頭痛が引きました!
訂正。フラン達の歳を百では無く二百にしました。特に意味は無いですが。
と言う事で、今回ものんびりしていってね。
紅魔館の一室で、レミリアが語り出した。
「先ず、簡単にあの子の紹介をするわね」
レミリアは一息置いて言う。
「あの子の名はフランドール・スカーレット。私の妹よ」
そして、レミリアは顔つきを変えて言った。
「まあ、簡潔に言うわ……先ずあの子の能力は「あらゆるものを破壊する程度の能力」。そしてあの異常性は生まれ持ってのもの。それがあの子を地下へ閉じ込めた理由よ」
レミリアが言うと、琥珀は少し考える仕草をした後に、レミリアに続けるように促した。
「それじゃ、あの子を閉じ込めるに至った経緯でも話しましょうか」
そして、私は話す。過去にあった私達の物語りを。
――今から二百と数年前。私は当時五歳程だった。
私達が住むこの屋敷は紅魔館と呼ばれ、ここら一帯の人間や妖怪に恐れられていた。と言うのも、私のお父様ノーブル・スカーレットはその強さとカリスマ性から
私はお父様から、スカーレット家の者は皆強く気高くなければならない、とよく教えられた。そしてお母様であるローズ・スカーレットからは、美しくおしとやかであるようにと言われ育てられた。私もいつかお父様とお母様のように、強く美しい存在になりたいと思っていた。そんなある時、私に妹ができた。
名はフランドール・スカーレット。お母様そっくりの金髪に、背中の宝石のような羽が綺麗な子だった。私は自分に妹ができた事が嬉しかった。
フランはすくすくと育っていき五歳になる頃、私は十歳になっていた。
だが、私には一つ心配な事があった。それはフランの異常性だった。
フランは情緒不安定で、普段からその片鱗が見て伺えた。
例えば、ある三日月の夜、妖怪が三匹紅魔館に侵入した事があった。
妖怪達はこの紅魔館に、肝試し感覚で侵入したのだろう。
私とフランが庭を散歩していると、妖怪達は急に襲いかかって来た。
するとフランが開いた右手を前に出して握りしめる仕草をする。
すると妖怪の一匹が、まるで水を限界以上に入れられた水風船の様に破裂した。
フランは返り血を全身に浴びて真っ赤に染まる。
そしてもう一度右手を前に出して言った。
「
妖怪は叫ぶ暇も無く、爆発四散した。
残った妖怪はへなへなと座り込んでしまった。その顔に絶望を宿して。
そこからは見てられなかった。
拷問なんてものが可愛く見えた。フランはあらゆる手段で妖怪を弄って叫ばせた。
妖怪の指を折る。腕を、脚を。目を片方だけ抜き取る。
その抜き取った目を妖怪自身に食べさせたりもしていた。
フランが遊び終わる頃には、妖怪は原型を留めておらず、バラバラの肉片と赤い血だけがその場に残っていた。そしてフランは私に、血塗れの笑顔で言った。
「面白い玩具だったね、お姉様」
その時私はフランを再認識した。その残酷な異常性を。
――そして事件は起こる。
事の始まりは些細な事だ。
フランのお母様への反抗。
どこの家庭でもあるような痴話喧嘩。
だが、違うのはその家庭が家だった事だ。
フランの勉強部屋にお母様が行ったきり帰って来ない。
私は様子見の為にフランの部屋に行った。
そしてドアを開けて私が見たものは、
血溜まりに倒れるお母様と、退屈そうにベッドに座るフランの姿だった。
「あ、お姉様!」
フランは私を見ると、私に駆け寄って来た。
目の前の光景にまともな思考が出来ない私だったが、私は一つフランに聞いてみた。
「……ねえ、フラン。お母様は……どうしたの?」
するとフランは、一度お母様を見て言った。
「えっとね、邪魔だったから殺しちゃった」
私はどういう事態か理解した。
その時私がフランに初めて恐怖を覚えた。
すると、異状に気付いたお父様がやって来た。
お父様は部屋の光景を見て驚きの表情を見せた。
そして、暫く考え込んだ後言った。
「……フラン、これはお前がやったのか?」
「うん」
「……何故だ?」
「邪魔だったから」
瞬間、乾いた破裂音が響く。
お父様の掌がフランの頬を叩いた音だ。
そして、お父様はゆっくりと言った。
「フラン、自分が何をしたか理解出来るか?」
するとフランは、お父様を睨み付けて言った。
「――お前も要らない」
するとフランは右手を前に出す。
危ない!と私が言うより早く聞こえた爆発音。
そこを見ると、左腕を無くしたお父様と、壊れた床、不機嫌そうなフラン。
私はもう何が何だかついていけなかった。
そこから、フランとお父様の“戦闘”が始まった。
親子喧嘩なんて
正真正銘の殺し合いだ。
殺意の籠った弾幕。蹴り。殴り合い。
私は唯呆然と、その様子を傍観する事しか出来なかった。
そして聞こえる大きな爆発音。
そこには煙が充満していて、何がどうなっているのかは確認出来ない。
暫くすると煙が晴れて、私が見たのは、ボロボロに倒れるフランとそれを見下すお父様の姿。
「すまないローズ、フラン。こうなったのは私の責任だな」
お父様は悲しそうに言う。
「フラン、本当にすまない」
お父様がフランにとどめを刺そうとする。
このままだとフランが死んでしまう。
それを悟った私の体は、私の意思とは関係無しに動いた。
――温かい液体の感触。
気が付くと私は……、私の腕は、お父様の胴体を貫いていた。
「あれ?……何これ……?」
血。お父様の。何で私の腕はお父様のお腹を貫通してるの?
何で?どうして?
私はお父様から腕を抜いて、ふらふらと後ずさる。
お父様は寂しそうな顔で私の瞳を覗いて、そのまま倒れて行った。
それっきり、お父様は動く事は無かった。
――それから数ヵ月後。
私はフランと相談し、フランを地下へと幽閉した。
フランは反対せずに地下へと行った。
私は誓った、必ず強くなると。
それから私は紅魔館の主として、強く気高い吸血鬼になるために努力を重ねた。
そして数年もすれば、私は
そして、私に挑んできた妖怪を門番にしたり、紅魔館の一部を魔女に提供したりした。
そして月日は流れて行き、現在。
「これが大まかな私達の過去よ」
そう言って私は、紅茶を少しだけ
お疲れ様でした。
最近、1話から頑張って編集中です。疲れました。良かったら見直してみて下さい。
アドバイス、ご意見、ご要望あればおねがいします!
それでは次回も、のんびりしていってね。