暗殺教室・その転校生、未来人で、仮面ライダー!   作:真田丸

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ジオウにて続々と登場する歴代のレジェンドたち!

あるものはゾウゴたちと共に戦いあるものは強敵としてゾウゴたちの前に立ち塞がる。

カブト篇にてアナザーカブトとして登場したアニキこと矢車は原作でも天道と互角の実力を持っていたこともあり手強かったですね。

最後、「笑ってくれよ」と悲願するように呟きながらも光に向かい歩いていくアニキ・・・いつか再び光を手にする事が出来るのか。




そして・・・・ドルヲタ、推しと付き合うってよ!まさか・・・まさかの実写化!!?
これを知った時思わず、マジか!マジィか!!マジィで!!?と思ってしまいました。



速水の時間⑦

「お願いよ郷、あいつらをコワシテ」

 

「ああ、分かってる」

 

郷はその照準を目の前に倒れるロイミュード(速水)とフレアに向ける。

 

アイツはロイミュードが化けたニセモノだ。そしてそれを守ろうとするフレアも裏切り者に過ぎない。倒すことには何の躊躇もいらない。

 

まるで聞き分けの悪い子供に言い聞かせる様に郷の頭にその言葉が何度も繰り返される。

 

 

 

(でもッ・・・・!)

 

郷の頭の中にはまだわずかな戸惑いがあった。

 

 

ロイミュードだと決めつけ戦っていたら急に速水としか思えなくなり、後に現れたもう一人の速水の目を見たらまたロイミュードに思えてきた。

今まで様々な人をコピーしたロイミュードと対峙してきてもこんなことは無かった。本当にコイツはロイミュードのコピーなのか・・・

 

目まぐるしく印象が変わる目の前の速水の姿に郷は引き金を引ききる事が出来ないでいた。

 

「郷?」

 

「――ッ!」

 

そんな郷を後押しするように背後から速水が声をかける。

 

「どうしたのよ?」

 

「・・・・速水・・」

 

振り返る郷の目に怪しい光を放つ速水の瞳が写る。

 

「コワシテくれるのよね?私の為に」

 

その声はまるで人を惑わす人魚の歌声のように郷の耳から脳の部分へと心地よく伝わっていく。

 

(ああ、そうだ。コイツはロイミュードなんだ。速水が言うなら間違いはない・・・・)

 

身体中がその声に服従するかのように動く。先程までの迷いが薄れていき郷はその言葉に従うままに引き金へと指を当てる。

「コワス・・・ロイミュードは・・・全部・・・・」

 

焦点の合っていない眼で郷は速水とフレアを狙う。

 

「そう、ソレで良いのよ。ソイツをコワシタラ後は私が、イッパイ・・・フフ」

 

 

 

「ロイミュードは・・・全部・・コワス・・俺が・・・・オレガ・・ヤラナクチャッ!」

 

その顔を怒りに、憎しみに、悲しみにそして、苦悩に歪み。握り締めた左手からは爪が食い込み血を垂らしながら引き金を引こうとした。

その姿は見ていてとても痛々しいモノだった。

 

「郷・・・・」

 

それを見ていた速水もまた悲しみに顔を歪め涙が流れた。それは郷に殺されようとしているゆえの悲しみでは無かった。敵であるはずのロイミュードを倒そうとしているのにこんなに辛そうにしている郷、普段は変身しているゆえに仮面に隠れていて見る事のないその顔を初めて見た。郷はいつもこんな顔をしていたのだろうか?

あんなに近くに居て自分はそのことに気付いていなかった。郷の苦しみを分かっていなかった。

 

「ごめんなさい・・・郷・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ッ!?」

 

引き金を引く直前、焦点の合わないぼやけた郷の視界に写ったモノがあった。目の前の自分自身のためじゃない誰かのために流れる涙と先程の戦闘で割れた鏡の破片のその奥に写る自分自身の欲望の為に浮かべる邪な笑みが。

 

 

「ウアアァァァァ!!」

 

「エッ!?キャアッ!!?」

 

郷は自分が引き金を引くよりも速く踏み出した右足を軸に反転した。

結果、ゼンリンシューターから放たれた光弾は後ろで笑みを浮かべていた速水の顔に向かい飛んでいった。一瞬前まであった余裕が消し飛んだ速水は咄嗟に両腕を前に出しガードする、その威力に耐えきれず小さな爆発と共に後ろへと吹き飛ぶ。

 

 

 

「グゥッ!?そんな・・・バカなッ!」

 

速水は空中で一回転し体勢を整えつつ地面に着地するがその顔は信じられないと驚愕していた。

 

 

 

「ハァ・・・ハァ・・ハァッ・・・速水!」

 

郷は息を乱しながらも倒れている速水の方に駆け寄り声を掛ける。

 

「大丈夫か?」

 

「郷・・・?」

 

「ワリィお前が、本当の速水なんだよな?」

 

「〜〜ッ郷!!」

 

優しい声で話しかける郷に速水の眼から涙が溢れ出し抱き着く。誰からも認めてもらえなかった速水凛香としてようやく認められた気がした。

 

郷も突然の事に驚きながらも速水の気持ちを察しその背を優しく擦った。

 

 

だが、その光景を良しとしないモノが一人いた。

「ッ〜〜・・・・何でよ?何でソイツを選んだのよ!?」

 

もう一人の速水が光弾を受けた腕を押さえながら叫ぶ。だがその腕はバチバチッと火花が上がる機械のモノへと変わっていた。

 

「私の力は完璧だった!郷、アナタには私こそが人間に、速水凛香に見えていたハズよ!!」

もう一人の速水は再びその眼の光で郷の瞳の奥底を捉える。

 

だが、郷は一瞬の動揺こそ見せたが腕の中の速水を守ろうという意思を変えはしなかった。

 

「ああ、確かに今まで・・・・いや、今だってお前のことも速水に思えるさ」

「だったら―「でもな!」――ッ!?」

 

「この時代に来てから、速水と一緒に居た時間は他の誰とより長かったからな、だから分かるんだよ。俺の知ってる速水は、俺が一緒に過ごしてきた速水は自分を護ろうとしているヤツの側で、あんなニヤついた顔はしないんだよ!!」

 

郷が思い出すのはあの夏祭りの日、夜空の花火以上に輝いていた速水の笑顔だった。

 

鏡越しに後ろの速水の笑みが見えた時、郷にはあの時の華のような笑顔と今見える歪んだ笑みが同じ者が浮かべたとはとても思えなかった。だから郷は信じることにした。速水と過ごした約半年間を、速水が流した悲しみの涙を・・・

 

 

「ごめんな、速水、信じてやれなくて・・・・」

「郷・・・・・」

 

「今更、こんなこと言ってムシが良いだけかもしれないけどな、約束する。俺が近くに居る限りもう速水にあんな悲しい涙は流させないってな。だから・・・」

 

郷は速水を起き上がらせその手を掴む。

 

「この手、離すなよ」

 

「ッ!?・・・・・ええっ!」

 

そんな二人をもう一人の速水は面白くなさそうに、イライラした目で見ていた。

 

「何、人の前でいちゃついてんのよ!!」

 

「羨ましいだろぉ?」

 

郷が挑発するように握りしめた手を見せるともう一人の速水の顔が更に歪みイラつくというよりも怒りに満ちていた。

 

「良いわよ。こうなったら直接ソイツを殺して今度こそ、私が速水凛香になるわ!」

 

もう一人の速水がタブレットを取り出し指を鳴らすとタブレットから無数のデータが飛び出し複数の人形を成していく。

 

「エッ!?」

 

「・・・・ハッ!リアリ〜〜そう来るかよ」

 

現れた人形の姿に2人は目を見開く。

タブレットから飛び出たデータ重なり合いやがて複数人の速水へと姿を変えた。

 

「たっく、とんだ速水ハーレムだな」

 

「私をコピーしたロイミュードが・・・・こんなに!?」

 

 

同時刻に複数人が目撃していたことから083以外にも速水をコピーしたロイミュードが居る事は郷も予想はしていたがその数は明らかに予想外だった。

だがその速水たちは一見、速水と同じに見えるが良く見てみるとどこか本物とは違うところがあった。髪の長い者や少し太っている者、背の低い者にそばかすのある者や眼鏡を掛けている者等がいる。

 

「こいつら多分、量産タイプのNNロイミュードに083がコピーしたデータを再度コピーさせたんだろうな。コピーのコピーだから質も悪くなったんだろうけど・・・・」

 

速水(ロイミュード)たちは2人を囲う様に散らばり拳銃を構えた。

 

「サァ、この数の私を相手にしてソイツ(本物)を見失わないでいられるかしら?」

 

速水(ロイミュード)たちは一斉に引き金を引き2人に襲い掛かる。

 

「ちょいと失礼」

 

「えっ?キャアッ!?」

 

郷は手を握ったまま速水をお姫様抱っこの形で抱えると大きく跳躍し速水(ロイミュード)の包囲から抜け出した。

目標を失った弾丸は対角線上の速水(ロイミュード)たちに命中する。

 

「囲めば良いって訳じゃないんだよ」

 

その様子を速水を降ろしながら見ていたが速水は突然のお姫様抱っこと体験したことのない高さの跳躍に心臓がバクバク鳴っていた。

 

「何やってるのよ!?乱戦に持ち込んで本物を始末しなさい!」

 

083の指示のもと襲い来る速水(ロイミュード)たちに郷と速水は互いの手を握る力を強める。

 

「行くぞ、速水!」

 

「ええっ!信じてるわよ。郷!」

 

迫り来る自分と同じ姿をしたモノたち、それでも速水に恐れはなかった。

その手はちょっとエロく、お調子者のだけどとてもかっこよく頼りになるヒーロー【ライダー】と繋がっているから。

 




モチベーションがあがるので感想宜しくお願いします。

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