超能力者は勝ち組じゃない   作:サイコ0%

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番外編

 

 

夏だ!

 

海だ!

 

海水浴だーー!!

 

って事で、現在海に来ています日向湊です。

このネタって、海水浴か水着かで分かれるけども、今回は健全小説を目指している為に海水浴に決まった。メタいとか言わないでくれ、番外編だ番外編。メタくて十分。本編で仲良くなってないやつや、そもそも出てないやつも出るしな。

そんなこんなで、迎えた夏休み。折角夏なのに、原作では秋始まりであり、水着イベントなくね?と考えた作者が、どうせ二次なんだから好き勝手やろうぜ!と吹っ切れた結果、こうした回ができた……らしい。詳しくはわからんな。

別名、第一回チキチキ!ドキッ!男だらけの水着イベ!〜ポロリなんてあってたまるか〜である。

男だらけって時点で残念真っしぐらなのに、小説って時点でも残念感半端ない。どうしろと、活字でどうしろと。精一杯表現しても、あとは読者の想像力任せではないか。そこんところどうなんだ、と問いたい。

 

「ってなわけで、ビーチバレー大会やりたいと思いまーす。もしくは、ビーチフラッグ大会」

「じゃぁ、ビーチバレーやろうぜ」

 

さんせーい!という声が多数上がる。オレのビーチフラッグという意見は霊幻さんにバッサリ捨てられたので、ひっそり用意していたフラッグはそこらの砂の城にでもぶっ刺しておこう。

トーナメント方式で行われるこの大会。四チームに分かれて勝負するらしい。くじ引きを行い、それに書かれた番号の人とチームだそうだ。

参加するのは、オレ、霊幻さん、影山くん、律くん、テルさん、姉、トメちゃん、エクボ、将くん、セリさんだ。三人一組で一チームを組むらしい。

時間軸的におかしいとは言ってはいけない。この夏休みは何処かの次元に隔離されてるに違いないからな、考えてはいけないんだ。自分で何言ってんのかわからないけども。

第一試合。オレのチームの出番であり、相手は霊幻さんに、トメちゃん、セリさんだ。ネットで分けられたコート、三人ずつ各コートへ入る。じゃんけんで先攻後攻を決めようとしたテルさんが一歩前に出た時、トメちゃんが待ったをかけた。一体なんだってんだ。

 

「ちょっと待ってよ。どう見ても圧倒的不利でしょ!この状況!」

「そうだ!超能力者三人対、こちとら一般人二人と超能力者一人だけだぞ!?」

 

トメちゃんの叫びに霊幻さんも乗っかり、そうだそうだ!と叫ぶ。けれど、セリさんはあわあわしながら二人を宥めている。

影山くんもセリさんと同じようにあわあわしてるし、オマエさんいつもはすげぇ冷静だろ、どうした?と言いたいほどだ。テルさんは、余裕ありげに肩を竦ませている。オットナー。

けど、二人に言い返す気がない影山くんとテルさんにちょっとハァとため息を吐く。仕方がない、オレが言い返してやろうか。

 

「ウルセェ!セリさん強いからいいじゃねぇか!」

 

芹沢さんことセリさんは、影山くんの次に強いぐらいの超能力者だ。ただ、コントロール力があまりなく影山くんと同じく力押しだが、それでも強い。小手先の技は圧倒的な力には通じない、みたいなものだ。

 

「セリさん善良なの!超能力使わないって言ってるのよ!?」

「そうだ!芹沢がこう言ってんだから、お前らだって使うなよ!」

「一言も使うだなんて言ってないですけど!?」

 

こんな押し問答が十分ほど続き、結局の所、超能力を使う事は禁止され平和なバレーボール大会をする事となった。オレは元々身体強化の為の念動力は使う気が無かったのだが、仕方がないか。バレなきゃ良い話だ。

先攻はオレのチーム。ピーッという安っぽい笛の音が鳴り、同時に緑と赤と白が混ざったバレーボールが放り投げられる。結構小さいな、当てられるだろうか。

そんな心配をしていたが杞憂だったらしく、空気も入れたばかりの新品なのだろう、ふっくらとしているボールは構えていたオレの腕へと当たった。チラリと腕を見ると、ほんのり赤くなっている。

ポーンと円を描きながら綺麗に上げられたボールは、テルさんが手を三角形にして構えている中にすっぽりと嵌る。そして、押し出されネットの上空へと打ち上げられた。さて、コレを誰が打つのだろうか。二回連続はアウトなのでテルさんは除外、オレは位置的に無理、なら影山くんしかないだろう。

普段の運動不足で運動が苦手な影山くんとは思えないスピードで、ネットの上へ跳び上がるとスパーン!と気持ちの良い音が響き、相手コート上の砂へと打ち付けられた。

皆が皆、ポカーンとする中ピピーッ!と笛の音が鳴り、コチラ側へ一点が入る。よっし、先制ー。

 

「ちょ、ちょちょっと待って!今打ったの誰!?」

「あ"?文句あんのか??ん"?」

「ミナ君、キャラ崩壊してるわよ。というか無表情で言われても……じゃなくて!」

 

またもやストップをかけてきたトメちゃんに、ガンくれてみるも、そもそもの表情ができてなかったらしい。声はヤンキーそのものなんだが、何せ死にに死んでる表情筋様が動くはずがなかった。笑えた奇跡がどこかへ消えたな。

 

「超能力!使わないって言ってたでしょ?何で使ってるのよ」

「オレは使ってないけど」

「屁理屈!!」

 

トメちゃんがそうじゃないのよ!いや事実だけど!と叫んでいる中、隣にいた霊幻さんはオーバーリアクション気味に手を動かした後、ビシリと影山くんを指した。

 

「モブよ!」

「はい、師匠。何でしょう?」

 

眉に皺を寄せている霊幻さんと違い、のほほんといつも通りな影山くんはコテリと首を傾げた。多分超能力について言われるんだろうな、と見当を付けながらつまらなさそうに欠伸をしているテルさんの背中を超能力無しで思いっきり叩いた。ベシリッと音がしたと同時に、軽い痛っという声が聞こえた。サボんなよと言いたかったのだが……うーん、力がちょっと弱かったかな?

 

「人には超能力を使うなと言ってあるはずだろ?」

「はい」

「破るのか?約束を」

「いえ、破ってないです。さっきのは僕自身に超能力を使いましたから」

「…………始まる前に使うなって約束したのは忘れてないよな?」

「忘れてないですよ?けど、僕は(・・)使わないなんて言ってないです」

「屁理屈っ!!」

 

霊幻、撃沈。

そこはお得意の口で弟子を捩伏せるのが師匠ってモノだろうに、変な方向にテンションが上がっているのか、わーん!弟子が虐めるぅ!(棒)とセリさんに泣きつき、慰められていた。おっさんがおっさんに慰められるって絵面が酷いので切実に止めて欲しいのだが。というか、トメちゃんもセリさんに慰められてるし。

セリさん、雰囲気がほんわかしてるから慰めて欲しいのは理解できるが、もう一度言う。絵面が酷いので止めて欲しい。特に霊幻さん。

見かねた審判が超能力は使わない事をルールに付け加えて、試合再開した。あの帽子の審判は誰だろうな、と思いながらも影山くんの方へ飛んでいったボールを眺める。

 

「わっ!」

 

腕を構えながらボールが来る位置へと移動していたはずの影山くんは、顔面にボールを受けて撃沈した。今度は超能力を本当に使っていないらしく、赤くなった顔を優しく労わる様に触っていた。

顔面受けしたはずなのに、ボールは見事宙に上がって今度はテルさんがトスをした。またもやスパイクを打てという事なのだろう。良いだろう!オレの本気を見せてやるッ!

砂を蹴り宙高く跳び、思いっきりボールに掌をぶつけた。感触はある、さてどうなったかな?と地面にふわりと降り立ちながら、点数ボードを見ると相手に点が入っていた。なんでだよ。

 

「場外!」

「あ、成る程」

 

よくよく見て見ればボールは相手コートの外に落ちており、場外である。これは相手の点数だ。にしても、惜しいな。あともう少し、コッチ側であれば入っていたのに。

どんまい!と励ましてくれる先輩二人に礼を言いながら、持ち場へ戻ろうとした時、またストップがかかる。ホント何だよ。

 

「超能力、また使ったでしょ!ほら見てよ!このチリチリの髪!飛んできたボールで摩擦が起きてちょっと燃えたんだけど!」

「チッ」

「舌打ち!?」

「知るか。避けられない方が悪いし、オレは超能力は今回初めて使ったし、一度も使わないなんて約束してないから」

「審判!しんぱーん!!」

 

誰とも知らない審判にダメだよ君〜と言われ、酷く反省したところで試合再開。打ち、打たれのビーチバレーボール大会一回戦は結局の所、オレのチームが勝った。ルール違反ギリギリだったが、まぁその方がスリルがあって楽しかった。

因みに決勝だけど、エクボがそのままじゃできないからどこからか持ってきた死体で大混乱になり中止になった。ここの砂浜をずっと行った先にある岩場は自殺のスポットになっているらしく、そこで拾ってきたらしいのだが、死体に乗り移れるっての初めて知ったよ。確かに魂のないただの器だもんな。

その後警察に遺体を渡して、海はお開きとなった。旅館での温泉とかで悪霊が出たりしたが、なんなく影山くんが倒してくれて静かに過ごせた。旅館の料理は美味かったのでまた行きたいと思う。

土産売り場で姉とトメちゃんに振り回され荷物係にされたのは少し良い思い出ではないが、夏休みの日記に書ける事ができたので良しとしよう。

さて、夏休み終了まであと少し。今のうちにダラダラと過ごしてみるか。支部に呼び出されたりしなきゃ良いけど。アイツら、妙に律儀過ぎるんだよな。ホント支部長を敬えってんだ。

 

あぁ、そうそう言い忘れていたが、次からは原作開始だと思うぞ。

 

今回は番外編。世界の運命を知っていたって多少は可笑しくはないだろう。改変者(作者)の考えが読めても、可笑しくはない。

だって、オレは日向湊とは同一人物であり、別人物なのだから。

 

 




テキトーに書いてたらできた。なので言葉の意味は特にない。

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