暗殺教室・その転校生、未来人で、仮面ライダー!   作:真田丸

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予定より一日遅れで投稿します。

今日のエグゼイドを見たらOPで貴利矢が消えていて悲しかった。
本編ではエグゼイドが爆走バイクのガシェットで呼び出したレーザーレベル2を呼び出して戦ったしゲンムの貴利矢の形見って言葉でやっぱり貴利矢は死んじゃったんだなと改めて思い知らされました。


修学旅行・夜

修学旅行2日目の夜、郷と岡島はロビーの隅で神妙な顔をしていた。

「・・・行くのか。郷・・」

「ああ・・・新幹線の時の図面はあくまでも囮、本命は・・・これだ!」

郷は小さなペンライトのような機械を取り出すとスイッチを押した。すると旅館内の詳細な情報が3Dマップで現れた。

「おお~!スゲ~!」

岡島はその技術に驚きつつもマップを入念に見る。

「でも、向こうも警戒している筈だろ?危険じゃないか」

「危険?はっ大好物だね。じゃあ行くぞ」

「ああ、俺たちは・・」

「「夢の桃源郷に俺たちは行く!!」」

2人は勢い良く立ち上がり拳を突き上げた。

だが・・・・2人は気付かなかった。自分たちがすでに獅子の尾を踏んでいた事に・・・

 

「どこに行くって?」

背後から聞こえた氷のように冷たい声に郷は拳を上げたまま固まった。そして体面にいる岡島も顔から笑みが消え、代わりに大量の汗と絶望の顔をした。

 

「え~~・・・と・・もしかしなくても・・いる?いるのか~~そうか・・・三十六計逃げるに如かず!」

岡島の顔がブリキのおもちゃの様に縦に何度も振られるのを見た郷はダッシュでその場から離脱しようとした。

 

「あべしっ!?」

だが突然足に巻かれたワイヤーによりその思惑は無残にも砕かれた。

「レッ、レッカー!?お前ぇ!」

郷を妨害したレッカーはそのまま郷を吊し上げた。

『郷、流石に置いたが過ぎるね』

そこにクリムが女子たちを引き連れやって来た。各々が武器を手にし郷と恐怖のあまり動けない岡島に迫る。

「「あ・・ああ~~~!!」」

「「「「「死ね~~!!変態どもが~~~!!!」」」」

「「ギィイッヤ~~~~~!!!」」

 

 

 

「あ~~ひどい目にあった・・大丈夫か~?岡島」

「お・・おう、何とかな・・・・」

30分後、女子たちにボコボコにされた後クリムと烏間から説教を受けた2人は身も心もボロボロになりながらも何とか生還する事が出来た。

部屋に向かっていると風呂場の入り口に渚にカルマ、中村と不破が居た。

 

「よう、どうしたんだ?珍しい組み合わせで」

ボロボロの2人を見て一瞬動揺した渚であったが中村たちが向けた冷たい視線で大体の事を理解した。

 

「あれよあれ」

中村が指さしたのは無作為に置かれた大きな服だった。

そしてその先の浴室の明かりは付いており中からは鼻歌が聞こえる。

 

「脱ぎ捨てられた服に聞こえる鼻歌、誰が入っているかもう解るわね。覗くわよ」

「おい!俺たちをボコっておいて自分らも覗くのかよ!?」

「そうだそうだ!不公平だぞ!!これは俺たちの役目だぞ!!」

「何言ってるのよ。殺せんせーの服の中身を知る。これは今後の暗殺に役立つ情報よ。ほら行くわよ」

「まさかこの世にこんな色気のない覗きがあるなんて・・・」

「何でタコの行水なんて見ないといけないんだよ・・・」

 

中村に引き連れられる形で脱衣所に忍び込み浴場の扉に手を掛けた。

「行くわよ・・・」

「「「「ごくっ」」」」

緊張しながらも振り返った中村に頷くと勢い良く扉を開けた。

 

 

「にゅ~や~~~」

「「「「って、女子かよ!!?」」」」

そこに居たのはまるで乙女の様に泡だらけの湯船で体を洗う殺せんせーだった。

「にゅ?にゅあ~~~!!?なっ何ですか皆さん!?人の入浴中に!」

「殺せんせー・・・ここ入浴剤禁止だよね?」

「心配いりませんよ渚君、これは先生の粘液ですから。体の汚れを隅々まで絡め取りますよ~」

「便利だな相変わらず・・」カシャ

「にゅや!?郷君勝手に撮らないでください!」

女性の様に身体を隠す殺せんせーだがはっきり言って色気は皆無だ。

 

「まあ良いわ。出口は私たちが押さえてるからね。暗殺は無理でも裸は見せてもらうわ」

逃がすまいとナイフを構える中村だが殺せんせーは不敵に笑う。

「甘いですね」

バサァと殺せんせーが立ち上がると湯船のお湯も固体になり一緒に持ち上がる。それはまるで煮凝りの様だった。郷達が呆然としている間に殺せんせーは窓から逃げて行った。

 

 

 

「あ~あ、殺せんせーの裸とかいいネタだと思ったんだけど。結局撮れたのは入浴シーンだけかよ・・」

「まぁ良いんじゃない?今度その写真をネタに飯でも奢らせればさ」

「・・・ナイスアイディア」

売店で飲み物を買ってきた郷とカルマが部屋に入ると男子たちが一か所に集まり1枚の紙を見ていた。

「何やってんの?」

「おっ二人とも丁度良い。今みんなでクラスで気になる女子のアンケート取ってるんだけど2人は誰かいないか?」

磯貝が見せた紙には女子たちの名前と似顔絵それと正の字で集計結果が書かれていた。ちなみに一番はクラスのマドンナ神崎だった。

 

「ん~俺は奥田さんかな?」

カルマの挙げた名前にみんな以外そうな顔をした。

「だって彼女下剤とかいろいろな薬作れそうじゃん。そうなら俺の悪戯の幅も広がるし」

「絶対組ませたくないカップルだな・・」

怪しく笑うカルマの頭と尻に悪魔の耳と尻尾が見えた。

 

「じゃ、じゃあ郷はどうだ?」

気を取り直す様に磯貝は郷に聞くと他もみんな郷を興味ありげに見た。

「俺は・・・ん~~・・速水かな?」

「「「「ああ~~~やっぱり」」」」

郷の回答にほぼ全員が納得したような顔をした。実際、郷が1番接している女子は速水だった。互いに射撃を主としており訓練を共にしていることが多くまた、郷がこの時代に来て最初に出会ったのも速水である。

 

「じゃあみんな、この結果は男子だけの秘密だぞ。バレたら嫌な奴も居るだろうしな」

「ん?おい磯貝~後ろ・・」

郷が指さした先を見ると殺せんせーがピンクの顔でニヤニヤしながら襖の間から覗いていた。そしてアンケート結果をメモすると風のように去っていった。

 

「「「「・・・・・・」」」」

「逃げたぞーーー!!」「追え~~~!!」「と言うより殺せ~~~~!!!」

それぞれの武器を持ち殺せんせーを追い掛ける男子を見送った郷は真面目な顔つきでドライバーを取り出した。

「さてと、行くか」

 

 

 

その頃、女子に部屋にイリーナが就寝時間を伝えに来た。

「ガキども~そろそろ寝る時間よ~~」

部屋に入ると男子同様に女子たちも一か所に集まり紙を見ていた。イリーナはそっと近づき紙を取った。

「ふ~ん・・気になる男子ランキングね~~」

紙には数人の男子と何故か烏間の名前が書かれていた。

「てっ何で烏間が入ってるのよ?」

「だって烏間先生カッコいいもん」

にっこりと笑って言ったという事は烏間に居れた1人は倉橋なのだろう。

「烏間以外だと・・・やっぱり磯貝が1番ね。あとは・・・・へ~~郷にも入ってるじゃない。誰かしらね~~」

イリーナが探るように見渡すとある1名がサッと視線を逸らしそれを見たイリーナは小さく笑った。

 

「駄目だよ~ビッチ先生検索しちゃ」

「そ~そ~みんな秘密なんだからね。そんな事よりさ~ビッチ先生の恋愛話聞かせてよ~」

やはり年頃の女子は人の恋愛話が好きらしいみんなが期待するようにイリーナを見る。

 

「良いわよ。ガキどもにはちょ~と刺激が強いかもしれないけれどね。あれは・・・17の時だったわ・・・」

昔話を始めようとして時、女子の中に1匹のタコが紛れているのに気付いた。

「そこ~!何女子の花園に入り込んでるのよ!」

「にゅ?いや~先生もイリーナ先生の恋愛話に興味がありましてね~」

ニヤニヤとピンクの顔で笑う殺せんせーだったが次の矢田の言葉で立場は逆転することになる。

 

「そういう殺せんせーはどうなの?何か恋バナとか無いの?」

「そ~だよ。人の事ばかりさ~」

「・・・・・」シュバッ

「逃げたわ!捕まえて吐かせて殺しなさい!」

旅館中で男子と女子による殺せんせー捕獲作戦が始まった。

 

「ん?あれって、郷?」

速水はみんなと別れ殺せんせーを探していると旅館の外を歩く郷を見つけた。もうとっくに外出時間は過ぎているのに何かあったのか?そう思い速水は追い掛けた。

 

 

 

E組の泊まる旅館から100mほど離れた街道を1人歩く影があった。

「さて、力の実験は終わった。そろそろ動くか」

影が旅館に向かい歩を進めようとするとその足元に一発の光弾が飛んで来た。

 

「おいおい勘弁してくれよ。みんな一生に一度の思い出を作ってるんだからな」

影の前に立ちはだかるように郷がゼンリンシューターを構え現れた。

「昼間は様子見のつもりだったのか?ロイミュード」

「ふっヨクワカリマシタネ。カメンライダー」

影の正体は昼間写真撮影を頼んできた外国人だった。次の瞬間にはバット型の033になり構えた。

 

「ここじゃみんなに気付かれるかもしれないしな・・場所を変えさせてもらうぞ」

《シグナルバイク!ライダー!》「レッツ変身!」《マッハ!》

マッハに変身した郷は走りながらブーストイグナイターを押した。

《ズーット!マッハ!》

加速したマッハは033にタックルを食らわしその場から消えた。

「郷!?」

その様子を陰から見ていた速水は辺りを見渡すが既にマッハも033もどこにも居なかった。

 

 

「ぐうっ!」

「ここなら良いかな?さぁってと・・・追跡!撲滅!いずれも~~・・マッハ!仮面ライダ~~~マッハァ!」

旅館から数キロ離れた寺の屋根の上でマッハと033は対峙していた。月の光が2人を照らしさながら舞台のワンシーンの様だった。

先に動いたのは033だった。指からの光弾を撃つが、加速したマッハに次々と躱されていく。

接近したマッハはゼンリンシューターを振り払う。打撃を受けた033の身体から火花が散った。

すぐに反撃に移ろうとする033だったがその場には既にマッハは居なかった。

「何っ?」「おっせーよ!」

 

背後に回り込んでいたマッハは透かさず攻撃する。

ゼンリンシューターを上に投げパンチとキックを流れるように浴びせる。

反撃に放ったパンチを掴むとそのまま投げ飛ばすと同時に蹴りこみ遠くに飛ばした。

丁度落ちてきたゼンリンシューターをキャッチすると余裕を表す様に掌で回すガンスピンをした。

 

「おいおい、こんなもんかよ?」

「くっ舐めるなよ。今私の進化した力を見せてやる!」

033は胸にカメラのレンズの様なものが付いた姿に変えた。

「私は、スクーパーロイミュード」

スクーパーは胸のレンズでマッハを写そうとした。とっさに躱したマッハが見たのはスクーパーが写真に触れる事でそこに写された五重塔が突如崩壊するところだった。

「へぇ〜面白い能力だな。だけど・・・」

再び写真を撮ろうとするスクーパーのレンズから逃れるように縦横無尽に動くマッハにスクーパーも照準が合わせられなかった。

 

「くっちょこまかと・・」

「撮られなきゃどうってことね〜よ」

打って離れ打っては離れのヒットアンドアウェイで攻め続ける。

 

「らあぁ!」

強力な一撃がスクーパーのレンズを破壊した。

苦しみ悶えるスクーパーにマッハはシグナルマッハを装填したゼンリンシューターを構える。

《ヒッサツ!フルスロットル!》

「じゃ〜な!」

《シューター!》

銃口から放たれたバイク状のエネルギーがスクーパーを貫きコアごと爆発した。

 

「ふ〜〜良い画だったな」

 

マッハが一息ついたときだった。

1発光弾が背後から襲い掛かった。

「ぐあぁ!?な、何だ!」

振り返ると寺の屋根の上部に1つの影がこちらに銃口を向けている。

 

「何だお前は?」

「僕は魔進チェイサー、ロイミュードを守る番人にして仮面ライダーを殺す死神だ」

月の明かりが当たり魔進チェイサーの姿が見えた。紫のボディにまるでエンジンの様な仮面を付けている。どこか仮面ライダーに似た姿だった。

「よくも僕の仲間たちを何人も・・・仮面ライダーマッハ、ここが墓場です」《ガン!》

チェイサーは自身の武器ブレイクガンナーを向け引き金を引く。放たれた光弾を躱したマッハも透かさずゼンリンシューターを撃つ、2人の光弾は相殺し合いその衝撃で屋根は寺ごと揺れ続ける。

マッハは屋根を走り回り攪乱しようとするがチェイサーは動じる事無くその場から撃ち続ける。先程のスクーパーとの連戦で疲労がたまって来たマッハの動きは次第に鈍くなっていく

 

《ブレイク!》「はっ!」

チェイサーはマッハの動きが止まった一瞬を見逃さず接近した。ブレイクガンナーによる打撃マッハを襲った

「がっ!くっそ!」《シフトカー!タイヤ交換!シノービ!》

シャドーを装填したマッハは5人に分身しチェイサーを囲む。

「無駄です!」《チューン!チェイサー!コブラ!》

チェイサーはブレイクガンナーに銀色のコブラバイラルコアを装填すると鞭状の武器【テイルウィッパー】を装備した。

振り回された鞭にマッハの分身達は次々と倒され消滅していく。

そして残された最後の1対も攻撃を受けた瞬間他の分身の様に消滅した。

「なに!?」

チェイサーは周囲を見渡すがもうマッハの気配はなかった。

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・流石にあれ以上は不味かったな・・」

変身を解除した郷は息を切らしながら旅館への道を走っていた。

「郷!?」

そこに速水がやってくるが疲労を隠せないでいる郷を見るとすぐに駆け寄り肩を貸した。

「サンキュー」

「また1人で戦ってきたのね?」

「はは、せっかくみんな思い出を作ってるのに余計な心配させるわけにいかないだろ?悪いけどクリムの所に連れてってくれないか?ちょっと疲れたから・・少し・・・眠るわ・・」

郷が静かに意識を失うと速水に郷の身体の体重が全部かかった。

決して重い物ではないが中学生の速水にはやはり負担はある。だが速水は嫌な顔一つせず安らかに寝息を立てる郷を優しく見た。

「・・・お疲れ」

 

こうしてE組の修学旅行は終わった。

新たな強敵魔進チェイサーの出現は今後の郷の戦いをさらに激しい物へと変えていくだろう。だが、今だけは安らかに休んでいいだろう。守るべき相手の傍で、1人の少年として・・

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

誰も居ないE組の教室に今までなかった箱があった。

『明日からミッションを始めます。楽しみですね殺せんせー』

教室に佇むその箱はまるで棺桶の様だった。

 

 




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