東方転生録   作:のんびり+

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はい、どうものんびり+です!
この話を書こうと思ったら風邪になって予定より遅れてしまいました。
風邪ってしんどいですよね。皆さんもお気をつけ下さい。
それでは今回も、のんびりしていってね!


第60話 目指せ迷いの竹林

 私達が今いる場所は“迷いの竹林”と呼ばれており、一度入れば人間はおろか妖精ですら迷うといわれている。流石に私の勘をもってしても、ここの攻略は厳しいだろう。だから私はあまりここに来たくなかったのだが……仕方ない。さっき聞いた話によると、この竹林のどこかに今回の異変を起こしたら奴らがいるらしいのだ。ここで逃げたら博麗の巫女の名が(すた)る。

 それにしても……。

 軽く周囲を見回すが、ずっと同じような景色が続いていて自分が今どこにいるのか分からない。確かに、これでは迷うのも頷ける。

 

「ねえ琥珀、あんたは迷ってないのよね?」

 

 一応聞いておこうと思い、私は琥珀に尋ねる。だが、返事がない。ただの(しかばね)のようだ。

 

「……琥珀?」

 

 振り返ると、ついさっきまで私の後ろを歩いていた琥珀の姿がない。本当に、跡形もなく、忽然と消えてしまったのだ。

 ……まずい。非常にまずい。

 別に琥珀の心配をしている訳じゃない。そんなのはするだけ無駄だ。

 では何かと言うと、私は今、この広大な竹林の中に一人取り残された事になる。

 つまり、ここの土地に詳しい人と出会えなければ、私はこの竹林から脱出する事が出来ないのだ!

 

「何で……こんな事に……」

 

 身体中から力が抜けて。ペタリと地面に手と膝を付き、目を閉じる。すると、私が寝室の布団の上にいる姿が浮かび上がった。本来ならば今頃、私はいつも通りに寝ている筈なのだ。

 そう思うと、異変を起こした奴らに対して苛立ちを覚える。それは徐々に怒りへと変わり、気が付けば私は夜の竹林を駆けていた。

 私の当初の目的は異変解決だったのだが、今は違う。私の目的は、異変を起こした奴らをコテンパンにする事だ。こういうのを一般的に逆ギレと言うのだろうが、知ったこっちゃないわ!

 今の私は蒸気機関車だ。闘志という名の燃料を燃やし、私は走る。主犯共に怒りの鉄槌(てっつい)を下す為に!

 

 

 

 

「……あー? 何だこりゃ?」

 

 眼前に広がる光景は異常だった。本来なら目の前には人里がある筈なのに、どういう訳かそこには()()()()のだ。人の姿がないのは夜中だから当然かも知れないが、それどころか建物もない。私の目には、更地しか写っていなかった。

 

「大変だぞアリス! 第三の異変発生だ!」

 

 私は隣にいるアリスに大声で言った。しかし、アリスは焦っている様子はなく、至って冷静沈着だった。

 

「大丈夫よ魔理沙、これは異変じゃないわ。これは恐らく――」

 

「貴様ら、何者だ!?」

 

 突如、そんな声が響く。私もアリスも一気に声の方向へ向き直り身構えた。

 するとそこには、提灯(ちょうちん)と思わしき明かりと、その明かりに照らされた見覚えのある顔があった。

 

「なんだよ、慧音先生か」

 

「なんだ、魔理沙達だったのか。すまない、こんな時だから警戒していてな」

 

 こんな時と言うのは異変の事だろう。そうだ、異変と言えば。

 

「慧音先生よ、ここにある筈の人里なんだが……」

 

 私が言うと、慧音は「あぁ」と頷きタネを明かしてくれた。

 

「私の能力を使ってな。今は一時的に人間の里を見えなくしている。何が起こるか分からないからな、念には念をだ」

 

 ……そうか、慧音の能力は歴史を食べる事。その力で人里の歴史を食べて見えなくしているのか。

 

「ところで慧音。今回の異変について何か知らないかしら?」

 

 アリスの質問に、慧音は「あぁ、一応な」と言って続けた。

 

「この異変を起こした奴らなら“迷いの竹林”にいる筈だ。ただし、断言は出来ない。あくまで可能性が高いだけだ」

 

「いいや、構わないさ。ありがとうな慧音」

 

「いや、役に立てて良かった。それにしても、少し前に霊夢からも同じ質問をされたな」

 

 慧音は微笑しながらそう言った。

 

「え? 霊夢も来たのか?」

 

「あぁ、ほんの少し前にな」

 

 ……まずい。このままだと霊夢が先に異変を解決しちゃうじゃないか! それは私のプライドが許さないぜ!

 

「悪い慧音、もう行くぜ! 急げアリス、あいつらに先越されるぞ!」

 

「え? ちょっと魔理沙!」

 

 私は箒に股がり、大急ぎで迷いの竹林を目指して飛び立った。

 

 




はい、お疲れ様でした。
風邪が治った後だからか、テンションが高い気がしますね。
何かアドバイス、ご意見ありましたらお願いします。
これ久々に言いましたね。
それでは次回も、のんびりしていってね!

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