摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
さて、主人公の強さですが、DB世界ではうまくいけばギリでクリリンに勝てるくらいです。しかし、戦闘力が高くてもいかんせん経験不足の為、楽には勝てません。修行不足のトランクスや悟天なら超化しなければ勝てるかも?くらいです。ワンピースの世界では、悪魔の実の能力もある為一概には言えませんが、グランドライン前半では敵がいないのではないかな、と思います。純粋な体術だけでなく、気功波なども使えるので…。ただ、海千山千の大海賊たちや海軍将校相手ではさすがにどうなるかわかりません。前述したように、主人公は実戦をほとんど経験していないので…。
そして、トランクスのブルマへの呼び方ですが、原作517話で悟飯との会話の中でベジータとブルマのことを「パパたち」と表現している為、「ママ」とさせていただきました(未来から来たトランクスは生い立ちが全く違う為、ある意味で別人なので…)。GTでは「父さん」「母さん」ですが、その場合トランクスも既に社長に就任している良い大人なので…。原作終了後~GTの間くらいに呼び方が変わったのではないかな、と推測しています。
ピッピッピッ………
(たぶんこの辺の筈なんだけどな~。)
ガサガサと草木をかき分け、ジャングルを探していく。
1度立ち止まってレーダーを確認すると、ちょうど自分が持っているドラゴンボールの位置と目当てのドラゴンボールの位置がほとんど重なっているのが分かった。
「ん?てことは・・・。」
付近を見てもそれらしきものは一切見当たらない。残る可能性は地中か木の上ということになる。
上を仰ぎみると、首が痛くなる程高い木々の枝の間に光るものがあった。
「あ。」
軽く地面を蹴ってそのまま浮き上がる。
地上15m程だろうか。鳥の巣の中に、鮮やかな青い羽毛に紛れて3つの赤い星が光る、澄んだオレンジ色の野球ボール程の大きさの玉を見つけた。
「あった!
ジャスミンが手に取ると、一瞬強く光る。
その中から1と書かれたカプセルを取り、上部のボタンを押して軽く放り投げた。
ボンッ!!
煙と共に出てきたのはジェルラミンのアタッシュケースである。
ガチャ・・・
ケースを開くと、7つ穴の開いた衝撃吸収の為の緩衝材が敷かれている。
穴の1つには5つ星の光るドラゴンボール、
(やっと2つかぁ………。)
溜息をつきながらケースの蓋を閉め、ケースの横についたボタンを押す。
ボンッ!
出てきた時と同じく煙が上がり、今度は逆にカプセルに戻った。
「残りのドラゴンボールは…っと。」
ドラゴンレーダーを取り出して上部のスイッチを押すと、ピッという音と共に画面が明るくなり、画面上にいくつかの点が表示された。
「1番近いのはこっから北東に約1,200kmか…。」
天候にもよるが、急げば1~2時間で着く。
「急いで残りのドラゴンボールを集めないと…。」
ギュンッ!!!
凄まじいスピードで飛び上がり、北東に向かって飛ぶ。
飛びながらジャスミンは半日前の出来事を思い返していた。
~半日前~
ブルマから引き受けたモニターのバイトも兼ね、ジャスミンはドラゴンボール集めの為に世界中を回っていた。
3日程かかって7つ全てのドラゴンボールを手に入れた直後のことだった。
最後の1つは骨董品店で5,000ゼニーで売られていた。
他にも色々と目を引くものがあったので、ドラゴンボールを購入した後に色々と店内を見て回っていたのが今考えると良くなかったのだろう。
そして、最後の1つをしまったアタッシュケースをカプセルに戻さず、手に持ったままだったのがさらに良くなかったに違いない。
色々と怪しげな骨董品を見つつ、年老いた店主からその
「おい、そこのガキ。」
「え?」
後ろから突然話しかけられ、振り返った時のことだった。
いかにもマフィアといった服装の黒スーツの男たちに詰め寄られたのは。
「…私に何か用ですか?」
「用があるのはお前じゃなく、お前が集めたドラゴンボールの方だ。」
「………?!」
「ドラゴンボールの存在を知るのはお前だけじゃない。ケガをしたくなかったらとっと
とそれを寄越せ。」
そう言って取り出したのは、こう言ってはなんだがテンプレの拳銃である。
「ひ、ひえぇぇぇ………。」
自分の後ろで店主が腰を抜かしたのが分かった。
(ヤバイな~・・・。ここじゃおじいさん巻き込んじゃうし……。)
例え撃たれたところで、自分1人なら避けることも弾を受け止めることもできるが、もしも店主を狙われたら厄介なことになる。
かと言って、大人しく渡したところでこいつらがそのまま帰るとも限らないのだ。
「さっさと渡せ!」
動かないジャスミンに焦れたのか、最初に話しかけてきたリーダー格の男ではなく、恐らく部下なのだろう、後ろに控えていた男の1人が発砲したのである。
ガァン!
本人は威嚇のつもりだったのだろう、ジャスミン本人や店主ではなく、店内の骨董品目がけて放たれた弾丸はそのうちの1つを撃ち抜いた。
それが、全ての元凶だった。
撃ち抜かれたそれは、ちょうど男たちが乱入してくる直前にジャスミンが店主から解説を受けていた骨董品だった。
大昔の海賊の航海日誌、と解説されていたそれは、鍵が壊れていて開かずの本だったにも関わらず、男の放った弾丸がちょうど鍵を破壊したらしい。
パタン…。パララララ……!
誰も触れていないのに、自然と表紙が開かれ、ページがまくれていくのに気付いた者はその場にはいなかった。
気付いた時には全てが遅かった。
カッ………………!!!
真ん中のページで動きを止めた航海日誌は、突然眩い光を放ち始めた。
「なにこれ?!」
「なんだ一体!?」
目が開けられない程の眩しい光が収まった時、ジャスミンは1人で砂浜に倒れていた。
傍らには、蓋の開いた空のアタッシュケースと
幸い、身に着けていたウェストポーチは無事であり、カプセルケースや財布、肝心のドラゴンレーダーも手元にあった。
「どこ?ここ………。」
場所を確認する為に一旦空に浮き上がる。
高度500m程上昇すると、周囲がすっかり見渡せるようになった。
「いや、ほんとにどこ?!」
周囲は見渡す限りの水平線。少なくとも目視で確認できる距離に陸地は無く、ジャスミンがいたのは完全なる孤島だったのである。
幸い、その後でドラゴンレーダーを確認したところドラゴンボールを確認できた為、こうして再び集め直しているのだが。ドラゴンボールさえあれば、最終手段として
しかし、気になることが1つある。ドラゴンレーダーで確認した周囲の地形が、明らかに半日前まで目にしていたレーダーの画面とは異なっていた、という点である。まるでここが
(なんかすごいヤな予感がする………。)
そして、その予感はわずか数10分後に現実のものとなった。
大海原に突如出現した、巨大なマングローブの木々の上に栄えた諸島を発見したことによって。
「ウソでしょ………?まさか、ここってワンピースの世界?!」
やっとトリップしました!ようやくこれで原作タグが生かせる…。最初に絡むキャラを誰にしようかちょっと悩んでます。さて、明日で3連休が終わる為、その前に後1話か2話アップしたいと考えています。その後はかなりゆっくりになると思いますが、どうか気長にお待ちください。
最後に今回出てきたドラゴンボール用語の解説を置いておきますので、ドラゴンボールご存知ない方はご参照ください。
・ゼニー…ドラゴンボールにおけるお金の単位。公式設定で1ゼニー=1円換算だとか。
・ドラゴンボールの共鳴…ドラゴンボールは、近くに2つ以上ある時、お互い共鳴して強く光る。
・神龍…ドラゴンボールを7つ集めて、呪文を唱えると出てくる。巨大な緑色の東洋風の姿の龍。ドラゴンボールを集めると願いが叶う、というのは神龍が叶えてくれる。