イヤー、この話で都市編は終わるんですが諏訪大戦書いた方がいいですかねー?
そんなに長く過去編やるわけにも…ウーン悩んでも仕方ないので
とにかく今回ものんびりしていってね
ちゃおっす、毎度お馴染みの琥珀です。
なんて言ってる場合じゃなかった。
今日は“月面計画”実行の日だ。
もうロケットへの乗り込みは始まっている。
都市の上層部が先に乗り込んでいて、今から俺と永琳もロケットに乗る。
だが、俺と永琳が乗ろうとした瞬間、
ビーーーーービーーーーーーー!!
都市の妖怪探知機が雄叫びをあげる。
どうやら、俺がお月様へ行くのはもう少し遅くなりそうだ。
「悪い永琳、先に行っててくれ」
俺は永琳に言って妖怪達の元へ行こうとしたのだが。
「何を言ってるの!?」
永琳は慌てて俺の着物の裾を掴み、俺を引き止めた。
「永琳、俺は妖怪共をくい止めに行く。お前は先に乗って――」
「ダメよ! 早く乗って!」
俺の言葉を掻き消すように言うと、袖を掴んだままロケットへと歩き始めた。
どうしたんだ永琳のやつ? こんなに慌ただしい永琳は見たことないな。
まあ、俺を心配してくれるのは嬉しいんだが、だからと言って俺が行かないのはやっぱり駄目だと思う。
「大丈夫だ、別に死にに行く訳じゃない」
「でも! もしもの事があったら――」
「永琳!」
今度は俺が声を張って永琳の言葉を掻き消した。
「落ち着けよ、らしくないぜ?」
一呼吸の間を置いて続ける。
「安心しろって、サクッと妖怪倒してスパッと帰ってくるから。それとも何か、お前は俺を信じてくてないのか?」
そこまで言うと、裾を掴んでいた永琳の手が離れた。そして、不安気な表情は変わらないが、いつも通り冷静に永琳は言った。
「分かったわ。あなたを信じる。ただ一つ約束して頂戴」
「何だ?」
「絶対に帰ってきなさい。破ったら針千本じゃ済まないわよ?」
「それは……守るしかないな。じゃあ、行ってくる!」
そう永琳に告げ、俺は全速力で都市の門に向かった。
そこで俺が見たものは、数えきれない程の妖怪と、血溜まりに横たわる軍の兵士達。
息がある者達は少なかった。
「おい! お前ら!」
兵士達の元へ駆け寄ると、俺に気付いた兵士が驚いた様子で言う。
「隊長! どうして……もうロケットに乗ったハズでは?」
「馬鹿野郎!部下を置いて先に行く訳ねぇーだろ!」
「隊長……すみません。私がいながら、私が不甲斐ないばかりに」
心咲が申し訳無さそうに言った。
「気にするな! 後は俺が引き受ける、お前らは行け!」
そうして俺は皆が都市へ行くのを確認し、妖怪退治を執行しようとしたのだが。
「……お前も行け」
「隊長が戦うなら私も戦います!」
「隊長命令だ」
「こればかりは譲れません!」
心咲は澄んだ瞳で俺を見て言う。
……やれやれだぜ。命令違反はご法度だぞ?
「なら命令変更だ、死ぬなよ!!」
「はい!!」
「行くぞ!!」
能力発動。
【この周辺にいる妖怪にかかる重力は百倍になる】嘘を【本当】に!
直後、付近にいた妖怪共は重力に押し潰された。
だが、潰されたのはほんの氷山の一角。千か万か、まだまだ後に控えた妖怪の軍勢が、我先にと津波のように押し寄せる。
「俺も久々に全開だぜ!!」
「「「GYAAAAAAA!!」」」
「フッ!」
妖怪の群れに突っ込むと、短いく息を吹き拳を振るう。轟音と共に前方にいた妖怪共が肉片へと変わった。
「まだまだぁ! ザ・ワールド!!」
能力で時を止め、ナイフを大量に生成、四方八方に勢い良く発射させる。
「そして時は動き出す」
妖怪は次々とナイフをその身に受け倒れていった。
……よし。後もう少し、時間を稼げれば俺達の勝ちだ。何としても乗り切る。この防衛戦を!
「隊長、敵弾幕です!」
眼前の軍勢から、視界を覆い尽くす程の妖力弾がとんでくる。
――が、
「無駄無駄無駄ァ!!」
俺はその妖力弾の倍近い霊力弾で相殺、そのまま余った霊力弾が妖怪を蹴散らす。くそ、流石に体力の消耗が激しい。
「ハァハァ、心咲は……」
地に方膝を着きそうになるのを堪え、ふと心咲の方を見ると、やられたフリをして倒れていた妖怪が立ち上がり、背後から心咲を切り裂こうとするのが見えた。
「ッ!」
俺は即座に霊力弾をぶつけて攻撃を阻止する。
「……大丈夫か? 心咲」
「……っはい。ありがとう、ございます」
心咲は肩で息をしながら俺に応じた。
大分疲弊してるな……。ロケットは? まだ終わらんのか?
都市を見ると丁度、最後のロケットが飛びだとうとしていた。
「よし、引き上げるぞ!」
「はい!」
妖怪共の足止めを振り切ってロケットにたどり着き、ロケットに乗ろうした瞬間。最後の悪あがきといわんばかりに、倒れていた妖怪共が一斉に俺にまとわりついてきた。最後の力を振り絞った、妖怪共の命を賭しての嫌がらせだ。
「なっ!? ちくしょう」
「隊長!? 待ってて下さい、すぐにそいつらを――」
「来るな!!」
「しかし!」
「クッ、どうやらここまでのようだ……的な感じだ」
「ふざけてる場合じゃないでしょ馬鹿!!」
ロケットのドアが閉まり、俺は外へと弾き飛ばされる。
それにしても、敬語じゃない心咲って珍しい。
「~~! ~~!」
心咲が泣きながら何か叫んでる。
ハハ、永琳との約束も破っちまったな。
「じゃあな心咲。達者でな」
飛び立ったロケットに向かい呟く。
「いい加減に離れろ!!」
妖怪を振り払い、着地。
――と同時に空から轟音が鳴り響く。
見上げると、心咲が乗っているロケットからミサイルらしきものが落ちてきた。
「おいおいマジかよ……」
俺は時を止め、その場を離れるが、疲れているからか、あまり遠くに行けず時が動き出してしまう。
「チィ!」
俺は咄嗟に霊力で簡易結界を作る。その後、激しい閃光と衝撃に襲われ、俺は気を失ってしまった。
「隊長! 隊長!」
妖怪にしがみつかれ落ちていく隊長。
その時、隊長は笑顔で何か呟いていたが聞こえなかった。
「うぅ……ぅ……隊長! ……どうしてこんな事に!」
私が嘆いていると、下から少し衝撃がした。みてみると、軍事用核ミサイルがこの真下――つまり隊長がいた場所に落とされていた。
「何故ミサイルが!?」
「へへっ、そりゃ妖怪に追ってこられたら困るからなぁ」
後ろを向くと、ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべる軍の兵士がいた。
「そんなっ……わざわざミサイルを落とさなくてもいいでしょう!? あそこには隊長もいるのよ!?」
「いくらあいつが化物でも、どーせ妖怪に殺されてましたよ。だから弔ってやったんです」
兵士は笑みを崩さずに言った。
「ッ! なんて事を……」
「それに、隊長は危険なんですよ、あんな化物がここにいると、一体いつ寝首を掻かれるか分かったもんじゃないでしょ?」
兵士は淡々と語る。
私の中では怒りが膨れ上がる一方だ。
そして、
「あぁ、そういえば心咲さん隊長の事好きでしたもんね。どーです? 隊長は死んだんだから俺と付き合いませんか? 悪いようにはしませんよ?」
「この下衆が!!」
私は怒りと悲しみで頭が真っ白になってしまった。
……気がつくと、苦痛に歪んだ顔で倒れている兵士の姿があった。兵士は窒息死したようだ。これを私が? ……私の能力を使えば造作もない。私がやったんだ。
「隊長……」
もう、訳が分からない。
ロケットの入り口で独り、私は声を殺して泣く事しか出来なかった。
ついに古代都市編終了です
あっさりしてましたね
うーん次回は諏訪大戦編…やろうかな
……やるか( ^∀^)
ただ、ガッツリではなくトントン拍子で進んでくと思います
そこは許して下さい
それでは次回ものんびりしていってね