始めに、今回オリジナル要素有りです。
それでは今回も、のんびりしていってね!
「私の勝ちよ、咲夜」
私は、床に倒れて気絶しているメイドに勝ち誇って告げた。
かなりギリギリだったが、私にかかればどうって事無い。
私は此処に来た目的……異変の主犯を探す為に階段を上がって行く。
本当はメイドに案内させたかったのだが、気絶中では仕方が無い。
何時も通り自分の勘を頼るしか無さそうだ。
勘を頼りに真っ赤な廊下を歩き続け、ようやく辿り着いた。
もはや勘など必要無い程、この先の部屋からは強力な妖気が感じられる。
私はドアノブに手をかけ、勢い良くドアを開こうとした所で誰かに名を呼ばれ、ドアノブから手を離して声の方向に視線を飛ばす。
そこには、魔理沙が本を片手に持ちながら歩いて来る姿があった。
「魔理沙、遅かったわね」
「そうか?お前とそんな変わらないだろ?」
魔理沙は私の隣に来ると、ドアへと体を向ける。
「さて、この先か?」
「ええ、覚悟は良い?」
「勿論だぜ!」
私は再びドアに手をかけ、今度こそ勢い良くドアを開ける。
先ず目に入ったのは、幼女二人。次に黒髪の少女と茶髪の少女。
四人は赤いソファーに座っていて、ソファー前には紅茶とクッキーが置いてある丸テーブル。……お茶会?
「あなた達、ノックも無しに部屋に入るのは無神経で無くて?」
紫髪の幼女が私達を見ながら言う。
「そりゃ悪かったわね、お嬢ちゃん」
全く悪びれる事無く紫髪に返す。
「全く……それで?何の用よ」
「霧。迷惑。やめて」
「何で片言なのよ!」
紫髪はソファーから立って私達の前に佇み、咳払いをして言った。
「残念だけど、霧を晴らす訳にはいかないわ。そんなに迷惑なら、力ずくで止めてみれば?」
「ああ、上等だぜ!覚悟しろよチビッ子」
私の代わりに魔理沙が答える。
私もお札を取り出し、臨戦態勢に入る。
そこで、ソファーに座っている茶髪の少女が言った。
「待て、そこの紅白!琥珀は来ていないのか?」
「琥珀ならその内来るんじゃ無いの」
……すっかり琥珀の事を忘れていた。
あの馬鹿、一体どこで油売ってんのかしら……。
「さて、それじゃあ始めましょうか」
紫髪の言葉で、私は意識を敵に向ける。
「待ってお姉様!私もやる!」
今度は金髪幼女の声で、またまた気が抜ける。
今日は随分と締まらないわね。
「さて、今度こそ始めましょうか。フラン、準備は良い?」
「バッチリだよ!お姉様!」
「行くわよ、魔理沙」
「おう!」
互いの準備が整い、部屋には沈黙と緊張感が漂う。
そして、まさに弾幕を展開しようと言う時だった。
「悪い、遅れたな」
ドアが開くと音に続いて、そんな声が部屋に響いた。
こんな状況でこんな呑気な奴は一人しかいない。
私は、到着が遅かった事への苛立ちと、今日何回もムードを壊された苛立ちを両足に乗せて、そいつ目掛けてドロップキックをお見舞いするのだった。
部屋に入った瞬間、顔面にドロップキックをくらった。
「グハッ!!」
俺は思わずして尻餅をつく。
「いってぇ。いきなり何すんだ!霊夢!」
俺は立ち上がると、キックをしてきた霊夢に不満をぶつける。
「何って……憂さ晴らし?」
さも当然と言う様に霊夢は答える。
「何故!?」
「五月蝿い」
「理不尽!?」
これ以上言うとまたキックをもらいそうなので止めておこう。
「琥珀、随分と遅かったじゃ無いか!待ちわびたぞ」
すると、ソファーの方からそんな声がした。
そこには、戦鬼がクッキーを食べている姿が見えた。
「戦鬼?久しぶりだなぁ!」
本当に久しぶりだ。
もう数百年は会って無いだろう。
「会いたかったぞー、琥珀ー!」
戦鬼はソファーから立つと、俺の方に走って抱き付いて来る。
「せ、戦鬼!?」
戦鬼の予想外の行動に戸惑っていると、
「琥珀、お前そいつと知り合いか?」
魔理沙が戦鬼を指差しながら聞いてきた。
「ああ、まあな。……で、戦鬼は何故此処に?」
俺が尋ねると、戦鬼は抱き付くのを止めて言う。
「それは、琥珀に会いたかったからじゃ」
「……そうか」
何て返せば良いのか分からないので、とりあえず相槌を打っておく。
「久しぶりだね、琥珀」
またまたソファーから声がする。
見ると、今度は紅茶が入ったティーカップを持った空覇の姿。
「空覇までいんのかよ。久しぶりだな!」
空覇とは五十年ぶりくらいか……。
「空覇は何で此処に?」
一応聞いてみる。
「簡単よ。家で戦鬼とお茶をしていたら急に空が赤くなって、戦鬼が面白そうだと言うから一緒にこの館に来て、此処にいれば琥珀に会えるかもと言う事であなたを待ってたのよ」
成る程。
空覇の適切な返答のお蔭で謎は解けた。
「琥珀、話は済んだかしら?」
「ああ、アイムオーケーだ」
「琥珀と戦うのは久しぶりじゃなぁ!ワクワクすっぞ!」
「私は初めてね」
そう言えば、確かに空覇と戦うのは初めてだ。
「霊夢、魔理沙、俺は戦鬼と空覇を引き受けよう」
「分かったわ。こっちも行くわよ、魔理沙」
「ああ、何時でも良いぜ!」
「やっとね、行くわよフラン」
「うん!」
そして、全員考える事は同じな様で、その場にいる全員の声が重なった。
「霊符「夢想封印」!」
「恋符「マスタースパーク」!」
「嘘符「有象無象」!」
「紅符「スカーレットマイスタ」!」
「QED「495年の波紋」!」
「空符「波紋旋風」!」
「鬼神「全方滅却」!」
そして、眩い閃光の後、凄まじい轟音が全てを包み込んだ。
「――いやぁ、異変解決おめでとうございます!」
フラッシュを炊きながら文が喝采する。
あの、激しいスペカのぶつかり合いで館は見事に崩壊。
その後の弾幕戦で、俺達異変解決チームは何とか勝利!
無事、異変解決だ。
今回の異変は“紅霧異変”と名付けられ、文々。新聞にはその全貌が載る事となった。
まあ、
「一件落着だな!」
「琥珀、紅魔館の修理……よろしくね!」
俺はレミリアに頼まれ、半壊した紅魔館を元に戻してから博麗神社に戻るのだった。
はい、お疲れ様でした!
紅魔郷終わりです!
サクッとし過ぎ?知らんな☆
いや、本当にすみません。私ではこれが限界です。
気になった事、不満などありましたらお願いします!
それでは次回も、のんびりしていってね!