流星が流れる頃にー翔び立つ戦士達ー   作:イグナイテッド

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更新が遅くなってすみませんでした。
しばらくは不定期更新になりそうです。
今回は、プリキュアとある人が出会います。
物語も少しずつ進んで行きます。
ではどうぞ。


第一章 開戦
第1話 翼の折れた少年と少女達


照りつける光、海の香りが倒れる少女達を包み込んでいた。

 

「うっ、ここは一体・・」

 

少女━夢原のぞみは波の音によって目を覚ました。

そしてあたりを見回した途端、すべてを思い出す。

 

「そうだ、ソルシエールと一緒にトラウーマを倒してすべてを終わらせた。その後クルーゼとかいう奴に攻撃されて・・はっ!皆はどこ?!」

 

のぞみは、砂浜を走りだした。

しばらく走ると、何人ものの見覚えのある姿が砂浜で見つけた。

 

「りんちゃん、うららちゃん、こまちさん、かれんさん。大丈夫?」

 

「のぞみ・・大丈夫よ。」

 

「大丈夫ですよ、のぞみさん。」

 

「平気だよ。」

 

「私もよ。」

 

全員がいると思っていると、一人いない事に気づいた。

くるみがいないのである。

 

「くるみがいないわ、どこに行ったのかしら・・」

 

そう言いながら捜しに行こうとしていた時、

 

「うっ、ここは一体・・」

 

近くから声が聞こえた。

その声の方を向くと、同じくプリキュアである相田マナ、菱川六花、四葉ありす、剣崎真琴、円亜久里、北条響、南野奏、黒川エレン、調辺アコの9人がちょうど目を覚ましたところであった。

 

「あっ、みんないたの。良かったぁ。」

 

「とりあえずみんな無事だね。他のプリキュアのみんなは別の世界に飛ばされちゃったけど。」

 

「そんな事を言っている場合じゃないわ。ココ達がいないのよ!」

 

「そっ、そうだった。探さないと。」

 

のぞみ達が妖精達を捜しに行こうとしていた時だった。

 

「そっ空から何か落ちてくるよ!なんなの!?」

 

そういった瞬間、地面が激しく揺れた。

「地震じゃないわ。さっきの光が落ちたのよ!」

 

「とりあえず行ってみよう!」

全員、光が落ちた所へ向かった。

 

のぞみ達は、光が落ちた場所に着いた途端、驚愕した。

そこにあったのは、ボロボロになった一体のロボットだった。

両足と両腕を失い、背中の翼は一つしか残っていなかった。周りには剣であるだろう物の残骸やライフルが散乱していた。

 

「ひどい、ボロボロだわ。とりあえず、近くに行ってみましょう。」

 

ロボットの近くにあった岩を使いながら、その機体によじ登った。

その機体の頭部には、赤い血の涙が掘られていた。

 

「これがスイッチ?」

 

のぞみがそのボタンをおした。

コクピットハッチが開き、中の様子があらわになる。

そこには、パイロットらしき人物が気を失っていた。

急いでそのパイロットをコクピットからかつぎ出した。

見たところ、自分達よりも年上の少年だった。

 

少年━シン・アスカは、不思議な夢を見ていた。

彼の目の前には、死んだはずのステラの姿があったのだ。

 

「ステラ、ダメじゃないか。君がこんな所へきたら。」

 

ステラは、微笑んでシンに答える。

 

「大丈夫。ステラ、もう少しで会えるから。」

 

「会える?どうしてそんな事がわかるんだ。」

 

「わからない。でも、もう少しだから。」

 

「ステラ・・」

 

ステラは、寂しそうにしてシンに告げる。

 

「それじゃあね。」

 

「うっ、ここは一体・・・・」

 

「良かったぁ。大丈夫だったんですね。」

 

シンは目を覚ますと、心配そうに見る少女達がそこにはいた。

よく見ると、14人はいるだろう。

「俺は一体どうしたんだ。」

 

「あのロボットの中で、気を失っていたんです。」

 

一人の少女がシンに伝えた。

シンは驚愕した。

 

「デスティニーのコクピット?、ちょっと待ってくれ、俺はあの時、ジャスティスと一緒に自爆したはずだ。」

 

シンは、問いただした。

 

「あのぅ、ジャスティスってなんですか?」

 

「ジャスティスを知らないだと?じゃあここは一体どこなんだ、教えてくれ!」

 

シンの問いに、少女達が困惑する。

 

「それは、私達にもわかりません。実はさっきからあなたのような状況になっているんです。」

 

少女━のぞみはシンにそう伝えた。

 

「そうか。突然聞いてすまなかった。俺は、シン・アスカだ。」

 

「私は、夢原のぞみです。」

 

「私は、夏木りんよ。」

 

「私は、春日野うらら。アイドルです!」

 

「私は、秋元こまちです。小説家を目指しています。」

 

「私は、水無月かれんよ。サンクルミエール学園で生徒会長をやっているわ。」

 

「相田マナです。私も生徒会長をしています。」

 

「四葉ありすですわ。四葉財閥の跡継ぎでございますわ。」

 

「菱川六花です。マナと同じ生徒会で副会長をやっています。」

 

「剣崎真琴よ。うららさんと同じくアイドルよ。」

 

「円亜久里ですわ。小学4年、スイーツが大好きです。」

 

「あたしは北条響。ピアニストになることが夢なの!」

 

「南野奏です。パティシエになるという夢に向かって頑張ってます!」

 

「黒川エレンよ。ギターを弾くのが得意よ。」

 

「調辺アコ、小学生よ。アコと呼んでいいわ。」

 

そうやって全員は自己紹介を済ませた。

 

「ところで、のぞみ達はこれからどうするんだ?今の所は行く宛がないんだろ。」

 

シンは、のぞみ達に言った。

 

「はい。まだやる事が決まってなくて・・シンさんはどうするんですか?」

 

「俺は、破損したデスティニーを修復しなくちゃならない。それに、ここがどこか調べなきゃなんないな。」

 

シンの言葉に、のぞみ達は疑問が浮かんだ。

 

(修復をすると言っても、部品はどうするんだろう。しかも、あのロボットはなんだろう。)

 

「このロボットは何なんですか?さっき、デスティニーって言っていましたけど。」

 

「モビルスーツの事か?モビルスーツは、俺の世界の機動兵器だ。これを使って、激しい戦いがおこなわれたんだ。」

 

かれんはさらにたずねる。

 

「なぜ戦争は起こったの?」

 

シンは、呼吸を整えて答える。

 

「俺の世界では、コーディネーターとナチュラルという2つの人種がいた。コーディネーターというのは、受精卵の時に遺伝子操作をされて生まれる。生まれながらに、ナチュラルを大きく突き放したんだ。

俺も、コーディネーターの一人。

全てに劣るナチュラルは、コーディネーターを激しく憎み、コーディネーターは、ナチュラルを見下したんだ。それがきっかけで最初の戦争が始まり、コーディネーターは、モビルスーツを開発して優位に立った。

一方のナチュラル側も、モビルスーツを開発して泥沼化していったんだ。

そして俺もこの戦争に巻き込まれて、目の前で家族を失ったんだ。家族を失った俺は、プラントのザフトに入隊。最新鋭のインパルスのパイロットに選ばれたんだ。でも、連合軍の特務部隊"ファントムペイン"に同時開発されていた3機の"ガンダム"を奪われ、パトリック・ザラを支持するテロリストのユニウスセブン落下を防げずに、また戦争が始まってしまったんだ。

俺の所属していた"ミネルバ"隊はジブラルタル基地を目指して、オーブ、カーペンタリア基地、インド洋、砂漠地帯、ティオキア、地中海を転戦。

だけど、前大戦の伝説的な機体である"フリーダムと"アークエンジェル"の介入で上官のハイネを失い、助けると誓ったステラをフリーダムによって殺されたんだ!

俺は、デュランダル議長が言ったロゴスを滅ぼすために結成された連合軍のエースとして、"エンジェルダウン作戦"で、フリーダムと激戦を繰り広げた末に撃墜した。

ジブラルタル基地に到着後、俺は上官のアスランと共に議長と面会。そこで、最新鋭モビルスーツだった"デスティニーと、特務隊フェイスの人事を受領。

だけど、アスランが同期のメイリンと一緒に脱走。

俺はレイとともにアスランとメイリンが乗る、グフイグナイテッドを撃墜。

その後は、ロゴス討伐作戦"ヘブンズベース攻略作戦"、

ロード・ジブリールを追って、オーブに侵攻し、全てが終わると思っていたんだ。

だけど、撃破したはずのフリーダムが現れて激戦となり、倒したはずのアスランも現れて撤退。同時に、ジブリールも逃がしてしまった。

ジブリール逃げ込んだ地球連合軍基地の、大量破壊兵器である"レクイエム"によって、コロニーが破壊され、ザフトがこれを制圧。

議長は、これを見届けた後に、世界やヒトを遺伝子の違いによって管理する"デスティニープラン"を発表。

これに反対する、オーブやクライン派と最後の戦いをおこない、俺はアスランと共に自爆したんだ。」

 

シンの話を聞き、のぞみ達は涙を堪えていた。

「そんな事が・・」

 

シンは、優しく話を続ける。

 

「これが俺が体験してきた戦争だ。

とりあえず、ここがどこかを調べなきゃなんないな。」

 

そう言いながら、デスティニーを起動する。

 

デスティニーのコンピューター上に、様々な情報がもたらされ、とんでもない事実が表示されていた。

 

「2024年だと!過去に飛ばされたのか。しかし、こんな事は知られていないし、何かがおかしい。しかも、日本近海?」

 

シンの言葉に、のぞみ達も驚く。

 

「何で私達は、未来に飛ばされているの?!」

 

「とんでもない場所に飛ばされてしまったな。・・なんだって!過去!?。」

 

シンは、かれんの言葉に驚愕した。

 

「君達は一体、何者なんだ!」

 

「そっそれは・・」

 

マナは、押し黙ってしまった。

 

「まあ、いいや。

とりあえず、デスティニーを隠して修復できる場所があったから、そこへ行かないといけないから、一緒に来ないか?」

 

「いいんですよ。その前に、準備しないと・・」

 

「そうだな。なにか着替える物を探さないと。」

 

そう言いながら、シンが探そうとしていた時、

 

「あのぅ、コクピットの中で、こんなのを見つけたんですけど。」

 

うららはそう言いながら、フェイスなどのバッジが付いたザフトの軍服をシンに手渡した。

(これがあるということは・・)

シンは、服のポケットを探る。

予想通り、ポケットからピンク色の携帯電話が取り出される。

(マユ、俺は・・・)

そう思いながら、準備を始めた。

 

シンが着替えている頃のぞみ達は、これからの事を話し合った。

「とりあえず、出発するのは決まったけど。」

 

「さっきの発言はまずいわ。不信感を抱かせてしまったじゃないの。」

 

かれんはさっきの発言をした、マナに向かって言った。

「好きであんな事を言った訳じゃないよ。つい口走ってしまったんだよ。」

 

マナは反省していた。

「とりあえず、ばれる可能性は無いとは言えないけど気は楽になったね。」響は安心しながら言った。

 

「さっきの話、悲しいよね。

シンさん、家族を失ってかつ、大事な人を助けられないで上官と戦って一緒に自爆したなんて。」

 

のぞみは泣きながら言う。

「その話からすると、彼は死んでからこの世界に来たということになるわ。」

 

「今は早く準備して、彼の元へ行こう!」

 

のぞみ達がシンの元に戻ると、何やら携帯をいじっていた。

「なんですか、そのピンクの携帯は?」

 

奏はシンの携帯を見て言った。

「俺の妹のやつだよ。

この携帯をとりに行ったことで、俺は生き残ってしまったんだ。

馬鹿な妹だよな。普通、携帯より自分の命を大切にするのに。

だからこそ離せないんだよ。

だからお守りとしてもっているんだ。」

 

「そうなんですか。」

 

「ところでさ、奏はどうしてもあの子・・メイリンに似ているんだよなぁ。」

 

シンは懐かしそうに見る。

 

「メイリンて、どんな人だったんですか?」

 

奏は、どうしても気になって質問する。

 

「メイリンは、俺の所属艦だったミネルバのオペレーター担当で、俺と同じ赤服のルナマリアの妹なんだ。

ルナの影に隠れいてあまり目立っていなかったんだ。

でもアスランが脱走した時にその手助けをして一緒に、グフイグナイテッドで逃げ出そうとして、俺に撃墜されたんだ。

アスランがいたということは、アークエンジェルとともにいたんだな・・」

 

「そうなんですか・・」

 

奏は、聞いてはいけない事を聞いてしまったと思った。

しかし、シンは怒りもせずにいた。

「まぁいいんだよ。とりあえず出発するから、みんなはデスティニーの肩に乗ってくれ。」

 

シンの指示に従い、のぞみ達はデスティニーの肩に乗った。

シンがデスティニーを起動すると、機体の色が灰色からトリコールに変化する。

 

「色が変わったよ!しかも飛んでる!!」

 

マナはデスティニーの飛行を見て興奮する。

 

「本当は、もっと速いんだ。壊れているから今は遅いんだ。」

 

シンとマナ達が話しているうちに、目的地に到着する。

「意外と広いんだな。色々な設備が揃ってそうだ。」

 

デスティニーをバンカーに固定し、デスティニーから離れる。

その時、六花がデスティニーに掘られているマークに気づく。

 

「このマーク、まさか。」

 

「そうだ。デスティニーは核で動いているんだ。

爆発させたりすると、とんでもないことが起きるぞ。」

 

シンは全員に忠告する。

 

「いいんですか、こんな事を話しても。

軍事機密事項じゃないんですか。」

 

うららの一言に、シンは淡々と話す。

 

「みんなが黙ってくれればそれでいいさ。

ところでさっきデスティニーの色が変わったのは、転移装甲"VPS(ヴァリアヴルフェイズシフト装甲)による効果なんだ。

まぁ、これが使えるのも核のおかげなんだけどな。」

 

「は、はあ。わかりました。」

 

全員は工房のコンピューター上に、デスティニーのデータを映し出す。

フェイズシフト装甲のデータや武装の設計図などによって、デスティニーの修復が進む。

破損した脚部と腕部は最新のものに取り替えられ、

装備も実装される。

背中のスラスターとミラージュコロイドウイングが修復され、デスティニーの本来の姿が映し出される。

 

「とりあえず修理は終わったから、今日はここまでにしよう。ここには簡易的な宿泊施設があるみたいだから、そこに移動しよう。」

 

工房から少し離れると確かに簡易的ではあるものの、大人数で生活できそうな建物があった。

15人でもまだ余裕がある広さだった。

食事を済ませてからシンは部屋について説明する。

 

「調べた結果、2人部屋と3人部屋があるという事がわかった。

誰と寝るか考えたけど、のぞみと寝ることを決めた。

のぞみと一度話しておきたいことがあるんだ。」

 

「わかりました。すぐに移動する準備を始めます。」

 

準備を済ませ、シンとのぞみは移動を開始した。

部屋はベッドが2つならび、洗面台と脱衣所も完備していた。

「話ってなんですか?」

のぞみの質問にシンは答える。

 

「のぞみは、家族が大好きか?」

 

「大好きですよ!

とても大切な存在ですから。」

 

「家族を守れる力があったら、それを使うか?」

 

「当たり前じゃないですか。そのために力ってあるんじゃないですか、何を聞いているんですか!」

 

「じゃあ聞くけどそれを使った結果、他を守れても家族を助けれなかったらどうするんだ。

家族を失った時に何かできるのか!」

 

「そっそれは。」

 

「今日君達をずっと見ていたけど、まったく感じられなかった。

君達は甘すぎる。

家族を失うと、性格や心、いろいろなものが崩れていくんだ!

このままじゃ、大切なものを失った時に何もできないぞ・・

押し付けかもしれないが、その事をよく考えておいてくれ。」

 

「シンさん・・」

 

のぞみは何も言えずに布団をかぶる。

シンも何も言わずに眠りにつく。

 

暗闇が全てを包んでいた。




このコラボは一度書いてみたかった!
今思えば、シンはやっぱり不遇な主人公でしたね。
あの負債がやっぱりキラに夢中になりすぎた。
そうしか思えませんね。
この作品ではもちろん、シンを救済しますよ!
次回は、デスティニーが進化しますよ!

次回予告

シン達がデスティニーの修復をしていた頃、国連に設置されている超常災害対策機動フォース『S.O.N.G』にノイズとノイズに侵食された未確認機動兵器が二ノ宮島に出現したとの情報が入る。
シンフォギア奏者達は出撃指示が出され、彼女達は旅立つ。
一方2010年頃に鉄人兵団との決戦を行っていたのび太達は、兵団やザンダクロスとともに2024年に飛ばされてしまう。
流れ着いた場所で、のび太達が見たものとは。
その頃シン達は、デスティニーのコンピューター上に保存されていたセカンドシリーズ計画の中から、その危険性から封印されたプロトタイプの機体とシステムの存在を知る。
セカンドシリーズ計画の真実とデスティニーの秘密とは。

次回 『ゼロの鼓動 その一』

全ての力を出し尽くせ、デスティニー!

誤字脱字等ありましたら、指摘をおねがいします。

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