予定よりだいぶ……というかものっそい遅れてしまいすみませんでした!
今回は茶番回です。遅れた分を早く取り戻そうと思い、とりあえず更新しようという魂胆でございます。
それでは今回も、のんびりしていってね!
俺は今、霊夢にドッキリを仕掛けるべく思考を巡らせていた。
何故ドッキリをやろうと思ったのか。理由は簡単。暇だから。
さて、どうしたものか。一応三つ程アイデアがあるのだが……。
暫く考えた
「……暑い」
私はもう何度目か分からない単語を口にして、ふと空を見上げた。
青い空に、もこもこと大きな入道雲。太陽の日射しは容赦なく地上に降り注いでいる。
私はもうこれ以上、こんな炎天の
こうなったらみたらし団子で琥珀を買収して、琥珀に庭掃除をやらせようかな……。よし、そうしよう。
私は持っていた
「琥珀ー! あんたに良いお仕事があるの……よ……え?」
居間にいた筈の琥珀の姿はなく、代わりに見慣れない少年の姿があった。
黒の半袖半ズボンの格好をした少年は、どことなく琥珀に似ている。
……迷子? だとしたらこのまま放っておく訳にもいかないし……。
考えていても仕方ないので、とりあえず少年に質問する事にした。
「あなたの名前は?」
「僕は
少年は微笑みながら言った。……なんだろう。なにか引っ掛かる。
私は得体の知れない違和感を覚えつつも、質問を続ける。
「一はどうしてここにいるの?」
「はい、兄に用があって来たんですが……留守のようですね」
一はまだ何か言っているが、もう私には聞こえなかった。
雨宮という苗字に、兄。私の中ではある一つの仮定が出来上がっていた。
そして私は、その仮定を証明するべく一に尋ねた。
「ねえ、あなたのお兄さんってひょっとして……」
私が言い終わるより先に、一は答えた。
「はい、僕の兄は雨宮琥珀です」
……やっぱりね。全く、琥珀のやつ弟がいるなら教えてくれても良いのに。
「驚きましたか?」
不意に、一が笑顔のまま聞いてきた。本当に琥珀に似てる。
「そりゃ驚いたわよ。琥珀のやつ何にも言わないんだもの」
「はは、兄さんらしいです」
「じゃあちょっと待ってて、麦茶持ってくるわ」
私は台所から麦茶とコップを持って居間に戻る。
私が麦茶を注いだコップを一に渡すと、一は笑みを崩さずに言った。
「やっぱり霊夢さんは優しいですね。聞いていた通りです」
「え? そう? 普通だと思うけど。ってか聞いていたってまさか……」
一は頷いて続ける。
「はい、兄から。霊夢さん、普段は突っ張ってるけど本当は優しくて良い人なんだって」
「琥珀が?」
「えぇ」
自分が影で褒められていると知って、素直に嬉しかった。が、その反面凄く恥ずかしかった。恐らく今の私の顔は、
「霊夢さんの顔、耳まで真っ赤ですよ」
「う、うっさいわね! 今日は暑いから、そのせいよ!」
思わずそっぽを向いて、私はただ
「はは、じゃあ僕はそろそろ帰りますね」
その言葉に振り返ると、一は立ち上がり、伸びをしながら縁側へと向かっていた。
「待たなくても良いの?」
「はい。急ぎの用でもありませんし、ツンデ霊夢も見れましたし」
「そう……って! ツンデ霊夢って何よ!?」
「はは、お達者で!」
私の問いに答える事なく、一は夏空に飛び立って行った。
……全く、とんだ来客だったわね。
そうして空のコップを片そうとした直後、玄関の戸が開く音と共に聞き慣れた声が響く。
「ただいまー」
「おかえり。あんたに客が来てたわよ」
すると何故か、琥珀が吹き出した。今の会話のどこに笑う要素があったのか。……可哀想に、最近暑かったから。
「っふふ、ツンデ霊夢」
――私は確かに聞いた。今、ツンデ霊夢って……。本日二度目の衝撃が、私を襲う。まさか……ね。
「今お前はこう思っただろ、「まさかね」と!」
「なっ!?」
「ふふ、青ざめたな。さあネタばらしだ! さっきの一ってやつな、あれ実は俺なんだよ」
くっ! 一つのドッキリで二度も私を驚かすなんて……!
「はは、いやー面白かった」
「全く、今回限りにしてよね」
「分かったって……多分」
「あっ、そうそう。琥珀、ちょっと庭掃除代わってくれない?」
「いやだ」
ここで即答するのが琥珀。まさに外道。しかし私にはとっておきがある。さあ、私の掌の上で踊ると良いわ!
「みたらし団子を三本つけるわよ?」
さあ、イエスと言うのよ!
「だが断る」
意外にも、返答は明らかな拒絶だった。
「な、なんで……」
「この雨宮琥珀の好きな事の一つは、絶対的確信を持った相手の予想を覆すことだ。五本ならやる」
やはり琥珀は琥珀。チョロかった。
その後、私達は人里の甘味処で、午後の優雅な一時を過ごしたのだった。
はい、お疲れ様でした。
ちょっと変な感じでしたが大目にみて下さいお願いします。
ここで、前置きで言えなかった朗報を。
評価バーに色がついてました! ありがとうございます!
転生録が始まって半年以上経過です! ここまでやってこれたのも皆さんのお陰です!本当にありがとうございましす!
以上報告でした!
それでは次回も、のんびりしていってね!