今回は戦闘回!
さ、張り切って行きましょー!!
あ、どうも。霞です。
今ですか?
鬼がじゃれてきてるので、適当にあしらってます。
というか、この鬼の拳に当たったら痛いじゃ済まないだろうなぁ(人間は)。
「いい加減、一発喰らってくれないかい?」
「いや、痛いの嫌なんで」
そう言いながら、鬼の蹴りを仰け反る事で避ける。
鬼はそのまま勢いを殺さず、一回転しながら今度は殴ってくる。
今度は腕を払うように軌道をずらす。
「いいねぇ。人間でここまでやれるとは思わなかったよ」
「そりゃどーも」
だがいい加減飽きてきた。
「ただ、どうしてそっちからはなにもしてこないんだい?」
「は?だって面倒臭いし」
「え?」
そう言うと足に霊力を溜め、腰を僅かに落とす。
「ほら、もう少し遊んでやるから本気でかかってこいよ」
「舐めたまねしてくれるねぇ」
どうやら鬼に火をつけたらしい。まぁ、あんまり変わらんが。
「三歩必殺!!」
お、なんか必殺技っぽい。
「いちっ!」
一歩目。踏み込んだ瞬間に右手へと妖力が込められていくのが、目に見えてわかる。
「にぃっ!」
二歩目。おーおー。込められた力に耐えきれず、地面がめくれ上がっている。
「さんっ!!」
そして最後。最早その込められた妖力は、そんじょそこらの人間や妖怪ならば、跡形も無く消え去るだろう。
「これ、避けたら不味いよね……」
少なからず都市への被害が出るだろう。
「しょうがない」
俺は両足に込めた霊力を右脚に集中する。
そのまま右脚を振り抜き、鬼の拳を迎え撃つ。
どうなったのだろう。霞と鬼が途轍もない霊力、妖力をぶつけ合った瞬間に眩い光が辺りを包み込んだ。
「か、霞?」
私は恐る恐る目を開く。
「んぁ?呼んだ?」
何故か背後で声がする。
「いや〜流石鬼だわ。すげぇ吹っ飛んだ」
そう言われて見ると、霞の背後に大きなクレーターの様な穴があった。
なら、あの鬼は?!
振り返るとようやっと土煙が晴れていく。
そこには大きなクレーターがぽっかりと開けられていた。が、鬼の姿はない。
「え?ど、何処に?」
「ん?あぁ、鬼ならほら、あっち」
霞が指差す方を見ると遥か先まで続く深い溝が伸びていた。
丸で巨大な鉄球が辺りの建物ごと、吹き飛ばしながら転がったかのように。
「あー。とりあえず人間に怪我人はいないから」
そう言うと霞は首を鳴らしつつ家へと帰っていった。
「痛っ……」
気がつくと辺りは木に囲まれていた。
起き上がろうとすると上手くできない。どうやら両腕の骨が折れてるみたいだ。
「参ったね。完敗だよ」
ここはどう考えても人間の都市ではない。という事はここまであの時、吹き飛ばされたと言うことになる。
なんとも。かなわないねぇ。
「あ〜。疲れた〜」
「いや、それで、ココに来るのもどうかと思いますが」
俺は今、月夜見の執務室にいる。
「え?ダメなの?」
「いや、一応これでも仕事してるんですよ?私」
「おう、頑張れ」
そう言いつつ、俺は革張りのソファーに深く腰を下ろす。
「今回は俺がやっちゃったけど、今後こうやって妖怪が都市に入り込むことも考えとかないと」
「そうですね」
月夜見は書類から目を離さず答える。
「……まぁ、霞様には先に申し上げますが、今、月に移住するべきではないかと言う者が出てきているのですよ」
「月に?」
おやおや、またとんでもないことを言い出す奴もいるもんだ。まぁ、この都市の技術力ならば不可能ではないだろうけど。
「ふーん。で、お前はどう思ってるんだ?」
「そうですね。最近の穢れの進行具合から考えても、我々が地上に住み続けることは、長くは続かないと思います」
まぁ、今回の鬼の事に関しても言えるが、最近の妖怪は確実に強くなってきている。それもただ単純な力だけじゃなく、知恵も付けてきているのだ。
「面倒くさそうだ」
「最近、そのセリフ言えば良いと思ってません?」
「おい、メタい事言うな」
と、いうわけで鬼との戦闘シーンでした。
うん。不慣れだなって。
つくづく思います。
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