朝起きてから準備をして執務室に入るとソファに一人の女性が座っていた。
「あ、おはようございます提督さん!」
「えっとなんで朝から執務室にいるんですかね由良さん」
「最近提督さんがまじめに仕事してない、艦娘と話すのが仕事の時と会った時にしか最近話してないと艦娘会議で話題になり真面目に仕事をしてもらうのとコミュニケーションの改善が目的で今日から毎日入れ替わりで秘書艦がつくことになりました。今日は最初ということで練度が一番高い私になりました!」
なんでそうなるのさ・・・。や、確かに仕事中FGOしたりスプラトゥーンしたり、夕張呼んでガルパン劇場版見て泣いてたりしてたけどもね?会話も仕事と溜まってたアニメとゲームの消費で中々部屋から出れてなかったしな・・・。つーか艦娘会議ってなんだよ。俺聞いてねーぞ。
ことの発端は昨日の艦娘会議でだった。
「では会議を始めます」
加賀さんがホワイトボードの前に立ってそういうと喋ってた子達が加賀さんに目を向ける。
「まずは食堂から。食器を落として割ってしまうことが多くて使う食器が減ってるので注意してほしいとのこと。次に工廠からです。装備を外したまま部屋に帰ることが多いからちゃんと片付けてほしいとのことです。主だったことはこれで以上ですが他に何かありますか?」
加賀さんがそういった後一人の艦娘、霧島が手を挙げる。
「最近報告に行くと遊んでいる提督を見かけます。話を聞くと休憩と聞きましたがその二時間後にお姉さまと紅茶を持っていったらまだやっていました。こういう事があったので一応報告しておきます。あと複数の子から提督としばらく話すことができていないとの報告もありました。ちなみに報告に行ったとき提督は金髪の剣士と侍が戦うアニメを見ていました」
「金髪の剣士?」
なんだそれはという顔をした加賀さんが首を傾げていた。
「それってFATEじゃないかな?」
が言うと「FATE知ってるよ!」や「えくすかりばーなのです!」等の声が上がる。
「仕事のほうは秘書艦をつけることにしましょう。コミュニケーションはそういった提督の趣味から話を発展させていくやり方で行きましょう」
「まず秘書艦については誰かを固定ではなく毎日日替わりでやっていくことにします。そのほうがいろんな子が提督とコミュニケーションをとることができるでしょうしね」
「でもどうやって提督と話し始めます?趣味で話を始めるにしても会話のきっかけってあるでしょう?」
話を聞いてた赤城さんが加賀さんに尋ねる。
「ならFATEに出てくるセイバーってキャラのセリフでシール・サーティーンディシジョン・スタート! 《承認》
《ベディヴィエール、ガレス、ランスロット、モードレッド、ギャラハッド》これは、世界を救う戦いである! 《アーサー》 エクスカリバー!ってあるんだけどこれを思い出すみたいに話せばいいと思うよ」
夕張がなっがい技の名前?言った瞬間、会議室は凍ったかのように静まり返った。一部の駆逐艦は思いっきり引いている。
「なんで夕張はそんなの覚えてるの・・・?」
「さすがに引くにゃ」
「ガーン!」
周りからそう言われ、夕張は「だってかっこいいじゃん・・・」って言いながら床に泣き崩れた。
「でもそれを使うのはありね。きっと提督ならわかるでしょうし。そこから話を広げるの」
加賀さんが言うと「おおー!」と声が上がる。
「じゃあ最初は一番練度が高い由良からやってもらいましょう」
「えぇ私ですか?!」
「一番提督と仲いいでしょう?じゃあ頼むわね」
そして今に至る。
「まあそういうことなのでよろしくお願いしますね提督さん!」
「お、おう分かった。じゃあとりあえずこっちの書類頼むわ」
「了解です」
由良が来てから早3時間が経過した。ほとんどの書類は終わったが残り少しというとこで飽きて今はFGOで種火周回してる。最近出たプロトセイバーのために回ってるけどアーラシュさんこれ現実だったら自殺してるレベルだなって思いながらステラァァァァ!したら俺のiPhoneがステラァァァァした。顔を上げると由良が書類と俺のiPhoneを持っている。
「提督さーんなにさぼってるんですか?私はもう終わりましたよ・・・」
「や、セイバーが俺のこと呼んでるからさ・・・」
「あ、セイバーといえばシールなんとかってわかる?最近Twitterで見かけたんだけど中々思い出せなくて・・・」
「あ~シール・サーティーンディシジョン・スタート! 《承認》 《ベディヴィエール、ガレス、ランスロット、モードレッド、ギャラハッド》 これは、世界を救う戦いである! 《アーサー》 エクスカリバー!でいいか?」
「そうそうそれ!というかよく覚えてるね・・・」
「俺はお前がTwitterやってることに驚きだわ・・・。とりま、書類終わったならそこ置いといて。俺が終わるまで部屋にある漫画読んでていいから」
「わかったわ」
耳にイヤホンぶっさしてペンを持って書類に向かう。耳元で学校の危機を救った9人のアイドルの曲が流れてペンよりサイリウム握りたいのを我慢しながら1時間ほどで書類が片付きイヤホンをとって時計を見る。時刻は昼過ぎで飯を食いに行こうと思い由良に声をかけた。
「終わったから飯いくぞ」
「ん、わかったわ」
財布と携帯を持って執務室を出る。ちなみに由良が読んでた漫画は虹色デイズ。
「ちょっと提督さん。そっちに食堂はないわよ」
「今日ラーメンの気分なんだ。食堂にラーメンないじゃん?だから外で食べるよ。もし食堂で食べたいのあれば2時に執務室集合で」
「私も行く!」
「ん、じゃあ玄関にいるから着替えてきな。最近艦娘反対派っていうよくわからんのが艦娘襲ってるってニュースがあったし」
「提督さんと一緒に一緒にいてそんなのに負けることないだろうけど・・・まぁりょーかい」
最初のほう声小さくて何言ってるか聞こえなかったけど靴はいて玄関で待つ。
「お、おまたせしました」
提督さんはスマホの画面みたまま扉に手をかける。せっかく私服に着替えてきたのに感想と興味なし?
「提督どう?」
一瞬何言ってんんだこの女って顔したけど気づいたみたいで「その服買ったばっかなのか知らないけどタグついたままだよ」と言って玄関を出ていく。私は恥ずかしさとそこじゃねーよ!って怒りでタグを引きちぎって玄関を出た。
鎮守府を出て歩くこと20分。特に話すこともなく店についてしまった。店の名前なんて読むんだろう?はなつき?
「何食うんだ?」
「え、奢ってくれるの?」
「え、何ダメなん?」
「いやそんなことないよ!じゃあこのおすすめのやつで・・・」
提督さんはそのメニューのボタンと自分のラーメンのボタンを押し席に着く。
「ここよく来るの?」
「ん~たまーにかな。一人の時だと次郎とか行くんだけど今日は由良いるしはずれのない店ということでここ入っただけ。あと食堂と違って出てくるの遅いからこれ貸してやるよ」
由良にさっきまで読んでた虹色デイズの続きを渡す。
「あ、ありがと」
「汁跳ねたりしてシミとかできたらやだから来たら返せよ?」
そう言って俺も虹色デイズを開く。どうでもいいことだが俺が読んでるのは8巻で由良は2巻ね。8巻の昔のなれそめのとこが個人的に一番好きだわ。
そんな感じで読んでいると二人の前にラーメンが置かれる。
由良から本を受け取り、食べ始める。
「提督さんこれおいしい!」
「あれ、ラーメン食べたことなかった?」
「うん!こんなおいしいものがあったなんて知らなかった!」
「まあそんながっついて食べずにゆっくり食べな・・・」
食べ終わった後店を出て近くのブックオフによって帰った。なんで寄ったかって?特価コーナーにいたワンパンマンのBlu-rayが仲間になりたそうにこちらを見てたからに決まってんじゃん。