摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
今回、一部感想でもご指摘のあったくまについて、ジャスミンが考察しています。
本編で詳しく語るのはもう少し先でしょうか…。
お気に入り登録、ご感想などどうもありがとうございます!
━ジャスミンがくまと接触する少し前━
ガァンッ!!!
ウサギゾンビの蹴りと、オーズの
「うおっ……!!?」
「ひいぃぃ……!!」
「っ何て
サンジが思わず1歩身を引き、ウソップが悲鳴を上げ、ゾロが
『ぅわっ!』
ドコォン!
しかし、その後の
「!ウサギの方が押し負けたぞ!!」
「パワーは
しかし、その直後ウサギゾンビが
『…あんまり調子に乗るなよ………!』
ベキィッ!!
お返し、と言わんばかりにウサギゾンビが飛び出した反動を利用し、オーズの頭を蹴り付ける。
『うぉっ!!?』
蹴られた衝撃でバランスを崩したオーズの
ズズゥウウ…………ン!!!
オーズが倒れた事で、まるで地響きのように船全体が揺れる。
「あの巨体を蹴り飛ばしやがった…!」
「っつ―――――か、あの口調どっかで聞いた事があんだよな…。」
思わず
そして、思い出した。
「あ―――――――――――!!!!」
「あんだよ、ウッセーな!!?」
「どうした?」
突然上がったウソップの叫びに、サンジが耳を抑えて
「アイツ、あのウサギ!ジャスミンだ!!この口調は
ウサギゾンビを指差しながら叫ぶウソップに、
「はぁ!?」
「何だと!?」
「アレがジャスミンちゃん!?ホントか、それ?!」
中でもサンジの驚きは激しかった。ウソップの肩を
「うぇ…!止めろ、
「あのお
普段のジャスミンの口調を思い出しつつ、フランキーが問う。彼はさほどジャスミンと関わる機会は無かったが、戦えそうも無い外見の割に強い、という印象もあり記憶に残り易かった。
「おう。特にあの
「へェ。人は見かけによらねェもんだ。っつーか、あのお
「怪我の方に目がいってしまって気付かなかったけど、そう言われれば無かったかもしれないわ。」
ロビンが2体のゾンビの戦いから目を離さないまま応じる。
「何にしたって、これなら何とかなるかもしれねェぞ…!」
「ああ!希望が見えてきた………!!」
フランキーとサンジの声がわずかに明るくなる。
その視線の先では、ウサギゾンビがその体格差をものともせず、オーズ相手に互角の戦いを繰り広げていた。
本来、ジャスミン自身の腕力や脚力は、Z戦士の中では最弱である。それは経験値の違いだけで無く、
普段、パワーが格上の相手とも渡り合う事が出来ているのは、攻撃の際には瞬間的に“気”を込めて威力を底上げしている為だ。元々筋力が付き難い体質、という事もあり仮に“気”を封じられてしまった場合、一気に攻撃力が落ちてしまう。
そのジャスミンの影を入れられている以上、ウサギゾンビも本来その体が有している以上のパワーを引き出す事は出来ない。体格差が人間と山程もあるオーズと戦えているのは、
ウサギ、と一言で言っても普通のウサギでは無い。原作の記憶がほぼ怪しいジャスミンは勿論、麦わらの一味でさえ知る
その脚力と、ジャスミンの影を入れられる事で得たスピードでオーズを
『せいっ!!』
ゲシィッ!!!
ウサギゾンビが仕掛けた足払いに、オーズが『ぉおっ?!』と叫びながらバランスを崩す。
『りゃあっ!!』
大きく体が
そしてそのままオーズの体が180°回転し、
ボコォン!!!
『うォあがっ!!!』
頭から地面に叩き付けられた。
『はっ!ザマァ…!』
良い気味だ、とでも言わんばかりの表情でウサギゾンビがオーズを鼻で笑う。
━ウサギゾンビがオーズを見事に蹴り飛ばしていた頃━
ルフィはモリアを倒す為に、逃げるモリアを追いかけ、森の中をひたすら走っていた。
「捕まえたぞ――――――――――っ!!!モリア~~~~~~~~!!!」
がしぃっ!!と後ろからモリアに飛びつき、地面に押し倒す。
「ゼー…!ゼー…!ハー…!ハー…!も………!!もう逃がさねェぞ、コノヤロー!!さァ、おれと戦え!!!みんなの影を返せ!!!」
息を切らせ、モリアに言い放ったルフィだが、確かに捕まえた
くるり、とルフィを振り向いたその顔は真っ黒だった。
「!……カゲ?」
一瞬
「っしまった―――――――――――!!!ダマされてた―――――――――――!!!ここ、どこだ――――――――!!?」
―――――――――影を盗られた者たちへのタイムリミットである夜明けまで、残り時間およそ30分。
━その、ほぼ同時刻━
ナミと再会したジャスミンは、互いが持つ情報を交換していた。
スリラーバークを支配する四怪人とそれぞれの能力を聞き、ジャスミンが
「あの
「それよりジャスミン、あんたどうしてそんな
「話せば長いんだけど…。その
「影を盗られたァ?!しかも、ドラゴンボールってあの願いを叶えるっていうアレでしょ!?!」
「我ながら
頭を抱えながら思い口調で話すジャスミンに、ナミも何かしら
「!そういえば、ナミちゃんに確認したい事があったんだけど…。」
「何?」
ふと思い出したように、ジャスミンが顔を上げる。
「ウォーターセブンでフランキーさんと初めて会った時、フランキーさん確か自分で“
「?ええ、そうよ。どうしたのよ、突然…?」
「“
「ああ、それなら仲間になった時に聞いた事あるわ。確か、海列車に
「!自分で自分を……?!」
「ええ。だから、体の前半分しか改造出来なくて、背中側の後ろ半分は
「体の前半分だけ…。だからか…。」
ナミの説明を聞いて考え込むジャスミンを、ナミが
「それがどうかしたの?」
「さっきの“
その時だった。
ズズゥ…ン!!!
「何よ一体!?」
「?!空が……!」
ナミを
“
「両方共早いトコ取り返さないと…。取り敢えず、優先順位は影かな。夜明けが近い……。」
白んできた空を見上げ、ジャスミンが呟く。
「でも、ドラゴンボールが盗られちゃったなら、もうモリアが自分の願いを叶えちゃったんじゃ……?」
「それは無いと思うよ。アイツら、願いを叶える為に必要不可欠な呪文を知らない
ニッ、といたずらっぽく
「呪文?」
「そう。私、先に行ってるね!たぶん、夜明けまで30分も無い…!」
ダンッ!
言い置いて勢い良く
「ちょっと!ジャスミン!!さっきの話って……!」
ナミが呼び止めようとするが、
「あの“
しかし、夜明けまで時間が無いのは確かだった。ナミはジャスミンの言葉を気にしながらも、ウェディングドレスを着替えるべくサニー号へと走る。
ワノ国からリューマの死体が盗まれているくらいなので、同じく新世界からミンク族を入れてみました。ゾウの国からでなく、生前は奴隷だった、という裏設定があるのですが、いずれ本編で入れる時がきましたら詳しく説明したいと思います。