暗殺教室・その転校生、未来人で、仮面ライダー!   作:真田丸

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もう3日ですが・・・明けましておめでとうございます!
今年のうちに完結を目指して頑張りますのでよろしくお願いします。




旅行の楽しみは準備から

中間テストから1週間が経ち特別補習から解放させた郷は、放課後裏山の森の中で速水と千葉と共に射撃の訓練をしていた。

 

「・・・やっぱり動く的だと上手く当たらないな・・・」

千葉は自身の的役のシグナルマガールを見ながら呟いた。

 

「そりゃあお前らまだ訓練初めて2ヶ月だろ?それだけ出来れば上出来だろ〜が」

そう言う郷の撃つ弾は動き回るシグナルマッハに正確に命中していく。

 

「・・・なんか嫌味にしか聞こえないんだけど」

速水は郷を睨みつつ撃つがその弾は木々の間を掛けるシグナルカクサーンに躱されていく。

 

「あのな~俺はもう何年も実戦で鍛えてきたんだぞこれで負けてたらこっちが凹むって~の」

 

 

 

「そう言えば郷、もう班は決めたのか?」

暫く訓練を続けた後、近くの石に座り休憩していると千葉が言った。

「班?・・・何の?」

何のことかわからない郷はペットボトルの水を飲みながら聞くと速水が呆れたようにため息を吐いた。

「はぁ、忘れたの?今度の修学旅行の班よ」

「あ~~そう言えばそんな話あったな~」

「決まってないんなら俺たちの班に入んないか?」

「そうだな・・・じゃあ宜しく」

 

 

 

 

翌日、午後の授業では各班ごとに修学旅行の計画を組んでいた。

「全く、中間テストも終わったばかりだと言うのに修学旅行だなんて、先生乗り気がしませんねぇ~」

「そうっスよね~こっちは人類の未来を掛けて戦っているのにの楽しめるかって~の」

と言いつつも殺せんせーの後ろには大量の荷物が詰められたリュックがあり、郷のポケットからは京都のパンフレットがはみ出ていた。

 

「「「「どっちも乗り気じゃねーか!!!」」」」

「良いだろ別に!こっちとら初めての旅行なんだよ!」

「先生も実は皆さん一緒に行く旅行が楽しみで仕方ありません」

 

「たく、皆ガキね~私なんて世界中のセレブにリゾートに連れてってもらっているから旅行の一つや二つ、行く気にならないわね~」

「じゃあ、ビッチ先生は留守番しててくれよ」

「花壇の水やりよろしくね~」

 

楽しそうに旅行の計画を練っている生徒たちの姿に段々とイリーナも我慢できなくなり。

「何よあんた等ばっかり楽しんで!私も混ぜなさいよ!!」

「うわ!暴れんなよビッチ先生!」

「ちょっ、郷君抑えてよ!」

「え~~めんどくせぇな~」

「良いから止めなさい!」

 

 

暴れるイリーナと押さえる生徒たちを見ながらクリムは楽しそうに笑った。

『ははは、みんな楽しそうだね』

「ええ、このメンバーでの修学旅行は一生で一度しかありません。だからこそこの旅行は一生の思い出にするべきです。私たちも皆さんが心からこの旅行を楽しめるように頑張りましょう」

『Yes、その通りだね殺せんせー』

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「だっ大丈夫よね?何所も変じゃないわよね?」

日曜日の朝、街を歩く速水は足を止め近くの店のガラスでその日5度目の身だしなみのチェックをした。

寝ぐせなんかは無いか?服にシワは無いか?隅々までチェックをし再び駅前の広場に向かい歩く出した。

「何でこんなに緊張しなくちゃならないのよ・・」

速水は昨日の夜の事を思い出しながら呟いた。

 

 

昨晩、眠る前に予習でもしようかと机に向かっていると不意に枕元に置いてあったスマホがなった。見ると千葉からの電話だった。

「どうしたのよ千葉?」

『悪い速水、明日郷と買い物に行く約束をしてたんだけど急に用事が出来てな。代わりに行ってくれないか?』

「え?」

チラリとカレンダーを見るが明日は特に予定もなく、自分も買い忘れていたものがあるのを思い出した。

 

「良いわよ」

『悪いな。郷にはメールで伝えておくから頼むな』

 

電話が切れスマホをベットに置いた時に気付いた。

郷と二人で買い物に行く?それは客観的に見ればデートなのではないか?

そう考えた瞬間、顔が熱くなっていくのを感じた。

何を着て行けばいいのか?かわいい服は在ったか?クローゼットを漁り手ごろな服を見つけては鏡の前に立った。

そんな事をしている間にすっかり眠るのが遅くなってしまった。

 

 

(よく考えれば緊張する必要なんてないのよね。ただクラスメートと修学旅行の準備をするだけなんだから・・)

そう思えば少しは気が楽になった。

 

 

広場に着くと人だかりが出来ていた。速水が覗いてみると警察官に土下座している郷がいた。

「ちょっ!何やってんのよ!!」

思わず速水は叫んでしまうと周りの視線が一斉に向いた。

 

警察官によると、何でもカメラであたりを撮りまくっていた所を職務質問を受けてカメラを確認したところ女性の脚が撮られていたらしい。

郷はマンホールや花を撮っていたと言っているけど信用してもらえなかったらしい。

結局、速水が郷はずっと海外に住んでいて日本の全部が珍しく所構わず写真を取る癖があるって言うと一応納得してもらえた。

 

「いや〜助かったよ。サンキュー速水」

「もう、これから少しは自重しなさいよね」

その後、2人はショッピングモールに向かった。

歩きながらも郷は周りの写真を取っている。

 

「にしても・・・」

郷が速水の方をじーと見だした。速水はひょっとしてどこか変なところでもあったのか?と少し不安になった。

「なっ何よ///」

「いや、速水の私服って初めて見たけど意外と・・・可愛いな」

「な///」

「一枚撮って良いか?はいチーズ」カシャ

「〜〜〜////は、速く行くわよ!///」

恥ずかしさから歩く速度が速くなった速水を郷は笑いながら追い掛けた。

 

 

ショッピングモールに着くとまず、服を買いにいった。

聞くと郷は私服をほとんど持っていないらしいからこの機会に買う事にした。

「これなんて良いんじゃないの?」

「お、良いかもな。じゃあこれにスッかな」

私が渡した服を見ると郷は迷うこと無くレジに持っていく

 

「少しは自分でも考えなさいよ」

郷はさっきから私が選んだ物ばかり買って自分で選ぼうとしない

「いや俺この時代の服のセンスって良く分かんね〜しさ。速水に任せるよ」

結局服はほとんど私が選んだ。

 

 

 

 

 

今日私は今度の修学旅行のための買い物に来ていた。

本当はひなたやメグと行く予定だったんだけど二人とも急に予定が入ったらしくて一人できたんだけど…

「ねえお嬢ちゃん俺達とカラオケでも行かない?」

いきなり絡んできた高校生ぐらいの人達に人気の無い場所に連れ出されちゃった。

「いえ、今日はこれから用事があるので結構です」

横を抜けていこうとすると腕を思いっきり掴まれた。

 

「きゃあ!?」

腕に痛みを感じたと同時に力一杯引き寄せられた。

「いいから大人しく来ればいいんだよ!」

「楽しませてあげるからさ〜」

高校生達が嫌らしい顔で近付いてくる。

イヤ・・・誰か助けて・・

 

「彼女嫌がってますよ。やめてあげたらどうですか?」

突然背後から声がした。

振り返るとこの時期にしたら厚い黒いコートを着てフードを被った男の子が居た

年は私と同じくらいかな?

 

「何だテメェ?邪魔すんなよ!」

高校生の一人が男の子の胸ぐらを掴みながら拳を振るう

私は思わず目をつぶって顔を背けた

 

「い・・・イテテテ!!」

でも聞こえてきたのは男の子の悲鳴じゃなくて高校生の悲痛な声と他の高校生達の動揺だった。

 

恐る恐る目を開けると男の子が高校生の拳を掴んで捻っていた。

「野郎ぅ放しやがれ!」

他の高校生たちも殴り掛かっていくけど男の子は捻っていた高校生を押して他の高校生にぶつけると怯んだ隙に腕を掴んで次々と壁に投げつけた。

 

「おっ覚えてろ~~!」

なんだか古臭いセリフを残して高校生たちは逃げて行った。

 

「あの、ありがとうございます!」

私は男の子に頭を下げてお礼を言った。

「いえ、当然の事をしたまでですよ。では僕はこれで」

「名前!聞いても良いですか?」

自分でも何でこんなことを聞いたのか解らなかったけど、気づいたら口が動いていた。

 

「名前ですか・・・アレンです」

「私、矢田桃花です!あの・・本当にありがとうございました!」

アレン君は最後に優しく笑って歩いて行った。

 

「アレン君かぁ~~・・・・また会えるかな?・・・////なっ何言ってるんだろ私?///」

また絡まれたら嫌だし早く帰ろ///

 

 

 

 

 

アレンはショッピングモールの3階から下の階を見ていた。其処には、ペットショップで猫を満面の笑みで頬擦りしている速水と気付かれないようにこっそりとその光景を写真に撮っている郷がいた。

「ちょっ!何撮ってんのよ///!!」

「良いじゃんかよ~減るもんじゃね~しよ」

「そういう問題じゃないわよ!消しなさいよ////!」

「だが断る!」

挑発するようにカメラを頭上に上げながら逃げる郷を真っ赤な顔で速水は追い掛ける。二人の表情は本当に幸せそうだった。

 

「・・仮面ライダー・・・」

アレンは手すりを掴む右手に力が籠る。鉄で出来ている筈の手すりは小さな悲鳴を上げながら握り潰されていく。

 

 

 

 

「いや~今日は助かったよ」

「良いわよ私も楽しかったし」

夕方になり買い物を終えた二人は帰路に着いていた。

ふと郷の視界に小さな雑貨屋が入った。

 

「ちょっと待っててくれないか?」

「え?」

速水を待たして雑貨屋に入った郷は暫くして小さな紙袋を持って出てきた。

「ほら、コレ」

手に持った紙袋を速水に差し出した。少し困惑しながらも受け取った速水が中身を見るとRのマークが付いたヘアゴムが2個入っていた。

「結構似合いそうだと思ってな。ちなみにRは凜香とライダーのRな。」

「あ・・ありがとう///」

 

駅に着き速水と別れた郷は笑顔で手を振りながら歩いていく速水をカメラに収めた。

その笑顔を見ながら郷は思った。『この笑顔を守っていきたい』と。

 

 




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