白い狐の物語   作:バイオレンスチビ

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作戦会議

「紅魔館?」

 

「そう、紅魔館だ。そこから霧が出ている。」

 

「こ、紅魔館ってあの吸血鬼のお屋敷ですよね?!本当に3人で攻略するつもりですか!」

 

暫く前にあった吸血鬼による幻想郷に対する侵略戦争。当時、幻想郷の体制に不満を持っていた多くの妖怪たちが軍門に下り、八雲家が直々に鎮圧したという大事件。天狗の中にさえ組織を離反する者が現れ、大きな問題となった。敵も味方も大きな損害を受け、私も人里を守るために戦ったものの酷い目にあった。

 

「まぁ、最後の交渉は紫様がやることになるだろう。今回の一番の目標は幻想郷に霊夢の力を知らしめる事だ。」

 

「…はい。」

 

「調べたところ、前回の時の戦力は残っていないようだ。戦力としては門番1人、魔法使い1人、吸血鬼1人だ。小悪魔や妖精、人間を除外すれば3人しかいない。一応、気掛かりなのは地下に何かを隠しているということだが…今回は気にしなくても良いだろう。」

 

「あ、あのぉ…天狗さんとかに手伝って貰うとかダメですか?ほら、あの人たち無駄に強いし頭数が多いですし…。」

 

「ダメだ。アイツらには手を出させない。おまえは知らないと思うが、天狗は意外と腹黒な妖怪でな。関わると厄介なことになる上に下手に協力してもらったりなんかしたら難癖付けてとやかくうるさいからな。それに、今回の異変は霊夢の初陣なんだ。邪魔者は少ない方がいい。」

 

「ねぇ、移動手段はどうするの?」

 

霊夢…あなた、恐怖とか緊張感とか感じないの?凄く自然な顔でしゃべってるけど…。

 

「スキマを使って行く。今回はなるべく速やかに安全に解決したいからな。ただ、挟撃されると面倒なことになる…白狐には陽動と足止めをしてもらいたい。私たちはその間に屋敷内部へと潜入する。」

 

足止めと陽動…なるほど幻術を駆使して時間を稼げということですか。敵方の戦力は最低3人こちらの戦力も3人…数では互角、後はそれぞれの技量の問題です…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「異変の中心?」

 

「はい、あの赤い館から霧が出ているんですよ。ただ、どれだけ飛んでもたどり着けなかったり門番に追い払われたり…。まぁ、私は記事が出来たらそれで良いんですけどねぇ…。」

 

ブン屋の天狗が双眼鏡持って挙動不審だったから訪ねてみれば…なんか凄く面白そうなことを聞けたぜ!それに霊夢もまだ動いてないようだ。それに、あれだけの屋敷だ。きっとたくさんのお宝が隠されているんだぜ…。

 

「この私、霧雨魔理沙が異変を解決してやろう!」

 

 

 

 

 

白黒の魔法使いは箒に乗って〝赤い〟空を駆けて行った。




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