はい、どーも。しおさばです。
これはアレだね、オリンピック効果って、やつだね。
「ルーミア、君には2つの選択肢がある」
「はい?」
ルーミアは小首をかしげる。あ、ちょっと可愛い。
俺は握った右手の人差し指を上に伸ばす。
「一つはここで俺と別れて外で勝手に生きていく」
まぁ、さっきも外を見ただろうが、外には草木も生物もない。生き抜く可能性は限りなくゼロに近いだろう。ってかゼロだ。
「そんなの無理に決まってるでしょ」
「ふむ。んで、二つめだが……」
俺は右手の中指を伸ばす。
「俺の式になること」
「式?」
「そ。まぁ、平たく言えば俺の召使いかな」
「はぁ?なんでそんなもんにならなきゃ…………いや、貴方の事だから、何かあるんでしょ?」
「ご明答。俺の式になる特典は幾つかある。そのうちの一つが妖力だ」
俺は1枚の紙を想像する。ソレは特殊な回路を組み込んだお札で、俺特製のものだ。
「式になると、この札を着けてもらうんだが、コレには一つ特殊な効果があってな。俺からのチカラを妖力に変換してお前に与え続ける事が出来る」
「……なにそれ。ふざけてるわね」
まぁ、自分でも思うよ。
「それに、メシに関しても、まぁなんとかしよう」
腹が減ったら食いもんを創造すれば良いだけだし。
あ、ならラーメン作れんじゃん!!
「……それ、実質選択の余地は無いわよね」
「さて、どうする?」
ルーミアは小さく溜息を吐いた。小声で、どうして私がこんな目に……、とか言ってたけど、気にしない。
「わかったわ。式でも何でもなるわよ」
「おっけー。契約成立な」
そう言って右手を差し出す。
「なに?」
「何って、握手だよ」
コレからは仲間であり家族なんだから。
「ほんと、変なヤツね」
「それも褒め言葉として受け取っておこう」
こうして、ルーミアは俺の式になったとさ。
ただ、札をキョンシーみたいに顔につけるわけにもいかないから、リボンみたいに髪に結んでやった。
「これ、自分で取れるの?」
「いや、お前には触れないよ?」
ルーミアを式にして、数千年……いや億か?経った。外では恐竜が滅んだり、ようやっと猿が人間っぽくなったりしてたけど、そんな中でも異空間の中でのんびり過ごしていた。人間っぽいのが出てきたあたりでルーミアが涎垂らしてたけど、俺は見てないぞ!
そういえば、一応ルーミアには俺の事を話しておいた。いや、転生の事は言わないよ?
それ以降、創造神だって事と、俺のちゃんとした能力の事。それを聞いても「貴方なら驚きはしないわ」だって。なんかリアクション期待してたのに……。
そして、いよいよ、人間が人間らしく生活しだした頃。俺は外に出ることにした。
「いや、なんでよ」
「え?だってようやく人間が出できたんだよ?見たくない?」
「襲っていいなら」
はい、ルーミア何を言ってるのかな?
「ほら、いいから!行くぞ」
このまま異空間にいるのも良いんだけどね。快適空間に改造したし。ゲームもあるし飲み食いは自由。漫画も大体揃ってる。……どこの漫喫だよ。
いやいや、NEETになるから。
そんな事を考えながらも、俺とルーミアは外へと出ていったのでした。
と、いうことで古代編はこれで終了です。
次回からは諏訪大戦編ですね。
えぇ、ルーミア好きですけど、なにか?
でも、ヒロインじゃないんです。