暗殺教室・その転校生、未来人で、仮面ライダー!   作:真田丸

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あっという間に・・・ジオウが終わった。

本当だったらジオウの終わった週に投稿するつもりだったのに既に01も4話に突入していますねぇ~・・・

とりあず、ジオウの最終回の感想を・・・



オーマジオウがヤバイ!!
歴代最凶のメンツがことごとくワンパンですよ!?おかし過ぎるでしょあれは!!でも、ソウゴの言った一言「オレの力は、すべてのライダーの力だ!」それだけであの強さに納得が行ってしまいました。
個人的には主人公最強の無双物は好きではないのですがオーマジオウは何故か受け入れられます。これが歴史の重さですかね?
遅くなりましたが・・・ありがとう、平成ライダー!お疲れ様でした、高岩成二!


そして、これからよろしく、仮面ライダー01!




恋愛の時間2時間目③

教室から出た郷は裏山を歩いていた。

前原たちにはああ言ったが頭の中にはあの時の速水とキスした瞬間が何度も巡っていた。

 

「・・・ッ!?///ああ~~~!!///」

 

その度に顔を赤くし振り払うかのように首を振っていた。それを繰り返していくうちに気付けばE組プールまで来ていた。

今現在は授業ではプールとして使っていないが殺せんせーが定期的に掃除しており奇麗な水質を保っている。

 

「・・・・ハァ〜」

 

手ごろな岩に腰を落とし足を水に浸けながら郷は前原や寺坂に言われたことを考えていた。

 

『女子で速水が一番気になるんだろ?』『速水とじゃ本気の恋愛が出来ないって言うのかよ?』

 

「・・・・・・そんな訳ないだろ」

 

郷にとっても速水はもうただのクラスメイトでは無くなっている。この時代に来て多くの時間を一緒に過ごしていくうちにその姿を何度も目で追っていた。普段の強気な顔も、時々見せる年相応の笑顔も訓練の時のムキになった顔も全部が輝いて見えた。

たぶんこれが恋ってやつなんだろうということは理解していたし何時からか速水も自分にそういう感情を持っていたことも勘づいていた・・・

 

 

 

 

もしも、自分が仮面ライダーじゃなければ、自分がこの時代で生きていれば、自分が・・・・じゃなければ、この時代に来てE組で過ごすうちに何度もそんな事は考えた。その度にそんなのはただの願望に過ぎないと振り払ってきたが、

 

「本当に、何で俺は・・・」

 

 

 

 

 

『・・・郷』

 

 

そんな郷を呼ぶ声に振り返るといつの間にかクリムがシフトカーたちと共に傍まで来ていた。普段の郷なら直ぐに気付いていただろうがどうやら物思いにふけっていて気付かなかったらしい。

 

「・・・クリム、何だよ人がクールに黄昏ている時によ」

 

 

『その・・・速水くんとのことだが』

 

「ッ!?」

 

クリムが速水の名前を出した瞬間まるで「お前がその話をするか?」と言わんばかりに郷は目を細めた。

 

 

『・・・私が言えた事ではないかもしれんが、誰かと一緒幸せな時を過ごす。それは誰にだって与えられる権利だ。たとえ別の時代から来たものだろうと命を懸ける戦士だろうとね。だからっ「それはッ!【人間】に与えられる権利だろ?」———ッ!』

 

[人間]という言葉を強調して郷は叫んだ。その顔は何処か淋しげな表情をしている。

 

「絶対に未来に帰らないといけない訳じゃない。もちろん死ぬつもりもない。・・・でも、俺にはそんな人間らしい権利は無いし資格も無い・・・ロイミュードを撲滅したらE組からも出て行くつもりさ」

 

右手を握りしめた郷の身体が僅かに歪みだすと次の瞬間にその手は、全身は機械仕掛けの異形へと変わった。

 

「こんな冷たくて血の通っていない身体で人並みの幸せなんて持てるわけないしな?」

 

『・・・郷、それは・・』

 

皮肉るように笑うその姿はいつも通りの【詩藤郷】のモノへと戻っていた。そんな郷にクリムは何も言う事が出来なくなってしまった。先程見た郷の姿はクリムにっての罪の姿でもあったから・・・

 

 

「俺はこのままで良いんだよ。・・・命を懸けて戦って戦いが終われば、人知れず姿を消す・・・そういうのもカッコいいしな!」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

(・・・ウソ・・・・ッ!?)

 

 

 

笑いながらその場を後にする郷と思いつめたようにその後を追うクリムだが、2人は気付いていなかった。速水が木の陰に隠れ2人の会話を、郷の姿を見ていたことに・・・

 

 

「・・・・・ツ!?」

 

息をすることすら忘れ速水はその場に立ち尽くしてしまった。

 

知ってしまった。郷の覚悟を・・・自分が好きになったモノの本当の姿を・・・・!

始めてみた異形、だが速水はその姿を表す言葉を知っていた。

人の姿に偽る機械の異形、そして胸には3桁のナンバーのプレート、その名は・・・

 

 

 

 

「ロイ・・・ミュード・・?郷が・・・?」

 

その事実は速水の華奢な身体に重くのしかかった 。

 

 

 

 

「あっ、いたいた!凛香ぁ~!」

 

無責任な事を言ってしまったと思い速水を追って裏山へと来た女子たちが近づいてきたが速水に反応は無かった。目を見開きまるで金縛りにでもあったかのようにその場から動く事が出来ずにいた。

 

「凛香・・・どうしたの?」

 

その様子を不審に思った矢田が肩に手を置いた瞬間、金縛りが解けたかのように身体が動くようになった。同時に矢田たちの存在にも気づく。

 

「矢田・・・みんなも・・」

 

「速水さん、さっきはゴメンね。速水さんや郷くんの事を考えないで勝手な事ばっかり言って」

 

「郷・・・の・・・?・・・ッ!?」

 

 

片岡が謝罪と共に述べた郷の名に速水は先程の光景を思い出した。自分とは違いいつもいつも世話しないぐらいに表情を変えていく顔が一切変化することのない固定されたモノへと変わっていったあの光景を・・・

 

「・・・ふざけないで」

 

「凛香!?」

 

周りの矢田たちを押し退け速水はその場から走り出した。先程の光景から逃げる為ではない、向かった先は郷の歩いていった裏山の奥だ。速水はただ、郷に一言言いたかったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒たちが行き来することが多い校舎からプールまでの道のりは殺せんせーによって安全に整備されていたがその先、更に奥へと行くと郷が独自に訓練するための敢えて手をつけていないエリアがあった。

 

「キャアッ!?」

 

普段から訓練をし同年代と比べ高い身体能力を持つE組でもまだ危険と判断され烏間と郷以外は実質立ち入り禁止になっている。だが、速水はそんなの知ったことかとばかりにそのエリアに足を踏み入れたが早速足下に転がる石に足をとられてしまった。

 

躓き前のめりに倒れそうになった速水の腕を誰かが後ろから引っ張った。

 

 

「おいおい、ココにはまだ来るなって言われてただろ?」

 

速水の腕を引っ張ったのは郷だった。

その顔は今朝のキョドった様子も先程の思い悩んだ様子もなく何時ものおちゃらけたモノだった。

 

「たっく、俺がいなかったらそのキレイな顔にキズが付いちまってたかもよ・・・なんてな!」

 

何時ものように調子の良いことを言いカッコを付ける、何時もの郷であった。

 

「あっ!ひょっとしてそっちも昨日のことで色々聴かれたのか?たっく、参るよなぁ~速水だって一時の気の迷いってヤツだっただろうにみんな面白がってな~」

 

が、このまくしたてる様な早口が速水には何処か強がっているだけのように見えた。まるで転んで痛いのに泣くのはカッコ悪いとムリに笑う子供のように。

 

その強がりが速水にはとてもイライラ感じた。

 

「待ちなさいよ」

 

距離を取ろうとする郷の腕をつかんだ。

 

「ッ!?・・・何だよ、みんなに指摘されてその気になっちゃったか?」

 

「・・・ええ、そうよ」

 

「ふぇっ?」

 

腕を掴まれたことに一瞬の動揺を見せた郷だったがすぐさま笑顔を被りからかうように振り返ると返ってきたのは予想外の言葉であった。間の抜けた顔の郷に速水が迫る。

 

デジャブ?そんな事が頭をよぎった時には郷の口は塞がれていた。

 

 

「んんっ~~!?」「んっんん・・・!」

 

昨晩の触れただけのキスとは違う。口の中に速水の舌が入り込もうとしてくる。そう感じた郷は慌てて口を閉じると速水から距離を取ろうとするが速水は腕を郷の背中に回し離れようとしない。

次第に速水の舌は郷の口を強引に開けその中に入り込んでいく、口の中に広がっていく甘い味に郷の抵抗心は徐々に弱まっていき心地よい夢の中にいる気さえした。

 

 

 

 

「んっ・・・・ぷはっ!ハァハァ・・!」

 

一分、二分と時間が経ち息が尽きた速水は名残惜しそうに郷から離れた。乱れた息を整える速水とは対照的に郷はまだ夢心地になっていた。

 

 

 

「・・・好きなのよ」

 

息が整い速水が発した言葉にようやく郷の意識が戻った。

 

「私は、速水凛香は!郷のことが好きなのよ!!」

 

その瞳に涙をため、今まで心の中に溜め続けていた想いを吐き出すかのように自分が出せる精一杯の声で速水は叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!?ハッ・・・ハァ!?」

 

怒濤の展開に郷の頭はパニックになっていた。

 

「イヤ、イヤイヤイヤ!落ち着け!なっ?俺なんかのどこが良いんだよ!?俺なんかっバカだし、デリカシー無いしすぐに調子に乗るし!・・・スケベだし・・」

 

普段の郷なら絶対に口にしないだろう自虐的な言葉が次々と飛び出していく。速水はそれを黙って聴いていたが次第に郷の声は小さくなっていく。

 

「それに俺はッ!・・・オレは・・・・」

 

遂に言葉がつまった郷に速水はそろそろ良いか?とばかりに閉じていた口を開く。

 

「・・・その全部を含めて好きって言ってるのよ」

 

その言葉は決して大きなモノではなかったが裏山によく通るものだった。

 

「郷のバカな所もデリカシーの無い所も、調子に乗りやすい所も。出来れば治して欲しいけど・・・スケベな所も全部受け入れて郷が好きなのよ!!」

 

自分が挙げて行った短所を次々と受け入れていくと言われ後ずさる郷、それにっ!と速水は続ける。

 

「それに・・・郷が、ロイミュードなことも受け入れるわ・・・・」

 

「ッ!?・・・おまえ・・・何でそのことをッ!?」

 

速水から自分の秘密が暴露され郷の動揺は最大限になった。瞳は限界まで見開き顔は真っ青になりながら汗をかき体中が震える。

 

「ちがっ!・・・俺はッ!・・!」

 

郷はまるで自分の身体を射抜くかのような速水の視線に震えながらその脚は少しずつ距離を取ろうと後退っていく。

 

 

「待って!!」

 

 

が、速水は郷の腕をガシッと掴み逃がさない。そのままその手を引き郷を強く抱きしめた。

 

「ハァ・・・ハァ・・!はやっ・・・み?」

 

胸からは郷の鼓動が伝わってくる。よく耳を済ましてみると鼓動の中に微かな機械音が混じっている。だが、速水にはそれが不快なものには感じられなかった。

 

「言ったはずよ。私は郷の全部を受け入れて郷が好きなのよ」

 

 

「俺は、ロイミュード・・・機械仕掛けの・・化け物だそ!?」

 

 

「その前に、郷は・・郷でしょ?バカでデリカシーが無くて、すぐに調子に乗る。スケベな・・・・私が好きになった詩藤郷よ」

 

 

そこまで言うと速水の顔に冷たいモノが流れた。顔に上げると郷の眼から大粒の涙が流れていた。

 

「本当に・・・俺なんかで・・良いのかよ・・?」

 

「郷だから良いのよ」

 

「速水・・・ありがとう・・」

 

郷の身体から震えは止まっていた。その手を速水の背へと回し二人はお互いを強く抱き締め続けた。

 

 

 

 

 

 

 

『おめでとう・・・郷・・速水くん』

 

物陰からその様子を見ていたクリムとシフトカーたち、クリムは自身のボディが暖かくなっていくのを感じながら静かに祝福の言葉を贈った。

 

 

 

 




今回明らかになった郷の事実、【郷の正体はロイミュード】ですが、一応今までの話で伏線はあったのですが分かりましたかね?
今後、他の秘密も明かされていきますがそれはもう少し先になります。

それは一旦置いといて、ようやく速水は郷に想いを告げました。ただ、恋をする女子の心情が全然分かりませんでした。やっぱり恋愛描写は苦手です。



モチベーションがあがるので感想宜しくお願いします。

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