摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
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「まずは1人目。」
静かに、しかし一瞬で男‐フクロウを沈めたジャスミンが呟く。
「い、一撃……!?ウソだろ、オイ。あいつもCP9の1人、決して弱くはねェ筈だ…。しかも、動きが全く見えねェ…!」
「確かにびっくりしたけど、ジャスミンだもの。」
「スッゲェな~~~!ジャスミン!!」
その様子を見ていたフランキーが己の目を疑い、ナミとチョッパーに至っては一周回って“ジャスミンなら何でもあり”と受け取っていた。
だが、ゾロとサンジはジャスミンの実力に警戒してか、探るような目を向けている。
ジャスミンももちろんそれに気が付いてはいたが、突然現れた自分を警戒するのは当然、と甘んじて受け入れていた。
「おっしゃあ!行くぞお前ら!!!」
「おい、待て!!!!」
そう言うなり走り出そうとしたルフィを、寸でのところでゾロが捕まえる。
「ほがががが!!!」
…掴んだのが顔だったせいで、ルフィの顔があり得ない程伸びていたが。
「ふんごがががが!!!放せくらァ!!!」
「止まれ!!もうちょっとだけだ!!これからの各自の動きを確認するまで待て!!!」
(人間の顔ってあんなに伸びるものだっけ………?)
ああ、ゴムだからか…。
ジャスミンが自問自答しつつ、ルフィたちの側に歩み寄る。
「で。これからどう動くんですか?」
本来、指揮を
「その前に確認したいんだが、“ルッチ”ってのはあの
「そうです。」
「……そいつとロビンちゃんが一緒にいるんだったら、ルフィだけでも先に行かせよう。ルフィ!お前はとにかく
「ロビンくんが門を
サンジの言葉に
「では、ルフィくん以外はまずは鍵を揃えることが第一、ということで。」
ジャスミンが頷く。
「ふぎぎぎ!!!」
「
進むことしか考えていない
「「「「「「おう!!!」」」」」」
そして、それぞればらけ、司法の塔を駆け上がる。
ただ、ジャスミンだけはまだその場に残っていた。
「?あんたは行からいろかい?」
「もちろん、行きます。でも、ココロさんたちはどうするんですか?」
どう見ても非戦闘員の老人と子ども、ペットを残して行くには不安が残る。
ジャスミンの性格上、彼女たちの安全を確保していないうちに動くのは不可能なのだ。
「んがががが!!心配
「おねーちゃん、頑張って!!」
「ニャッニャ――――!」
「…わかりました。気を付けて。」
わずかに
そう思い直し、ジャスミンもまた司法の塔内へと走った。
━司法の塔・4階「狼の間」━
タタタタタタッ!
ザッ………!!!
ジャスミンがそこに
ドカァン!!!
ドサ…
CP9の1人の、ナマズのようなヒゲを生やした男‐ジャブラによって
「ウソ、そげキングさん!!」
「あぁ?」
ジャスミンの叫びに
「お前は…。そうか、お前がルッチの野郎が言ってた女か。」
「そげキングさん!大丈夫ですか?」
「ゲホッ……!……ね…、寝起きの一発の威力か、これが…!!」
「はは…!ぎゃははは!!お前らが来たか。政府の
グビッ…
そう言って酒瓶を
「忠告?」
「ああ。あの野郎、珍しくおれたち全員に忠告してきやがった。もし、黒髪のポニーテールの女と
「全員に忠告、ね……。その割に、あの口がチャックの男は人のことを
挑発するようにジャスミンが
「口がチャックの男ってのは、もしかしなくてもフクロウか。………そういやあ、あの野郎は新しい噂を仕入れるだのなんだの言っていなかったかもしれねェなァ。」
「へぇ…。じゃあ、あなたは違うって?」
挑発しながら立ち上がり、
「ああ。お望み通り最初から全力で相手してやるよ。安心しろ……。」
そう言いながらネクタイを外す
腕や顔が毛皮で覆われ、爪が数倍に伸び、口元からは鋭い牙が覗いた。
「え!!?」
「やっぱり能力者…。それも肉食の“
「見た目と違って…、いたぶる趣味はねェからよ。」
「あ…、“悪魔の実”!!?」
「“イヌイヌの実”モデル“
「
「……!!
「く……、くそォ…!!!」
ばっ!!
「ウ、じゃない
「何だ…、
「何だろうがやるんだうるせェ!!!…おれはロビンを助けに来たんだ!!!」
「
その“覚悟”に、ジャスミンの口元に笑みが浮かぶ。
なら、自分は今回は
パラ…パラ…
不意に上から何かが落ちてくる。
「ん?」
「まさか…!」
バキバキ!
ピキ、ピキキ…!!
見れば、天井一面に大きな
「うわ!!天井が!!」
「……手抜き工事?」
「いや、
思わず呟いたジャスミンの微妙にズレた発言に、
そんなことをやっている間に、次第に落ちてくる破片も大きくなっていった。
「…逃げた方が良さそうだね。」
「崩れる!!!」
その直後だった。
ボコォン!!!
天井の決壊と共に、
「うわあ!!」
ゾロと
「うおっ!!いかん!!」
「キリ――――――――――ン!!?」
……何故かキリンが落ちてきた。
「“
「キリンが喋りながら落ちてきた―――――――――っ!!!」
……
「ぎゃ~~~~っはははは!!!カク!!!お前のその能力サイコーだ!!!」
「
「……何てカオス。」
落下しながら叫ぶゾロの声を聞きつつ、ジャスミンが呟いた。
━その頃、
「遅い!!!!」
部屋中に、妙に
「ドラゴンボールはもう6つ集まってるじゃねェか!!!そのジャスミンとかい言うガキは、一体いつここに来やがるんだ!!!!」
ガァンッ!!!
「ひいぃっ…!!」
そう言って投げ付けられた宝箱が、目の前の床で跳ね上がり、音が部屋中に響いた。
それを
どうやら、ジャスミンが6つのドラゴンボールを集めたことは既に彼らのドラゴンレーダーを通して明らかになっているらしい。
「な、7つ目のドラゴンボールはここにあります…!!奴は必ずここに現れる筈……!!!どうか、もうしばらくお待ちを!!!」
「ちっ………!!!まァ、そうだな。最後のドラゴンボールはここだ。もうすぐおれ様の願いが叶うんだ。焦ることもねェか……。」
現在は
ジャスミン自身も知らぬ間に、新たな