東方転生録   作:のんびり+

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はい、どうものんびり+です。
少し遅いですが、新年明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!
えー、またまた投稿が遅れてしまいました。本当、もう、すみません。気づいた方もいると思いますが、タグに不定期更新を追加しました。私としてもこのタグだけは使いたくなかった……のですがまあ仕方ないですね。
後、永夜抄は次回で終わりそうです。今回でもいけそうだったのですが、私お馴染みストーリーがごちゃごちゃになっちゃった&早く更新しなきゃ(迫真)という 訳で、はい。
とりあえず前置きはここまでにして。

それでは今回も、のんびりしていってね!


第62話 永夜の真相

 門から屋敷へと続く道を歩いていると、前を行く紫が足を止めた。

 すると、砂利を踏む足音がこちらに向かって来ている事に気づいた。その――赤と青のツートンカラーの――特徴的なナース帽とドレスを身につけた人物は、俺と紫の前まで来ると静かに言った。

 

「そろそろ来る頃だと思っていたわ。そちらの方は初顔合わせね」

 

 紫を見ると、永琳は名だけを言い、紫もまた名を言った。

 

「さて、立ち話も何だし中へいきましょう」

 

 

 

 屋敷の中の客間と思わしき部屋に案内されると、早速話し合いへ移る。

 

「そうね。まあ順を追って説明すると――」

 

 そして、永琳は今回の異変に至るまでを語りだした。

 

 まず、きっかけはあのウドンゲだ。

 少し前に、てゐが竹林に倒れていたウドンゲを見つけ、その後この永遠亭で保護する事となった。地上で行き場がなかったウドンゲが、永琳に泣きついたらしい。もっとも、永琳は最初から追い出す気はなかったようだが。

 兎に角、こうしてウドンゲは永遠亭にやってきた。

 ここからが本題だ。

 なんでも、玉兎は特殊な意志の疎通方法を持っていて、どんなに離れていても――厳密にどの程度までかは分からないが、少なくとも地上から月までなら――他の玉兎の考えている事が分かるらしい。会話も出来る者は出来る(ウドンゲは出来るようだ)との事。まあ一種のテレパシーみたいなものだろ。ある日ウドンゲはそのテレパシーによって、次の満月に月の民がこの地上にやって来る事を知る。ウドンゲがその旨を永琳に伝えて、今回の異変に発展したという訳だ。

 月の民が地上に来るのは、永琳と輝夜にとっては都合が悪いし――逃げ隠れしている身だし――望むところではない。そこで永琳は、秘術によって一晩だけ月の民がこちらに来られないようにした。

 つまり、永琳がかけた秘術こそ今回の“欠けた月”の正体だったという訳だ。

 そして、欠けた月の原因を探る為に俺達(異変解決者)が夜を止めた。

 

 実質的に、二つの異変が生まれるような状況になってしまったと。まあ、永夜の真相はこんな感じだ。

 

「なるほど、理解した。だけど永琳、一つ言っておきたい事がある」

 

「何かしら?」

 

「実を言うとだな、お前が秘術とやらをかけなくても月の連中はここには来られないぞ」

 

 俺の言葉に、永琳は一瞬だけぽかーんと間の抜けた顔をした。

 やった、珍しいもんが見られたぜ。

 

「どうして?」

 

 永琳の問いに、俺は簡素に答える。

 標準回答としては、この幻想郷には既に結界が張られている為、外界からの侵入は出来ないから。括弧(かっこ)、絶対ではないのと一部例外を除く。

 

「あら、そうだったの。骨折り損のくたびれ儲けね」

 

 まあそうゆうこったな。互いに謎は解けたし、無事に解決か?

 

「あなたが秘術を解いてくれさえすればね」

 

 紫が永琳を見ると、永琳は頷き、

 

「そうね、すぐに術を解除するわ」

 

 よし、もう大丈夫だ。永琳が術を解いて、俺達が止まっていた夜を元に戻せば、全ては元通り。万事解決だな。

 永琳が一旦、術を解除する為に部屋を空ける。俺と紫はすっかり脱力して、永琳の帰りを待っていた。

 

 ここまま何事もなく、無事に異変解決かと思われた直後だった。屋敷の門辺りから爆発音が届いた。何事かと思ったが、音はそれっきりだった。

 門ではウドンゲが見張りをしている。誰かがここまで来て交戦したのか。一体誰が……何て大体想像つくな。

 ふと気になり紫の方を見ると、大して慌てもせずくつろいでいた。紫は俺の言わんとすることを見通して口を開いた。

 

「成るように成るわ。きっと大丈夫よ」

 

「まあ、せやな」

 

 俺も何だか疲れたし、後は任せた。頑張れ誰か。応援してるぞ。

 圧倒的他力本願! だがこれで良い!

 そして、俺は畳に寝転び、ほとぼりが冷めるのを待つ事にした。

 

 

 

「あー、特に手がかりは見つからないな」

 

「そうね、闇雲に探しても見つからないようになってるんでしょ。迷いの竹林って言うくらいだし」

 

 私とアリスは広大な夜の竹林を、ただひたすらに歩き回っていた。時々空を見上げると、やはり欠けた月が寸分たりとも動かずそこに居座っているのが見えた。

 竹林で捜索を始めて数十分もしくは一時間程だろうか。目新しい発見はない。

 それに、私の疲労もピークに達している。昨日の今日でこれだからな。勘弁して欲しいぜ、全く。

 何よりも、時間が余り残されてはいない。この異変は、何としても夜の間に解決しなくてはならない筈だ。

 アリスの言うように、この状況は妖怪にとっては死活問題だし、寝て起きても夜のままだったら人里がパニックになる。だから、この異変は何とか夜明け前に解決しなければならないのだ。

 異変現象が解消されていないところを見ると、霊夢達も手詰まりのようだし、私達がやるしかないぜ!

 

「……待って魔理沙」

 

 不意にアリスが歩みを止めた。その目線は正面に広がる淡い夜闇を見つめていた。一体どうしたのかと思っていると、私にもやっと理由が分かった。

 誰か近づいて来る気配。かなり速い、走ってるのか。

 私の手が自然と八卦炉にのびる。

 そして、

 

「来るわよ!」

 

 闇に紛れた黒い影が、こちらに向かって走って来るのがついに見えた。

 

「おい、そこのお前! 止まれ! 撃つと動く!」

 

「魔理沙、それを言うなら動くと撃つよ」

 

 あれ、そうだっけ? まあそんなんどうでも良い!

 せっかくの警告を無視したこと、後悔しても遅いぜ!

 

 くらえ! 恋符「マスタースパーク!」

 

 八卦炉から七色の光が、人影目掛けて飛び出す。だが、飛んで躱され、七色の光は標的に当たることなく竹林の彼方へ消えていった。

 

 そして今度は、空中の影から弾幕が繰り出される。赤い光が束になって降りかかるも、被弾はしない。

 

 影が着地し、私と向き合う形となる。そこで丁度月明かりによって、そいつの正体が明かされた。

 弾幕の感じから薄々分かってはいたが。

 

「こんなところで会うとはな、霊夢」

 

「退きなさい、魔理沙。私は急いでるの」

 

 私の言葉を無視して、霊夢は言った。

 

「嫌だと言ったら?」

 

「実力行使よ」

 

「良いぜ、来いよ」

 

 私は再び八卦炉を構えた。霊夢も体勢を作る。

 互いに譲る気はないらしい。

 久し振りだな、霊夢と戦うのは。

 (たぎ)る! 今度は勝たせてもらうぜ!

 

 そして、どちらともなく勝負の火蓋(ひぶた)を切って、夜の竹林は鮮やかな弾幕に彩られるのだった。

 

 

 

 




はい、お疲れ様でした。
内容は多分大丈夫だと思いますが、おかしなところがあっても私クオリティという事で流しちゃって下さい。

それでは次回も、のんびりしていってね!

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