摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
第44話更新です。
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それでは本編へどうぞ!
「
カッ!!!!
ジャスミン叫びを受け、アタッシュケースに納められた7つのドラゴンボールが
「空が暗くなった!?」
「しまった…。夜になるのを待つべきだった……。」
ウソップの叫びに、ジャスミンが自身の失態を悟る。実際に
が、もう遅い。
バシュ―――――――――――ッ!!!
ドラゴンボールから一筋の光が放たれ、空へと伸びていくのに、“麦わらの一味”が息を
バチバチッ!!!
バチッ!!
空に伸びた光は、激しくスパークしながら徐々にその姿を変えていく。
「あ…!あぁ……!!」
「りゅ、龍!?」
「ス、スッッッゲ――――――――ェ―――――!!!」
ズオォオオオ……!!!
完全に姿を現し、空一面を覆いつくすようにうねり、
『さあ、願いを言え。どんな願いも3つ叶えてやろう…。』
「3つ!?叶う願いは2つじゃ…?」
『地球の神が代替わりした当初はそうだったが、
記憶と異なる
しかし、ジャスミンのその認識もあながち記憶違いでなかった事が、次の
『だが、1つ目の願いで多くの人間を生き返らせた場合は、叶えられる願いは2つに減少する。』
「あ~…、そういう事だったのか…。」
前回、ジャスミンが
「じゃあ、まずは私がこの世界に来た日から今日までに死んだ、極悪人以外の人たちを生き返らせてその人たちが安全に生活出来る場所に送ってください!!」
『
「
『それならば可能だが、数が多いので時間がかかる。少し待っていろ…。』
「お願いします!」
『
カッ……!
「ちょ、ちょっと待って…!今、死んだ人間を生き返らせるって言った?!」
ジャスミンが願った1つ目の願いに、ナミがジャスミンへと詰め寄る。
「うん。バスターコールで助けられなかった人たちや、スリラーバークで助けられなかった人たちがいるから…。」
「そうじゃなくて!!!ド、ドラゴンボールって死んだ人間も生き返らせる事が出来るの?!」
「ッホントかよ?!」
ナミの矢継ぎ早の質問に、ウソップも食い付く。他の、それぞれ大切な人間を失った者たちも目の色を変える。
「色々制限はあるんだけどね…。」
ジャスミンも、それを察し、言い辛そうにしつつも説明する。
「ドラゴンボールで生き返らせる事が出来るのは、過去1年以内に死んだ場合のみなの。1年を超えると生き返らせる事は出来ないし、自然死、さっき
「そう、なんだ…。」
ジャスミンの説明を聞き、彼女の肩を
「もし、ナミちゃんたちの大切な人が亡くなったんなら、過去1年以内だったら今の私の願いで生き返る
「あ、良いの良いの!気にしないで。」
手を振りながら笑顔を作るナミだったが、その笑顔はやはりぎこちない。
無駄に期待させてしまった事に多少の罪悪感を覚えつつ、何と言っていいものかも考えあぐねていたジャスミンだったが、不意に響いた
『1つ目の願いは叶えてやった。先程も言ったように、多くの人間を生き返らせた場合は、叶えられる願いは2つに減少する。最後の願いを言うが良い。』
その言葉を受け、“麦わらの一味”へと向き直る。
「それじゃ、色々とお世話になりました…!」
「おう!元気でな!」
ジャスミンの別れの言葉に、真っ先に反応したのはルフィだった。
「ルフィくんたちも、皆さんもお元気で。航海の無事を祈ってます。」
一味を見渡しながら告げたジャスミンに、他の者たちも
「お前も元気でな。」
「早くお父さんと会えると良いわね。」
「あんまり無茶するんじゃねェぞ!」
ウソップ、ナミ、チョッパーが笑顔で告げ、
「まぁ、何だ…。色々悪かった。」
「おれもだ。疑ってゴメンな…。」
ゾロが決まり悪そうに目を
「もっとあなたの世界の話を聞きたかったわ。」
「早ェトコ父ちゃんを安心させてやれよ!」
「ヨホホホ!無事にご家族と再会出来る事をお祈りしますよ。」
ロビン、フランキー、ブルックもそれぞれ笑顔で見送る。
「皆さんも色々とお気を付けて。」
再度別れを告げたジャスミンが、再び
「それでは最後の願いを!私とドラゴンボール、そしてもし生き返ったのならあの男たち…!地球からこの世界に来た存在全てを地球の元いた場所に戻してください!!!」
『それは叶えられない願いだ。』
「え……?」
「ちょっとどういう事よ!?どんな願いも叶えてくれるんじゃなかったの?!」
『私は地球の神によって創られた。よって創造主である神の力を超える願いを叶える事は出来ない。』
「そんな…。」
絶望から脱力し、ジャスミンが膝から崩れ落ちる。
『しかし、叶えられるようにする方法はある。』
「え!?」
ガバリ、と
『異なる世界同士の移動は
「事情?」
『この世界そのものの
「ナメック星の、って事はまさかお父さんたちが…?!」
『恐らく、お前と私を地球に
父たちも自分の為に動いてくれている、その事実がジャスミンの心を軽くし、表情がわずかに明るくなる。
[ナメック星って何だ?]
[ジャスミン大丈夫かな…?]
[じくーかんって何だ?]
[しっ!静かに…。邪魔しちゃダメよ…。]
背後でウソップ、チョッパー、ルフィが小声で話しているのが分かるが、ジャスミンに答える余裕が無いのが分かったのか、ロビンが
その間に、ジャスミンは帰る方法を見付ける為に知恵を絞る。
「では、その原因を取り除いてもらう事は出来ますか!?」
『それも出来ない。私の力ではその者たちには及ばない。その者たちがどこにいるのか、何人いるのか、
「私たちと同じ世界から…?」
『地球では無いようだが、同じ第7宇宙の存在である事は間違い無い。』
『
相手の目的も、人数も、強さも居場所すら分からない手探りの状況に思わず
『それ以外の願いは無いのか?無いならば、消えさせてもらおう。』
「それなら…。
取り
『
再び
「あれ?こんなに?」
てっきり1
『サービスだ。…願いは叶えてやった。では、さらばだ…!!』
カッ…!
一瞬の強い光と共に、
ヒュ―――――――――――!!
直後にアタッシュケースに納められていたドラゴンボールが空高く浮かび上がっていく。
ヒュンッ!
ヒュヒュンッ!
ヒュンッ!
浮かび上がったドラゴンボールは、それぞれ別の方向へと飛び去っていき、それと同時に空も元通りに明るくなる。
「……これからどうしようかなぁ。」
静寂の下りた甲板に
用語解説
・ナメック星…デンデやピッコロの出身星。
・ポルンガ…ナメック語で“夢の神”を意味する、ナメック星の神龍。地球の神龍とはだいぶ違う姿をしており、数倍デカい。地球の神龍とは多少異なり、ポルンガの方が力が強いような描写あり。願いを叶える際にはナメック語で願いを伝える必要がある。
・仙豆…食べれば瞬時に体力回復、どんな怪我も治してくれる不思議な豆。1粒食べれば10日間は何も食べなくても大丈夫、と言われる程栄養豊富。
・時空間…時間と空間を混ぜた造語。はっきり言って語感で付けたので、ふわっと読んでもらって大丈夫です。
ドラゴンボールを使うと空が暗くなる為、名台詞「空が暗くなった!?」を言わせたいが為に昼間に使ったという裏設定あり(笑)。
ドラゴンボールで叶えられる願いの数については、アニメや映画などだとコロコロ変わるので、原作の設定を採用しました。
時空間を歪めてる奴らの正体と目的については、今後明らかにさせていただきます。
追記:大勢の人間を生き返らせる願いを叶えた事で、奴隷として死んだ人間のその後の安否を心配されている方がいらっしゃいましたので、生き返らせる時の条件に“その人たちが安全に生活出来る場所に送る”という一文を付けたさせていただきました。元奴隷たちのその後に関しては、そのうち閑話かどこかで紹介させていただきます。