「それでは、コリアンダー島奪還を祝しつつ、ガラムマサラ島奪還を祈願し、乾杯!」
この戦いの総司令・堂山さんが音頭を取る。
『乾杯!』
俺たちが続いて言う。
「お疲れー」
「おつおつー」
「言っとくけどまだ戦いは終わってないからな・・・」
乾杯してからそれぞれ飲み始める。俺はレモンサワー、刻は日本酒、駿はまだ未成年だからオレンジジュース。艦娘もそれぞれで呑んでいる。
「あ~っ!!戦った後の酒はうまい!」
「ああ!うまい!」
「俺はオレンジジュースだけどな・・・」
「異世界じゃ15で酒吞めるんだしお前も行っとけ行っとけ」
「いや、ここ日本だからな!ルグニカじゃないからな!それにもう酔ってるのかよ!」
「つれないねぇ~。まだ6杯だし酔ってないわい」
レモンサワーから日本酒、テキーラ、金剛が持ってきた赤ワイン、赤ワイン飲んだ後に日本酒の味が恋しくなってまた日本酒、そのあとは長門が持ってきたビールを吞んでいる。
「いや、顔赤いからな」
「そろそろ私は帰るよ。作戦会議は君たちに任せる」
堂山さんは二杯ほど呑んで席を立つ。
「なーに言ってるんですか~もっと飲みましょうよ」
「え、ちょま・・・」
堂山さんの口に無理矢理コップをつけて酒を流し込む。
「おいおい・・・」
「あーあ」
堂山さんはどうやらお酒に弱かったらしくそのまま酔いつぶれてしまった。申し訳ないことをしてしまったが酔っ払いのやったことだ。快く許してくれるだろう・・・多分。
「このままじゃただの宴会で終わっちまう。さっさと作戦会議しよう」
「そうだな・・・」
「で、一体どうするってんでぃ」
「まず、ここまで苦戦しながらも俺たちは勝ってきた。だが、数では圧倒的に負けている。ゲートも多分ガラムマサラ島で出現するだろう・・・。そこでだな、開幕で敵を吹き飛ばそうと思う」
「簡単に言うがどうやってやるんだ?」
「ここにアメリカさんが作ったトマホークがあります。これをぶち込んでやりゃいいのさ」
俺は王の財宝から艦娘装備用のトマホークを取り出す。大きさがそこまで大きいわけではないので広い宴会場で出しても問題はない。
「なるほどなぁ・・・その考え乗ったぜ」
「でも数は足りるのか?」
「そういう時はうちの
「お前のとこの夕張がすごいのは知っているがどうするってんだ?」
「簡単なことよ・・・俺がいったん戻って夕張に艦娘用のトマホークを追加で作ってもらえばいい」
「・・・そんなことできるのか」
「うちの子は優秀だからな?で、何本作ってくればいい?」
「一人一本でいいと思うぞ」
「了解~。じゃ、ちょっくら行ってきますわ。その間風呂入ってでもしてゆっくりしてな」
俺は二人にそう言ってマイホーム呉に飛ぶ。
ーーーーーーーーーー
「はーいてーとくでーす。夕張いるか?」
呉に戻って工廠に向かい、ノックもせずに工廠の作業部屋に入る。中では夕張がポテチを貪りながらリゼロを見ていた。しかも11話とはいいところじゃぁーないの。
「提督!?ノックぐらいしてよ!」
「そんな反抗期の娘のような態度しなくてもいいじゃないか・・・。まあそんなことはどうでもいい。お前に新たな武器というか装備というか消耗品を作ってもらいたい」
「へぇ・・・今さ、私、リゼロにはまってるんだよねぇ・・・」
「・・・作れたら原作、円盤、グッズなんでも買ってやる・・・」
「イヤッホーウ!で、何を作ればいいの?!」
「おま、落ち着け!ポテチが口から溢れてるから!」
「これは失敬失敬」
「で、話し戻すけどな・・・トマホークって追加で作れるか?」
「今、伊勢型のお二人が絶賛試し打ち中よ」
「・・・もう出来てるのかよ・・・流石だな」
「へっへっへ。そろそろ二人も戻ってくると思うよ~」
「そうかそれなら少しまっt「ねえ夕張これやばいね!」おい伊勢!人が話してる時にいきなり扉開けてダイブすんな!」
「えへへ、ごめん」
「なんだ提督じゃないか、戻ってたのか」
「ちょっと新武器の製造をな・・・で、お前らトマホークはどうだったんだよ」
「「最高だったけど?」」
「お~威力どんな感じ?」
「カスガダマ沖のボスが塵になるぐらい」
「いや強すぎるだろ!」
「威力は問題なさそうね。使い心地は?」
「特に問題はない」
「ならこのまま使って大丈夫そうね!ほら、提督持っていきなさい」
「お、おうありがとな」
「ちゃんと円盤と原作頼むわよ!」
「了解了解。じゃ、また行ってくるわ」
「気をつけて行ってこい」
「頑張ってね!」
「おうよ!」
夕張、伊勢、日向から預かったトマホークを王の財宝に入れて横須賀にフライアウェイ。
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「さて、戻ってきましたよっと」
「あら、御坂さんお帰りなさい」
「えっとシエルさんだっけか?あの二人はどこにいるかわかる?」
「あの二人でしたらお風呂に入りに行きましたよ」
「ありがとうございます。うちの艦娘はいずこに?」
「みなさん疲れていたみたいでもうお休みになりました」
「やっぱりですか・・・まぁ時間も遅いですしね~ありがとうございました」
「いえいえ」
「シエルさんも休んだほうがいいんじゃないですか?」
「いえ、私は隊長を待っています」
「そうっすか。じゃあ明日も頑張りましょ」
シエルさんと別れ、着替えを持って男湯に向かう。
風呂場の扉を開けて中に入ると中には・・・大量のひよこが待っていた。
「なぁにこれぇ」
「ひ・よ・こ・ちゃ・ん」
「すまんな・・・うちのデップーがやった」
「いや・・・いいけどよ・・・」
「トマホークはどうだった?」
「問題ない。詳しくは明日だな」
「おっけい」
「藍原とは話してたんだが、明日は今日以上にきつい戦いになる。レ級といい、何が出てくるかわからないからな・・・。できれば手の内を明かすというか本気でやってほしい」
「いつも全力だぜ俺は」
「うそこけ。その背中のはどう説明するってんだ」
刻が指摘したように俺の背中には何かをつなぐような鉄でできた穴がある。もちろんお湯が入るから穴は閉じられているがな。そしてまだ本気をだしてないのも事実だ。
「そうだねぇ・・・これを強いて言えば妖精さんが開発した『融合』ってとこかな」