実は今日上映の「君の名は」見たんですよ~
琥珀「ほほう、どうだったんだ?」
いや、あれは感動しましたよ~
設定もよくできてたし
琥珀「てめえ1人だけいい思いしやがって…俺も連れてけ」
だが断る
琥珀「この野郎」
では今回も
「「のんびりしていってね」」
「準備はいいか?」
「うん」
「なら行くか」
さて、あれから一ヶ月が経った。今の時刻は午後五時十分程。
で、今から約束の平原へと向かっている。
俺が大和と交渉(挑発)したあの日から一ヶ月、俺は諏訪子の修行を手伝っていた。この一ヶ月で随分と強くなったと思う。
一ヶ月前の諏訪子は戦闘経験が浅く、俺と闘う度にボロボロになっていたが、今は俺もたまに苦戦を強いられる。
いや、これって結構すごいんだぜ? 自分で言うのもあれだけど俺強いですよ? ……何か恥ずかしい。
まあ、兎に角諏訪子は成長したってことだ。
だがそれでもあの神奈子に勝てるかは分からん。っと、もう着くみたいだ。
近付くにつれて空気がピリピリしてきた。奴さんも気合い充分て事か。
平原には神奈子の他に天照や月夜見、後男の神一人がいた。
「よし、行ってこい諏訪子」
「うん」
「大丈夫だ、自分を信じろ。それにお前は一人じゃないだろ?」
「……全く、格好つけちゃって」
「うっせ」
「行って来るよ」
「ああ」
さぁて、俺は応援ぐらいしか出来ないが、頑張れ諏訪子。俺は諏訪子の背中を見つめながら呟いた。
今日は遂に一騎討ちの日。大丈夫、あれだけ特訓したんだ、負けない!
そう言って自分に言い聞かすが、ガチガチに緊張して手も震えている。
「大丈夫だ、自分を信じろ、それにお前は一人じゃないだろ?」
琥珀の声が聞こえる。
そうだ、自分を信じなきゃ。それに私だけじゃない。琥珀が見守っていてくれる。香葉が待ってくれている。
「行って来るよ」
私は神奈子の元へと向かった。
「あんたが諏訪子だね」
「そういうあんたは神奈子だね」
暫くの沈黙。
「この石を投げて地面についたら開始でいいね?」
「ああ、いいよ」
神奈子が足元の石を拾って開始の合図を言ってきた。
私は警戒を強めて了承する。
私の返事を聞いた神奈子は、持っていた石を天に向かって放り投げた。
――――――――――――コツンッ。
「「勝負!!」」
瞬間、私と神奈子の拳が交差し、轟音が鳴り響いた。
――――ハァ、ハァ、ハァ……。
戦闘開始からどの位経ったのか……、体感時間では、もう数時間は経ったのではと思う。
今の私はもう満身創痍で立っているのもやっとだ……。
神奈子は肩で息をし疲弊しているが、まだ私よりは余裕があるように見えた。
「……やるじゃないか諏訪子」
「……そりゃどうも」
私の「坤を創造する程度の能力」と神奈子の「乾を創造する程度の能力」とでは、どうやら私に分が悪いらしい。
私愛用の武器である「洩矢の鉄の輪」も、神奈子が出した植物の蔓に触れたら錆びてしまった。
つまる所私の負け――と少し前の私なら思ってただろうね。
でも今は違う。琥珀が教えてくれた。諦めなければどんなに小さくても可能性はある。神奈子に一泡吹かせてやるんだ!
私は残された力を振り絞った。
「ハァァ!」
能力を発動し、神奈子の立っている地面を押し上げる。
「クゥッ」
神奈子はバランスを崩しいて空に舞った。私はすぐに神奈子へ接近し思いっきり拳を突きだす。
「ッ! まだまだァ!」
神奈子は私の攻撃に素早く反応し、正拳突きを放って来た。
勢い良く私と神奈子の拳がぶつかり合って、私と神奈子は互いの衝撃で吹き飛ぶ。
猛スピードで地面に叩きつけられる。
意識が朦朧とし遠退いて行く。
そんな中私が最後に見たのは、ボロボロに成りながら立ち上がる神奈子の姿だった。
――あれから激しい闘いが繰り広げられた。
そして、とうとうこの闘いにも終止符が打たれた。
勝者は神奈子だ。
諏訪子もよく闘った、食らい付いて行った、だが神奈子はそれを上回っていた。完敗だ。
これで国は大和の支配下に置かれるのだろう。
詳しい事は後日と言うことで解散になった。
俺は諏訪子をおぶって諏訪大社に帰っている途中だ。
「ねぇ、琥珀」
「ん?」
気が付いたらしい、諏訪子が言う。
「私、負けちゃったよ……」
「そうだな……でもいい闘いだったぞ?」
「……でも、私が負けちゃったから国が……」
「それは仕方がないさ。お前は頑張ったんだろ? 全力で闘ったんだろ? なら良いじゃないか、誰も文句を言わないし言わせない。俺も香葉さんも気にしてないさ」
「うぅ……ごめんね琥珀」
「謝るなよ……まぁお疲れ様、少し休んでろ」
「ぅ……うん」
背中越しで表情は見えないが泣いているのだろう。嗚咽がすぐ後ろから漏れている。
そりゃ悔しいよな。
本当にお疲れ様、諏訪子。
俺はそんな事を思いながら諏訪大社へと歩いて行った。
‐翌日‐
神奈子が諏訪大社に来た。
今後の事については話し合いをするらしい。
因みに今、神奈子は民達に“私が新しい神だ”報告をしに行ってる。
そろそろ帰ってくるハズ……おぉ来た来た。
ん? 何だか様子がおかしいな。
まぁ中で話を聞こう。
~少年少女会議中~
神奈子の話を聞くに、どうやら民達は諏訪子もとい祟りを恐れていて神奈子を信仰する訳にはいかない。という感じらしい。
「どうしたらいいんだ」
諏訪子も神奈子も切羽詰まってる感じだ
ウーン、なんかいい案は……!?
なんだ、また急に神のお告げが……。
「なぁ、提案いいか?」
「何だい?」
神奈子が聞いてくる。
「いやあのさ、それなら表向きの為政を神奈子がやって、実際に政を執り仕切るのは諏訪子って事にすればいいんじゃね?」
「「それだ!」」
諏訪子と神奈子の声が重なる。
これなら諏訪子も神奈子も信仰を得られてハッピーエンドだぜ。
表で神奈子、裏で諏訪子、互いに支え合うことで信仰を保つ。
まぁWin‐Winの関係ってやつか。
こうして諏訪大戦は幕を閉じ、その後の諏訪の国の事も決まり一件落着。
因みに俺の案が採用され、諏訪子と神奈子で国を支え合うことになってから社の名前を「守矢神社」に改めた。
そして今、俺は何をしているかというと……。
「「乾杯ー!!」」
今、大和の国で打ち上げ中だぜ!
守矢神社にいる俺たちもお呼ばれしたんだぜ!
テンションが高いのは酒を飲んだからだぜ!
「ーーーー♪ ーーーー♪」
お? カラオケやってら。
「琥珀歌いなよ~」
「そうよ~歌っちゃいなよ~」
諏訪子と天照が真っ赤な顔で言ってくる。
二人共酔いすぎだろ。
「あぁいいぜ! マイクカモーン」
まあ、俺も結構酔ってるけど。
~少年少女フィーバー中~
「~~~~♪」
俺が歌い終わると、
「「ヒューヒュー! アンコール! アンコール!」」
「仕方がない、もういっちょ行くぜぇぇぇ!!」
「「イエーーーイ!」」
「~~~♪ ~~~♪」
そうして時は流れていった。
――翌日、例の如く半壊した大和の屋敷を琥珀が能力で直し、琥珀達は守矢神社に帰りましたとさ。
大和勢は語る。
「琥珀は酔うとテンションが荒ぶるね」
「酔ったあいつは喜怒哀楽が激しすぎる」
「琥珀って意外に歌上手いわね」
――と。
はい、次回で諏訪大戦編完結です
歌は著作権が怖くて歌詞載せられないw
所で、章と話を分けてみました
見易いですかね?
もしアドバイス(批判含む)、ご意見、ご要望あれば気軽にお願いします
それでは次回も
のんびりしていってね