皆さん、あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
えぇ、まず活動報告でも言いましたがもう一度。
遅れてすみません!
それでは今回も、のんびりしていってね!
第56話 酒は飲んでも呑まれるな
「はいお水。あんた大丈夫? 顔がブルーベリー色の巨人みたいになってるわよ」
「大丈夫とは言えないな……後その例え酷くね?」
霊夢が持ってきてくれた水を一気に仰ぐ。気持ち的に、少しは楽になった気がする。
二日酔いと言うのはいつまで経っても慣れないものだ。
何故俺が二日酔いになっているのかと言うと、それは最近かなり頻繁に行われている宴会が関係しているのだろう。
数日前から、何故か定期的に宴会が開かれているのだ。その回数と言ったらもう今までの比では無い。まあそんな事もあり、昨日はかなり飲まされた。いや、呑まされたの方が正しいか。酒は飲んでも呑まれるなとは良く言ったものである。
「にしても霊夢。お前も結構飲んでたよな。大丈夫なの?」
「当たり前でしょ、私はそんな柔じゃないもの」
霊夢は胸を張って誇らしそうに言ってみせる。羨ましいよ、今だけは。
因みに、俺は酒そのものはあんまり嫌いではない。むしろ好きな部類だ。ただ知っての通り、俺は酒に極度に弱い。だから嫌いと言うよりは苦手なのだ。
と、話がずれてしまった。
えー、つまり最近の宴会の多さは異常だと。これは異変なんじゃないかと。そういう事ですよ。
え? 宴会程度で大袈裟だって?
いやいや落ち着け。勿論、俺だって根拠はある。実は、宴会が頻繁に開かれるようになってから、妖気を含んだ霧をみるようになった。
まあ、今回の異変――謎の霧や宴会――を起こしている主犯は分かってるんだが。俺が解決しても意味がない。他の誰かが動くのを待とう。別にそんな迷惑な異変でもないし。
俺は座敷の上に横になり、そのまま意識が途切れるのを待った。
「はいお酒。あんた大丈夫? 顔が蜘蛛男みたいになってるわよ?」
「大丈夫とは言い難い。後何だその例えは、普通に「顔が赤いわよ?」とかで良いだろ!」
「えぇ~、だって普通じゃつまらないじゃない?」
そう言って霊夢は持っていた盃を傾け、酒を飲み干した。こいつ今ので六杯目だよな。大丈夫なのか?
「にしても熱いな……外の空気でも吸いに行くか……」
俺はふらつきながらも立ち上がり、縁側へと足を向ける。
縁側に着くと、涼しい夜風が俺を包み込む。それがとても心地良い。
縁側に腰を下ろす。後ろの方からは、遠目ながらも賑やかで楽しそうな皆の声が聞こえてくる。
「はぁ、解決はまだ先かな……」
皆の声を聞いてる内に、そんな言葉が口を
「隣空いてる?」
暫く縁側に座ったまま夜空を眺めている時、不意にそんな声がした。
「あぁ、空いてるぞ」
俺が答えると、お言葉に甘えてとそいつは隣に座る。
「ねえ、琥珀は気付いてたよね?」
「あぁ。最初から」
「流石だねぇ」
隣から無邪気な笑い声がした。俺も自然と笑みを溢す。
「因みに、これはいつまで続けるつもりだ?」
俺の問いに、隣からうーんと唸り声がする。そして何か思いついたのかポンと手を叩く音が響いた。
「琥珀が私のお願いを聞いてくれたら止めるよ」
唐突の提案に、今度は俺が唸る。唸り声を上げ考えついた結論は、
「一つだけならな」
ここは妥協する事にしよう。
「イエェェェイ!」
すると、そんなに嬉しかったのか隣からは歓喜の咆哮が上がった。
正直、これ以上異変が続くと俺は二日酔いにフルボッコにされてしまう。ならば、ここは妥協する他ないだろう。皆の為にならなくとも、俺の為になるのだ。……そう言うと俺がめっちゃ自己中みたいだな。
「交渉成立だね。じゃあ、はい」
俺は差し出された盃を受け取る。これを飲んだら俺の意識は完全に途切れるだろう。
「萃香、頼みがある」
「ん? どうしたの?」
「もしも俺が倒れたら、霊夢の元まで運んで「薬求む」と伝えてくれ」
「任された! それじゃあ、乾杯!」
掛け声に合わせ酒を飲む。
酒を全部飲み終わる頃には、視界はぼやけ、思考も鈍っていた。
永琳からもらった酔い止め、後は頼んだぞ。
やがて、俺の意識は闇へと沈んでいった。
「琥珀?」
隣を見ると、顔を真っ赤にして伸びている琥珀がいた。まさか本当に倒れるとは。でもまあ、前の時みたいに暴れられるよかましかな。
私は琥珀を担いで、騒ぎの中心地へと向かった。
はい、お疲れ様でした。
それでは次回も、のんびりしていってね!