今回ものんびりしていってね。
レミリアから過去の出来事を聞かされた俺は、昼食を作る為に再びキッチンに居た。昼食は
俺は五目炒飯調理の為、料理番組で良くやるようにフライパンを大きく振るった。
するとフライパン内の炒飯は勢い良く空を舞って、俺の顔面目掛けてダイビング。
「ちょっ!?タンマ!」
俺は急いで
あっぶねぇ、見よう見まねで出来る程甘くは無かったぜ。
俺は空中で停止したままの炒飯をフライパンに入れて時間を再生する。
……これも練習しておこう。
そうして俺は炒飯を皿に盛り付けた。
そして、昼食を食べ終わった俺は、食器を洗いながら考える。
フランの事だ。やっぱり知ったからには見て見ぬふりは出来ない。
それが俺だぜ。と言う事で、フランを何とか普通の子にして上げたい!
俺は手を拭いて、洗い終わったピカピカの皿を見ながら決心する。
――時は熟した。我、夜戦に突入す!
時刻は午後零時。今夜は満月、まさに絶好の団子日和だぜ。
地下へ続く階段を降りると、大きな鉄製のドア。
朝と同じように南京錠を解除して中に入る。
部屋を見ると、赤いベッドに座ったフランの姿が目に入った。
「やあフラン、また会ったね」
「あら、琥珀じゃない……どうしたの?」
フランはベッドから立ち上がって聞いて来た。
良かった、朝はいきなり爆破されたけど今は大丈夫そうだ。
俺はフランの質問に答える。
「フランさ、外に行きたいと思う事無いか?」
するとフランは少し曇った表情で言う。
「それはあるけど……ダメだよ。私は此処から出ちゃダメなんだ」
そんなフランに、俺は笑みを浮かべた顔で言う。
「フラン、俺は手伝うぞ。お前が此処から出るのを」
俺が言うとフランは驚いた様子で俺を見た。俺は続ける。
「俺に出来る限りの事はする。どうだ?やってみないか?」
「……私に出来るかな?」
細い声でフランが言う。
いくら狂気があると言っても、フランはまだ幼い少女だ。寂しいに決まっている。
俺はフランの頭に手を優しく置いて言う。
「きっと出来るさ。お前に変わる気があればな」
俺が言うと、フランは少しの沈黙の後に、顔を上げて言った。
「……やるよ。私、変わるよ!」
「よし、頑張ろう!」
そしてフランの、目指せ良い子計画が始まった。
――あれから一ヶ月。俺は、フランに毎晩色んな事を教えた。
能力の制御、やって良いこと悪い事。破壊しか知らないフランに、俺が知る遊びを教えたりもした。そして今日は、俺がフランに与えた
今回は特別ゲストとして、レミリアを呼んである。これでレミリアに認めてもらえれば計画成功だ。
「フラン、準備は良いか?」
「うん、良いよ」
「よし、先ずは能力制御からだ」
これは、マネキンの手の上に乗ったビー玉を破壊でクリアだ。
一ヶ月前はマネキンごと粉々でしたよ、はい。
それではご覧下さい!フランのビフォーアフターを!
(あのBGMをイメージ。)
「……きゅっとしてドカン」
何と言う事でしょう。一ヶ月前はこれでマネキンは爆発四散していましたが、今爆発したのは小さなビー玉だけ。見事成功です。
「やったよ!琥珀!」
フランは無邪気に跳び跳ねて喜んでいる。
……癒されるわぁ。
次は道徳の問題。ぶっちゃけこれが出来れば問題は無いと思う。
俺が考えたテスト用紙をフランに渡す。
内容としては、主に思いやりについて確かめるものだ。
暫くして、テスト用紙を回収し、レミリアと一緒に見てみた。
結果は、合格だ。
何と言う事でしょう。
一ヶ月前のフランだったら、殺したり壊したりして解決するような問題も出したが、どれもなるべく平和的に解決する方法が書かれていた。
俺はレミリアを見る。
するとレミリアは目に涙を溜めて言った。
「フラン……貴女も成長したわね」
分かるぞレミリア。俺も教えた身として感動しているよ。
俺はレミリアに例の確認を取る。
そしてフランに告げた。
「フラン、この一ヶ月良く頑張った。……合格おめでとう!」
「……え?私――」
「合格よ、フラン。良く頑張ったわ」
被せる様にレミリアが言った。
「じゃ、じゃあ……」
「ただし、外出の時は私も一緒よ?」
そしてフランは、レミリアに抱きついた。
満面の笑みを浮かべて。
――俺はお邪魔だな。
雨宮琥珀はクールに去るぜ。
そうして俺は、地下を後にした。
お疲れ様でした。
イヤー、最近地の文を増やしていますが、どうでしょう?
なるべく努力してますが……むずかしいですね。
私には難し過ぎる!
……愚痴です。
次回で紅魔館は終わりです。
それでは次回も、のんびりしていってね。