摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
そして、前々回の更新で“あと1~2話くらいでエニエス・ロビー編終了”、と書いてまだ終わらせられなかったのは私です……。
もうちょっと続きます。どうかご了承ください……。
「“お願い”?」
「はい。まあ、“お願い”というか“
「まぁ、内容次第じゃ聞いてやらないことも無いが……、その前にこっちの質問には答えちゃくれないのかい?………あんたが何者なのか。」
淡々と返す
「あ、すみません。申し遅れました。ジャスミンといいます。何者か、と言われればそうですね……。ルフィくん、“麦わらのルフィ”の友達です。」
ジャスミンもそれを分かっているからこそ、笑みを絶やすことなく静かに続けた。
「友達………?クルーじゃないのかい?」
「海賊になった覚えはありませんし、これからもなるつもりもありません。……まあ、今回の一件で賞金首になるのは確実でしょうけど………。」
ジャスミンが肩を
「どうも
「友達に協力するのが、そんなにおかしいですか?」
海賊ではない、と言い切ったジャスミンに対し、わずかに
「まぁ、でも………。例えばこれが、ルフィくんたちが一般人に対して
言い切って、挑戦的にも見える目で
「友達の為、ねェ………。まぁ、何だ…。例え海賊じゃなかろうが、いやだからこそか…。放っておく訳にもいかねェか……。」
パキ…パキパキ……
「ク、クザン大将……!」
急激に下がり始めた気温に、海兵たちの間にも同様が走った。
「そちらがその気なら、こっちも容赦しませんが………。」
そして、ジャスミンもまた、1度は抑えた“気”を少しずつ解放する。
「2人共…、何て殺気だ…!!」
クザンを中心に少しずつ下がる気温と、徐々に強くなっていくジャスミンから放たれるビリビリとしたプレッシャーに、周囲の海兵たちが息を
まさに
周囲の緊張が最高潮に達した時――――、
「まぁ、ここで争うつもりはありませんけどね。」
ふっ、と不意にジャスミンから放たれていたプレッシャーが消え、害意は無い、というように両手を肩の高さまで上げて見せる。
「はぁ?」
同時に、徐々に広がっていた足元の氷が止まる。
「“
「あ――…、そういや言ってたな……。」
すっかり緩んだ空気に脱力しながら、
「で?“
「それは分かってます。まぁ、犯罪者に懸賞金をかけたり、海賊を追うのは海軍の仕事ですから、それに関しては文句を言うつもりはありません。私がお願いしたいのは、
「海賊が、民間人の心配をすんのかい?」
ジャスミンの言葉に、
「私は海賊じゃないので。」
「ああ、そうだったな…。」
肩を
「私がお願いしたいのは、“少なくともウォーターセブンをバスターコールの対象としない”、そして“民間人を巻き込まない”こと。この2つを約束してほしいんです。」
「……本当にそんなことで良いのか?」
「はい。それだけです。……まぁ、今度そんなことが目の前で起こったら、今度こそ自分を抑える自信は無いんですけどね。」
一瞬だけジャスミンの目が
「……分かった。まぁ、おれたち海軍としても民間人を巻き込むことは本意じゃない。そんなことは決して無い、と言っておく。…ただ、それと追手をかけないことは話が別だ。民間人に被害が出ない範囲で、海軍としての
溜息を
「それに関しては、どうぞ
試すような言葉と共に、ジャスミンの視線が
ゾク…!
それに
「私が手配されるのは別に構わないんですよ……。世界政府に宣戦布告したのは私も一緒ですから。ただ……、彼らは違う。」
徐々に放たれるプレッシャーが強くなっていく。
「……もし、それは出来ないって言ったら、どうするんだい?」
少しずつ強くなる圧迫感に、息苦しささえ感じながら
スッ……………!
不意にジャスミンの左手が上がる。
カッ!!!!!
ドォンッ!!!
「な?!」
ジャスミンの左手が光ったと同時に響いた破壊音に、
ガラガラガラッ……!!!!
バシャアァ……ン!!!
“ためらいの橋”が中心から破壊され、崩れていくところだった。
「“ためらいの橋”が…!」
「い、一瞬で?!」
取り乱す海兵たちを尻目に
「……どういうつもりだ?」
「言った
「脅しのつもりか……?」
「………そう聞こえたなら、そう取ってもらっても構いませんが、あなたも先程言っていませんでしたか?“民間人を巻き込むことは本意じゃない”、と。」
お互い、しばし
しかし、今度は
「はぁ~…。分かったよ……。世界政府のやり方にも非はあった……。ガレーラの職人や、島のゴロツキたちに関してはおれが上手く取り計らおう。」
「大将
「ただし、」
海兵の声を無視して
「お嬢ちゃんやカティ・フラムに関しては別だ。」
「でしょうね。さっきも言いましたが、世界政府に宣戦布告したのは私も一緒ですし、フランキーさんも覚悟はしてるでしょうから、それに関しては何も言いません。大将さんが話の通じる人で助かりました。」
「……半ば以上脅しだった
呆れたような
「それじゃ、もう会わないことを願ってます。……お互いに。」
ヒュンッ!
言い置いて、ウォーターセブンの方向に飛び立ったジャスミンを見送り、
「あ――――…。まぁ、取り敢えず何だ、このままじゃ軍艦も動かねェし、本部に連絡して迎えに来てもらえ。」
「は、はい!!」
「とんでもねェお嬢ちゃんだったな………。さて、センゴクさんに何て報告しようかねェ……。」
呟きながら、
「ジャスミン、ね……。とんだバケモンが現れたもんだ………。」