摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
本当はもっと早くに更新したかったんですが、年度が替わってバタバタしてまして、なかなか時間が取れませんでした。
夏まで不定期更新になると思われます。
そして、いつの間にかお気に入り登録が1900人を超えていました…!感想、評価も合わせてどうもありがとうございます!これからもがんばらせていただきます!!
「許さない、だァ?何を許さないってェ?」
ジャスミンを
周囲にいる“麦わらの一味”が何となく
「1つ。自分の
不意にジャスミンがモリアから視線を外し、軽く
「あァ?」
何を言ってるんだコイツは、とでも言いたげなモリアの視線を無視し、更に近付いていく。
「2つ。100歩譲って海賊相手の
更に距離が近付く。
「何が言いてェんだ。」
「3つ。私の
ザッ…!
オーズの3m程手前でジャスミンが足を止め、ゆっくりと顔を上げる。
「良い加減にしろよ…?この
モリアを
「ふん。何とでも言え。
キシシシシシッ!!!と
「オーズ。あんたはそれで良いの?今のままじゃ、あんたは一生モリアの操り人形だ。一生太陽に怯え、自由も無い、ただ使われるだけの日々。」
少しでも自我が残っているならばあるいは、と
『おれはご主人様に従う。』
「そう…。」
きっぱりと言い放ったオーズに、ジャスミンもそれ以上は何も言わなかった。
その代わりに、行動で示す。
「だったら、悪いけどここで
ズオッ………!!!
『あ゛……?!』
言葉と同時に、ジャスミンが右手のみで放った
「オーズ?!おいっ!!」
ズズズズズズ…!
モリアが異常に気付き、オーズの体内の小部屋から飛び出すが、既にオーズの体からは影が抜け出初めていた。
頭ごと脳を吹っ飛ばされたのだ。人の体は、例外無く脳からの指令によって動く。意識的にであろうと、無意識にであろうとも。外部からの刺激による反射行動だけならば、
1体1体がそれぞれモリアが操る
前世で有名になったゾンビパニック映画をヒントにしたが、判断としては正しかったようだ。
ヒュ―――…ン!
「影が…!クソ!オーズが一撃だと……?!」
「ルフィの影が…!」
「やった…!スゲェぞジャスミン!!」
チョッパーが抜け出た影を目で追い、ウソップが興奮した叫びを上げる。
ドッオォオオ…………ン……!!!
一拍置いて、オーズの体が周囲の
「テメェ…!よくもオーズを
苛立ちも
「こうなりゃ、もう1度テメェの影を利用させてもらうぜ。オーズを一撃で倒した程だ。
「言ってろ…。」
いよいよ自ら戦う気になったモリアに対し、ジャスミンも構えを取る。
――――――――夜明けまでおよそ20分。最後の戦いの
━少し前、スリラーバーク内の森の中━
モリアによって
「お前、モリアの“現在地”知ってっか!!?腹の中よ!!あの
「ええ~!?食われたのか!?」
ローリング海賊団の一員、リスキー兄弟がルフィに状況を説明している。
「そうじゃねェっ!!つまり、お前の影の入った
「そこにいるのか、チキショ~~~~!!!」
ルフィがモリアの現在の居場所を聞いた直後だった。
ヒュ――――――……!
「お、おい!アレ……!!」
「え?!」
ヒュ―――……ン!
「うおっ?!何だ!!」
飛んできた
「お、おれの影?」
「あの
ジャスミンがオーズを戦闘不能にした事により、解放されたルフィの影が
「良し!じゃ、おれホント急ぐから…!」
「待てっつってんでしょ!!って出口はそっちじゃないわよ?!」
“ローリング海賊団”船長“求婚のローラ”の制止も最後まで聞く事無く、ルフィは中庭を目指す。が、逆方向へと走り去っていった。
━ルフィが中庭を目指したのとほぼ同時刻━
「“
ズズズ…
ポコ…!ポコ…!
ポポポポポポポポッ…!!!
モリアの“影”が立体となり、それが
「ちっ…!邪魔だ!!」
ドドドドドドドドドッ!!!
マシンガンの
「キシシシシシッ!やっぱり
撃ち落とされた
(長引けばこっちが不利…。となれば、一気に
痛み止めが切れたのか、再び痛みが強くなり始めたのを感じる。呼吸の度にズキズキと
(だったら…。)
オーズが追撃するより早く、ジャスミンが構えを変える。
「げっ……!あ、あの構えは………?!」
「ウソップ?」
片手である為、以前見た時とは多少異なるものの、1人、その構えに見覚えのあったウソップが
「悪いけど…。これで終わりにさせてもらう!!」
言うや否や、瞬間的にジャスミンの姿が
「な?!」
モリアとジャスミンの身長差は、大人と子どもを
「はあぁぁぁぁっ!!!」
ドドドドドドドドッ!!!!!
「がっあぁぁ・・・・・・・・!!!!!!」
モリアがジャスミンに反応するよりも早く、ジャスミンの激しい
やはり体格差と片手のハンデは大きく、モリアの頭と精々胸元までしかジャスミンの攻撃は通らない。しかし、一撃一撃が確実に急所を
「は、速ェ……!!」
「動きが見えねェ!!」
ジャスミン自身、決して浅くは無い傷を負っている為、その動きは
「でりゃぁああっ!!!」
ガォン!!!
「がっ…!」
とどめに放たれた
ズッシャアァアアアッ!!!
モリアの体は
「ハァッ…ハァッ………!!」
ストッと地面に降り立ったジャスミンが荒い息を
一旦は回復したとは言え、負傷し
「や…、やったのか…!?」
「モリアを倒した…?」
フランキーが、ロビンが
「ハァ…、正確には、まだ終わって無い…。」
荒い呼吸を繰り返しつつ、吹っ飛ばしたモリアへと近付きながらジャスミンが答える。
「まだって…。」
「まだ、“影”は解放されて無い…。ハァ…!」
ザリッ…!
「ただ
完全に意識を飛ばしているモリアを見下ろすが、ジャスミンが不意にその
「おい?!何する気だ…?」
ゾロが無言でモリアを引き
「能力者本人が意識を失っても能力が解けないなら、それだけその力が強力という事…。でも、完全にその能力自体を封じてしまえば、無効化されるんじゃないかと思ったんです。」
一旦足を止め、ジャスミンがゾロを振り向く。
「完全に能力を封じるったって、一体どうやって…。」
今度はサンジが疑問の声を上げる。
「本当は
「いや、だから何をどうやるってんだよ?」
溜息を
「海に突き落とします。」
サラッと落とされた
「「「「え?」」」」
「「「は?」」」
一拍置いて
「「「「「「「マジか!?」」」」」」」
その場にいた“麦わらの一味”+1名のツッコミが響いた。
「な、何!?何事!!?」
ちょうどタイミング良くその場に到着したナミが、急なツッコミにビビる。
――――――――夜明けまで、およそ15分。あれだけ
今回、ゾンビが頭吹っ飛ばせば攻略OK、みたいな書き方をさせていただきましたが、二次創作という事でご了承ください。
因みに、能力者を海に落としたら能力解除、というのも二次創作という事で…。
追記:モリアの能力については、原作でローラが気絶したモリアを前にして「モリアの口から“本来の主人の元へ帰れ”と命令しなければ影は戻らない」と明言していた為、このような展開にさせていただきました。
同じ超人系でも、シュガーのホビホビの能力は気絶すれば能力解除だったのに対し、カゲカゲは解除されない、というのはそれだけモリアの執念が強かったのかな?と推察しました。基本的にドフラミンゴの指示で能力を使っていたシュガーとは異なり、モリアには確固たる野望があったからではないか、と勝手に考えています。腐っても七武海、戦ったら確実にシュガーより強いでしょうし…。
以上、ミカヅキの勝手な推察でした。