東方転生録   作:のんびり+

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はい、どうものんびり+です。
今回も、のんびりしていってね!


第38話 幻想郷巡り③

 

 

ヤマメに先導されて暫く歩いていると、目の前に明かりが見えて来た。

良く見るとそこには、大小様々な建物が建ち並ぶ大きな都市のようなものが。

 

「凄いなぁ、にしてもこんな地下深くにこんな場所があったとは……」

 

「フフ、此処は旧都って言うんだ」

 

俺が感心していると、ヤマメが振り返って言った。

 

「旧都?」

 

「そう、それで、この地下空間全体をひっくるめて旧地獄って言うんだ」

 

「それって此処が元は地獄だったって事か?」

 

「そういう事になるね。此処には地上から自ら来た妖怪や忌み嫌われた妖怪、地霊や怨霊とかがいるんだ」

 

「へぇ~」

 

俺がヤマメに説明してもらっていると、すぐに旧都へ続く橋の前まで来ていた。

その橋には一人の少女の姿があった。

 

「……ヤマメ、誰よソイツ?妬ましいわね」

 

「フフ、此処に冒険しに来た人間だよ」

 

「俺は琥珀だ、宜しくな……えっと」

 

「パルスィよ。水橋(みずはし)パルスィ」

 

「そうか、宜しくなパルスィ」

 

「……馴れ馴れしいわね、妬ましい」

 

えぇぇ、さっきから嫉妬し過ぎじゃ無いですか?

 

「あの、ヤマメ」

 

俺がヤマメに聞こうとすると、こちらの意図を察したように言う。

 

「大丈夫、パルスィはいつも嫉妬してるから」

 

……それで良いのか?

 

「パルスィ、通って良いでしょ?」

 

「……まあ、ヤマメが一緒なら大丈夫でしょう。妬ましい」

 

「ありがと、じゃ琥珀、行こう」

 

「あぁ、じゃあなパルスィ」

 

俺はパルスィに別れを告げて、旧都に入る。

すると再び、ガイドさんヤマメの解説が始まった。

 

「此処がさっき言った旧都ね。此処ら一帯は鬼達が取り締まっているわ」

 

「鬼?」

 

「ええ、結構前に地上から此処にやって来たの」

 

鬼と言えば、妖怪の山にいた戦鬼や勇義、萃香達を思い出す。

あいつ等が此処に来たのかな。

俺が都市を観察しながらそんな事を思っていると、ある看板を発見した。

甘味処と書かれた看板を。

 

「ヤマメ、あそこ行こうぜ!」

 

俺はヤマメを誘って甘味処へゴーイング。

ヤマメはきな粉団子と言う団子とお茶。俺は安定のみたらしとお茶だ。

それにしても此処は団子の種類が豊富だな。きな粉、紫いも、黒ゴマ……。

後でもう一回来よ。

そう決心した俺は、取りあえず団子を頬張る。

 

「うん、良い甘さ加減だな」

 

里の団子程では無いものの、団子は旨い!

この団子も良い味を出している。

俺が団子をパクパクと食べて、最後の一串を掴んで食べようとした瞬間だった。

 

「ぐわあぁぁぁ!!」

 

急に何者かが俺目掛けて吹っ飛んで来て、俺もろとも倒れ込む。

 

「急に何だよ……」

 

俺はゆっくりと立ち上がり、気付いてしまった。

さっきまで持っていた串が無い事に。

そして見てしまった、地面にべっちょりとくっ付いた、俺の団子の姿を。

 

「次ィ!誰かかかって来いやァ!」

 

正面には、そう叫んでガッツポーズをする妖怪の姿。

俺は理解する。

あいつ等の喧嘩のせいで、俺の団子が見るも無残な姿になったのだと。

……よし、お仕置きが必要だな。

 

「どうした!?誰も居ねえのか!?」

 

「俺がやる」

 

俺はお仕置き執行の為に、妖怪へと歩みを進めた。

 

「ちょ、琥珀!止めときなって!相手は鬼だよ!?」

 

ヤマメが心配そうに言う。

俺は一言

 

「大丈夫だ、問題無い」

 

そう告げて、妖怪のすぐ目の前まで行く。

 

「おい人間、容赦はしないぜ?」

 

「必要無いね、団子の仇は取る」

 

「威勢が良いねぇ!サービスだ、先ににー発殴らせてやるよ。ほら、腹を出してやる」

そう言って鬼は両手を挙げて、どうぞポーズを取る。

(へへ、人間の一撃なんぞ効かんわ!すぐに戦意喪失させてやる)

 

「じゃあ、遠慮無く」

 

俺は軽く鬼の腹にボディーブローを放つ。

 

「――ぎゃっ!」

 

鬼は叫ぶ暇無く、その場に倒れてしまった。

 

「仇は取ったぞ。団子」

 

俺はその場を去ろうとする。

すると

 

「待ってくれ!アンタ、次は俺と闘ってくれ!」

 

と、見ていた観客からのリクエスト。

仕方なく俺は相手をして気絶させる。

するとまたまた闘ってくれと挑戦が来る。

で勝ったらまた挑戦のループ状態になってしまった。

そのまま暫く闘っていると、見覚えがある顔が。

 

「何だい、恐ろしく強い人間がいるって言うから来てみたら琥珀じゃないか」

 

「久しぶりだな、勇義。やっぱ鬼ってお前らだよな。後闘い疲れたから鬼達を帰らせてくれ、頼む」

 

すると、勇義は大きな赤い盃を他の鬼に持たせて言う。

 

「良いよ、私と闘って勝ったらね」

 

「やれやれ、変わらないなぁ」

 

「フフ、行くよ!」

 

「ああ」

 

勇義の拳が、琥珀に向けて繰り出された。

 

 

 

 




お疲れ様でした。
終わりが雑って思いました?私にはどうする事も出来ぬのです。
それでは次回も、のんびりしていってね!

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