名を夕張。軽巡洋艦だが戦闘は彼女の希望で一切しない。
今日はそんな彼女のお話をしよう・・・。
「提督、書類終わった?」
書類を片付けてるように見せてパソコンでガルパンを見てたのがばれたのかソファーに座りながら遊戯王を構築してた夕張がそう聞いてきた。
「まだ終わらねーよ。てか、人が仕事してる前で遊戯王構築して、最新弾を箱であけるのやめろよお前。うらやましいぞ」
「だって私は提督がやるはずの書類半分終わらせてあるんだからいいじゃないのよ。それに箱だって買ってくるときに買ってこようか聞いたら「俺は自分の足で出向いてパックを苦労して買う。それが俺のロードだ」とか言うから買ってこなかったんじゃない」
「いやまぁそうだけどなぁ・・・」
「とにかく早く終わらせて買ってくればいいじゃない。今回すぐ売り切れそうだから早めに行ったほうがいいわよ」
「よし、やるか・・・」
パソコンを閉じて書類に向き合う。毎日顔を合わせているがこいつと深海棲艦は好きになれないと思う。目指すは箱3つの頂。止まるわけにはっいかないんだっ!
ーーーーーーーーーー
「終わったー!」
「はいお疲れーでももう少しでお店閉まっちゃうよ?」
今は・・・7時51分か・・・。
ここらのカードショップは経営してるのがおばあちゃんだから8時には閉めちゃうんだよな・・・。
「フフフッ・・・ハッハッハァァ!甘い!甘いぞ夕張!そういう時のために俺はすでに手配済みなのだよ!」
「は?何言って・・・」
提督は高らかに笑った後、スマホである人物に電話を掛ける。
「おう、俺だ。例のを」
それだけ言って電話を切る提督。一体誰に電話したというのよ・・・。電話を切って数秒で執務室の扉が開く。そこにはいつもの制服ではなく自身の趣味のコスプレである忍者コスをした川内が立っていた。手には遊戯王の最新弾の箱が三つ・・・。
「まさか・・・」
「そのまさかだよ夕張君!」
忍者コスの川内にお金を渡し、箱を受け取る。
「ご苦労だったなセンダイ。これもとっておけ」
「ハッあり難き」
提督は川内に追加で万札を出す。おいお前・・・。川内は万札を受け取ってすごいにやけなから執務室を出ていく。
「なぁ提督さぁ・・・お前のロードはどこに行ったんだよ!」
「フンッ!そんな整備もされていない不安定な道などとうに捨てたわ!いいか夕張!これが・・・これこそが俺のロードだ!フハハハハハ!」
「今あんたの顔すごいどっかの社長に似てたわよ・・・」
「まぁ茶番は置いといてだ。今日の残りの任務最後の一つをやるぞ」
「?最後ってたしか工廠で開発よね?」
「そうだ。だが開発するのは艦娘の装備ではない・・・。俺の装備だ!」
「な・・・なんだってー!!」
「MMR乙。とりま、工廠に向かうぞ。夕張」
「お、おうよ」
「で、今日は何をご所望で?」
「七支刀」
「ん?は?」
「え?知らない?」
「いや知ってるけどさ、なんで七支刀?」
「いやぁ昨日ソードアートオンラインの一期が見たくなって5話の圏内事件で七支刀みたいなやつでたじゃん?あれ見てほしいと思った」
「なーるほどねぇ~」
「なぁ、頼むよ夕張先生」
「わかったわよ・・・火使うから離れてなさい」
「あざーす^」
夕張はパソコンで七支刀の写真をコピーしてそれを見ながら鉄を七支刀の形に整えて熱しながら叩いて形を近づけていく。
見ての通り、夕張は天才だ。天才といっても道具、武器などを作ることに特化した天才で艦娘の装備や個人的な物の生産は夕張が行っている。だが彼女は艤装を装備することはできない。生まれた時から装備ができなかったらしい。装備ができない代わりに神から創作の力を貰ったというところだろう。だから艤装を開発した際は誰かに頼んで試してもらうという形を取っている。出撃がない分、夕張は工廠で開発をするか部屋でアニメを見るという生活を送っている。このことに対しては同じ趣味だししっかりと武器は作ってくれるから咎めはしない。
「ねー提督ー?カラーリングはどうするー?」
「そこは金一択でー」
「中二くさいな~エクスカリバーじゃないんだけどなぁー」
「いいだろ別に。趣味だよ」
「はいはいっと。はい完成っと。あとは熱を冷ますだけっと。私は部屋で見るたまこまーけっと」
「いやおいラップかよ・・・。まあサンキューな。あとはこれをしまうけど来るか?」
「まじ?それは行くでしょ!」
「じゃあここじゃ狭いから外でるぞ」
「はーい」
夕張に作ってもらった七支刀ver.ゴールドカラーを握って工廠の外、まあグラウンドだな。そこに出る。
「じゃあ行くぞ」
「WKTKWKTK」
「では僭越ながら・・・体は資材で出来ている 血潮は
そう言うと俺たちが立っていた地はグラウンドから無限の武器、艤装、資材で埋め尽くされた丘に変わる。
ここにあるのは艦娘の艤装だけでなく俺でも装備ができるように作られた艤装や世界から集めた剣や銃、槍などの好きな武器が地面に突き刺さり、足元には資材が山のように積んである。
「ひっさしぶりに来たなぁ~ここ」
「そういえばそうだな。武器制作も久しぶりだったしな」
周りを見回した後、周りより開けたとこに地面にできたばっかりの七支刀を地面に差す。
「試さなくてもいいの?」
「これだけいろんな剣を持つと重さとかでわかるっての」
「そっかい。まあ不備があればいつでも言ってね」
「おうよ」
「にしても、不思議よね。提督がチートなのは知ってるけどここまで再現した上に王の財宝とここをリンクさせて二倍の広さで資材と武器貯蔵してるんだから」
「まあ資材はほとんどピンチの時のへそくりみたいなもんだけどな。リンクについては・・・うん一度に両方出現させたら繋がったしな・・・。あの時は焦った」
「一緒にいた私も焦ったもんね~」
「だなぁ。そろそろ戻るけどいいか?」
「了解ー」
固有結界を解除してグラウンドに戻る。
「俺はもう執務室に戻るけどどうする?」
「そうだなー・・・私は提督が買わせてきた三箱が爆死するのを見て笑いたいかな」
「なんじゃそりゃ・・・まあいいか」
二人で執務室に戻って箱を開封する。結果は見事に爆死。
体は無限の資材でできている!(各資材残り15000だなんて言えない)
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