暗殺教室・その転校生、未来人で、仮面ライダー!   作:真田丸

29 / 84

・・・・私の投稿スピードに不備はない!

ただ・・いまいちモチベーションが上がらなかったり銀魂やエグゼイドと言った映画を見ていたために執筆が遅れたのは事実だ。

だが私は謝らない!!どんなに遅くなっても必ず完結させられると信じているからだ!!


迫る暴力

時計が11時を回ったころ、郷はパソコンに向かい調べ事をしていた。

画面には今日、E組に来た新教師《鷹岡明》の経歴が出ている。中には一部の者しか見ることのできない非公式の情報もある。

もちろん郷にその情報を見る権限はない。そう、郷は今防衛省のコンピュータにハッキングしている。

 

「今のところ特に怪しい所は無しか・・・」

なぜ郷が防衛省のデータを盗み見しているのかそれは今日の放課後の事だった。

――――――――――――――――――――

放課後、帰宅するためグラウンドに出た郷を呼び止める人が居た。

「詩藤君、少し良いですか?」

 

呼び止めたのは烏間の部下である女性、園川であった。園川に呼ばれ2人は人目の無い校舎裏へと移動した。

「?どうしたんスッか」

 

一瞬の躊躇の後園川は小さく口を開いた。

「・・・・鷹岡さん達には気をつけてください」

「ワァッツ?どういう事っスか?」

「・・・・私の口からはそれしか言えません」

それだけ言うと園川は去っていった。

 

―――――――――――――――――――

 

【鷹岡さん達には気をつけてください】

その言葉がどうにも気になった郷は部屋に戻るなりパソコンに向き合い防衛省のデータを見ていた。

「ん?これは・・・・」

暫く目につくデータを見ているととあるファイルが目に入った。

なんとなく開いてみるとそこには鷹岡と肩を組んで笑う若い兵たちの写真があった。一見すると楽しそうに笑い合っていることから互いへの良い信頼関係が築かれている理想の教官と教え子たちに見える。

だが、郷はその写真から何か違和感の様な物を感じた。

 

『郷、まだ起きているのかね』

次の写真を開こうとした時クリムが部屋に入って来た。

「うぇっ!?って、クリムかよ〜〜びっくりさせるなよ。」

『明日も学校なのだから早く眠らないか』

「へいへい、もう寝ますよ」

しょうがなく郷はパソコンを閉じその日は眠ることにした。

 

―――――――――――――――――

 

「ふぁ〜〜〜あっ!ねみ〜〜」

郷は昨夜の寝不足がたたり欠伸をしながら校舎への山道を登っていた。

暫くすると前方に渚と杉野が歩いていた。

「よっ、二人ともおふぁひょ〜」

「郷君、おはよう」

「やけに眠そうだな」

「昨夜ちょっとな」

 

すると、何処からかパトカーのサイレンが聞こえてきた。

徐々に近付いてくるその音に渚と杉野は首を傾げた。

「何か近付いてくるね。こんな山の中に警察が来るなんて・・・」

「まさか、殺せんせーの事がバレて通報されたんじゃ!」

 

そんな心配を他所にサイレンはどんどん迫る。

そして三人の前にやって来たのは・・・・ミニカーサイズのパトカーだった。

「「えっ?」」

呆然とする2人に対し郷はパトカーに近づいていく。

 

「おぉ~ハンターじゃねぇか。おつか~れ」

パトカーは郷の掌に着くと何かを伝えるようにランプを点滅させた。

 

「郷君、それって・・?」

「ん?ああ、こいつはジャスティスハンター、情報収集のために全国に飛んでもらっているシフトカーの一対だよ」

「へぇ〜」

杉野は興味深々と言った感じでハンターを見る。その間にもハンターはランプを点滅させ続ける。

 

「どうやらロイミュードを見つけたみたいだな。殺せんせーには遅れるって言っといてくれな〜!」

来た道を戻りながら叫ぶ郷に2人は手を振り見送った。

「頑張って来いよ!」「気を付けてね!」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

山道を一気に駈け下りた郷が公道に出ると丁度自動操縦でライドマッハがやって来た。

「お!ナイスタイミング!」

 

「郷?どこ行くのよ?」

郷がライドマッハに跨りヘルメットを被ると背後から声を掛けられる。振り返ると速水が居た。

「ちょっと町までロイミュード狩りにな。二時限目ぐらいには戻って来るさ」

「そう・・・気を付けなさいよ」

「ガレット!」

サムズアップをしアクセル全開で郷はハンターの後を追った。

 

 

 

――――――――――――――――

 

「ふぅ、ここか・・」

数分後、郷は街中のビルの建設地にやって来た。今日は工事が休みなのか人は居なかった。

 

「おっかっしいな・・いね~じゃんかよ・・・」

いくら見渡してもロイミュードの姿は見当たらない。

「本当に居たのかぁ?」

思わずハンターを疑う様に見るがハンターは間違いないと主張するようにランプを点滅させ続ける。

「わあった、わあった。もう少し探すよ」

郷は建設中のビルの中に入る。すでにある程度の工事は終了しており内部も出来上がっていた。

 

ゼンリンシューターを構えながら室内を進むが一階、二階、三階と上がっていくがやはりロイミュードの姿はない。結局、屋上まで来てもロイミュードを見つけることは出来ずもう逃げたのかと思い戻ろうとした時、突然ビル全体が激しく揺れ始めた。

「なっ何だぁ!?」

次の瞬間、郷の足元の床が崩れ堕ちた。

「なっ!?うあああぁぁぁ〜〜〜!!!」

 

 

――――――――――――――――――――――

 

「よっし!今日から烏間の代わりに俺がお前らの体育を担当するぞ!」

 

三時限目の授業の体育が始まり生徒たちは体育ジャージでグラウンドに居た。生徒たちの前では新教師の鷹岡が立っている。

「少し厳しくなるけど頑張ったらまた旨い物食わせてやるからな〜!」

「そんなこと言って、本当は自分が食べたいだけじゃないの?」

「バレたか?お陰でこの腹だよ」

中村の言葉に鷹岡は自身の腹部をさすりながら笑いつられてっ生徒たちも笑いだす。だが速水はみんなと一緒に笑う気にはなれず溜息を吐く。

何時になっても郷が戻ってこない。グラウンドに出る前にクリムに話を聞いてみたがクリムにも連絡は来ていないようでクリムはシフトカー達と共に捜索に向かった。

 

「よ~し、今から新しくなった日程表を配るから回してくれー!」

鷹岡は手に持ったプリントの束を先頭にいた磯貝に渡した。

 

「えっ!?」「な‥何だよこれ!?」「うそでしょ・・・?」

プリントに書かれた日程表を見て生徒たちは驚愕した。そこには、朝の八時から夜の九時まで訓練が組み込まれておりその合間に申し訳程度に授業が入っていた。

 

「ちょっ!これ本気ですか!?」

思わず磯貝が異議を唱えるが、鷹岡は笑顔のままだ。

 

「世界を救うならこれくらいはしないとな。大丈夫さ、俺たち家族で力を合わせればこれくらいの困難乗り越えられるさ」

「冗談じゃねーよ!こんなのできる訳ないだろ!授業の時間をこんなに削られたら成績も落ちるし、遊ぶ時間だって!」

反論する前原の腹に鷹岡の膝が突き刺さった。

 

「がぁっ・・!?」

「出来ないんじゃないやるんだよ」

 

崩れ落ちる前原に生徒たちが駆け寄るがそれを見る鷹岡の目はとても冷たい物だった。

「言っただろ俺たちは家族だ。何処に父親に逆らう子供が居るんだよ?俺たち家族で地球を救おうぜ!」

再び笑顔になり生徒たちと肩を組む鷹岡だがもはや生徒たちにとってその笑顔は恐怖の対象でしかなかった。

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

鷹岡がその本性を明かした同時刻1台のスポーツカーが椚ヶ丘市内を走っていた。

深紅のボディーで颯爽と走るその姿はすれ違うドライバーや通行人達が思わず振り返ってしまう魅力があった。

しかし、外からは見えないがその運転席に人の姿はない。

「何処に居るんだ郷・・・」

フロント部分に設置された専用席からクリムは車を走らせる。

この車《トライドロン》はクリムの身体の一つであり、自在に操縦する事が出来る。

 

『ん、アレは・・・?』

街の外れまで来たトライドロンに並走するようにフレアがやって来た。

 

フレアは数秒の間並走を続けると進路を変えだした。

『見つけたのか!』

クリムもすぐに後を追うようにトライドロンを方向転換させた。

 

数分後、クリムが辿り着いたのは近日完成予定のマンションの建設現場だった。

だが、本来そこにあったはずの完成間近のマンションはそこには無く代わりに大量の瓦礫の山があった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

「いーち!にーっい!さーーん!ホラがんばれよーーー!!」

鷹岡の大きな声が響くグラウンドで生徒たちはスクワットを行っていたがその前に行ったグラウンド20周と坂道ダッシュ10本により生徒たちの体力は限界だった。

「くっそぉ〜・・・キツすぎるだろこれ・・・」

「このままじゃ、殺せんせー殺す前にこっちが死んじまうよ・・・・・」

 

そんな生徒たちを前からは鷹岡が後ろからは藤堂が見張っている。

 

「も・・もう無理・・・」

力尽きた速水がその場に崩れる様に座り込むと藤堂が無言で近付く

 

「誰が座って良いと言った?」

藤堂の平手が速水の頬に叩き付けられる。

悲鳴を出すことも出来ずに吹き飛んだ速水に倉橋が駆け寄る。

「凛香ちゃん!大丈夫!?」

「ッ!ええ・・・大丈夫・・・・」

そう言いつつもその顔にはくっきりと痣が出来ている。

 

「立て、早く続きをしろ」

「お願いですから少しだけ休ませてください!」

 

無理矢理立たせようと速水の腕を掴む藤堂に倉橋が叫ぶ。

 

「オイオイどうしたんだ藤堂?落ち着けよな~」

鷹岡は藤堂を制止すると座り込む速水に視線を合わす様に腰を下ろす。

「でもお前らもダメだぞ。父ちゃんの許可なく休むなんてなぁ~」

「なっ何が父親よ!あんたなんて只の独裁者じゃない!!」

「・・・凛香ちゃん・・」

「父ちゃんに対してそんな口をきく悪い子には、お仕置きが必要だなぁ!」

迫り来る鷹岡の拳に速水と倉橋は目を瞑る。しかし拳は二人に届く前に間に入って来た烏間によって防がれた。

「・・・いい加減にしろ鷹岡、これ以上生徒たちに危害を加えるというなら俺が相手になるぞ」

 

烏丸の気迫に鷹岡は一瞬たじろぐがすぐに余裕を取り戻したような笑みを浮かべた。

「オイオイ待てよ烏間、そこまで言うならこうしないか?お前が今まで育ててきた生徒の中から一人選んで俺と戦わせる。もしも勝てたら俺は大人しく引いてやるよ。どうだ?」

「何だと!?」

「もちろんハンデは付けるぞ。俺が素手に対してそっちはコレを使っていい」

鷹岡が取り出したものを見て生徒たちは戦慄した。

鷹岡の手には刃渡り数十センチのナイフが握られていた。

「コイツを俺に当てることができればお前らの勝ちで良いぞ」

 

鷹岡の突然の提案に烏間は考える。

このまま鷹岡を放っていてはいずれ生徒たちは壊されてしまう、上に掛け合い鷹岡を任から外そうにも既に手を回されているだろう。

たが、まだ訓練をはじめて数ヶ月の彼らが空挺特殊部隊の鷹岡に勝てるはずがない。ましてや対殺せんせー用ナイフでは無い本物のナイフを人に向けるなど出来るはずがない

もし郷がいれば烏間は迷うことなく彼を選んでいただろう・・・・・

 

数秒の思考の末、烏間は1人の生徒の前に立った。

「渚君、やってみないか?」

烏間の言葉に渚だけでなく全員が驚く、今までの訓練から見て渚は前線で戦うタイプではなく後方でのサポートに適していると思われていたからである。

「オイオイ、烏間ぁ〜いくらなんでも勝負を捨てすぎだろぉ〜?」

 

あざ笑う鷹岡の声を聞き流し烏間は真っ直ぐ渚を見る。

「良いか渚君、この勝負君は鷹岡に勝つ必要はない。ただ、殺せば勝ちなんだ」

そう言いナイフを手渡す烏間の眼は正しく1人の教師の眼だった。

 

 

ナイフを受け取り渚は静かに鷹岡と向かい合った。相手は屈強な現役の軍人だ。だが何故か恐怖は感じなかった。

そうだ・・倒す必要はない。ただ殺せばいいんだ・・・・

静かに一歩を踏み出した。また一歩、また一歩とまるで散歩をしているようにゆっくりと鷹岡に近づいていく。

そしてとうとう2人の間合いが無くなった。

 

「っ!?」

鷹岡がそれに気づいた時にはもう遅かった。

渚が突き出したナイフが目前まで迫る。とっさに顔を守ろうと腕を出すが、その為視界が一瞬塞がれる。

次の瞬間には勝負はついており渚のナイフのは鷹岡の首元に当てられていた。

 

予想を大きく覆す結果に周りで見ていた生徒たちは呆然とする。

数秒の沈黙の後、思考が追いついた。渚の勝ち、その瞬間生徒たちは一斉に渚に駆け寄る。

 

 

「ふざけるなぁ!!!」

突然聞こえた怒号が生徒たちの足を止める。

 

のらりと立ち上がる鷹岡の顔は夜叉の様に怒りに歪んでいる。

「ガキが不意打ちで勝ったぐらいで図に乗るなよぉぉぉ!!」

 

怒りのままに渚に殴り掛かろうとするがそこに烏間が立ちふさがった。

「邪魔するな!烏間ぁぁぁぁ!!げぶっ!?」

鷹岡の拳を躱した烏間の肘が鷹岡の顎に炸裂する。衝撃で大きく脳が揺れ鷹岡はその場で意識を手離す。

 

「皆すまなかったなうちの身内が迷惑をかけて、このことは俺から上に報告をしてすぐにでも鷹岡を任務から外す様にしよう」

それを聞いて生徒たちが喜んでいると突然背後からドゴッ!と言う音と共に振動が響いた。

振り返ってみるとそこでは藤堂が地面に拳を打ち付けている。その衝撃で地面は凹みその威力を物語っている。

 

「思った以上に使えない奴だったな、鷹岡は・・・まぁ良い」

ゆっくりと近づいてくる藤堂に烏間と離れてところでこれまで見ていた殺せんせーも生徒を庇うように前に出た。

 

「その力普通の人間ではありませんね。まさかとは思いますが・・」

「ふっ察しが良いな。馬鹿な防衛省の連中は気付いてなかったのだがな」

そう言い藤堂はその姿をコブラ型ロイミュード《054》に変えた。

 

「まさか・・防衛省の人間にもロイミュードが!?」

烏間は懐から取り出した銃を撃つがその弾丸を054は易々と掴んだ。

 

「くっ!早く郷君に知らせるんだ!」

「無駄だ。仮面ライダーなら一足早くあの世に送った」

「っ!、そ、そんな・・・!」

054のはなった言葉に速水は膝を付く、その光景を嘲笑いながらも054が近づいて来る。

「安心しろ。お前らもすぐに後を追わせてやっ《バシュッ!!》グウゥゥ!?」

山道の方から飛んできた光弾が054に命中する。

忌々しそうに山道に視線を向けると1台の赤いスポーツカーが飛び出してきた。車はそのまま054に向け一直線で走る。

 

「チィッ!?生きていたか・・」

ギリギリで車を飛び越え距離を取った054は舌打ちしながら睨みつける。飛び越えた時にフロントガラスの向こうに見えたからである。忌々しい相手が・・・

 

054と入れ替わるようにE組の前に来た車(トライドロン)の扉が開き、そこからマッハが降りてきた。

「いや〜〜毎度のことだけどいいタイミングで着くよな〜」

トライドロンから降りたマッハはE組を守るように054と対峙する。

 

「郷君、無事でしたか!」

「と~ぜん!瓦礫の下敷きになっている所をクリムが助けてくれたんスよ」

 

「ちぃ!まぁ良い、貴様は直接この手で痛みつける。俺の新たな力でなぁ〜〜!!」

054が叫ぶとその姿は徐々に変わっていく、右手は鋼鉄の竹刀のように左手は同じく鋼鉄の鞭になり身体中にはまるで返り血のような赤い染みが浮き出ている。

 

「俺の新たな名それは《バイオレンス》だぁ!!」

まさにその姿を表す名前を名乗りバイオレンス(暴力)は鞭を振るう。

鋼鉄で在りながら鞭はしなやかな軌道で迫り来る。撃ち落とそうとするマッハの銃弾を弾き飛ばしゼンリンシューターを持つ右腕に絡み付く。

そのままバイオレンスは左腕を引くとマッハの身体は宙に浮き引き寄せられた。同時にバイオレンスは身を屈めると右腕を構える。

 

「喰らえぇ!」「ぐぁ!?」

鋼鉄の竹刀はマッハのボディに炸裂すると火花を散らした。

 

「まだだぁ!!」

バイオレンスは更に左腕を巧みに動かし体勢を立て直そうとするマッハの動きを封じながら何度も攻撃を加える。

 

「あんま調子にぃぃ・・・乗んなよ!」

マッハは右手に持ったゼンリンシューターを投げ渡す様に左手に持ち帰るとゼンリンストライカーで鞭を切り裂く、そのまま無防備になった左側からゼンリンシューターを振るう。

 

「貰った!」

「アマァァイ!!」

バイオレンスの左腕が巨大な握り拳になりゼンリンシューターを殴り飛ばした。

丸腰になったマッハにバイオレンスの拳と刀が襲い掛かる。

 

「グアァァ!!」

拳一撃を受け大きく吹き飛び地面に叩き付けられる。

 

「ククク、鷹岡に付き合わずに初めからこうやって叩き潰せば良かったんだ」

ズシン、ズシンと威圧するように踏み締めながら近付くバイオレンスは拳を大きく振り上げた。

 

「これで・・・・終わりだぁ!!」

「ヤッベェ!」《シフトカー!タイヤ交換!・・・》

マッハのメット目掛け拳が振り落とされる。

隕石を思わせる勢いで振り落とされる鋼鉄の拳、E組の生徒たちは訪れるだろう最悪の結果にあるものは両手で視界を被いあるものは目を背けせめて直視しないようにしようとした。

 

 

―ガキィィン!・

周囲に鈍い金属音が響いた。

速水たちは恐る恐る顔を上げるとマッハのメットとバイオレンスの拳の間を鉄格子が遮っていた。

「セーフ・・・サンキュー、助かったぜハンター」

マッハのドライバーにはジャスティスハンターが収まっていた。

 

「こっからは・・・・俺の反撃だな!」

バイオレンスの腹部を蹴り上げ素早く立ち上がるとジャスティスハンターの力で呼び出された鉄格子、ジャスティスケージを構える。バイオレンスの両腕の攻撃を防ぐ盾として使い、隙を見ては攻撃のための武器として使う。

「うらあぁぁぁ!!」

隙を見てゼンリンシューターを拾い振り上げるようにバイオレンスにゼンリンストライカーを叩き付けた。

火花散り苦痛の声をあげるバイオレンスに追撃の回し蹴りが炸裂する。

 

「さ〜て、暴行罪で逮捕だ」

《ゼッタイ!トラエール!》

手に持つジャスティスケージを空中に放り投げブーストイグナイターを連打するとケージから無数の鉄パイプが降り注がれる。

パイプはバイオレンスの周囲を囲うように突き刺さる。最後にジャスティスケージが覆いかぶさりバイオレンスを捕える檻が完成した。

バイオレンスは抜け出そうと檻を攻撃するが高い強度を誇る檻を破壊することは出来ず逆に流れる電流でダメージを受けた。

 

「ロイミュード054、バイオレンス!器物破損及び俺のダチ達に対する傷害の罪で・・・ジャッジメント!!」

《Judgement time》

マッハの手には小型のスマホの様なデバイスが握られていた。画面には青い丸と赤いバツ印が交互に映し出される。

『ロイミュードに対しては郷の独断と偏見により問答無用に判決が下される』

 

 

 

 

「・・・・え~~・・クリム先生どうしたんですか突然?」

いきなりナレーションのようなことを言い出したクリムに殺せんせーも思わず突っ込んでしまう。それに対してクリムも恥ずかしそうに答える。

『しょっしょうがないだろ/////!郷がハンターで決める時はこのナレーションをしろと言うのだから!!』

「そもそも独断と偏見で決めるんじゃあの機械の意味ないじゃない」

呆れる速水の言葉にその場の全員が同意した。

 

そうこうしている間に判決が下された。デバイスに移ったのは当然のごとくバツだった。

「デリート許可!!」

《ヒッサツ!フルスロットル!トラエール!》

マッハの左右に巨大なタイヤが出現する。高速で回転するタイヤはマッハを挟み込むように迫ると押し出されるようにマッハは前に出る。

同様のタイヤが次々と現れマッハはさらに加速していく、もはや人の眼では負えない速度まで加速したマッハは真っ直ぐに檻の中のバイオレンスに迫る。

 

「はあぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!」

加速の勢いに乗ったマッハはゼンリンシューターで檻ごとバイオレンスを打ち砕く。

「ぐ、がぁぁぁ~~!!!」

断末魔と共にバイオレンスは爆炎に包まれていった。

「しゃ!良い絵だったろ?」

爆炎をバックにマッハはお決まりのセリフを言う

 

パチパチ

その場に拍手の音が響く、見ると校舎の方から理事長が歩いて来ていた。

「いや、仮面ライダーの戦い初めて見ましたが・・素晴らしいですね。まさに強者ですね。それに引き換え・・・」

理事長は気絶している鷹岡に近づくと口に無理やり一枚の紙を詰め込む。

「ばはぁ!?げほぉ!?」

突然の事に一気に意識を取り戻した鷹岡を理事長は見下す目で見る。

 

「ただの暴力でしか強さを主張する事が出来ない教師は私の学園には不要です。あなたはクビです今すぐ去りなさい」

鷹岡は理事長とE組を睨みつけると足早に去っていった。

 

「さて、詩藤郷君、そしてクリム先生見せてもらいましたよ。未来の戦士仮面ライダーの戦い。とても素晴らしいモノでした。また機会があればじっくりと拝見させてもらいますよ」

それだけ言うと理事長は山道へ向け歩いていく、鷹岡の理不尽な暴力とロイミュードの脅威、そして理事長の威圧感から解放された生徒たちは安どのため息を漏らした。

 

その場の全員の気が緩んでいたため誰も気付かなかった。裏山の木々の間を逃げていく054の数字に・・・

「コノママデハスマサンゾ・・・・ッ!」

 





登場ロイミュード
・バイオレンスロイミュード
054が進化した姿、鷹岡の暴力の感情を吸収し続けて進化した。
右腕が鋼鉄の竹刀、左腕が鋼鉄の鞭になっている。また、左腕は他にも巨大な握り拳のようにもなる。
身体中には血の様な模様が所々に付いている。
その名の通り暴力で相手をいたぶることに快感を得る。
その性格上武器も相手を殺す事よりも痛めつける事に特化されている。

コピー元は藤堂と言う鷹岡の同僚、隊内で暴行事件を起こし左遷されたところを鷹岡に見込まれ共に暴力による指導を行ってきた。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。