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2話投稿します。お楽しみください。
では。
作られて、刷り込みを施された僕は、病気で死ぬオリジナルの代わりにと作られたけれど、僕は、何か夢を見ていたんです。とても幸せで、悲しい夢。
夢の中のオリジナルはとても冷たい目で僕を見下ろしていました。
夢の中で言われた言葉と一言一句違わないその言葉に、僕は身震いしました。
オリジナルの目を見ると、そこには冷たさはなくて、驚いてしまいました。
その代わりそこには、明らかに苦痛の色が浮かんでいた。オリジナルは病気でしたから、痛みが体を襲っていたのだと思います。
僕以外のレプリカたちはザレッホ火山へと連れていかれてしまいました。夢の通りだったんです。
僕は夢を信じました。正夢だと思ったんです。
僕の中には知識以外の記憶はなくて、アリエッタのこともよくわからなかった。夢で出てきた彼女はとても寂しそうな顔をしていたけれど、僕の前に現れたアリエッタは笑顔で、僕に会わせたい人がいるからと言って、僕とオリジナルが入れ替わったことを隠蔽するために導師守護役が解任されていく中、ローブ姿の誰かに会わせてくれました。
「アリエッタ……?」
「イオン様、こっち、です」
嬉しそうなアリエッタに僕は驚いていました。アリエッタはまだ仕事の引き継ぎを任されているために今日中に解任が言い渡されることがないのはわかっていますが……。
ローブ姿の人は、僕から見ると背の高い人と一緒にいました。どうして彼らが導師の部屋に入っているのかは謎でしたが。
でもその人がローブのフードをとった時、僕は理解しました。
「会いたかったよ、導師」
「あなた、は……」
彼は――オリジナルイオンではありませんか。
僕は混乱しました。
オリジナルイオンは僕の肩を叩いて笑いかけてきました。
「導師、これから大変なことも多いけれど、頑張ってね」
彼は、どうしてここに?
「僕の預言を見ればどうして僕がここを出て行って、お前が僕の身代わりにされるのか、わかるはずだよ。でも大丈夫。身代わりなんて僕は思っていない。必ず迎えに行くからね」
顔に出ていたのだろうか。安心させるように彼は言う。
「迎え……?」
「会えるのはマルクトに来た時だけだけれど、たまに顔を出してよ。あと、ディスト抱き込んじゃえ。あれは役に立つ」
ますます混乱しました。けど、目がとても優しくて、だから分かったんです。
「わかり、ました。頑張ります、イオン。行ってらっしゃい」
「ふふ。それと、僕、今度からマリオンって名乗ることにしたから、マリオンって呼んでね! 行ってきます」
マリオン。マルクトのイオンで省略しただけですよね、それ。
彼らが姿を消してから、僕はアリエッタから引き継ぎの書類を貰い、目を通しました。
ディストの話とか、モースをどうこうとか、ヴァンが云々とか、ルークという人物はすべて知っているとか、シンクとフローリアンという兄弟がいるとか、アリエッタも解任しといてとかそんなことが書かれている秘文書扱いの物がたくさんありました。
ルークという人は僕と同じくレプリカで、なんだかよくわかりませんが、未来を見てきたような夢を見ているのだそうです。
僕は自分の夢を思い浮かべました。
ディストについては、ディストの技術力でマリオンとの通信機器を作ってほしいとのことでした。これから死にゆく人間がそんなもの作っちゃおかしいですよね、と思っていたらそうでもなくって。
走り書きが追加されていました。
『僕は驚いたよ、ギルのお酒で、医者が匙を投げた病が回復したんだ! でも僕は預言通り死ぬんだ。だからダアトを出なくっちゃね。どうしよ』
楽しかったんだろうなって、わかります。字が躍ってますから。
そして最後の紙に、こう書かれていました。
『生まれてきてくれてありがとう、僕の弟。お前の名前は“イオン”だ』
僕は泣きそうになりました。
こんなにやさしい言葉を残してお出かけしていったオリジナルに。
兄さんに。
「アリエッタ。お仕事、お疲れ様でした」
「はい、です。アリエッタ、マリオン様の、導師守護役、です。イオン様のじゃ、ない……です。アリエッタ、見守る、です」
「はい。お願いしますね、アリエッタ。――アリエッタ、これをもって、導師イオンの導師守護役を解任します」
「はい、です」
こうして僕は、アリエッタを導師守護役から解任し、シンクと顔合わせをして、解散しました。
シンクとアリエッタはそのうちヴァン・グランツ謡将によって六神将に任命され、同じ時期に、アッシュという方も任命されました。
ところでシンクが、アッシュの様子が変だと言っていましたが、なんなんでしょうか?
もう一つの案にしろこの案にしろなかなかうまくまとまらなくて←
こっちが終わったらきっともう一つの案も投稿し始めるのだと思います←