番長と捻くれぼっち   作:judolover

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第九話9月15日

休み時間、教室。

 

俺はいつものメンバーと昨日のマヨナカテレビについて話していた。

 

千枝「昨日のマヨナカテレビって誰かな?」

 

天城「わかんないよね。」

 

誰も映った二人に心当たりはないようだった。

 

りせ「完二はどう?」

 

完二「あ!いや、わかんねぇよ。」

 

花村「なにボーッとしてんだよ。」

 

完二「いや直斗のやつが昨日変なこと言ってたんで。」

 

完二は直斗の昨日の発言を受け考えていたようだ。

 

それを受けて周りが完二をからかう。

 

それが嫌だったのか完二は帰ってしまった。

 

すると前の方にいた比企谷が席を立ち教室を出ようとする。

 

花村「ちょっと待てよ、比企谷。一緒に帰ろうぜ。」

 

八幡「…なんで?」

 

花村「なんでって…。いつも帰ってただろ。」

 

りせ「そうですよ比企谷先輩!一緒にかえりましょ!」

 

八幡「っはー…。」

 

比企谷は深いため息を不愉快そうに吐く。

 

花村「な、なんだよ。」

 

八幡「いや、正直鬱陶しいと思ってな。」

 

千枝「え?」

 

八幡「え?じゃなくて。いつもいつもかまってきて、邪魔くさかったんだよ。俺はぼっちだ。一人なんだよ。」

 

天城「比企谷君、いつも我慢してたってこと?」

 

八幡「ああそうだよ。花村のノリも里中の騒がしさも天城の大爆笑も完二のホモ臭さも久慈川のキャピキャピした感じももちろん鳴上も…。」

 

花村「テメー、何言ってやがんだ!」

 

比企谷が言い終わる前に陽介が立ち上がり胸ぐらをつかみ叫ぶ。

 

花村「お前はそう言うこと言わない奴だと思ってたよ…!」

 

八幡「それはお前の、いやお前らの偏見だ。俺はそもそもこういう奴なんだよ。」

 

花村「それでも言っていいことと悪いことがあんだろうが!」

 

八幡「じゃあ聞くがお前らも一度もお互いが邪魔だと思ったことはないんだな。」

 

花村「それは…。」

 

花村は目をそらし手を離す。

 

八幡「大して長く付き合ってもないのに俺がお前らに邪魔だと思わないわけないだろう。」

 

呆れたように比企谷は言った。

 

鳴上「今の話は、お前の、比企谷八幡の本心か。」

 

少し間があって、

 

八幡「ああ。本心だ。」

 

そう比企谷は言い放ち、教室を後にした。

 

花村「なんなんだよ!」

 

千枝「あの言い方はないよねー。」

 

りせ「感じわるーい。」

 

周りの仲間達は比企谷の態度に不満があるようだ。

 

正直俺も不愉快ではある。

 

しかし、

 

鳴上「何かが引っかかるな。」

 

昨日のマヨナカテレビの猫背の男、まるで比企谷のようだった。

 

もしかしてあいつはそれに気づいて…。

 

天城「鳴上君?どうしたの?」

 

鳴上「いや、なんでもない。とりあえず比企谷のことは気にしないで、そっとしておこう。」

 

花村「相棒がそう言うならいいけどよー。」

 

千枝「とりあえず帰ろうよー。」

 

鳴上「それで今日も雨だしマヨナカテレビをチェックだな。」

 

天城「うん。」

 

そのまま下校し、夜の12時を迎えた。

 

マヨナカテレビは映るだろうか。

 

ボウッ

 

映った!

 

非常に鮮明な映像だ!!

 

直斗「こんばんは。白鐘直斗です。これからは世紀の大実験を…」

 

白鐘がマヨナカテレビに映ってしまった。

 

つまり既に白鐘は既にテレビの中ということだ。

 

直斗「…ではまたお会いしましょう。」

 

これで終わりか。

 

早く助けなければ…。

 

ボウッ

 

八幡「うーす。比企谷八幡でーす。これからぼっちのぼっちによるぼっちのための「ぼっちテレビ」を行います。モテない男子女子諸君!刮目せよ!」

 

また映った!

 

そして比企谷!

 

ぼっちテレビってまんまだな。

 

ピピピピピピピピピ

 

鳴上「俺だ。」

 

花村「おう相棒。二人同時ってどういうことだよ!?こんなん聞いてねーぞ!」

 

鳴上「ぼっちテレビ、面白そうだな。ラジオがあれば間違いなく聞く。」

 

花村「ぼっちラジオ!ってか。そんなこと言ってる場合か!」

 

鳴上「とりあえず明日はジュネスに集合だな。」

 

花村「お、おう!また明日な!相棒!」

 

二人同時か…。

 

これはどうしようか…。

 

 

 

 


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