ゼロはどこまで加速していくのか・・・
「つまりお前達は伝説の戦士プリキュアで、この妖精達に力を与えられていたってわけか。」
変身が解除されるのをシン達に見られ、説明を求められていたのぞみ達は、すべての事をここにいる全員に話す。
「ところで、そこにいる人はどなたですか?」
「それはこっちのセリフだ。
そこの女子は誰なんだ。」
シンは後ろにいる少女達に、のぞみ達はシンの後ろにいる少年達とロボットに指を指す。
「改めて自己紹介しようか。
私の名は風鳴翼。
S.O.N.G所属で、防人の血を引くものだ。」
「同じくS.O.N.G所属の立花響です!」
「あたしも同じくS.O.N.G所属の雪音クリスだぜ!
よろしくな!」
「同じくS.O.N.G所属のマリア・カデンツァヴナ・イブよ。」
「月読調、よろしく。」
「暁切歌デス!」
「あなた達は?」
「僕は野比のび太です!
練馬区立すすきが原第一小学校5年生です!」
「俺は剛田武、ガキ大将でな!
みんなからはジャイアンと呼ばれてるぜ!」
「僕は骨川スネ夫。
すすきが原で一番のお金持ちさ!」
「僕ドラえもんです。
のび太君を助けるために、22世紀からきました。」
「じゃあ、俺も改めて自己紹介しようか。
俺はプラント最高評議会議長直属部隊、ザフト特務隊フェイス所属、シン・アスカだ!」
「特務隊?」
「いわゆるエース部隊だと思ってくれ。」
全員の自己紹介が終わり、話は本題に入る。
「まず聞きたいことがある。
この世界は一体何なんだ?」
シンの質問に翼が答える。
「この世界は西暦2024年、かつてあった国々はそれぞれで一つになり始めて、いくつかの国家連合ができました。
国家連合はそれぞれ対立し続けていつ再び世界大戦が起こってもおかしくない状況だったの。
それに加えてイレギュラーの対立も複雑に絡まり始めたわ。」
「イレギュラーの対立?」
「科学と魔術の対立-学園都市・IS学園とローマカトリック教会・ロシア正教会の激しい抗争と、それぞれの国家連合のいくつかの武力衝突が重なりあった結果、1年前に第三次世界大戦が勃発してしまいました。
戦争は学園都市側の圧倒的な戦力によってわずか数カ月で集結しましたが、これは新たな対立のはじまりに過ぎませんでした。
科学サイドでは学園都市とIS学園が目的や考え方に違いが生じて修復不可能なほどにまで対立が起きてしまった。
学園都市を狙うテロも多発していたが、現在は落ち着いている。」
「そうか・・・」
シンが納得したところでのび太が話し始める。
「次は僕達の番です。
僕達もシン・アスカさんと同じく、ここの世界の住人ではありません。」
「やっぱり・・」
「僕達はここに来る前、世界の命運を賭けた戦いをしていました。
北極に落ちてあったロボットのパーツを組み立てて、ドラえもんのひみつ道具で入った鏡の世界で過ごしていました。
でもある日、リルルという女の子にザンダクロスを渡してしまって、鉄人兵団を呼び寄せてしまったんです。」
「ちょっと待てよ、まさかリルルって言う奴は。」
クリスがのび太に迫る。
「そう、ロボットだったんです。
敵の目的を暴いた僕達は、一度兵団を鏡の世界に封印しました。
でもここにいるピッポが行きたいと言ったのでまた向かいました。」
「ピッポってさっき出てきたよな。」
シンはさっき聞こえた声について聞く。
「ザンダクロス-ジュドのAIです。」
「やっぱりな・・」
「敵によってドラえもん達は捕まりましたが、ザンダクロスを使って救出しました。
しかし、敵の本隊が地球に到達する事を知りました。
なんとか敵を鏡の世界で暴れさせる事に成功しました。
リルルを今はここにいないしずかちゃんが治療を行って味方に引き入れようとしましたけど、うまく行きませんでした。
ですが、彼女も兵団の最高指揮官に処刑されそうだったので救出し、協力を得る事かができました。
同時に敵が鏡の世界を抜けだそうとしたため、対兵団装備を鏡の世界の入り口に沢山取付けて迎え撃ちました。
ところがその途中で謎の光が発生して、僕達は気を失って気づいたらこの世界に飛ばされていました。」
「どうやって機体を改修したんだ?」
「飛ばされた場所にあったストライクガンダムをドラえもんのフエルミラーで量産して改修しました。」
「まぁ、鉄人兵団が来る可能性はあまりないんじゃないかな。」
「ありえません、必ず鉄人兵団も僕達といっしよに転移してきています!」
「わかったぜ、そのためにもデスティニーを修復しなきゃならないんだがな。」
「既に修復しておきました。」
「さっきの敵も襲撃してくる可能性もある。」
「ビービービー!」
警報が鳴り響いた。
「敵襲か!
モニターに何が映っている?!」
「鉄人兵団ッッッ!」
「ノイズもいるのか!」
「各員戦闘準備を!」
プリキュアに変身したのぞみ達、シンフォギアを纏った翼達、パイロットスーツに着替えたシン達は格納庫に入るが、驚く光景を目にした。
なんと修復されていたデスティニーがまるで生きているかのようにさっきかれん達が発見して運び込んだコンテナのパーツを自らの体を元に戻すかのように取り付けていたのだ。
「あのパーツは!」
「間違いない、デスティニーガンダムゼロのパーツだ!
まさか、あの報告書にあったとおりだったなんてな・・・」
背中には羽根型のスラスターが取付けられ、胸部にはゼロシステムが取付けられて頭部と接続されており、量子空間コンテナとガンダビウム合金による装甲、大型化したシールドと至るところにつけられたビームシールドと陽電子リフレクターなどの防御装備、
試作型動力炉や人工知能が搭載された、デスティニーガンダムゼロが復活した。
「デスティニー、結合反応の終息確認!」
「デスティニー、それがお前の意志なんだな・・」
シンがデスティニーゼロに乗り込んで起動した時にAIが起動した。
『シン・アスカさんですね!』
「そうだよ。」
『私はこのデスティニーガンダムゼロのサポートナビゲーションの"エル"です。』
「なんで俺の名前を知っている?」
『私がこの機体に戻ってきた時に見たデータの中にあなたの名前がありましたので。』
「聞きたいことがある。
さっき見た資料でこの機体は試験運用中に暴走して封印されてデスティニー本体は俺に渡されたとあった。
なぜ今、本来の姿になったんだ?」
『封印されてしばらくしてから私は一度連合に奪取されていました。
ですが、連合の中に私を利用する事を望まない人がおり、安全な場所へと運んでくださいました。
それがここでした。』
「つまりその連合の技術者というのはここの世界の住人だったんだな。」
『そういう事です。
その後にしばらく私はまた眠りについていましたが、墜落していたこの機体が運び込まれた時に目を覚まして何が起こっているかを見ていました。
そして先程の戦いで再び大破したのを見て、本来の場所へと帰ることを決意したんです。』
「・・・わかった。
エル、鉄人兵団とノイズのデータは入ってるな?」
『もちろんです。
新しいデータを常に更新しています。』
「ゼロシステムを起動、出撃する!」
ザンダクロスデルタストライクは、ハイランチャーストライカーを換装して敵を待ち構えていた。
「初めて使うストライカーパックだけど、使いきってみせる!」
ハイランチャーストライカーには、超高インパルス砲"アグニ"を小型化しつつも強化された装備、アグニMk-2を背中のバックパックに装着し、肩にはストライクのランチャーストライカーに装備されていたガンランチャーと対艦バルカン砲に加えてマイクロミサイルランチャーとビームガトリングガンが取り付けられている。
携行装備としては、ビームアサルトライフルとビームダガーと機関砲を備え付けたシールドを持つ。
のび太はアグニMk-2を鉄人兵団に向けて叫ぶ。
「アグニMk-2をくらえぇぇぇぇ!」
放たれたビームが兵団を襲い、跡形なく吹き飛ばした。
「よし、行けるぞ!」
「のび太、気をつけろ!」
大型のノイズがザンダクロスに向かって攻撃を繰り出すが、とっさの判断で避けることができた。
「ウォォォォォォォォッッッッッッ!」
デスティニーゼロがアロンダイトを振りかぶりながらノイズの一部を切り落とす。
「エル、ノイズの急所と弱点を!」
『背中の真ん中のあたりです!』
「そこだァァァァァ!」
パルマフィオキーナで穴を広げ、先程から装備しているツインバスターライフルで狙撃する。
「まだだァァァァァァ!」
『リーダー、まずいです!
システムが警告を発しています!』
「それでも俺はァァァァァ!」
シンのなかで何かが弾け、視界が鮮明になる。
それと同時にシステムの警告が消えて正常化し、機体のスピードが加速し始め、頭部の排熱用バンカーが展開する。
腰部に装備されたビームソードを引き抜いて最大出力でノイズと鉄人兵団の集団に向かって振りかぶる。
ビームが消えた頃には、あたりに機械の残骸が残っていた。
「エル、機体の調子はどうだ?」
『全てに異常はありません。
まさかリーダーがシステムに捕らわれずに掌握する事ができるとは思ってはいませんでした。』
「戻るぞ。
みんなが待っている。」
「シンさん!無事だったんですね!」
のぞみ達はシンに駆け寄る。
「ああ、無事に帰ってきた。」
全員が同じ場所に戻り、安全を確認する。
「でもこれからどうするんだ。」
「それなら問題はない。
さっき君達の事を伝えたところ、君達に会いたいという人がいるそうだ。
これから日本連邦共和国に向かうことになった。
幸いここは連邦共和国の領海にある島だ。
首都東京はここから3時間で着く。」
「わかった。
だけどここにある物を運び込まなければならないんだろ?」
「心配はないですよ。
実は僕達が流れ着いたところに大型の潜水艦があったので、そこに全て入れてしまえば問題はないですよ。」
「よし、それでは出発だ!」
少年少女達の運命は動き出す。
もはやこれは避けられないものになっていくのだった。
アグニMk-2の大きさはヴェスバーを意識してますよー。
まさかの鉄人兵団の登場で戦場は広がっていくと思います。
次回予告
東京に到着したシン達は、連邦共和国軍立川基地で司令部に向かう。
そこで彼らが見たものとは。
そして忍び寄る者達の出現で物語は更に混沌に満ちていく。
次回「宣戦布告」
見えざる怨念を解き放て、ストライク!
どうぞ、よろしくお願いします!