ミハル?・・・・えっ?ミハル・・・・?イヤイヤイヤ、ミハル、ゲストキャラっすよ。・・・え?・・・
そして次回予告、・・・えっ士も?・・・・えっ?
という衝撃の場面もありましたが、楽しみな場面もありました。
・甦る歴代怪人たち!もう敵の規模が映画並みですね。平成ライダーのラストはやっぱりこれぐらい派手じゃないと!
・ついに登場、ディケイドジオウ!何時かはやってくれるだろうと思っていましたが
満を持してですよ!士がどうやってディケイドの力を取り戻すのかも必見です!
・第二の死神現る!チェイス、キターーー!!映画では剛が登場したと思ったらまさかTVでチェイスが出るとは・・・
ジオウもとうとうラスト一ヶ月、このまま走り切ってもらいたいです!!
「・・・・みぃ〜・・・・は・・みぃ〜〜速水ィ〜〜〜」
自分を呼ぶ間延びした声と左頬に感じるツンツングリグリといった感覚に速水はゆっくりと瞳を開いた。
「速水ぃ〜いいぃ〜〜おっきろ〜〜」
イラっとするリズムで呼ばれ瞳を開いた速水の目に映ったのは机越しに屈んで目線を合わせた郷だった。その右手は速水の頬へと伸びていた。
「・・・・何してんのよ?」
「おっ?グッモ〜ニンッ・・・・いや、グットアイラ~イト・・・で良いのか?」
自分の顔で遊ばれていたと知り不機嫌そうに問い掛ける速水に郷はそんな不機嫌は知ったことかと笑いながら立ち上がる。
速水はまだ目覚めきっていない眼を擦りながら窓の方を見ると裏山の向こうへと沈む夕日の光が速水や郷、教室をオレンジ色に照らしていた。
「えっ?ちょっと今何時よ!?」
慌てて教室に掛けられた時計を見ると時刻はちょうど6時を回ったところだった。5限目が終わり帰りのHRまでの間に少し眼を閉じてから記憶がない速水は完全に眠ってしまったんだと理解し恥ずかしくなり顔を俯かせる。
そんな速水に郷が更に追い討ちをかける。
「いや〜、中々かわいらしい寝顔だったなぁ〜〜あまりの可愛さに・・・ほら」
俯く速水に見えるよう下から潜り込ませたモノは夕日に照らされて輝く速水の寝顔写真だった。
「なっ//!ななななっ何よコレ/////!!」
「マッハで現像しました!コレなら次のコンクールは大賞間違いなしだな!」
イエイ!っとサムズアップする郷と対象に速水はナワナワと震える手で自分の寝顔が写る写真を見ていた。
(も、もしこの写真を郷がコンクールに出したら///)
大勢の人が自分の寝顔を見る。
「ッ〜〜//!?」
その光景が頭に浮かんだ瞬間、速水は両手を力の限りを込め写真を引き裂いた。
「うえあぁぁ〜〜!!!?? 俺の写真んん〜〜!!!!」
パラパラと床に落ちていく郷の渾身の写真、絶叫しその破片をかき集める郷の横を通った速水は教室の窓を全開に開けた。
まだ肌寒さを感じる春の風が教室に一気に入り込み写真の破片を乗せ再び外へと飛んでいった。
「・・・・・・・ちょっ!ちょっとまぁっベシッ!?」
空の彼方へと飛んでいく破片を数秒の間見詰めていた郷だったが、ハッと我に帰り破片を追い掛けるため窓から飛び出そうとするが、慌てていたため足下がおろそかになり窓枠から足を踏み外した結果、外の花壇に顔を突っ込ませる事になった。
「・・・・・ハァ〜」
速水は夕日の向こうへと消えていく写真と花壇に突き刺さる郷を交互に見てタメ息を吐く。
もう遅いので帰路に着こうと帰り支度を始めそのまま教室を出ようとも考えたが、
(まぁ、私が起きるのを待っていてくれてたみたいだし)
郷の荷物も持っていってあげることにし机に置かれた郷のカバンを手にして教室を出る。
――――――――――――――
「ウェ〜〜っ・・・・まだ土の味がする」
「勝手に人の写真を撮るからよ。いい加減にその何でも写真を撮る癖止めなさいよ」
速水と郷は一緒に裏山を降りながら帰路に着く。
山道の入り口に着きふと速水は数週間前の事を思い出した。
「そう言えばこの辺りよね。郷と始めて会ったのって」
「んあっそうだっけか?」
「最初はハッキリ言って変なヤツだなって思っていたけど、一緒の教室で過ごしていって分かったけど・・・・やっぱり変なヤツだったわね」
始めて会っていきなり山道を逆立ちで登りだしたり自己紹介の時に屋根から降りてきたと思ったら未来から来たなんて言い出す。更にはまるで子供番組のヒーローの様な姿に変身し名乗りやポーズまで決める。殺せんせーや岡島と共に1時間以上に渡り魅力的な女性について語り合ったりしていた時もあれば、この前に休日に街中で見かけたときは盗撮と間違えられたようで街中で土下座をしていた。
何度振り返っても変なヤツとしか思えない隣のクラスメイトにクスクスと笑ってしまった。
カシャッ、と隣から聞こえた音に顔を向けると郷のカメラが自分に向けられていた。
「速水の笑顔、頂きました!」
「ちょっと郷///!今、写真は控えなさいって言ったばっかりじゃない//!」
カメラを奪おうと手を伸ばすが郷は軽やかにかわしてしまう。
「良いだろぉ〜減るもんでもないしさ、それに・・・・今この一瞬の笑顔が次には消えているかもしれない。そんな時代で生きてきたからこそ・・・その笑顔を忘れたくないんだよな・・・」
眼を伏せながらカメラを撫でながらそんなことを言う郷、時々見せるその表情はとても悲しそうで思い詰めたモノだ。
「郷・・・・・分かったわよ。別に笑ってるとこなら撮っても良いわよ」
別に郷の悲しい顔に同情したわけではなく笑顔は忘れないようにしておきたいという意見に賛同しただけだ。
「リアリ〜!マジで!!じゃあもっと撮って良いよな!?良いんだよな!?笑って笑ってぇ〜〜!!」
先程の悲しげな表情は何だったのか。速水からの承諾を得た瞬間、郷はカメラを構え速水の周りあらゆる角度からシャッターを切り出す。
そのあまりの変わり身の早さに呆気に取られた速水だったが、
(やっぱり、変なヤツ)
その郷らしさに意識せずに笑顔がこぼれていた。
「よっし、決めた!」
一通り写真を撮り郷は何かを決心したように頷く。
「この時代で何を沢山撮るか悩んでたんだけど・・・速水にするわ!!」
「・・・・は、はぁ!!?」
突然何を言い出すんだと叫ぶ速水を無視し郷は勝手に話を進めていく。
「んじゃあ、速水は今日から俺の専属モデルってことで、決定!」
「決定じゃないわよ!何、勝手にっ!!」
どんどん話を進めていく郷に対し若冠怒りが湧いてきて口調が強くなっていく速水だったが、次の郷の言葉に怒りとは違う感情が沸き上がる事になった。
「だって、速水の笑顔って見てて癒されるしさ」
笑いながら言うその言葉には一切の下心などは感じなかった。ただ、純粋に思ったことを口にしただけ。そんな透き通ったことは初めて言われた速水は
「う、うるさい////!兎に角、撮って良いのはちゃんと許可した時だけよ////!!」
「ちょっ!?最後に一枚、夕日をバックに撮ろうぜ!!」
紅くなっていく顔が見られない様に住宅地を走っていく速水とそれを追い掛ける郷、2人の影が住宅地の道路に隣り合わせに伸びていた。
―――――――――――――
「ん?・・・・んんっ」
懐かしい夢を見ていた速水は心地よいリズムで揺れる身体にゆっくりと瞳を開いた。
「・・・・・・郷?」
「おっ起きた?グッモ〜ニンッ・・・・いや、グッナ~イト・・・で良いのか?」
背を向けながらも首を僅かに横に向けながらたった今見た夢と同じ様なことを言う郷にクスリと笑いながら胸元に感じるドコか安心する背中に自分が郷に背負われているのだと理解した。
普段なら恥ずかしさから無理矢理でも飛び降りようとするところだが、今は身体にまったくと言って良いほどに力が入らず、もう少しだけこの背中に頼りたいと思い顔を郷の背中に当て全身をその揺れに委ねることにした。
「・・・・・終わったの?」
「ああ、083は倒したさ」
「・・・・・そう・・・」
自分になりすまし、クラスを貶めようとしたロイミュードが倒されたと聞き本来なら喜ぶなり安堵するなりするものだが速水は素直にそんな気持ちにはなれなかった。
『私が速水凛香よ!』
083が何度も口にした言葉だった。まるで誰かに言い聞かすように、誰かにそうであると認めて貰おうとするかのように・・・・
その誰かが誰なのか、速水には分かっていた。何せ083はロイミュードであると同時に速水凛香でもあったのだから。つまり、それが速水の気持ちだという事だ。
(私もそろそろ自分に正直になろうかしら・・・)
「ヘイ、と〜ちゃくっと」
郷が立ち止まったのは速水の家の前だった。時刻は0時を過ぎていたため両親も既に就寝しているらしく家に明かりは付いていなかった。おそらく玄関の鍵も締まっているだろう。
「どうする?何なら二階まで跳ぶぞ」
「制服のポケットに鍵が入っているから大丈夫よ」
速水はポケットから取り出した鍵を見せながら郷の背中から降り玄関の鍵を空ける。その背を見ながら郷は「あっそうだ」と思い出したように声をかける。
「一応、083の能力や事の詳細は律からみんなに回させてるからな明日は堂々と学校に来いよな」
「じゃあ俺も帰るかぁ〜」と身体を伸ばし踵を返そうとする郷に速水はある決心をする。
「・・・・郷!」
「んあっ?」
呼ばれて振り替える郷の眼前に速水の真っ赤な顔が迫っていた。
そして次の瞬間には・・・・・
-チュっ!—
郷の口に温かく柔らかく甘いナニカが触れた。同時に鼻にはとてもいい香りが漂った。
ソレは一瞬の接触を終えすぐに離れていった。
「・・・・・・・・・・・・・へっ?」
何が起こったのか理解が追い付いていない郷は間抜けな声を出しながら微動だにしない。
「おっ///おやすみなさい!////」
対する速水はより真っ赤にした顔を精一杯の笑顔で飾り足早に家の中へと入っていった。
「へっ?・・・・・うえっ!??・・・・・」
取り残された郷は自分の唇に触れる。一瞬の接触だったにも関わらず未だに残っている心地よい温かさと香りに少しづつ何が起こったのか理解した。
「・・・・・・・・ッ!?////」
オーバーヒートしそうなほど顔を中心に身体中の温度が上がっていくのが分かったがまだ思考の処理が追い付かずその場を動くことが出来ない。
「うぇ・・・・あぇ・・・?・・・今・・・・えっ?はや・・・ワッ?キス・・?・・・・リアッ!?///」
あまりにも帰りが遅くクリムが迎えに来るまでの間、郷は速水の家の前で真っ赤な顔から湯気を立てながらうわ言を呟き続けていた。
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