摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について   作:ミカヅキ

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お待たせしました!第34話更新です!!
なんか、まだ週中なのに閲覧数がえらいことになっているんですが…。
何より、2月7日付けでのランキング11位に驚愕しました。リアルにチューハイ噴きだしそうになって、気管に入ってめちゃめちゃ苦しかったです(苦笑)
あれ、ランキングに入った時って何か告知的なものがあるかと思ったんですが無いんですね…。
サイトさん巻き込んだ盛大なドッキリか何かかと思いました…。
しかし!とても嬉しいです!!
いつの間にかお気に入り登録も1300件を超えていました!
評価、感想もありがとうございます!
これからも頑張ります!

さて、今回ジャスミンの精神的な不安定さが明らかになります!
いよいよ、次回からスリラーバーク編です!
ここまで長かった…。
もう少しお付き合いください!!


第34話 遂に探知!最後のドラゴンボール

 ━世界を揺るがした、エニエス・ロビーの一件の翌日━

 ジャスミンは、自身が取っていたホテルを引き払い、ガレーラカンパニーの仮設本社、その屋上にいた。

 マスコミが押しかけてはゆっくり体を休めることも出来ないだろう、とのアイスバーグの厚意(こうい)で“麦わらの一味”と一緒に仮設本社内の『特別海賊ルーム』に泊まらせてもらえたのだが、“麦わらの一味”はまだルフィを筆頭に疲れ切って眠っている為、普段通り目が覚めたジャスミンは彼らの睡眠を邪魔しないように一旦部屋を出たのである。

 パラ……

「まだ()って無い、か……。」

 屋根の上に座り込み、ニュース・クーから購入した新聞に目を通しながら、呟く。

「はぁ……。」

 パサッ…!

 新聞を軽く(たた)んで(かたわ)らに放り、ドサ、とそのまま後ろに倒れ込んだ。

 青雉(クザン)言質(げんち)は取ったものの、海軍本部も一枚岩では無い。他の大将や元帥の命令でもし、また“バスターコール”が発動されるようなことになったら、そう考えると落ち着かなかった。

 本来の歴史(原作)でそんな描写は無かった(はず)だが、自分(ジャスミン)という異分子がいる以上、どう転ぶかは分からない。事態が悪化する前に、ウォーターセブンを離れた方が島の人間やルフィたちにとっても良いのかもしれない、そう思い始めた。

「ダメだ……。どんどん思考が暗くなる………。」

 右腕を額に乗せて呟く。

 考えがどんどん悪い方へ流されていくのが分かる。

 しかも、武道家としてはあるまじきことに、自分でもどうしようも出来ない感情の乱れそのままに“武”を暴力として(ふる)ってしまった。

 青雉(クザン)との交渉に関してもそうだ。あそこまで挑発する必要は無かったのだから。結果的に青雉(クザン)が折れてくれたから良かったが、あそこでもし青雉(クザン)自分(ジャスミン)を警戒するあまり、ウォーターセブンへの“バスターコール”を選択していたら、と思うとぞっとする。

 ジャスミンは、元々自身が精神的に強くないことを自覚していた。そもそも慣れない環境と孤独感によるホームシックで、それなりに精神的に追い詰められていたところに今回の一件である。

 慣れない環境での鬱憤(うっぷん)を晴らす形で暴力に走った挙句(あげく)に、それに()ったような醜態(しゅうたい)(さら)してしまった。

 実戦に出たことが無かったにも関わらず、身の程知らずにも大きな事件の渦中(かちゅう)飛び込んだ中、自身の甘えた考えのせいで1000人近くの人間が死んだ。

 それはジャスミンにとって大きなショックだった。

 頭のどこかで自惚(うぬぼ)れていたのだ。この世界に、自分に勝てる人間などいない、と。

 確かに脅威となり得る相手などいなかった。しかし、その慢心(まんしん)が油断を呼び、出遅れてしまった。失わなくて良かった(はず)数多(あまた)の命が消えてしまったのだ。

 最早(もはや)ジャスミンに、この世界(ワンピース)の原作知識などほとんど残っていない。精々(せいぜい)、ルフィたち主人公と、ざっくりとした展開くらいである。

 ジャスミンには、エニエス・ロビーで死んだ海兵たちの元々の運命など分からない。ただ、もし元々死ぬ(はず)だったとしても、ジャスミンが気を付けていたならあの砲撃を防げた(はず)だったのだ。

「っ………!」

 カタカタカタ……

 額に乗せていた手が、自分の意志ではどうにも出来ず震えているのが分かる。

 もしかして、自分が関わったことで死んでしまったのでは…、そう思うと震えが止まらなかった。

「早く7つ目のドラゴンボールを集めないと……。」

 ドラゴンボールで叶う願いは2つ。ジャスミンも、2つの願いを決める。

 1つは、ジャスミン自身と7つのドラゴンボールを元の世界(地球)帰還(きかん)させること。 

 そしてもう1つで、エニエス・ロビーで死なせてしまった海兵たちを生き返らせよう、そう決めた。

「一応レーダー確認しておこうかな…。」

 震えを無理やり抑え付けるように、(ひと)()ちながら身を起こす。

 腰に付けていたウェストポーチを探り、ドラゴンレーダーを取り出してスイッチを押した。

 カチッ!

 ピッピッピッ…!

 スイッチを入れ、画面が明るくなると同時に響いた電子音、そして画面で点滅する丸いマークに、ジャスミンは一瞬己の目を疑った。

「まさか…!」

 半年間、全く行方(ゆくえ)(つか)めなかった、7つ目のドラゴンボールが(つい)にレーダー上に現れた。

 

 ━その夜・特別海賊ルーム━

 カチャ…

 まだ眠っている者たちを起こさないように、出来るだけ音を立てないよう、そっとドアを開けて中に(すべ)り込む。

「ジャスミン!」

「!あなたはあの時助けてくれた……!」

 テーブルでお茶を飲んでいたらしいナミとロビンが、ジャスミンに気付く。

「おはよう、ナミちゃん。ニコさんもおはようございます。」

 両腕に紙袋を抱えたまま、ナミたちの方に歩み寄る。

 スッ、とロビンが立ち上がりジャスミンの前まで出てきた。

「あの時はありがとう。おかげで生き延びられたわ。」

「ああ…!いえ。友達の手伝いをしただけですから…。」

 笑顔で礼を言ってくるロビンに、ジャスミンが首を振る。

「改めて。ニコ・ロビンよ。」

「こちらこそ。ジャスミンです。」

 ジャスミンの素性(すじょう)も気になってはいるのだろうが、“ルフィの友達”という点で一定の信頼を置いているのだろう、余計な詮索(せんさく)をしないロビンにジャスミンも救われる思いだった。

 今のジャスミンにとっては。

「ジャスミン、あんたどこ行ってたの?」

「ちょっと買い物にね。そろそろ起きる頃かな、と思って。差し入れ。」

 ナミの疑問に答えつつ、抱えていた紙袋をテーブルに置く。

「差し入れ?」

「うん。ウォーターセブン名物、水水肉(みずみずにく)のローストサンド。それとミックスジュース。取り敢えず、軽くお腹に入れられるものを、と思って。」

 説明しながら中身を並べていく。

 現在の時刻は夜の7時ちょっと前。丸1日以上寝ていた計算になるが、いきなりがっつりしたものを食べるのも胃に悪いだろう。

 軽過ぎても食べた気がしないだろうが、ローストした水水肉(みずみずにく)が挟んであるサンドイッチは、適度にボリュームがありつつもさっぱりしたソースで仕上げてあるので食べやすい。

「わ――――!おいしそう…!」

「ホントね。」

「酒はねェのか?」

 不意に割り込んできた声に、全員振り返る。

 目を覚ましたらしいゾロが、ボリボリと頭を()きながら身を起こすところだった。

「ロロノアさん…。」

「あんた起きたの?」

「おはよう。良く眠っていたわね。」

 欠伸(あくび)をしながらテーブルに近寄ってきたゾロが、テーブルに並べられた差し入れを見ながら舌打ちする。

「ジュースしかねェのかよ…。」

「ちょっと!せっかく差し入れてもらったのに、そういう言い方しか出来ない訳?!」

「まぁまぁ…。すみません、さすがにお酒は年齢的な問題で売ってくれなくて…。」

 ナミが怒るのを、横から(なだ)めつつ、ゾロに謝罪する。

「そういえば、あなたいくつ?」

 ふと気になったようで、ロビンが尋ねてくる。

「私ですか?もうすぐ15歳です。」

 天下一武道会が開催(かいさい)されたのがGW(ゴールデンウィーク)であり、この世界(ワンピース)でも(こよみ)は変わらない。偉大なる航路(グランドライン)では季節などほとんど関係無いが、現在は11月の半ばである。

「え。」

「え?」

「は?」

「「「え(はぁ)~~~~~~~~~~!!?」

「うお!?」

「な、何だ何だ?」

 ナミたちの絶叫に、サンジやチョッパーも飛び起きる。

「ちょ、ちょっと待って!ジャスミン、あんたもうすぐ15歳ってことは、今14歳……?」

「そ、そうだけど…。」

 詰め寄ってきたナミの剣幕に、思わず一歩後退(あとずさ)る。

「てっきりルフィと同じか少し年上かと思っていたけど…。随分大人っぽいわね。」

「あたしも。てっきり同い年くらいかと思ってたわ。」

 まだ子供と言っても良いくらいの年齢と知ったのは、随分と衝撃的だったらしい。

 ロビンとナミは早くも衝撃から立ち直り、ジャスミンをしげしげと見詰めているが、訳が分からないのは、突然の絶叫で叩き起こされたサンジとチョッパーである。

「おい、クソマリモ。何なんだ一体?」

「すっげェ声だったな。おれ、びっくりしたぞ。」

 が、問われたゾロはといえば、未だ衝撃から立ち直れずに「まだガキじゃねェか…。そんなガキにおれはあんなに警戒…。」と何やらブツブツと(つぶや)いている。

「っておい!聞いてんのかこのクソ剣士が!!」

「っさっきからうるせェんだよ!このエロコック!!」

「ケンカすんなよ2人共!!!お前らも怪我人なんだぞ!!」

 (つい)にケンカを始めたゾロとサンジに、チョッパーのドクターストップがかかる。

 

 閑話休題(かんわきゅうだい)

 

 何とか収拾(しゅうしゅう)が付いた後、テーブルにはジャスミンの差し入れとサンジがキッチンスペースで作り上げた夕食が並んだ。

 ジャスミンもナミやサンジに誘われ、一緒にテーブルに付いていた。

 どうやらジャスミンの年齢が明らかになったことで、世界政府からのスパイ疑惑も多少和らいだらしい。

「え!?ジャスミン、もう行っちゃうの?」

「うん。今すぐって訳じゃないけど、今回の件で世界政府がどう出たか分かったらね。私がいたら余計危ないかもしれないし、万が一にも民間人が巻き込まれることが無いようにしないと…。」

 ナミの疑問に頷きながら答える。エニエス・ロビーでの今回の一件、世界政府がどう出るか。それを見届けた後、ウォーターセブンを出るつもりだ。

「次はどこに行くんだ?」

 チョッパーが好奇心に(あふ)れた目で問いかけてくる。

「どんな所かはまだ分からないの。場所なら分かるんだけど…。」

「?どういう意味?」

 ジャスミンの分かり辛い返しに今度はナミが問い返す。

「7つ目のドラゴンボールが見付かったの。レーダーで場所は分かったけど、実際に行ってみないとどんな所かは分からないから…。」

「ああ。そういうこと…。でも良かったじゃない!もうすぐ家に帰れるってことでしょ?」

「うん!」

 ナミに笑顔で頷く。

 もうすぐ帰れる。その思いがジャスミンの心に余裕を持たせていた。

「ドラゴンボール?」

「あ、えーっと…。」

 ナミがロビンの声に反応しながらジャスミンの方を見る。

「みんなにも話しても良い?」

「うん。」

 余計な疑惑を持たれたままよりは、いっそ秘密を暴露(ばくろ)してしまった方が良い。そう思いながらナミに頷く。

 

 その後は、夕食を食べながらナミによってジャスミンのことが“麦わらの一味”に話され、ジャスミンが質問に答えながら静かに夜が()けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回、ジャスミンの年齢と天下一武道会の開催時期をちょっと訂正させていただきました。うっかりしてまして、悟天の2つ下だと高校生だと年齢が合わないんですよね…(汗)。
そんな訳で、現在中学3年生で作中で誕生日がきたら15歳とします(汗)
今まで散々高校生と言ってきたんですが、すみません中学生でお願いします!!!

それに伴い、作中で勝手に11月にしてしまいましたが、二次創作ということでご容赦ください……!

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