摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
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今回、ジャスミンがかなり追い詰められます。
これまで予告していたとおり、某幽霊娘の能力はかなり相性が悪いようです。
追記:あまりにもあっさりゴーストの一撃を食らったことに違和感を覚えられた方が多数いらっしゃいましたので、多少手直しをさせていただきました。
今後の展開上必要だったので、どうかご容赦ください。
ギュオオォオオオ……!
「霧が濃くなってきたな……。レーダーによるとこの辺の
ピッピッピッピッ……!
レーダーによると後1kmも無いが、霧が深過ぎて島影のようなものは一切確認出来ない。
「やっぱり、また海底かな……?」
半年以上もレーダーに映らなかったのだから、やはり海王類か何かが飲み込んでいて今になって
いっそ、海面近くまで下りて潜水飛行艇のカプセルを出そうか、と高度を下げていた矢先だった。
「!?島……?!」
島の中央に城のように巨大な屋敷が見えるが、塀は崩れ外壁もどこか薄汚れた印象を与えており、まるで
その島を囲むように海に外壁がぐるりと一周しているのかと思ったが、よく見ると屋敷の更に奥に巨大な塔があり、そこに
「いや、島じゃない…。船?!」
おまけに、あの海賊旗のマークはどこかで見た覚えがある。既にうろ覚えとなっている原作知識ではなく、こちらの世界に来てからの記憶の
「誰のマークだっけ…?!それに、このシチュエーション確か漫画で見たんだけど……!」
必死に記憶を探るが、全く出て来ない。
良い予感は全くしないが、確かにドラゴンボールの反応はこの船、しかも位置的に屋敷のど真ん中にある。
「い、嫌な予感しかしない……。」
思わず顔を引き
「“スリラーバーク”…?ちょっと待ってよ…。
改めて記憶を高速で
「お…、思い出した……。」
ゾンビだ。確か
原作で他にどんなキャラクターが出ていたか、というのは全く覚えていない上、その
「話し合いに応じてくれるような相手だと良いんだけどなぁ……。」
たぶん無理だろうな、と思いつつも
出来るだけ相手を刺激しないように、
――――――それが、ジャスミンのその後の
門を
「それにしても暗いな…。霧のせいか…。」
周囲は薄暗く、まだ午前中にも関わらず夕方のようだった。
この海域一帯を取り囲んでいる濃霧のせいで、日光が
「
一旦足を止め、ウェストポーチを探る。
「あれ?確かこの辺に……。あ、あった。」
見えない為、完全に手探りで時間がかかったが、お目当てのペンライトを探し出す。
カチッ!
パァッ……!
スイッチを入れ、ペンライトの光が前方を照らし出した瞬間、ジャスミンが息を
「骨!?」
階段を下りきるまで後3m程。その先には
思わず
恐る恐る残りの階段を下り、ペンライトで
近付くと、
「っ……!この
バッと鼻ごと口元を
これだけの数の
少なくとも数千、いやもしかしたら万…。そのおぞましさに震えが止まらない。
とてもこの
何とか震えを抑え、
「行くしかない、か……。」
先へ進もうとした矢先、
「グルルルル…!」
パキパキ…!バキキ……!!
「!あれは…!」
ペンライトで照らし出されたのは、
「ゾンビか…!」
多分、記憶が正しければこの
『ガルルル……!』
「こんな姿にされてまで……。かわいそうに…。」
本来、土に
『ガルルァ!!!』
「っと!」
バキィッ!
襲い掛かってきたゾンビを
「もう眠れ…!」
額の前で両手の手のひらを重ね、構える。
「
ズオ!!
叫びと同時に突き出された手から、
ドォン!
『ギャウ…!』
ボオォ!!
『ギャウゥウウ……!』
バキバキベキ…!!
ズ…ズズ……!
燃えながらゾンビが
「ガアァア!!」
ズズズズズズッ!!!
そして、
ヒュ―――――…ン!!
「影が飛んでいく…!持ち主のところに帰るのか…。」
抜け出た影がどこかへ飛び立つのを見送り、燃え尽きたゾンビの成れの果てに手を合わせ、先へと進む。
進んだ先にあったのは、登りの階段。それを上がった先には門があり、森へと続いていた。
カチッ!
ピッピッピッピッ……!
ウェストポーチから取り出したドラゴンレーダーを確認する。
「レーダーがこっちをを示してるって事は……。やっぱりドラゴンボールはあの屋敷の中かな……。」
ドラゴンレーダーを手に奥へと進むジャスミンだったが、不意に異様な“気”を感じ取る。
「?!何だ…?この“気”……?」
その時だった。
『ネガティブ♪ネガティブ♪』
フィ―――――…ン
「な……!?」
白い、
『ネガティブ♪ネガティブ♪』
「こいつら、いつの間に……!?」
別に、
しかし、彼とは決定的に
「あなたたち、能力者……!?」
だが、それは
『ネガティブ♪ネガティブ♪』
『ホロロロロロ…』
スィ――――…
「!」
『ホロホロホロホロ…!』
「う………!?」
とても立っていられずに、思わずその場に膝を付いた。
「う…、あぁあ……!」
もう2度と地球に帰れないのではないか、父にもう会えないのでは、そんな心の奥底にあった不安が
言いようの無い不安感がジャスミンを襲い、涙が
「お父さん……!いやあぁああぁあ………!!!」
『ホロホロホロ…!』
スィ――――…
精神の
「あぁぁ………。」
度重なる精神的衝撃と
しかし、既に自分ではそれを繋ぎ留める事は出来ず、ジャスミンの体が
ドサッ……!
『ホロロロロロ…』
『ネガティブ♪ネガティブ♪』
―――――
━ジャスミンが“スリラーバーク”に足を踏み入れた2日後━
『急げ!!急げ!!始まるぞ!!始まるぞ!!』
『“
『午前0時を回る!!』
ドタドタバタバタと屋敷を駆け回るのは、
『ご主人様―――――!!』
『モリア様―――――!!』
『
バン!!
3体のゾンビたちが開け放った
そして、
「ぐおおぉおお……。」
「ぐお―――――…。ごが―――――…。」
『そいやっ!!』
ヒュッ!
パァン!!
ゾンビの1体が放った矢が、モリアの
「ふごっ!!?ご…!!ん??………ああ…。」
その衝撃でモリアの目が覚めた。
『ご主人様―――!!』
「あ―――――――。悪ィ夢を見た。」
『サイコーですねご主人様っ!!』
ゾンビの呼びかけで完全にモリアの意識が
『前回の“
『今回の
『ご主人様がずっとお待ちになっていた、ジャスミンとかいう娘も2日前にここに!!』
「何?!ジャスミンがここに来たのか!?」
ガバッ!
1人のゾンビの言葉に、モリアが勢い良く身を起こす。
『はい!ペローナ様が捕え、ご主人様がずっとお求めになっていた宝の
「キシシシシシッ!!そうか、ペローナがやったか……!!良くやった!!!そいつの所へ案内しろ!!メシはその後だ!!」
立ち上がったモリアの目は
補足:ホロホロの実は原作では“人をネガティブにさせる”、という能力で出てきますが、今回は「鋼のような精神力のルフィやゾロがネガティブになるなら、障子紙のような破れやすい精神力のジャスミンならどうなるんだろうか」「アレ、SAN値ピンチ…?」という発想で思い付いた展開な為、作者独自の解釈が多分に含まれております。
二次創作、ということで何とぞご了承ください。
・魔閃光…悟飯がピッコロから教わったらしい技。かめはめ波より早く撃てる分威力は低め。原作では1度きりしか使われていないが、アニメでは度々使われている。ジャスミンは悟飯から教わった。本編に出てくるかどうかは分からないが、まだ前世の記憶が戻る前にかめはめ波が使えなくてベソをかいていた時に見かねた悟飯が教えてくれた、という裏設定がある(時間軸的には、魔人ブウ編の少し前あたり)。
・占いババ…亀仙人の実の姉で、彼より200歳以上年上。必ず当たる凄腕の占い師だが、金にがめつく法外な報酬を要求する。あの世とこの世を行き来出来る力を持ち、死者を24時間だけ呼び戻すなど不思議な力を持つ。地球人が全滅したことがあるドラゴンボール世界において1度も死んだことが無い、という偉業の持ち主。
・案内役の幽霊…占いババの部下。占いババの宮殿で客の案内役をしており、とぼけたような顔をしている。