摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
思っていたよりも早めに更新出来たので、年内にもう1回更新を目指します!
━司法の塔・
ガラガラガラ…
日本庭園を
「“ウシウシの実”モデル
「キリンの何がおかしいんじゃ!わしは気に入ってると言うとろうが!!」
目の前でキリンと
地球には
が、目の前の敵を放置したまましなければならない会話には思えない。
(状況分かってんのかな、この人たち……。)
思わずゾロの隣で沈黙してしまう。
「……あのハトの野郎は“
「たぶん、政府か“CP9”のトップからか支給されたんだと思いますよ。まぁ、単に“悪魔の実”として支給したのか、動物縛りを狙ったのかは分かりませんけど。」
ゾロの呟きを拾い、ジャスミンが答える。
「あぁ?何で分かる?」
「…そこのキリンの人は、さっき『“
「
「そういうことです。」
つらつらと自身の推察を話すジャスミンに、ゾロが納得したように頷く。
「それはそれとして…。」
「あん?」
ジャスミンが不意に目線を前に戻す。
「いつまでやってるんでしょうね?あの人たち……。」
「…………。」
未だ言い争いを続けるCP9の2人を見やって呟くジャスミンに、ゾロも思わず無言になった。
「そろそろ意識をこっちに戻してくれないと、身構えて無い相手に攻撃するのも
「面倒くせェな…。」
チャキ…
そう言うなり、ゾロが既に抜いていた刀を構え直す。
「オイ、キリン…。いつまでそこで言い争ってんだ。おれには時間がねェと言った筈だぞ!!そのままで良いんなら、そのまま斬らせてもらうぞ。」
「
その言葉と共に、カクの姿が変化していく。
「見せてやる……。生まれ変わったわしのパワー!!」
が、いざ変わったその姿を見て
「ぷっ………!!!」
ジャスミンは耐え切れずに
「かっこ悪っ!!!」
ゾロも思わず突っ込んだ。
「
「ぎゃ~~~~~~~っはっはっはっはっひ~~~~~~~い!!!」
ガビ――――――――――ン!!という文字を背負ったようなショックを受けたカクを
カクの“
何というか、全体的に四角い。
仮に効果音を付けるなら“の――――――ん!!”だろうか。
キリンだから首が長くなるのは仕方無いのだが、体が人間だとアンバランスさが余計に引き立つ上、人間の姿の特徴である“四角い鼻”が体全体に
「ぎゃ――――――はっはっはっ!!!」
「いつまで
(ああ、あっちの人ってジャブラっていうんだ・・・・・。)
再び始まったCP9の2人のやり取りに、思わず思考が
その時だった。
「!」
ジャスミンが気付いたのとほぼ同時に、
ヒュウン!!
ガチャン!!
「わっ!!」
何かが風を切って飛んできて、ゾロの手首に音を立てて
「……!?何だ、この
「ぎゃ――――――!!しまった!!すまない、ゾロくん!!」
後ろから
「…
「オイ、何の
「そいつは!!たぶん、例の
「それを何でおれに
「だ……、だってよ!!キリンの顔がおかしくって……、つい手元が狂って!!」
「…おのれ、どいつもこいつも……!!」
言い訳しながらカクを指刺して笑う
そして怒りのままに両手を床に付け、カポエイラのように長い首ごと体を回転させ始める。
「“
「お!」
「うお―――――!!!何だ?!何か来るぞ――――――――――!!!」
そのカクの様子に、ジャブラ(先程、ようやく名前が発覚した)が声を上げ、何かを感じ取った
「んん…、“
ドウッ!!!
カクを中心に、そこから円形状に凄まじい風が巻き起こった。
「こりゃ、いかん!!」
ジャブラは直後にその場を離脱し、
「伏せろ!!ウソップ!!」
「うおお!!」
ゾロが
そしてジャスミンもまた、ゾロたちが上手く
その一瞬後、
ズドオォ……オン!!!
ズズズ…!!!
凄まじい
「くっ……!」
「うわああああ――――――――――っ!!」
巻き起こる風から顔を腕で
少し経った後、風が収まり身を起こす。
ガラ…
ドス…!
カラン…
あちこちから
「
少し離れたところからゾロが批評しているのが聞こえた。
「……な、何だァ!?おい…、何も壊れてねェじゃねェか……。」
「天井見てみてください。」
拍子抜けしたような声を出す
「?あれ?あんな所から空が見える………!!?うおお!!まさか!!!この“司法の塔”が斬れてズレてんのかァ!!?オイオイオイオイ、危ねェよォっ!!!」
「周囲全てに広がる
驚愕も
「フン!みっともねェ。戦闘で感情
タン!
と避難していたジャブラが、カクの後ろにどこからともなく着地した。
「やかましい!わしはキリン気に入っとるんじゃ!キリン大好きじゃ。」
「あー、わかったわかった。」
「どうでも良いけど、さっさと始めてくれないかな?
放っておくと、再び言い争いに発展しそうなCP9たちにジャスミンが
「おれのせいじゃないでしょ――――がァ!!!」
「おめ―――――がおれに突進してきたからこうなったんだろ!!」
「そりゃ、さっきの攻撃でお前がボ―――――ッと突っ立ってやがるから……!!良いから、外せ早くこの
「鍵なんかねェよ~~~~~~~!!!」
「何――――――――――っ!!?」
「あ~、さっきの攻撃を
ゾロと
「何やっとんじゃ、あいつら。」
「それ、言える立場だと思ってる?」
しゅるる・・・、と音を立てて人間に戻ったカクが突っ込むが、それにさらにジャスミンが突っ込む。
全くその通りな状況ではあるが、さっき似たようなことをしていた人間には1番言われたくないセリフである。
「
「!!……じゃ、鍵は…!!」
「“CP9”の誰かが持ってる…。倒して手に入れるしかない。」
「無茶言うな!こんな状況で戦えるか!!!」
「針金か何かで開きませんか?」
言い争っていても進展しない為、取り
「針金ったって……。急に言われたって持ってねェよ。」
「ヘアピンならあるんですけど…。」
髪を留めていたヘアピンを1本引き抜いて見せる。
「悪ィ!貸してくれってか、ダメにしちまうから1本くれ!!」
「どうぞ。」
ヘアピンを
針金状に広げ、四苦八苦しながらなんとか
「おい、お前たちっ!!!」
「
「番号!?」
カクとジャブラの
「どの鍵がどの
「え!?本当か!!?」
「え~っと…。あった!これか!」
カクの言葉を受けてジャスミンが
「良し!何番だ!??」
「2番ですね。」
「2番だ!!!開けてくれ―――――――――!!!」
が、
「外れだ。」
「わしもじゃ。残念。」
「何だよ、期待持たせやがって!!」
「じゃあ、他の2人の“CP9”の持ってる鍵ってことか…、ってオイ!ジャスミン!!お前が持ってる鍵は!!?」
「あ。」
完全に忘れていた。
「え――――と…。」
「頼むぞ…!今となっちゃ、それが最後の希望だ!!!」
「4番。」
「だああああ!!」
「お前も外れかよ!!チクショ―――――!」
「………なんか、すいません?」
思わず謝ってしまった。
「仕方ねェ。先に……!」
ドッ!ドウ!
チッ!
ジュッ!
ドッガァアアン……!!!
「『先に殺した方が勝ち』、とでも言うつもりならこっちも一切
ジャブラが
カクとジャブラ、それぞれにジャスミンの気功波が放たれる。
放たれた気功波は、それぞれカクの帽子を
「「…………。」」
カクとジャブラはお互い顔を見合わせた後に後ろを振り返り、ジャスミンが開けた壁の大穴を確認して再びジャスミンを振り返る。
「あ――――…。先にそのヘアピンで
「そうじゃな。それくらいは待ってやるわい。」
何て華麗な手のひら返しなんだ。
ゾロと
そして、その様子を見た
コイツ1人いれば十分じゃねェかな、と。