Fate/Diplomat   作:rainバレルーk

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FateのNLって・・・・・幅広いよね・・・

アキト「新たな扉が開いたな」

てな訳で・・・・・どうぞよろしくお願いします。



同盟杯上

 

 

 

「すぅ・・・すぅ・・・・・」

 

「・・・・・・・・え・・・?」

 

あ・・・ありのまま今、目の前の状況を話す・・・!

 

昨夜、サーヴァント同士の会合から深夜営業の喫茶店に場所を移した俺こと『間桐 雁夜』は、その喫茶店でバーサーカーにカツサンドを無理矢理口にねじ込まれて意識を失ったと思ったら『目の前、8cm付近で寝息をたてて眠っている桜ちゃんがいた』。というか添い寝していた。

 

な、何を言っているのか分からないと思うが、俺も今の状況が読み込めない。頭がどうにかなりそうだ。

 

・・・・・・でも、こうして間近で桜ちゃんの顔を見てみると感慨深いものがある。

白磁のように透き通った肌に整った顔立ち。睫毛は長く、唇は幼いながらに艶やかに湿っている。

俺はその美しい彼女の頬を優しく撫でる。

 

流石は『葵さん』の子だ。『あの男』に似なくて・・・本当に良かった・・・・・

 

 

「お~いマスタ~? 朝飯食おうぜ~・・・・・へ?」

 

俺が桜ちゃんに見惚れているとガチャリと扉を開けて入って来たバーサーカーと目が合った。

 

 

「あ・・・え・・・バ、バーサーカー、これは違―――!」

 

予想だにしていない事態に慌てる俺を見ながらバーサーカーは自分の唇に人差し指を当てながら小声で呟く。

 

 

「(シ―――・・・・・静かにしろよマスター。桜が起きちまうだろう?」

 

「(あ、あぁ・・・すまない・・・・・」

 

小声で謝る俺にバーサーカーは口を三日月に大きく歪めてカラカラと渇いたように笑う。

 

 

「(まったく俺も無粋な野郎だ。マスターのお楽しみを邪魔しちまうとわよ・・・」

 

「なッ!?」

 

「(大丈夫だマスター。また起こしに来る・・・・・それまでユックリと彼女を味わうといいさ・・・」

 

「(だから違うって!!///」

 

弁解する俺にバーサーカーは「冗談だ。カカカ♪」と笑って部屋から出ていった。何だか顔が焼石のように熱い。

 

 

「ん・・・んみゅ・・・・・雁夜おじ・・・さん・・・・・?」

 

ベッドから体を起こすと隣で寝ていた桜ちゃんが目を覚ました。小さな両手で目をこする動作が実に愛らしい。

 

 

「お・・・おはよう桜ちゃん。朝ごはんが出来たみたいだから食べに行こう?」

 

「うん」

 

俺は桜ちゃんの小さな手を繋いで和室に改造されたリビングへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

・・・向かったんだが・・・・・

 

 

 

「ガーはっはっは!」

 

「シャーシャッシャシャ!」

 

リビングの扉を開けると最初に目に入ったのは、縁側でマグカップを持って高笑いするドンと大ジョッキを持って豪快に笑う身の丈2mはある赤髪の大男。

服装はジーパンに『大戦略』とロゴが入ったピッチピッチの白いTシャツを着ている。

 

 

「なに和んでんだよ『ライダー』?!!」

 

「む、良いではないか坊主。この喋るヤギは存外に面白いぞ! なぁヤギよ?」

 

「そうであろー。それはそうとお主もアキトの特製ココアを飲むであろー」

 

「わわわ! 本当になんでこのヤギは喋ってんだよー?!」

 

次に目に入ったのは大男をライダーと呼ぶおかっぱ頭の少年。少年はドンから別のマグカップを押し付けられる。

 

 

「首―――領・・・」

 

・・・なんか後ろでロレンツォさんが血涙を流して、ハンカチを噛んでいる。

 

 

「おん? 案外早かったなマスター」

 

「おはようサクラ。朝ごはんを食べる前に髪を梳かしてあげるからね」

 

「はい、シェルスさん」

 

最後に目に入ったのは俺のサーヴァントであるバーサーカーと彼が召喚したという仲間の一人、シェルスさんだ。

彼女は寝癖がたった桜ちゃんの髪を櫛で丁寧にすいてゆく。気持ちが良いのか、桜ちゃんは目を細めて身を任せている。

 

 

「―――って・・・なんだコノ状況ッ!?」

 

「あ、マスター? 朝飯はパンか米のどっちが良い?」

 

「あ、ならご飯で・・・・・って違う!!」

 

「おん?」

 

なんともとぼけた声で反応する俺のサーヴァント『バーサーカー』。その手にはフライパンとお玉を握っている。

そして、リビングの中央にある堀炬燵の上には豪勢な食事が並べられていた。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

状況は雁夜が起きる数刻前に遡る。

 

昨夜の一件から間桐邸に戻ったバーサーカーこと『暁 アキト』と『シェルス・ヴィクトリア』は喫茶店で気絶した雁夜をベットに寝かせるとサーヴァント集結で起こった事をヴァレンティーノファミリー全員に報告した。

 

ファミリーの長である『ドン・ヴァレンティーノ』には、アキト自身がライダー陣営と同盟を結んだ事を報告。

ファミリーの母ポジション・・・じゃなくて、ドンの右腕『ロレンツォ』にはサーヴァントのマスターを彼の保有スキルで調べて貰うように頼んだ。

ファミリーの天才頭脳『ノア』にはサーヴァントの観察データを渡した。

そして、『もう一人』のファミリーにはノア特製の通信機で連絡を済ませる。

 

それらを済ませると二人は朝食の準備を始めた。

何故、朝食の準備をはじめたのかというとサーヴァントである二人が睡眠を必要とせず、なぜか霊体化もできないので朝までの暇潰しの為である。

 

・・・だが、単なる暇潰しではない。『歓迎』の準備でもある。

 

同盟を結んだライダーはアキトに対してこう言い放っていた。

『我らがそちらの拠点に向かおうではないか! 何気遣いは無用、歓迎の用意はせんでもいいぞ!!』と・・・

 

要するに『歓迎してくれ』という裏の意味である。

それに加え、あのライダーの性格からして朝一でこの邸宅に訪れるだろうと予想した彼は、歓迎してやろうと思い料理に腕を振るったのであった。

 

それから数時間後・・・・・アキトの予想どうり、日の出と共に彼はやって来た。

 

 

「バーサーカー!! 約束通り訪問してやったぞ! 早くここを開けるがよい!!!」

 

「・・・はぁ・・・」

 

門の前で大声を張り上げる彼の隣で、ライダーのマスターである『ウェイバー・ベルベット』がため息を漏らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

←続く

 





よくよく考えていると・・・ネタが使えるなコレ・・・

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