!」

頭の黒いリボンを琴里がキツク結び直した。

最早自身の敵は、兄を奪い取ろうとするパッと出の自称妹だけでない。

幼い肢体に興奮を催す危険な、自身の兄がいる。

 

「いきなりで悪いんだけど……貴女は本当にペドーの――」

 

「おい、琴里。立ってないで座れよ、行儀悪いだろう?」

琴里の言葉を無視して、机を挟んでペドーと真那が座る。

 

「兄さまの家族の話、私も興味がありやがります」

二人に促され座ろうとするが……

 

「恥ずかしがるなよ。()()()()()()()俺の膝の上、座れよ」

 

ニタァ

 

そう擬音の付きそうな顔でペドーが、自身の膝を叩く。

座れと言うのだ、このロリコンは。

初対面の女の前で!あたかもいつも座っているかの様な情報を与え!!

自身の膝の上に、琴里の肢体を乗せようとしてくる……!!

 

「お、おにーちゃん?」

 

「ん?なんだ、琴里」

味方はいない!!




知ってるかな?
子供は、普通の大人より体温が高いんだ。
つまり、抱きしめればカイロに成る!!

成るんだ!!しまかも、使い捨てじゃない!!環境にも優しい!!

問題点は、職質される所か……


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