東方古神録   作:しおさば

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作「と言うことでコラボ3話目です!」

霞「今回はあのキャラが出るのか……」

作「本編でもまだ出てないのに、これこそコラボだからこそ出来る事ですね」

霞「そんなもんか?」

作「というか、あちらさんのキャラと違わないか不安で不安で……」

作「……なら最初からコラボとか言うなよな」


閑話/Collaboration3~綺麗な花には棘があるらしい~

「だ、大丈夫ですか?師匠」

身体の至るところを包帯でグルグル巻にされている俺を見て、美鈴は心配そうに聞いてくる。

先程紹介されたレミリアの妹、フランドール・スカーレットにコテンパンにされた後、俺は回収され治療を受けた。珍しく死を覚悟したぞ。死なないけど、痛いものは痛いんだから。

「もう!レディの部屋に勝手に入るなんて失礼だよ!!」

そう言うのは俺を吹き飛ばしたフランドール。

俺達はあの後、メイド--咲夜が入れてくれた紅茶で寛いでいる。ちょうど日陰が作られるバルコニーに並べられたテーブルには、色とりどりのケーキやクッキーといい匂いがする紅茶が並べられている。

「レミリア、霞が襲われるのわかってたろ」

「えぇ、そうなる運命だったのよ」

「いや、なら教えてくれよ」

まったく、このロリっ子は。

威厳を出したいのだろうが、最初に挨拶した時とは打って変わって、今は全くないからね。なんせユウの頭の上に乗ってるんだもん。

「……ユウ、良いのか?」

「……もう諦めてる」

なんか、天照と俺を見ているような感覚だ。俺はここまで小さくないけど。

「……霞、今なんか失礼なこと考えなかったか?」

「イエイエ、ソンナコトナイデスヨー」

俺は目を逸らし、口笛を吹く。

「……いや、吹けてないからな」

「なんと!?」

「これ、美味しいですね!!」

「あぁ、ほらほら。汚れちゃってますよ」

口の周りをクリームだらけにしている美鈴(小)を、まるで妹を見る様な目をしている美鈴(大)。

「これが紅茶と言うものなのね。何時もはお茶かこーひーしか飲まないから初めてだわ。美味しい」

「ありがとうございます」

1歩下がった所で待機している咲夜は恭しく頭を下げる。うむ、メイドってのもいいもんだな。ウチでも雇うか?

「流石に咲夜ほどのメイドは何処にもいないんじゃないか?」

「……なら創る?」

「おい、さらっと人体錬成するみたいな事言うなよ」

これだけの完璧メイドを錬成するなら、代価はいくらになるんだかね。

「それで、次はどこに行こうか」

ユウは頭の上のレミリアを落とさないように、器用に紅茶を口にしている。……慣れてるなぁ。

「そうだな。レミリア、なにかオススメは?」

「……私を呼び捨てにしているのは不快だけど、しょうがないわね。なら『太陽の畑』なんてどうかしら」

「太陽の畑?」

その単語を聞いて真っ先に想像したのは、1面の畑から足首まで土に埋まった天照が、大量に生えている所。その全てが何故か俺に飛びかかろうとしたところで俺は現実に戻ってくる。

「なにそれ、怖いんだけど」

「?どんな想像したのかわからないが、1面花が咲きほこる綺麗なところだぞ?」

あぁ、なんだ。まさかアイツがこの世界にまで来ないよな。……来ないよな?

「ただ、そこの植物を傷つけると厄介な事になるから、それだけは気をつけないといけないが」

「ふむ?それくらいなら大丈夫だろ」

流石に姫咲も、態々花を折るような事はしないだろうし。美鈴ならウッカリって事もあり得るが、そこは俺が注意していれば済む話だ。

「なら、その太陽の畑ってのに行ってみようか」

 

 

 

紅魔館を後にして、少し飛んでいると遠くで大地が黄色く染められているのが見えた。

近づけばそれが大量の向日葵だと気付き、溢れかえる花の香りが心を落ち着かせるようだった。

「壮観だな。これだけの向日葵は、元の世界でも見たことないぞ」

「ここを管理している妖怪が、花の世話をちゃんとしているからな」

なるほど。これだけ手入れの行き届かせるのは並大抵の事では無いはずで、それだけその妖怪が花を好きなのだとわかる。

「綺麗ですね」

「向こうにはこの花以外にも咲いているわよ」

広い畑には向日葵以外の花も咲き誇り、ココだけ空気が違うようだ。

「……あら、ユウじゃない。どうしたの?」

ふと、1人の女性が花畑の間から姿を見せ、コチラに気付いた。

日傘をさしたその女性は、緑色の髪を短めに揃え、その姿は何処かのご令嬢のようだった。さっきのレミリアより威厳があるんじゃないか?

「幽香か。実はココにいる客人を案内していてな。少し見せて貰っても良いかな」

「あら、そうなの?……花を傷つけないなら構わないわよ」

「ありがとう。俺は異世界の神をしている、神条霞だ。アソコでワチャワチャしているのが俺の連れで、姫咲と美鈴という」

「……気を付けてね」

既に俺から離れ、好き勝手に花を愛でている2人に、些か不安はあるが、なんとかなるだろう。

「それにしても、これだけの花を手入れするのは大変なんじゃないか?」

「そうでもないわよ。毎日少しずつ、ちゃんとお世話をすれば花達は綺麗に咲いてくれるわ」

花の話をする時の幽香は、本当に嬉しそうな笑顔で語る。

これは、戻ったら同じようなものを作ってもいいかもしれないな。

「……所で、霞って言ったわね?」

「んぁ?そうだが?」

呼ばれた幽香を見ると、確かに同じ笑顔なはずなのに、何故か先程と違った、妖艶な笑みに変わっていた。

「……貴方、かなり強いでしょ」

「…………それは『酒が』とか、『ジャンケンが』とかじゃないよな?」

「当たり前じゃない。……さっきから貴方からとてつもなく大きな力を感じるのよ」

この笑顔は見たことがある。封印される前の姫咲と同じだ。この子もジャンキーなんですか。そ〜ですか。

「少し、遊んでいかない?」

「うわぁ、内容が違うなら即答なお誘いなのに、全然嬉しくないなぁ……」

ふと、ユウの方を見ると目線を逸らす。……こうなる事をわかってたろ。

「……ご愁傷さま」

このお子様は……。やってもいいが、タダでは済まさん。

 

 

 

「目に悪い空間ね」

「言うなよ。傷つくぞ」

周りの花を傷つけないように、異空間の中へと移動する。

俺が好きでこの柄にしてるわけじゃないし、壁紙みたく好き勝手に変えられるわけでもないんだ。

「じゃ、どうやって勝負を決める?」

「相手が死ぬまで、では?」

「…………それだと俺に負けはないよ?だって俺、死なないし」

「……巫山戯た能力ね」

ご尤も。でもそうじゃなきゃ創造神なんてやってられないわ。

「ならどちらかが降参するか、気絶するまででいい?」

「ま、しょうがないわね」

そう言うと幽香は日傘を閉じてコチラに先を向ける。

「まずは挨拶よ」

次の瞬間、傘の先端から太い光が放たれた。なにそれ、レーザー?!

俺は霊力を込めた右手で正面からレーザーを殴る。

「だっらぁ!!」

殴られた光は軌道を変えて彼方で爆発を起こす。うっわ、なんつー威力だよ。

「それを殴る貴方の方が異常だと思うわよ」

いやいや、かなり力を込めたからね?若干手が痺れてるからね?

「普通ならアレで消し飛んでるわよ」

そう言いつつ、今度は傘を刀のように振りかぶる。俺はバックステップで避けると、霊力弾をばら撒く。

幽香は再び傘を振るって霊力弾を撃ち落とすと、地を蹴って一気に距離を詰めてきた。なるほど、この子は近距離戦が得意なようだ。

突き刺しにかかる傘の先端を掌で横から叩き、ワームホールを通って距離をとる。

「まったく、あのスキマ妖怪みたいな事をして」

「それって、褒めてる?貶してる?」

「想像に任せるわ」

 

 

私と美鈴は、この世界の神であるユウと3人で霞の戦いを観戦していた。

「やっぱり、霞って強いんだな」

何を言ってるのかしら。貴方だって霞に負けないほどの神力を持ってるくせに。

「いやいや。流石に霞に力押しで来られたら負けるよ?」

確かに、今までの霞はその殆どを有り余る霊力や神力で、相手を押しつぶす事で勝利してきた。霞には技術よりも力押しの戦術の方が向いているみたいね。

「師匠は大丈夫でしょうか?」

「いやー。流石に幽香じゃ霞には勝てないだろ」

「そうなんですか?」

まぁ、私もそう思う。2人とも同じ様な系統の戦い方をする分、単純な力量の差が勝敗の差になる。そういう意味では力押しで勝てる相手なんて、居ないんじゃないかしら。

「ほら、そろそろ決着もつきそうだぞ」

「あら、案外早かったわね」

あの幽香って妖怪も、なかなか楽しそうな相手だけれども、霞の相手じゃなかったみたいね。まだまだ霞も本気を出していないもの。

「あれでどれくらいだ?」

「……そうねぇ。『今の状態で』7割くらいじゃないかしら」

「……へぇ」

流石に霊力だけじゃもたないのか、いつの間にか神力を使っているけど。

 

 

 

「いやー。強いな」

「慰めは不要よ。貴方に一撃もマトモに入れられないのだから」

少しばかり危ういのが何度かあった為に、しょうがなく神力を使ったが、今度は力を使いすぎたのか幽香を圧倒し出してしまった。やっぱり力加減ってのが難しい。

「……そろそろ限界みたいだから、次が最後よ」

「んぁ。なら真正面から受けてやろう」

俺は腰を落とし、右手に神力を込める。

幽香は傘の切っ先をコチラに向けて妖力を込める。最初に打ったものよりも、その込められた妖力は倍以上違う。正真正銘全力のようだ。ならばそれを避けるなんて、無粋な事は出来ないな。

「行くわよ!!元祖・マスタースパーク!!!」

放たれた特大のレーザーは、その反動からか幽香も吹っ飛んでしまう。

「お見事!!」

目の前に迫る光は俺の視界を埋め尽くすほど大きく、純粋な力の塊だからか、素直に綺麗だと感心してしまう。

俺は神力を込めた右手で迎え撃つ。純粋な力と力はぶつかり、眩い光を放って爆発を起こした。

 

 

そして静寂が訪れ、最後に立っていたのは…………。




霞「また変なとこで切ったな」

作「次回が気になるように?」

霞「……お前、kan(kai)さんのやり方をパクったな?」

作「失礼な!!パクリじゃなく、リスペクトです!!」

霞「ものは言いようだな」



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