約二週間ぶりに帰って来たぜ千葉!
意外と経ってないな。
見慣れた景色を見ながら自宅を目指して歩いていく。
八幡「こ、これは…。」
途中あった自販機を見ると千葉のソウルドリンクことマックスコーヒーが売られていた。
八十稲羽にはなかったあの舌に残る練乳由来の甘さがどうも恋しくなり思わず買ってしまった。
人生が嫌と言うほど苦いのだからコーヒーぐらいは甘くてもいいのではないかと思う。
そんなことを考えながらマッカンを楽しんでいるうちにこれまた二週間ぶりの我が家へたどり着いた。
八幡「たでーま。」
小町「おかえりー!おにーちゃん。お土産は?」
八幡「ほい、饅頭。」
小町「ありがとー。じゃあ早く入って入ってー。」
このしっくりくる感じ…やっと帰ってきたことを実感した。
だがリビングへと行くとそこには、
由比ヶ浜「やっはろー。ヒッキー。」
雪ノ下「お邪魔しているわ。比企谷君。」
奉仕部の二人が待っていた。
八幡「…なんでお前らいんの。」
雪ノ下「小町さんから連絡をもらったのよ。」
由比ヶ浜「それよりヒッキー、あたしたちに連絡も何もしないでやそ…なんとかに行くなんてひどくない!?」
八幡「八十稲羽な。俺も急だったんだよ。平塚先生からいきなり連絡あって『八十稲羽で環境を変えて自分探しでもしてきたまえ。手続きはもうしてあるからな。もちろん両親にも了解は得ているからな。』と言われたら行くしかないだろ。」
雪ノ下「これはまた急ね。いくら平塚先生と言えどもあまりに強引だわ。」
由比ヶ浜「そんなことがあったんだー。じゃなくて!なんであたしたちには言ってくれなかったの?」
アホの子なのに気づいたか。
八幡「別に俺が転校紛いのことしてもお前らの学校生活には支障はないだろ。」
雪ノ下「そうね。でも奉仕部に所属している以上部長である私には一言言うべきではないのかしら。そんなこともわからないの?ヒキガエル君。」
八幡「ナチュラルにトラウマをえぐるな。そもそもお前の連絡先知らんからお前には出来ないだろ。」
由比ヶ浜「じゃああたしに連絡してくれれば良かったじゃん。」
八幡「いや、お前ちゃんと覚えてられるかわかんなかったし。」
由比ヶ浜「信用無さ過ぎだ!?」
八幡「あと、お前らにも土産な。」
雪ノ下には辰巳ポートアイランドとかけたヘビのコスプレをしたパンさんのキーホルダー。
由比ヶ浜にはわからなかったのでサブレっぽい犬のキーホルダーを買ってきた。
雪ノ下「わ、悪くない選択ね。大切にするわ。」
由比ヶ浜「ヒッキーありがとー。すごいうれしいよー!」
小町「お兄ちゃんが成長してる…!小町嬉しいよ。」
八幡「俺だってこれくらいはするわ。」
それからは八十稲羽のことや修学旅行のこと、逆に総武高のことについて俺たちは話した。
二週間とは意外と時間が経っていないようで経っているんだなとつくづく感じた。
そうこうしている間に時間が過ぎ午後5時を過ぎていた。
八幡「悪い、俺もう帰らないとだわ。」
由比ヶ浜「もうそんな時間!?じゃあねヒッキー。」
雪ノ下「またね。比企谷君。」
小町「じゃあねお兄ちゃん。小町は離れていてもお兄ちゃんが大好きだからね。あ、今の小町的にポイント高い!」
八幡「はいはい。それじゃーな。」
挨拶を交わし我が家を後にし、八十稲羽への家路を急ぐ。
電車に乗ろうと駅前に着くと、
アナウンサー「すいません。少々お話よろしいでしょうか?」
八幡「はあ。」
アナウンサーらしき人に声をかけられた。
インタビューがしたいらしく、時計を確認するとまだ余裕があったので応じることにした。
アナウンサー「最近収束が見られた八十稲羽の連続殺人事件についてどう思われますか?」
八十稲羽って今住んでる所じゃねえか!
事件がどうのこうのと白鐘が言っていたが結構ヤバいやつだったのかよ!
平塚先生一体なにしてくれてんすか…。
八幡「そうですね。実際に住んでいる所なので事件が収束したのは嬉しいですね。」
アナウンサー「ありがとうございました。」
無事にインタビューも終わり、電車に乗り八十稲羽に戻ってきた。
時間は午後8時を回っており辺りは既に暗かった。
あんなこと聞いた後だとなんかやだなここ。
携帯で調べてみたら今は三人の被害者が出ているらしい。
ただ妙なのが一人目二人目は殺害方法がわかっていないのに対して三人目ははっきりしているという点だ。
もしかしたら犯人はもう一人いるのかもしれない。
まああくまで予測なんだけどな。
考えている間に自宅についた。
貴重な日曜日を無駄にしてしまった…。
とりあえず今日は早くやることやって寝るか。
そうしてその日の夜は更けていった。